Q&A
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☆質問のルール☆

この「Q&A」をさらに充実させたいと思います。よりスムーズに、より的確にお答えするために、以下のルールに準じて質問をお寄せください。

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●  質問はできるだけ「具体的」にしてください。

●  できれば、答えを実践した「経緯」を報告してください。

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◎それでは、以下のメールアドレスから、ご質問をどうぞ。

perfect@t3i.jp




ペンドラですが、バックサイドへのナックルサービスに
手こずってます……

Q いつも大変参考になります。ありがとうございます。

私は、左のペンドライブマンなんですが、上のレベルになるとよく相手にナックルサーブを出されます。特にバック側とミドルにです。バック側に出されると、ツッツキのような、ショートのような中途半端な甘いレシーブになってしまい、相手の強打の餌食になります。

また、ミドルへのナックルサーブは回り込んでドライブできるんですが、速いナックルサーブだと中途半端になってしまい、ネットへボトッと落ちるような
打球になります。どうすればいいレシーブが打てるでしょうか?

ナックルサーブに対するレシーブは水平に押すようなスイングが必要かなと自分なりに考えたりしていますが・・・(ハンドルネーム:タマちゃん)


A このナックルサービスというのは、スピード系でしょうね? スピード系のナックルサービスはとっさにラケットをだせばポトッと落ちるし、安全にリターンしようとすれば、あなたのようにツッツキかショートかわからないような中途半端なものになりがちです。とくに、ペンのバックサイドにこのサービスを使われると泣き所といってもいいかもしれません。

このサービスの対処法を考えてみましょう。まず、頂点をプッシュする方法です。この場合は、左利きのあなたならボールの右側面を打球します。ボールの側面を速いスイングで打球するとナックルの影響を受けにくくなります。

そのほかに、ペンのバックハンド系技術でいちばんいいのは、シェークのハーフボレースイングのように、振るスイングを覚えることです。ショートやプッシュのときより、すこし台から離れ、ヒジを軸にしてコンパクトに鋭く振り抜くのです。もちろん、左利きならボールの右側面を水平にスイングしてください。
この技術が、ペンのこれからの生きる道でしょう。もしこれができないなら、裏面打法を覚えるしかありません。




水谷選手のドライブの特徴とは……

Q こんにちは! ハンドルネーム:Aliceと申します。いつもサイトを拝見しております。
さて本題ですが、先のドイツオープンで水谷隼選手が3位入賞しました。その試合の動画を見ていて思ったのですが、水谷選手のドライブは、そこまでスピードがあるわけでもないですし、威力も中国選手に比べると無いと思います。それなのに、ボルなどのトップ選手が抜かれてしまうのはなぜなのでしょうか?

卓技研さんのHPに逆モーションドライブが掲載されていましたが、やはり関係があるのでしょうか? 水谷選手のドライブの特徴なども含めて教えていただければ幸いです。

ノングルー時代になり力だけで勝負することも減ってきました。そこで僕は水谷選手のドライブをお手本にしようとメールを送らせていただきました。お手数をおかけすると思いますが、よろしくお願いします。


A 水谷選手のドライブはご指摘のように、逆モーションが入ります。基本的には水谷のバックサイドからのフォアハンドドライブをクロスに打つ場合はシュートドライブ、フォア側からクロスにはカーブドライブを打ちます。つまり、相手にとって台から離れていくように曲げているわけです。

フォアハンドドライブで逆モーションというか、フェイントを入れる場合、水谷のように左利きの場合なら、右肩をぐっと入れてスイングすると、相手は左右どちらにくるかわかりにくくなります。

また逆に、中国女子の張のように最初からラケットを持つほうの肩を開き気味にしても、フェイントが入って相手はどちらにくるかわかりづらいでしょう。

横浜世界卓球では、トッププレーヤーのスイングが、ドライブにしろ強打にしろバックハンドハーフボレーにしろ、水平スイングになっています。やはりノングルー時代にはよりスピードが出るスイングを求めるのです。ドライブもできるだけ水平ドライブを指向して、スピードが出るようにしてください。




粘着ラバーに換えてネットミスが増えたのですが……


Q 秋場さん、初めまして。TBといいます。シェーク裏裏のドライブ型です。指導者がいないため、技術論・集中論などとても参考になっています。

質問させて頂きたいのは、柔らかいラバーでのバックフリック・バックドライブのやり方についてです。

私は、最近まで硬いラバーを使ってプレーしていましたが、なかなか思い通りのボールを打つことが出来なかったので、柔らかいラバーへ変更してラバーの厚さも特厚にしました。

その結果、ほとんどの技術が今までよりやりやすくなったのですが、バックフリックとバックドライブがネットを越えなくなり、試合で使うことが出来なくなってしまいました。その他のバック系の技術はやりやすく、この2つの技術も硬いラバーの頃よりは威力もあるのですが、ネットを越えずミスする回数が前よりも増えました。

この2つの技術を硬いラバーに比べて柔らかいラバーではどのように打てば良いのか、アドバイスを宜しくお願いします。


A ラバーを柔らかいものにかえてバックフリックやバックドライブが思い通りいかない、またネットミスが増えた、とあります。

この原因はじつに分かりやすいですね。柔らかいラバー、とくに粘着性になればなるほど、ボールの反発力が落ちます。そのかわりにスピンがかかりやすくなり、ボールコントロールもよくなります。

ですから、ボールが前に飛びにくくなって、そのためにネットミスが増えバックフリックやバックドライブが思い通りにいかなくなったのです。バックハンド系のスイングはパワーが出にくいのでどうしても思うようにいかないのです。

柔らかいラバーを使いこなすにはスイングスピードを速くしないといけません。
そのためには、しっかり腰を支点としたフォームを身につける必要があります。

粘着性ラバーは中国で開発されたものですが、中国選手のスイングは腰が入って、しっかりとボールをたたいているのです。フィジカルの強さも要求され、とくに背筋力、腹筋力、下半身力を鍛えることが必要となります。





短いボールにたいする回り込みドライブが苦手です……

Q この前の大会のときに気付いたのですが、僕は相手の少し台からでるストップレシーブ(バック側)に対する回り込みフォアドライブが苦手みたいです。ネットミスやオーバーミスが多く、もし入っても威力がなかったのか簡単にブロックされてしまいました。

そこで、相手の少し台からでるストップレシーブ(バック側にくるボールでナックル系と下回転系)を上手く、できるだけ威力のあるドライブを打つためにはどうしたらいいでしょうか? よろしくお願いします。


A あなたの回り込みドライブでの問題点を簡単に分析してみましょう。

1.まず、回り込むときのフットワークが遅く、そのために十分な体勢でドライブできないこと。

2.次に、短いボールをドライブするとき、そのボールは低いことが多いので十分なフォロースルーがとれないこと。

3.さらにボールが短いので、十分な踏み込みができていないこと。

以上のことが考えられます。

短いボールをドライブするときは、ラケットが台にぶつかる可能性が高いので、ラケット角度を前にかぶせる必要があります。そうすると、必然的にドライブしたボールがネットにかかる危険性が増えます。これを解消するには、ドライブスイングを速くする必要があるのです。

以上を踏まえた上で、
1. 回り込みフットワークの向上
2. ドライブするときのバックスイングを高く引くこと
3. 前に思い切って踏み込むこと

以上を意識してトレーニングしてください。




ロングボールをドライブすると、どうしてもオーバーミスに…


 Q こんにちは、ハンドタオルといいます。卓球歴は6年で、今年の3月に高校を卒業しました。一週間前ぐらい前に卓球技術研究所の存在を知りました。とても勉強になっています。

 4日前に初めてカットマンの方にカット打ちの練習を1時間ぐらいさせもらいました。最初はうまく打てずネットにかかっていたんですが、20分もするとコツがわかり長くラリーが続くようになりました。ボールへうまく、力を加える打ち方(感覚)が分かりいい練習でした。

ですが今日、4日ぶりに練習をしたところ、他の練習法はいつも通りにできたのですが、中陣からのフォアハンドドライブだけ上手く打てませんでした。

 具体的に説明します。私がフォアクロスにドライブを打ち、相手にブロックをしてもらう練習をすると、カット打ちの打ちかたが残っているのかオーバーミスしてしまいます。水平打ちに近い打ちかたをしてみても上手くいきません。

 なぜオーバーミスをしてしまうのか、どうしたらオーバーミスをしなくなるのか教えてください。

 

 

A ロングボールをドライブするとカット打ちのドライブの影響で、オーバーミスになるわけですね。まあ、カットボールとロングボールでは回転がちがって、ドライブスイングもとうぜんそのスイング方向が違ってきますから、回転に応じて変える必要があるわけです。しかし、水平方向に変えてもオーバーミスが出ると……。

 

