
はじめまして。私は某市スポーツ少年団で卓球の指導者を最近請け負ったものです。
息子が入団したいというので付き添ったら、「学生時代に選手だった保護者は指導者になってほしい」との要請があり、運動不足で何かスポーツをしたいと思っていました私は、あっさりOKしてしまいました。
指導者になるからには、結果(大会入賞など)を出せるような指導をしたいと思い、何冊かの卓球の書籍を購入し、DVD付の「卓球パーフェクトマスター」に出会いました。
これからが本題ですが、スポーツ少年団は小学生と中学生がメンバーになっています。基本的な技術を磨きながら、実戦的な技術も教えたいと思っていますが、小学生や中学生はレベルが違いますが、どの程度のレベルまで指導したらよいか迷っています。
本書にあるステップアップチャレンジを試してみようか、DVDの最初から最後までやろうか・・・。何か例がありましたら御教え願います。

小中学生への、ごく基本的な指導法について説明いたします。まず、バックハンドなり、フォアハンドなりの模範のフォームを素振りと実際の打撃スイングで子どもたちに見せます。
次に、多球練習の要領で、1回ずつ球を打ちやすいところに出します。このとき、子どもたちは、ボールを相手コートに入れたいという意識がはたらきますから、ボールは入らなくてもいいから、正しい基本のフォームで打つようにいいます。
そして、正しいフォームだったら、たとえ相手コートに入らなくても、すかさずほめます。「ナイス!」でも「いいぞ!」でもなんでもいいです。正しいフォームで打って、相手コートに入ったときはさらに力強くほめます。
各個人のくせや個性がフォームにかならず出ますが、基本のポイントがOKであれば、細かいフォームのチェックはしないほうがいいと思います。ただし、基本のポイントが違っていれば、気がついたときに即、指摘します。
たとえば、フォアハンドで、ボールを打つのが前すぎるのであれば、もうすこし待って、ボールを引きつけて打つようにとか、またバックハンド(シェークハンド)で、からだから離れた位置からラケットが出ている場合は、お腹の前で打つようにとか……。
そして、その指摘したことがすぐにできて、いいボールが入ったら、「そうだ、すごい!」とほめます。これで、指導者への信頼が増します。
伸びるのが早い子と遅い子がいますが、遅い子でも、あるときから急に伸びだすこともありますので、あせらず、じっくりとやることです。
全部の技術が一応できるまで、技術的なことに関しては、批判や叱ったりしないようにします。ほめることが大切ですが、子どもに媚びると、すぐに見透かされます。ほめる場面で、的確にほめることです。
また、球拾いや台を使って練習をしていないときも、だらっと座り込ませないようにして、練習場の雰囲気は、たとえ小学生といえども、ある程度、緊張感があるようにつとめます。
もちろん、和気あいあいとしたものを否定してはいませんが、気を抜くと、すぐにふざけたり、だらけた雰囲気に流れやすいものです。ただし、こどもたちの「遊びのたのしさ」を奪わないようにします。このへんの配慮は微妙ですが。
このビギナー時の「遊びごころ」が、その子の個性を将来、大きく伸ばします。(卓球にかぎらず、どのスポーツでも、日本の子どもたちが大学以降伸びないのは、ここに問題があると思います)
『卓球パーフェクトマスター』を卓球指導で使う場合は、まずDVDを何回も見せることです。視覚的な情報は、学習することにものすごく大きなはたらきをします。これは、「習うより慣れろ」ということに通じているのかもしれません。
語学学習のように、その言語の国で生活すれば、若い年齢ほど学習というより、しぜんに言葉が話せるようになるのと本質的に同じことだと思います。
そして、前記したように、1球ずつの球だしで打たせますが、このときは、各基本打法の「練習方法」のページがありますから、それを参考にしてください。
「卓球ステップアップチャレンジ」は、ゲーム感覚、遊び感覚で1週間や1か月に1度みんなで競うようにやらせれば、子どもたちは嬉々として参加するでしょう。
指導者として、なにより大切なのは、ボランティアであっても、指導者自身がたのしむことです。子どもたちのために頑張ってます、などと偽善的なことは思わないことです。
指導者がよろこんで指導することで、子どもたちもよろこんで卓球に参加してきます。ぜひ、すてきな子どもたちを育ててください。
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