これは実際にあなたのスイングを見ないとなんともいえませんが、ドライブするとき、バックスイングの引き方を意識してみてください。

 

ロングボールのときは思い切ってバックスイングを高く引いて、できるだけ水平にドライブしてください。ターゲットはネット上部の白いラインです。実際にネットしてもいいですから、

高いトップから水平にスイングするのです。

 

ネットに掛かる場合は、スイングが遅いので、より速くします。それでもネットするときはすこしスイングを上に向けて調整してください。

 

一度この方法を試して、その結果を報告してください。ダメな場合は、あらたな対処法を考えましょう。







テークバックをどうしても斜め上に引いてしまう……


Q 初めまして!TRと申します。中学3年間卓球やって大学で再開しているものです。右裏日ペンのドライブ型です。
今、フォアにおけるクセに本当に苦しんでおります。僕は高校時代ハンドボールをやっていたのですが、そのせいかテークバックを引くときに真横・斜め下でなく斜め上にひいてしまいます。自分は中学時代からドライブ型で今後も続けたいのですが…斜め上にテークバックが行くと全然スムーズに振れません。
ロング打ちから直したいのですが、どうすればクセが直るのでしょうか? 素振りではできるけども、どうしてもいざ打球する際にクセが出てしまいます。素振りは頻繁にやっているのですが…どうかアドバイスお願いします。(自分はクラブ等に入っていないので一人でできる方法であると幸いです)


A テークバックですが、卓技研の技術論の1と2でこのテーマについて展開していますのでお読みください。

あなたは斜め上に引くとありますが、飛んできたボールの高さや台との距離や打球時間などケースバイケースですが、テークバックは高いほど強打や強ドライブが打ちやすく斜め下に引くクセがあるよりもむしろいいのではないでしょうか。

卓技研ではフォアハンドのテークバックの引き方の基本的な考えは、飛んできたボールの高さに応じて引くというものです。高いボールなら高いトップ、低いボールなら低いトップです。あえてバックスイング(テークバック)のニュートラルの高さといえば、90度から95度程度で、ほぼ真横の位置です。

フォアハンド系技術のラリー練習では、飛んできたボールの高さに応じた高さにラケットを引くようにします。これを確実にやると、水平打法が使える場合、ほぼすべてのロングボールは強打することができるようになります。

もちろん実戦では、時間的に間に合わず頂点を逃してしまう場合がありますので、そのときはバックスイングを下に引くことで時間を稼ぎ、ドライブすればいいのです。





「ペンドラ」の生きる道とは……


Q いつもアドバイスありがとうございます。よく質問させて頂くペンおじさんです。
現在は以前アドバイスしていただいたのを参考にひざのリハビリを行っています。徐々に良くなって入るのですがまだフットワークをするのは怖いのでフォア、バックの基本を中心に練習しております。
前置きが長くなってしまいましたが、質問させていただきたいのは今後の日本式ペンの戦い方についてです。世界選手権の総括でサービスを強化して前陣で戦うこと、そしてバックハンドの強化と述べられておりました。
ペンの私にとってはサービスの強化、前陣で戦うことは分かりますが、バックバンドとなるとシェークのように振ることはかなり難しいのが現実です。でもその重要性は分かります。吉田選手もバックを責められると防戦一方になっていました。準々決勝でもフォアが振れていれば勝負になっていましたが、バックに強いボールを送られるとどうにもならない感じがしました。今回柳承敏選手も調子が悪かったのか2回戦で負けていましたし今後ペンの選手はどのように戦っていくべきとお考えでしょうか。ご教授頂ければ幸いです。


 「今後の日本式ペンの戦い方について」のご質問ですが、いわゆるペンドラのフォアハンド主体で、フットワークを駆使して動きまわるというタイプは絶対無理とはいえないものの、かなり俊敏なフットワークとそれを保障するフィジカルの強さがないと無理でしょう。吉田も柳もかなりすごいフットワークの持ち主です。

それに、裏面を使わない日ペンは、やはり前陣でバックにきたサービスやツッツキ系のボールを処理する場合の攻め手が弱すぎますね。端的に言えば、シェークのバックハンドドライブに匹敵するものが日ペンにはないわけです。

また、同じくバックハンド系の武器も日ペンはショートかプッシュで、これもシェークのハーフボレーには見劣りします。中国のペンの選手は、この課題にたいして、裏面技術を向上させることで見事に克服して、北京五輪と横浜世界卓球でペンの男子チャンピオンを誕生させました。

もし、日ペンで裏面を使わないとしたら、バックハンド系技術として、ツッツキ系のボールにたいしては表面でのバックハンドドライブの開発(まだ誰も試みていませんが)、ロングボールにたいしてはシェークのハーフボレー強打のように、ライジングをヒジを軸にして、前腕で鋭く振り抜く技術を身に付ける必要があると考えます。

やはり、プッシュの「押す打法」は威力不足ですから。このどちらの技術もほとんど未開発ですが、裏面を使わないのであれば、どうしても開発しなければならないでしょう。

もし、この二つの技術が使えないのなら、日ペンでも裏面打法をやるしかいないのでしょう。




頂点より低いボールのフリックはどうすれば……

Q フォア前のショートサービスのレシーブが弱くて相手にチャンスを与えてしまうシェークハンド4年生の『まっちゃん』です。いつもためになる情報満載なHPを楽しみにしています。
 フォアハンドに表ソフトラバーを使用している場合に、下切れのフォア前のショートサービスに対してネットの高さを越えれば水平打法を使う事によってレシーブで先手が取れると感じました。また、実際練習でやってみると段々感触が分かってきました。相手のサービスが切れれば切れるほどホールの内側を弾くように叩けば入る感触を覚え始めています。
 ここで質問です。実践でいつもいつもサービスの頂点を狙えません。頂点を見過ごして、遅れた時の打法はどうすれば良いか教えて下さい。条件としてバックスイングがすでに水平打法に入っている場合です。よろしくご指導下さい。


A 頂点を打てない場合のフリックの打ち方についてお答えします。

頂点を過ぎて、ボールのバウンドがネットより低い打球点であれば、なかなかフリック強打はやりにくいものです。

バックハンドであれば、チキータで横回転を入れてドライブ気味に返すことができます。同じように、フォアハンドでもチキータのようにボールの側面をドライブ気味に打つ方法があります。

右利きなら、ボールの右側面を手首とヒジを支点にして、
ドライブ気味に内側へ、時計まわりと反対方向に円を描くようにスイングするのです。名づけて「フォアハンド・チキータ」といったところです。

あるいは右利きのフォアハンドの場合、逆にボールの左側面を打球して、流すようにナックル気味に打つのもいいでしょう。






横回転サービスを強く打ち抜くには……

Q いつも本で勉強させてもらっています。ありがとうございます。今回は横回転サービスのレシーブの事なんですが、チームに横回転サービスばっかりする人がいてそれがあまり返せません。

本では、順リターンと、逆リターンが紹介されていますが、強く打ち抜きたいと思っています。 が、いつもオーバーしてしまいます。やはり、ラケット角度、スイング方向が悪いのでしょうか・ いったいどうすれば正確に強く打ち返せますか?

アイツには絶対、絶対勝ちたいのでよろしくお願いします。 サービスは右ききの人の時計回りの回転でレシーバーも右ききで、バックにきたサービスです。 本当に勝ちたいです! お願いします。 ハンドルネーム 卓球少年


A 横回転のサービスを強く打ち抜きたいのですね。ところが、いつもオーバーミスをする。これはとっておきの打ち方があります。それは……

バックスイングをとらないで打ち抜くのです。

これだけです。バックスイングをとらないで横回転サービスを打つと。その回転の影響をほとんど受けずにリターンすることができるのです。

バックハンドでもフォアハンドでも、横回転サービスがきたら、そのボールのバウンドポイントにラケットをもっていき、ボールを包み込むように素早く振り抜くのです。

このとき絶対にバックスイングをとってはいけません。バックスイングでラケットを後ろに引いた分だけボール回転の影響を受けます。また、スイングはコンパクトに、できるだけシャープに振り抜きます。









ペン裏面ツブ高の使用法を……


Q はじめまして、40代の主婦で卓美と申します。中学・高校時代に卓球をやっていて、20年程のブランクの後、子育てが一段落した5年前からまた卓球を始めました。

ラケットは昔と同じようにペンの単板(反転式でない)を使っていますが、バックの攻撃力の無さが悲しくなり、2年前に裏面に極薄のツブ高ラバーを貼りました。バックにきた下回転の球を、裏面のツブ高でツッツキやプッシュし、浮いて返ってきた球を表面の裏ソフトで強打またはプッシュのパターンがやっと形になってきました。ブロックは難しいので、今は表面で処理しています。

お聞きしたいのは、裏面のツブ高での打ち方、使い方です。コントロールが難しく、ミスも多くなってしまいます。少しでも浮いてしまうと逆に相手にパチンと打たれてしまいます。

パーフェクトマスターの渋谷氏のプッシュ性ツッツキは参考にしましたが、ツブ高での打ち方はなかなか本にも載っていません。せっかくのツブ高ラバー、もっと使いこなして強くなりたいです。

あと、レディースの試合はダブルスが多いので、ダブルスでの有効な使い方はありますか?お答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。


A ツブ高の使いかたですが、このラバーは相手もやりにくいですが、それを使いこなすほうも、なかなか扱いにくいものです。

まず、ツブ高はナックルボールになります。このナックルには、ふわっとした微妙な前進回転と後進回転のナックルがあります。できれば、この二つのタイプのナックルを打てるようになりたいものです。

これはそのボールを打球するほうは、かなりやっかいで、強力な武器になります。たとえば、強打するとき、このナックルの種類で、スイングの角度がかなり異なってきます。

そのナックルの出し方ですが、ツッツキで、押し出すようにすれば前進性、カットするようにすれば後進性になります。

また、高い打球点で、相手コートに深く入れれば、攻撃性のあるツッツキになります。そのとき、裏面のラケット角度は台にたいして垂直に立てて押し出すようにします。このとき飛んできたボールの真後ろを打つようにします。

さらに、変化をつけようとするならば、飛んできたボールの打つ場所を工夫してみることです。ボールの底や左右の側面などを使うのです。たとえば、右対右の対戦では、バックサイドに来たボールにたいして、そのボールの左側面を押し出すように打って、相手のバックサイドを切ったり、反対に、ボールの右側面を打って、フォアサイドを切るようにするとか。

ツブ高は相手ボールの回転にたいして影響を受けにくいラバーなので、こういう打ち方は裏ラバーよりはるかにやりやすいですから、どんどん使ったほうがいいでしょう。

ダブルスでの裏面ツブ高の有効的な使い方ですが、基本的にはシングルスと同じでしょう。ひとつ考えられるのは、ダブルスは片面にしかサービスがこないので、それを利用してバックハンドでレシーブするようにして、表面と裏面を使って相手を翻弄する手があります。

このとき、裏面でする場合、レシーブをクロスに流す(できればサイドを切る)ようにプッシュするとおもしろいですね。ツブ高なら、ラケット面を立てて、押し出すようにすれば、少々のした回転サービスでも回転の影響をほとんど受けずに攻撃的にリターンすることができます。


ラケットで重量の軽いものを選ぶことの良し悪しについて……


Q xelvisと申します。現在31歳、10数年ぶりに卓球を再開、現役時代はかなりのパワーヒッターでしたが、現在は一般的?肉体です。

上記表題について、少し悩んでいます。現在私は中国式ラケット(ニッタクKCK)を使っていて、両面に特厚裏ラバー(主にテナジーなどハイテンション系)を張っています。ラバーは下の方は張らないので、シェークほどは重くなく、トータル重量160〜170gくらい(ラケット85g、ラバー40gずつくら
い)になっています。

このたびラケットを新調しようと思い(TSPのヒノカーボンパワー)、やはり振りやすさを考えるとトータル重量で軽いほうがいいと考え、メーカー記載の平均85gを、80g以下でお願いしようと思っています。

しかしここで考えるのが、わざわざメーカーが平均85gと出しているのには
やはり品質含めなんらかの意味があるのではないかと思ったりで、下手に軽いもの=品質の悪いものになってしまわないかということが心配になってきました。また同時に、軽さを追う方向で本当にいいのかも迷っています。

プロと一般的プレーヤーと、また筋力によっても変わってくるとは思いますが、上記含め、一般的な話でどれくらいの重さが妥当、など、お教えいただければ幸いです。昔はペンならラバー片面で、全然軽かったわけで、別に軽くても問題ないんだとは思いますが(でも38ミリだったし?)


A ラケットの重量の問題ですが、当方の基本的な考えは、重いものをこなせるなら、できるだけ重いほうがよい、としています。

なぜなら、重いラケットのボールはそれだけ「重くて伸びる球質」になるからです。重い球質なんて抽象的ですが、10グラム単位でかなりはっきりと、球質のちがいが出てきます。

ですから、もし重いラケットを扱えるのなら、重いラケットを選択したほうがいいと重います。もちろん、軽いラケットを使って、その軽くなった分、速いスイングでカバーしたほうがいいという考え方もあります。これは相対的な比較になりますが、当方では重いラケットを選択したほうが優位だと考えています。

宮本武蔵と佐々木小次郎ではありませんが、巌流島の決闘では、武蔵は船の櫂、小次郎は物干し竿と呼ばれた長い刀を使いました。短い刀を使うタイプと長い刀を使うタイプとでは長い刀を素早く扱うほうが有利です。ちなみに、世界のトッププレーヤーはほとんどが重いラケットを使っています。

このラケットの重量の選択は、最終的にはそのプレースタイルや「好み」ということになるでしょう。やはりブロック主体のタイプでは重いのは向かないし、
前陣でハーフボレーの打球ポイントで、速いピッチでプレーをするなら軽いラケットがいいでしょう。

とはいっても、ラケットの重さは、それを使っているうちにその重さに慣れてくるもので、ラケットの重さに見合った筋肉がついてきます。

「重さ」といっても、それは個人によってその感覚は異なりますから、ご自分の感覚で、「すこし重め」を選択されるのがいいのではないでしょうか。まあ、これがラケット重量の結論といったところでしょうか。








台上ドライブは粘着ラバーが適しているのでしょうか……


Q こんにちは、私坂田と申します。毎回、卓球技術研究所様のホームページを楽しく拝見させています。
ここで非常に気になっている事がありまして技術的な質問です。台上ドライブというのは粘着ラバーなどが一番適した用具なのでしょうか? 以前宮崎義仁監督がコメンテーターでテレビにご出演なさっていた時そうおっしゃっていたもので。それをお聞きしたいのです。


A 台上ドライブはもちろん粘着性ラバーが適しています。

なぜなら、台上のボールをドライブするとき、ラケット角度は前に被せたとき、そんな角度では、とうぜんボールが落っこちやすくなります。その点、粘着ラバーだと、ボールを「持てる時間」、つまりボールとラバーの接触時間が長くなるので、それだけ落ちなくなるのです。

ただし、ドライブスイングが速くないと、いくら粘着性ラバーでもネットを越えるのは難しいでしょう。また、スイングスピードが速くないと、ボールを前に飛ばすことができないので威力あるボールが出ません。

ですから、粘着性ラバーの使用やラケットを前に被せてドライブするプレーヤーはスイングスピードが速くする必要があります。






上手な選手のサービスやツッツキのボールが「重い」のはなぜ……


Q いつも参考にさせていただいています。
さて、今回お訊きしたいのは、一言で言えばボールの重さのことです。この前チームメイトが教えてくれたのですが、上手な選手はサービスやツッツキにも重さがあるそうです。
ドライブボールなどの上回転ボールが重いのは、なんとなくわかるのですが、サービスやツッツキなどの下回転ボールにも重さがあるとはかなりびっくりしました。
僕も重いサービスやツッツキなどを打つ技術を身に付けたいので、そのような技術のポイントを教えて下さい。お願いします。


A ツッツキやサービスのボールが重いということですが、ごくふつうに考えれば、上手であろうと下手なプレーヤーであろうと、それが打つボールの「重さ」などがちがうわけはありません。

それを前提として、もし「重さ」を上手な選手から感じるのであれば、次のことが考えられます。

サービスやツッツキは、トップスピン以外のナックル、バックスピン、サイドスピンについてのことでしょう。

このなかで、バックスピン系のボールに重さを感じるのではないでしょうか。
もしそうであれば、それは「純バックスピン」に近い回転のボールだと考えられます。

サービスであれツッツキであれ、バックスピンといっても、多少はサイドスピンが入っているものです。サイドスピンが入るだけ、バックスピンの回転効果は減少します。

つまり、横回転の分だけ、下回転が減るというように考えてください。サイドスピンのない、きれいな純バックスピン性のボールは、かなり切れ味があります。

そして、そういうボールをリターンしたとき「重い」と感じるものです。たとえばバックハンドツッツキでは、通常下手な人ほど、ラケットヘッドが下がって、右利きの場合なら反時計周りのボールを送るものです。

ところが、上手な人はヘッドがリターンする方向の角度に向いて、横回転が入らないものです。ですから、バックスピンはできるだけ横回転が入らないようにラケット角度を調整すべきなのです。

以上のほか、もちろん回転量が多いと「重さ」を感じることはいうまでもありません。









表ソフトでフォアサイドにネットより低いボールがきたら
ドライブか角度打ちかで悩んでいます……


Q ネットでいろいろと卓球のことを調べていたらこのサイトを見つけました。ハンドルネームはabcといいます。シェークでフォアが表ソフト、バックが裏ソフトでやっています。

質問なんですが、フォアにネットよりも低い玉(上回転もしくは下回転)が来たとき、ドライブにすべきか、角度打ちにしようか悩んでいます。ドライブだと入るんですが、威力がなくカウンターされます。また角度打ちだと安定感がありません。後、角度打ちをするならばラケット面を上に向けなければならないので、肩甲骨打法は使えるのですか?                                                                                                        


A フォア面に表ソフトですか。じつはこのあなたの質問のテーマが表の最大の悩みなんです。ドライブすれば表なので回転が掛かりにくく、角度打ちは威力がでない……。トップクラスにフォア面の表が少ないのは、ここが最大のネックになっているからでしょう。

いま中国の男子監督の劉国梁は元世界チャンピオンですが、彼は中ペンの表でした。彼の場合、ネットより低いボールはドライブを使っていました。使用ラバーはたぶん中国製の表でかなりスピンのかかるものです。また、日本の表の第一人者だった田崎俊雄(引退)もドライブが多かったですね。

ドライブの場合、いくら回転のかかる表でも、裏のようには掛からないので、スピンよりもスピードのあるドライブのほうがいいでしょう。そのドライブで決めるというより、コースをついてラリーを有利に持ち込むという感じです。

また、こういうことも考えられます。あなたはシェークなので、バックハンド系の技術を磨いて、台のセンターでプレーするようにして、通常はフォアハンドで回り込むのを少なくします。そうすれば、フォアへのボールは打球点を落とさなくてもリターンすることができます。できるだけ前陣について、フォアにきたボールは速いピッチで打つようにすれば、表の特徴が生かせます。

そうなると、必然的に相手はあなたのバックを突いてくることが多くなるので、バックハンド系の技術を磨く必要が出てくるのです。もし、これができれば、フォア面の表のプレーヤーは少ないので、相手は慣れていなくて、やりにくいでしょう。

もうひとつ方法があります。せっかく、異質ラバーを使っているのですから、ローターのように、ラリー中にラケットのフォア面とバック面をくるくると回転させて使ってみてもいいでしょう。異質のカットマンは常識的にこれをやっていますから、攻撃型もできないことはないでしょう。ネットより低いボールがきたら、ぱっと裏にかえてドライブをするのです。練習すればきっと使えるようになります。

肩甲骨打法ですが、試してはいませんが、問題なく使えると思います。





シェーク表ソフトのバックハンド・スマッシュの打ち方と練習方法を……


Q シェークに止むを得ずなった『まっちゃん』です。先回の質問でご指導を受けてさらにバック側の表ソフトが面白くなってきました。ちなみにそのラバーは、特殊粘着性ソフトラバーの表ソフト(ハイソフトバージョン)で特厚 ツブの高さ1.0mmです。
 さて、今回は、いよいよ表ソフトの攻撃にチャレンジです。ネットより少し高く返球されてきたボールに対してスマッシュを打ちたいのですが、表ソフト特有の強烈なスピードが出ません。また、肩より高く上がってきたボールに対してはどうスマッシュするか? 表ソフトのバックハンドスマッシュの方法と練習方法をご指導下さい!・・・よろしくお願い致します。


A 「ネットより少し高く返球されてきたボールに対してスマッシュを打ちたいのですが、表ソフト特有の強烈なスピードが出ません」
とありますが、これはシェークのバックハンドハーフボレーのテクニックに問題があるのではないでしょうか。

なぜなら、卓技研ではスマッシュというか強打は、フォアハンドロングにしろ、バックハンドロングにしろ、その打法の延長したものが強打になると考えているからです。ふつうにつなぐ打法も、強打する打法も同じだというのが、原則的な考えなのです。

バックハンドもフォアハンドと同じように水平打法ができます。ラケットの角度は垂直、打球スイングは水平です。この角度と方向で打球すると、ふつうに打っても速い打球になります。そして、より決定打にしようと思えば、同じ打ち方ですこし鋭く打てばいいのです。

「肩より高く上がってきたボールに対してはどうスマッシュするか? 表ソフトのバックハンドスマッシュの方法と練習方法をご指導下さい」
とありますが、まあ原則的には時間的に回り込む時間があるときは、フォアハンドでスマッシュしたほうがいいと思います。

肩より高いボールをバックハンドでスマッシュするには、フリーハンドを高くあげて、脇のしたあたりにバックスイングのラケットをもってきます。このとき、ラケットヘッドは上に向かせます。それよりボールが高ければ、その高さまで落としてから打つようにします。

そして、腰の回転、肩甲骨とヒジと手首の順でスイングの軸として振りぬきます。

練習方法は多球練習でバックサイドに高いボールをあげてもらいます。はじめは浅く、慣れてくると深いボールを送ってもらうといいでしょう。






ぼくのループドライブは、上がったきりで落ちてきません……

Q いつも本(卓球パーフェクトマスター)で勉強させてもらっています。
今回はループドライブの事で困っています。ループドライブを打つと、上がったきりで、台に落ちてきません。どうすればいいですか?
それと、ループドライブを打つときのイメージや、心得などがあれば教えて下さい! お願いします。            ハンドルネーム 卓球少年


A 「上がったきりで、台に落ちてきません」
あなたが打ったループドライブは宇宙の彼方に飛んでいったのでしょう。困りましたね。では、ボールが落ちてくるように考えてみましょう。

まず、ループドライブを定義すると、「回転量が多くて、スピードがないドライブ」ということになるでしょうか。また、「山なりのドライブ」ということも付け加わるかもしれません。

実は、この定義を後ろから読んでいくと、回転量が多くなるドライブになるのです。つまり「山なりで、スピードがない」ことは、回転量が多くなる原因なのです。

ボールにより多くの回転を与えるには、できるだけボールがラバーと長い時間接触させればいいわけです。そこで誕生したのが「ループドライブ」となるわけです。

このループは非常に入る確率の高い「安全確実な攻撃打法」です。長い時間ボールを持ち、しかもネットを高く山なりに越えるのですから。

しかし、逆に言うと、ループはボールがゆっくりと高く飛んでくるのですから相手はリターンしやすいものです。ですから、ループで攻撃しているつもりが、逆に相手に絶好球を配球してしまうことにもなりかねません。

ループドライブではなく、ループロビングになっているのです。

おそらく今後、あと3年もすれば、ループドライブという技術用語は卓球現場で使われなくなるでしょう。なぜなら、前述したように、攻撃球ではなく、ピンチをまねくアンチ攻撃球になるからです。

もう、その傾向は「世界卓球・横浜」でも見られ、福原や平野のドライブは中国どころかヨーロッパの選手にも通用しなくなっています。

ループのラケット角度は垂直で、打球スイングは真上方向に近いものです。もちろん、こうすることが、いちばん回転をかけやすいからです。では、低くて、スピードがあるドライブを打つのはどうすればいいのか?

この逆をやればいいのです。つまり、ラケット角度は前にかぶせで、打球スイングは水平方向です。もちろん体重移動も下から上にではなく、水平移動です。

これは難易度の高いドライブ打法ですが、それを克服するコツは、スイングスピードを速くすることです。それはどうすればいいのか、このサイトでも書いていますし、ご自分でも工夫してみてください。






水谷選手のドライブがよく決まるのは逆モーションだから……


Q こんにちは!ハンドルネーム:Aliceと申します。いつもサイトを拝見しております。

さて本題ですが、先のドイツオープンで水谷隼選手が3位入賞しました。その試合の動画を見ていて思ったのですが、水谷選手のドライブは、そこまでスピードがあるわけでもないですし、威力も中国選手に比べると無いと思います。それなのに、ボルなどのトップ選手が抜かれてしまうのはなぜなのでしょうか?

卓技研さんのHPに逆モーションドライブが掲載されていましたが、やはり関係があるのでしょうか? 水谷選手のドライブの特徴なども含めて教えていただければ幸いです。

ノングルー時代になり力だけで勝負することも減ってきました。そこで僕は水谷選手のドライブをお手本にしようとメールを送らせていただきました。お手数をおかけすると思いますが、よろしくお願いします。


A 水谷選手のドライブはご指摘のように、逆モーションが入ります。基本的に左利きの水谷は、バックサイドからのフォアハンドドライブをクロスに打つ場合はシュートドライブ、フォアサイドからクロスにはカーブドライブを打ちます。つまり、相手にとって台から離れていくように曲げているわけです。

フォアハンドドライブで逆モーションというか、フェイントを入れる場合、水谷のように左利きの場合なら、右肩をぐっと入れてスイングすると、相手は左右どちらにくるかわかりにくくなります。また、逆に、中国女子の張のように最初からラケットを持つほうの肩を開き気味にしてもフェイントが入って、相手はどちらにくるかわかりづらいでしょう。

世界卓球横浜では、トッププレーヤーのスイングが、ドライブにしろ、強打にしろ、バックハンドハーフボレーにしろ、水平スイングになっています。やはりノングルー時代にはよりスピードが出るスイングを求めるのです。ライブもできるだけ水平ドライブを指向して、スピードが出るようにしてください。






ゲーム後半、ドライブのオーバーミスが頻発します……


Q 初めまして。ポチと申します。シェーク裏・裏 前中陣ドライブです。
いつも目からウロコを落としながら拝見しています。
卓球は子供の学校のPTAクラブに入って始めました。四十の手習いで6年ほど、練習量も少なく、レベルは低いのですが、すっかりハマッテいます。では質問です。

1.少しだけ切れた下回転の、ワンバウンドで台から出るチャンスボールをスピードドライブで決めに行った時に、オーバーミスが多く悩んでいます。この場合、もっとスイング角度を水平に、ラケット角度を立て気味にすべきでしょうか?
 もしくは逆に、スイング角度を少し上方向に薄くインパクトして、より回転をかける打ち方のほうが安定するのでしょうか? ちなみに、強い下回転のボールに対してはループドライブがせいぜいで、パワードライブで返す技術はまだありません。

2.上記のようなオーバーミスは、ゲーム序盤ではあまり出ません。1ゲーム目は面白いように決まっていたのに、2ゲーム目以降に頻発する傾向があり、逆転負けのパターンが非常に多いです。同じ打ち方をしているつもりですが、原因として何が考えられるでしょうか?
以上、ご指導の程お願い致します。


A まず1ですが、ラケット角度は水平(前に被せる)気味に調整して、スイングの方向はできるだけ水平がいいでしょう。この角度と方向が、よりスピードが出るからです。

もし、ネットにかかるのなら、それはスイングスピードが遅いからで、スイングを速くすればネットを越えるようになります。もし、どうしてもダメなら、スイングの方向をすこし上気味に調整してください。

2ですが、この原因はもう実にはっきりしています。端的にいえば「自我」の仕業です。

ゲームの前半はバンバン入るのに、後半になるとオーバーミスをする。やはり後半になると、勝ちを意識するのでしょうね。どうしてもボールを相手コートに入れたいという気持ちが強くなります。

そうすると、無意識に打球するときボールを下から持ち上げるようになります。必然的にラケットは下から出るようになり、オーバーミスにつながるのです。あるいはミスをしてはいけないと思うあまり、ボールを引き付けすぎてしまうのです。これもオーバーミスになります。

逆に、打ち気にはやりすぎると打球ポイントが前になってネットミスが多くなります。ゲーム中にオーバーミスが出だしたら、スイングの方向を水平気味に調整するといいでしょう。

それと同時に、スイングは手でラケット操作するのではなく、腰から始動することを意識するといいでしょう。どうしても緊張する場面になると、大事に入れようとして、手や腕で操作して、小手先で主導しがちになります。そうなると凡ミス、とくにオーバーミスが出やすくなるのです。

普段の練習から、腰を意識してスイングするように心がけてください。







「パワードライブ」はもっとむかしから使われていたのでは……


【メッセージ】卓球技術研究所をいつも拝見させていただいて参考にさせてもらっています。
さて、パワードライブという言葉ですが、32〜33年ほど前の「卓球レポート」で見たような気がします。「ヨニエルのパワードライブ」という記事だったと記憶しています。記事の内容までは覚えてませんので、現在のパワードライブの概念と違うかもしれません。
私の記憶違いかもしれませんが、ご参考までに。


【返信】ご指摘いただきありがとうございます。
概念というか、そのまさにパワーそのものはむかしと現在では
かなり違うことでしょうね。
そういえば、長谷川信彦さんが現役のころ、その威力あるドライブを「ジェットドライブ」と卓球レポートが称していたことを思い出しました。また、ご感想なりご質問なり、ございましたらお気軽にお寄せください。


左利きですが、フォアへの飛びつきがよくなる練習法は……
また、フォア前サービスの処理がうまくできなくて……

Q 私は左利き裏裏のドライブマンです。私は多球でフットワークをメインに練習しているのですが未だに振り遅れなのかフォア側の球に反応できません。
通常練習しているのは左右の切り返し(フォア→バックの交互)、バックの半面で切り返し(バック→フォア)フォア側で飛びつきです。他に何かいい練習方法はないでしょうか?
またフォア前の短いサービスの処理がうまくできません。下回転で短く返球すると、相手にフォアで、バックサイドに強打されてしまいます。どうすればいいでしょうか?


A さてフォアへの対応ですが、いまの練習にプラス、つぎの練習を加えてください。

1.相手右利き選手とバック対バックのラリーから、アトランダムにフォアにボールをまわしてもらいます。あなたは、常に相手のバックに返球して、フォアにきたときはもちろんフォアで打って、そのボールを相手はあなたのバックへ打ち、同じことを繰り返すのです。
この練習のポイントは、いつフォアにボールがくるかわからないことです。これを繰り返すことで、しだいにフォアへの対応がスムーズになります。また、ロング球だけではなく、ツッツキからフォアにまわしてもらい、それをドライブや強打するというのも入れてください。この練習は多球練習でやってもいいでしょう。

2.フォアとバックの切り替え練習ですが、これは相手も同時に切り替え練習するものです。二つのパターンがあり、一人はストレートにリターン、もう一人はクロスにリターンします。時間がくれば、ストレートとクロスを換えます。
このとき、切り替えをスムーズにするには、バックスイングを下げすぎないことです。できるだけバックスイングというか、スイングの始動する位置が高いと、切り替えが早くなります。これを意識して、この2の練習を行ってください。

右利きの選手は左利きの選手と対戦するとき、フォアにストレートに抜かれることを警戒します。ですから、多くの右利きは左利きと対戦するときは、通常よりもセンターに構えます。このことを左利きの選手は考慮して、フォア前の処理について考えてみましょう。

フォア前に出された球を、相手のフォア側に流すようにフリックができるように練習します。最初は緩いボールでもいいですから、できるだけ相手コートに深く入れます。このフォアへのフリックができると、右の相手はフォアに抜かれることを意識しますから、一段とセンター寄りに構えることなり、相手のバック側にアナができます。
そうすると、今度は相手バック側に深くツッツキをいれるだけで、相手をゆさぶることができるようになるのです。ぜひ、この流すフリックをマスターしてください。






スイングスピードを増すための筋力トレーニングについて……

Q 今はラケットとラバーを変えてSK7にテナジー05の厚を両面に貼っています。用具を変えた感想は前にはよりも威力のある攻撃が出来るようになりましたが、ラケットがめちゃくちゃ重く感じました。でも、使っているうちに慣れていきました。
しかし当然と言えば当然なのですが、友達に前よりスイングスピードが遅くなったと言われました。そこでラバーの寿命がきたときに今度は特厚にするために筋力トレーニングをしたいのですが、どのような筋力トレーニングをするのがスイングスピードを速くするのに効果的でしょうか?


A スイングスピードを速くするフィジカルトレーニングですが、その前に、まずテクニカルな面からスイングスピードを速くするようにしたほうがいいでしょう。

強打とスピードドライブの素振りをできるだけ速くやってください。そのとき、腰から始動させてスイングするようにすれば速くなります。できるだけコンパクトにスイングします。脇を大きく開けず、バックスイングは大きくとらないで、身体の横くらいで止めるようにします。

そして、強打でもドライブでも、水平にスイングすれば打球は速くなります。そのときのラケット面は、強打は立てる、ドライブはできるだけかぶせるようにします。

以上のことを行ったうえでフィジカルトレーニングをしましょう。鍛えるポイントは太腿、腹筋、背筋です。

500〜1000グラムの鉄アレイかラケットを二枚重ねて握ってもいいですから、それで強打やドライブを各フォアとバック両ハンドの速い素振りをします。それを10回1セット×3セット程度からはじめるといいでしょう。毎回、タイムを計って記録しておけば、成長がわかりモチベーションが上がります。慣れてくれば、回数とセット数を増やします。

そのほかには、スクワット、腹筋、背筋の筋トレをおすすめします。






フォア前の小さなサービスの足の動きについて……


Q 「表ソフトのブロック打法」でご指導を受けた『まっちゃん』です。その節は、大変ありがとうございました。実践させていただいています。
さて、フォア前の小さなサービスの対応が出来ません。特に足の運びが分からないのです。
現状は、右足を打球地点まで飛びついているだけで、練習仲間からは、「左肩が開いているよ」とか「ためが出来てないよ」とよく言われます。フォア前の打球地点まで身体を運ぶ、足捌きが分かりません。
相手が小さくフォア前にサービスを出すなと感じてからの足の動きや腕、腰、肩等の細かな動きを修正したいのですがご指導下さい。ちなみにわたしのタイプはフォアは裏ソフトラバーで、バック側は表ソフトラバーのシェークハンドの前陣速攻タイプです。


A フォア前の対応ですが、前陣速攻でフォアとバックの両ハンドを使われると思いますので、レシーブや構える位置はセンター寄りでしょうか。そうであれば、フォア前に近いほうの足を出して処理するのが最近では一般的な方法です。つまり、通常のフォアハンド(右利きなら右足後ろ)とは逆足になり、右利きなら右足が前にきます。まあ、このスタンスでの処理がいちばん早いでしょう。

ただし、バックサイドに寄って構えていると、右足前では届かないので、右足をすこし前に出して、それを軸に左足を前に出す二歩動のフットワークで処理する必要があります。むかしは日本ではみんなこの方法でした。

フォアに動くときは、手を伸ばしてボールを処理しようとしないで、できるだけ先に足を動かしてからするようにしましょう。絶対に手が遅れることはありませんので、足から始動させるようにすれば、安定し凡ミスは減少します。

そしてインパクトの際は、腰でボールを拾うという気持ちで処理するといいでしょう。





裏面ツブ高の打ち方で良い方法がありましたら教えてください……


Q 今回がはじめての質問になります。どうぞよろしくお願いします。
本題に入りますが、今私は中学一年の反転ペン、ドライブ速攻型?で、フォアに裏、バックにツブ高(カー●P3Rα特薄)を貼っています。
フォアの技術はそこそこあるのですが、バックが苦手でバックに打たれるとどうにもなりません。どうにか裏面でがんばろうとしているのですが、どうにもうまくキマってくれません。ボールの横側を擦るとネットになってしまい、逆に上に擦るとオーバーしてしまいます。
裏面ツブ高の打ち方で良い方法がありましたら教えていただけるとうれしいです。


A 裏面ツブ高の打ち方ですが、裏ラバーや表ソフトラバーのようにはなかなかいかないでしょう。フォア面でも、ツブ高で打つのは難しいのに、裏面だとそれ以上に難しいはずです。

一度、次のようなやり方を試してはいかがでしょうか。裏面ツブ高で打つときは、カット気味に入れるのです。相手のボールがバウンドした直後をねらって、
ハーフボレーで打球します。

シェークですが、ツブ高の福岡春菜選手がよくやっていますので、参考にされたらいいと思います。これで相手を前に寄せて、つぎの打球を深く返して、相手を揺さぶるのです。

この打法に慣れてくれば、次にプッシュをマスターするといいでしょう。回転が上回転気味のナックルが出やすくなって、相手を回転で翻弄することができます。





イップス克服法を教えてください……


Q こんにちは。再卓と申します。はじめてメールします。いつも、記事を読ませていただいています。色々な攻撃スタイルやラバーの特性のことなど、とても勉強になっています。ありがとうございます。
今日は、表表男さんの、フォアロング練習の第1球目が、体が固まって…の記事の感想と質問を書かせてもらいます。よろしくお願いします。

実は私も全く同じ症状だったのでメールしました。私は、習っている人に、それはイップスかもしれないよと言われたのでそれに関する記事や本など読んだのですが、なかなか治りませんでした。試行錯誤で自分なりに(なんとか?むりやり?)リラックスできる方法を見つけ実践しています。

※症状 ・右腕、特に手首が固まって、
     ・一球目の返球時、ネットにひっかったり、ホームラン。
     ・フォアハンドのみ固まる
     ・ひどい時はサーブも出せなくなる
      (リラックスしようと意識すればするほど固まる)
※自分なりの克服
     ・ 家を出る直前に(できる時は練習直前も)1、2分壁打ちする(これで随分安心できました)
     ・壁打ちの一球目のサーブも固まることがあったので、左手でボールを高めに上げてゆっくり123のタイミングで右手を出す。
     ・自分からサーブが出せる時はリズムが取りやすい。
     ・相手からサーブを受ける時は失敗してもいいやという気持ちと、意識してグリップをゆるゆるに持つようにする(中指を力まない)
     ・それでもうまくいかない時は、バックハンド(B)練習から始める(少ししたら、BBFBBFBFBFFFFみたいに)
     ・できることなら、信頼できる友達に自分の症状を理解してもらって、失敗を連発しても申し訳ない気持ちにならないようにする。

こんな感じで、今は随分気持ちが楽になりました。特に壁打ちは効果大でした。
私と同じように、卓球は好きなのに精神的にきついから断念しようかと思ったことのある人が意外と多いということを知ってからは、やめようとは思わなくなり、なんとか克服して楽しみたいと思うようになりました。

上記の中で、相手からサーブを受ける時は失敗してもいいやという気持ち……
というのを、卓技研さんのアドバイスを読んで改善してみたいと思いました。
できれば、試合で一球目から自信(確信)を持ってリターンできるようになりたいですから。相手サーブからの123のリズム実践してみようと思います。

最後に質問ですが、卓技研さんは卓球イップスの克服法で、これだけは気を付けるようにということがあったら教えてください。


A 当方では、イップスとは「自我」の作用だと考えております。有り体にいえば、結果を求める指向性にあります。結果を求めるとは、勝ちたいという気持ちはもちろんですが、失敗したらどうしようという気持ちも含むものです。

その気持ちは、主に手で操作するはたらきが強まり、そのために、逆に手元が狂って、ミスを招くことになります。そういう気持ちは、表面に感じなくても、潜在意識としてはたらいてしまうのです。

イップスになりやすい人は、ある意味においては非常にモチベーションの高い人ということがいえると思います。イップスになるほど、結果、つまり勝利や満足のいく目標を達成したい気持ちが強いからです。

克服法を端的にいえば、「集中」することです。集中することがイップス克服につながります。こんなことを言うと、おそらく、いや私は集中していますと反論されるかもしれませんが、あなたが考えている集中とは認識が違うのだと思います。

集中とは極論すれば何も思わずに、ただボールを打球することです。しかし、人間はなにも思わないことほど困難なことはないのです。ちょっと、実験してみましょう。

目をつむってください。意識は呼吸だけに向けてください。はい、いまからそういう状態で3分間でいいですから、何も思わないで呼吸だけに意識を向けてください。

さて、どうでしょう。たぶん、何も思わないようにしようとしてもつぎつぎと何かしら思っているのではないでしょうか。この、何かの思いが浮かんでくることが自我の作用とお考えください。以上のように、何も思わないで集中することがいかに難しいことかご理解いただけたでしょう。

集中のメソッドについてはこれまでの本サイトの「集中論」にありますから、
参考にしてください。あなたご自身で、いろいろとイップス克服のメソッドを試しておられるのは大変いいことだと思います。これからもどんどん創意工夫されるといいでしょう。

効果の高いメソッドとしては、ボールは眼球を動かして見ることです。頭を動かしてボールをとらえるのではなく、できるだけ目玉の動きでとらえるようにするのです。







ツブ高を使ってます。しっかりスマッシュできないのですが……


Q こんにちは 私は卓球暦は長いのですが実力はたいしてありません。
最近ペン裏ソフトラバ−から粒高(カ−ル30)ペンに変えました。ところが浮いて入ってくるボ−ルを前のように上からスマッシュするとオ−バ−ミスになり、どうしても前の裏ソフトのように、しっかりスマッシュができなくなり、入れるだけになります。試合では、このラバ−に慣れていない人には有効ですが、早くこのラバ−を使いこなすにはどういうことに注意すればいいでしょうか?


A まずツブ高は相手もやりにくいですが、それを扱う自分もやりづらいラバーということを認識してください。

裏ソフトは基本的に打球のときに「ボールを持てる」わけです。つまり、ラバーでコントロールしやすく、扱いやすいのです。ところが、ツブ高は、裏のようにボールを持てないし、かといって表ソフトのようにクリアに弾まず、ナックルのようなボールが非常に出やすく、そしてそのボールは空気抵抗にあいやすくて思わぬオーバーミスなどが出てしまいがちです。

そこで、まず、ツブ高で強打やスマッシュするときは、ラバーでこすらず、できるだけ正確に当てるようにします。そして、慣れてきたら、ナックル強打やスマッシュを打てるようにすこし上から切るように打球して、ナックルをだします。

また、「試合でツブ高に慣れていない人にはかなり有効なのですが」とありますが、これはある程度、相手の力量にも比例しますので、慣れられたら勝てないという考えではなく、ツブ高のスピンの変化を活かしつつ、スピードを高めたり、ブロック力をつけることが必要だろうと思います。

とくに、スピードのあるナックルは、慣れの問題ではなく、誰にも有効な打球ですので、ぜひマスターしたいものです。






スピードが出て安定するプッシュの方法は……

Q いつも参考にさせてもらっています。LPといいます。
戦型はペン粒になって半年になりました。
道具:フォア、カールP-1OX バック、スレイバー厚
いままでは先輩に「とりあえずブロックの練習をしろ」と言われて、あまりプッシュの練習をしてきませんでした。
最近ブロックが安定してきてプッシュの練習をし始めたのですが、あまりスピードが出ず、力みすぎるとオーバーミスしたり、ネットに引っかかってしまったりします。
先輩や先生によく教わったのですが、いまいちわかりません。プッシュをスピードを出しながら安定させる方法はないでしょうか? 基本のプッシュの方法だけでもかまいませんので、どうかアドバイスよろしくおねがいします。

A ペンのプッシュですが、それほど難しく考えないほうがいいのではないでしょうか。プッシュは、ショートの延長的なテクニックと考えて、まずはショートの基本をしっかりマスターしましょう。

そのうえで、プッシュする場合ですが、右利きの場合で、クロスに打つときは、ボールの左斜め横を打つといいでしょう。このときに注意するのは、台との距離を正しく取って、台に対して水平に押すようにして、ラケットを上げないようにスイングします。

また、打球するときは、バウンド直後を狙うようにすれば、ピッチも速くなり、スピードも増します。

ラバーの問題もあると思いますが、練習のとき、ネットミスはオッケーで、オーバーミスはバッドという気持ちでやってみてください。この意識で練習を積むと、慣れるにしたがって、スピードがあるいい球筋のプッシュが打てるようになるでしょう。






強い人のドライブはスピードがあるのに打球音がしないのはなぜ……


Q 秋場さん、始めまして。いつも、強い人のドライブを見て思っている事があります。それは、ドライブをするときにぜんぜん音が鳴っていないのに、とてもスピードがあると言うことです。僕の場合、ドライブするとばきっ、と言う音がします。擦る事も出来るのですが、ぜんぜんスピードが出ません。強い人のドライブが音がなっていないのに早いのは、何でなんでしょうか。教えてください。(ドライブまん)


A ドライブのときの音ですが、これはラケットのブレードに当たる音です。音が出ないのは、これは微妙な言い方になってしまいますが、ブレードではなく、ラバーだけに当てて、ボールをこすりあげているのです。

また、音が出ていないのにドライブのスピードがあるのは、いつも書いていることですが、ラケット角度をかぶせて、しかもスイングが早いことによるものです。

ブレードにあてて、スピードを出すのではなく、ドライブのスピンで、スピードをだすのです。まあ、これも微妙な表現になってしまいますが、ご理解いただけると思います。(ちなみに、ブレードに当てて、スイングのとき、「押す+擦る」をミックスさせてスピードを出すドライブのやり方もあります)

これからドライブするときは、ラケットをかぶせて、前方から横振り(ドライブの水平スイング)をしてみてください。スイングスピードがあると、ネットにかからなくなります。

スイングスピードを出すには、体重移動とスクワット力、腰の回転を十分に活用することです。







左利きを生かしたプレーをしたい……
伸びるドライブのコツを知りたい……


Q こんにちは。P・Pです。
最近、「左利きを生かしたプレーをする」というのをテーマに練習に励もうと思っているのですが、どんな練習が最適なのかよく分かりません。
そこで、質問なのですが、
(1)、「左利きを生かしたプレーをする」ために、どんな技術を取り入れると良いですか。また、その技術を強化するための練習法・トレーニングなども教えていただけるとありがたいです。
(2)ドライブの回転量を上げて、バウンド後に伸ばせるようにしたいのですが、コツがあれば教えてください。その技術が上手な選手や、打ちやすいフォームや打法があれば教えていただけるとありがたいです。


A  (1)、「左利きを生かしたプレーをする」ために、どんな技術を取り入れると良いですか。

これは左利きが対右利きのための戦略としてお答えします。
左利きは対戦の多くが右利きで、右利きは対戦の多くは右利きで、左利きとの対戦はすくなく、この点に関しては左利きは有利になります。

ドライブを使われるようなので、まずドライブは曲げるようにしたほうがいいでしょう。右利きは左利きの曲がるドライブは単純にとりにくいものです。カーブドライブはもちろん、できればシュートドライブを覚えるとより有効です。

これは右利きにいえることですが、右対左では、お互いのバック対バックのラリー(ロングもツッツキも)から始まることが多いものです。ですから、このバック対バックの対決を有利にすべきです。そのためにも、お互いにバックハンド系技術のストレートコースに強くなるべきです。

このバック対決で有利になると、クロスへの強打がおたがいに相手のフォア側へボールが遠くに逃げるようになりノータッチで抜く確率が高くなります。

戦略ですが、これも右利きにもいえることですが、大きく2点あります。
1つは、相手のフォア前→バック深く、もう1つは、バックラリーから→フォアへというコースどりです。相手の特質によって、どちらかを選択するといいでしょう。

(2)ドライブの回転量を上げて、バウンド後に伸ばせるようにしたいのですが、コツがあれば教えてください。

回転量は単純に考えれば、スイングスピードを上げればいいわけで、そのためには、体重移動、上下の屈伸運動、腰のひねり、といった下半身の動き、さらに肩甲骨、ヒジ、手首をスイングの軸として十分に使い切ることになります。

いちばんいいのは、ラケット角度をできるだけ下向きにかぶせて、できるだけ水平にスイングすることです。このラケット角度とスイング方向でボールがネットにかからないようであれば、それは回転量があるということになり、また伸びるドライブボールとなるのです。








バックハンドドライブのポイントと練習法を教えてください……


Q こんにちは いつも秋場さんの本とサイトを参考にさせてもらってます。はじめて質問させて頂きます。ハンドルネームはKUと申します。
今、高校1年生で両面とも裏のシェークで左利きです。バックハンドのドライブが打てるようになりたいのですが、どのような練習をしたらようか、また打つときに気をつけること(きちんとはいるフォームについて)を教えてください。
今は、自分の体の前にきたボールなら6〜7割の確率でうてますがあいて(右利きの)フォア側にしか打てず簡単に払われてしまいます。まだとても試合で使えるレベルではありません。


A バックハンドドライブですが、やはりフォアハンドドライブと比べて、身体の構造からパワーが出にくいのは仕方のないところです。

バックハンドドライブでパワーを出すには、重心移動がポイントです。あなたの場合は左利きなので、右足から左足への重心移動になります。まず、右足の太腿にぐっと体重をのせますが、これがパワーの源泉になることを意識してください。

スイングですが、とくに手首の使い方が大切です。ラケットを左利きなら左の方向(時計回り)へ手首と腕をねじるように回して、そのねじりをふりほどくように、反時計回りにひねりながらスイングします。そして、腕を投げ出すように大きくフォロースルーをとってスイングします。

またクロス方向にしかバックハンドドライブができないようですが、このコースどりは、足のスタンスがポイントです。ストレートに打つ場合は、左利きなら、右足を引くか、左足を前に出すようにします。おそらく、平行に近いスタンスだと思うのですが、これではストレートに打つのはむずかしいと思います。

最初から左足が前では相手に打つ方向がわかってしまうので、打つ瞬間に、左足をぐっと前に入れるようにして、ストレートに打てばいいでしょう。



ひざを傷めたのですが、トレーニング法はご存知でしょうか…

Q いつも興味深く記事の方拝見させていただいております。以前にも何度か質問させていただいたのですが、ハンドルネームはなかったので「ペンおじさん」とさせていただきます。
私は昨年11月ごろ練習中に左ひざの半月板を痛めました。フットワークの際、バック側に回り込んで、スイング使用とした際、ひざを外側にひねっってそうなってしまいました。
幸い重度のものではなく、日常生活は全く問題ないのですが、卓球をする際のフットワーク時はどうしてもひざにひねりが加わるようで、独特のひざ関節が外れたような感じで痛みが走ります。最近はそれが怖くてひざを自然とかばうようになり、卓球にならなくなってきました。
今アメリカにいるのでインターネットでTOP12の試合を見たのですが、福原愛さんも試合時、非常に強固にひざをテーピングしているがみられました。一流の卓球選手も少なくない数の方がひざを痛めているのではと思い、そういった際のトレーニング法(筋力強化、フォームの矯正等)をご存知であればお知恵を拝借できないでしょうか。ちなみに私は現在36歳。右ペン前陣ドライブ型です。よろしくお願い致します。



A 卓球でひざを傷める方は多いですね。とくに、中年以降のご婦人たちが、町の卓球場なので、サポーターをしているのをよく見かけます。

医学の専門家ではないので、詳しいことや確度は不十分なのですが、以前、信頼できるスポーツ専門の外科医が、ひざを傷める原因として、ひざの周囲の筋力と股関節の柔軟性の低下があると述べているのを読んだ記憶があります。

当方がお薦めするのは、水中運動です。「アクア・ボディ・コンディショニング・プログラム」という水中運動のメソッドがあります。これは当方が取材したもので、効果は高いと思います。『健康プールエクササイズ』(主婦と生活社)というタイトルで本が出ていますのでご参考になればと思います。








カットマンがカットの展開に持ち込みたいときに出すサービスとは…

Q カットマンがカットの展開に持っていきたいときは長いサービス、短いサービスどちらを出せばいいのでしょうか? 教えてください。

 まず、常識的には短いサービスだと相手はドライブできないので、長いサービスでしょう。しかし、長いサービスを出して、いきなりレシーブから強力なドライブを打たれるのもいやでないでしょうか。ですから、サービスの長短はケースバイケースです。
カットの展開を望むといっても、対攻撃型が余裕のある体勢で強打やドライブされるのは避けたほうがいいので、できれば相手が無理して強打やドライブをさせるようなパターンにもっていってからカットの展開に入るようにしたほうがいいのはないでしょうか。そのためには、ツッツキも上手くなるべきです。




ツブ高の攻略法を教えてください…

Q こんにちは。私は、中学2年生のFに裏、Bに表を貼っています。クラブチーム等には所属しておらず、学校の部活だけで卓球をやっています。

本題なのですが、私が入っている部活には14人いるのですが、誰も勝った事がない型の選手がいます。それは、粒高を使ってくる選手です。プッシュをしてくる選手や、粒高でブロックしてくる選手に必ずと言っていいほど、打ち負けてしまいます。どうすれば攻略できるのでしょうか? 質問が多くてすみません。乱文失礼しました。

A ツブ高というのは、ナックルや強烈なバックスピンが出せるのが特徴です。

まず、そのツブ高の打球の特徴をよく知ることが大切です。

1. ツブ高は相手ボールの回転の影響を受けにくい。

2. よって、こちらがドライブやツッツキの回転で勝負しようとしても、なかなか通じないことが多い。

3. ツブ高は上回転はほとんどなく、ナックルか強いバックスピンをよく見極めることが大切。

4. ナックルとは無回転ボールですが、実際にはゆるいっっっs下回転か上回転かで打球処理がちがってくる。とくに、ツブ高はふわふわっとした上回転のナックルが特徴でこのボールは表ソフトや裏ソフトのナックルとはちがい、強打する場合は上からボールを叩くようにしないとオーバーミスが出やすい。

以上のことをふまえたうえで、攻略を考えてみましょう。

ツブ高の選手はほとんどが前陣で、フォアとバックを使ってきます。彼らの戦法はその変幻な回転と、前陣に張り付いて相手を左右に振り回すことです。ですから、基本的に短いボールはさけて、フォアとバックの両サイド、ミドルに深いボールを送るようにします。

また、サービスのロングサービスを多用することが有効になりやすい場合が多いです。スピード系、スピン系にかぎらず、どんどん長いサービスをだしましょう。そうすると、ツブ高の選手は振り回しにくくなります。

さらに、ツブ高は基本的にスピードボールが出ないので、回転の変化さえ見抜けば、強打や強ドライブするための時間を与えてくれるボールが多いものです

ツブ高は、ドライブよりも強打のほうが有効でしょう。回転に怖気づかないで、頂点を捉えてどんどん打っていけばいいのです。
また、ツブ高相手には、フォアハンドだけで対応するのはむずかしく、バックハンド系技術が要求されます。そのバックハンド系技術というのは、強打できるフリックとシェークならハーフボレー強打、ペンならプッシュだけではなく、バックハンド強打がないと苦しいでしょう。





「8の字打法」について教えてください

Q こんにちは。P.Pです。前回は、回答の方ありがとうございます。おかげさまで、ドライブの威力が上がったような気がします。

今回は、8の字打法について質問です。「台上などで威力の高いボールを打つには、8の字打法を使うといい」ということを知り、(はっきりとは覚えていませんが・・・。)

そこで、いくつか質問です。

(1) 8の字打法のスイングの仕方、打つ打点などをくわしく教えてください。

(2)8の字打法を、ドライブでつかうために気をつけることはありますか?

以上です。 よろしくお願いします。

 まず、8の字打法について、実戦においてどこまで有効なのか。当方では検証できておらず、したがってこの打法を当方で推奨できるか自信がありません。

以下は、あくまで当方で試打した感想であり、確証をもって述べていることではりません。また、当方の8の字打法なるものの理解が間違っていることも考えられます。そのことをご承知の上、お読みください。

まず、8字打法の長所としては、ムチのしなりのように手首とひじのひねりを使うことで、打球の威力を高めます。

また、台上では下半身を使いにくいので、強力な打球を打てることはまちがいありません。

問題だと思うのは、バックスイングでひねりを入れるために、打球する時間がかかりやすい点です。台上のボールは低くて短いことが多く、当然、フリックするための時間が短いわけで、この打法が実戦で適切なのか疑問を覚えます。また、トッププレーヤーが本当に8の字打法を実戦しているのか、当方では確認しておらず何ともいえません。

次に、これは以前に同じようなご質問があったときに答えたのですが、試打したとき、腕・ヒジ・手首をこわしやすいという感覚がありました。とくに、子供や中年以降の方は注意されたほうがいいと思います。

フリックに関しては、水平フリック打法を使えば十分攻撃的なスピードが出るので、当方ではこちらをお奨めします。水平フリックは、バックスイングをほとんどとらず、ヒジをスイングの軸にしてボールの斜め横を水平に振りぬくものです。もちろん、飛んできたボールの回転に応じてラケット角度とスイング角度を調整します。

また、バックサイドからクロスにフリックするときは、右利きならボールの左斜め横をラケット面を外に開いて打てば、かなり切れたバックスピンでもフリック強打できます。 

2)のご質問ですが、この打法はフリックに合ったもので、ドライブでこの打法を適用するのはどうかと思います。この打法をドライブで使用する、その必然性や効果など疑問です。





王励勤選手のドライブの特徴とは……

Q いつも見て参考にしています。名前は翔也で高校1年、フォア粘着。バックレナノスハード。王励勤選手の打ち方を、見よう見まねで練習しています。

王励勤選手のドライブの特徴や利点などを教えてください。お願いします。

 王励勤の試合を間近で観戦したことがありますが、驚いたのはその打球の速さです。野球のようにスピードガンで計ればそのちがいがよくわかるでしょうが、その速さをどう表現したらいいのか……。

プロ野球でいうと、日本のピッチャーは速いといわれるのがだいたい150キロまででしょうが、それにたいして、ジャイアンツのクルーンは150キロ後半、160キロ以下というところですが、王励勤のスピードと日本人トップ選手と比較した場合、これくらいの違いを感じます。とにかく、驚異のスピードでした。

王励勤のような打球スピードの選手と対戦したら、かなりのプレッシャーを感じるはずです。少しでも十分な体勢で打たれたら、ものすごいスピードのボールを打たれるわけですから、そうさせないためにコースやスピード、スピンなど対戦相手はかなり無理をして攻めることになり、必然的にミスも多くなるでしょう。

王励勤ほどの打球になれば、実際のそのスピードによる得点だけではなく、このようなプラスアルファによる得点も増えるのです。

王励勤のドライブの特徴はその身長の高さを生かして、大きくスタンスをとってところから生まれるパワーです。威力あるドライブは体重移動と遠心力をどれだけ大きく活用させるかですが、王励勤はその高い身長によってそれを生み出しています。

ただし、単に背が高いだけではあのようなパワーは出ません。やはり大きな身体をコントロールするフィジカルの強さがあってのことです。

王励勤がパワードライブを繰り出すときのスイングのフィニッシュをみると、左肩あたりで、かなりの横振り、つまり水平にドライブスイングしています。

ドライブで水平スイングをするということは、ラケット角度はかなりかぶせているということです。

かぶせるほど、その打球にはスピンとスピードが出ます。

ただし、ボールが上がらない危険性があるのですが、それはスイングスピードによって克服するのです。

今後、ドライブ練習するとき、いつもよりラケット角度をかぶせてやってみてください。思いきり振ってもネットにかかるくらいかぶせるのです。そうして、その角度を保ちながら、スイングスピードを上げることで、ネットを越える訓練します。

体重移動や腰の回転、肩甲骨やヒジの使い方を意識しながら練習を積み、そうしていうちに王励勤のようなパワードライブが身につくでしょう。





オールフォアから裏面打法への転換をはかりたいのですが……

Q 小生33年ぶりに卓球を再開したシニア(50歳)です、現在は道具、ルール、打法、体力、反射神経等いろいろと変わっていてビックリしました。
一番困ったことは体力でした、バックの回り込みが間に合わないのと間に合っても復活時間が掛かることです。昔は単板ペンで攻撃はフォアドライブのみでバックは殆ど使わなかったタイプです。しかし昔のようにはいきません、よって中ペンに替えてバックは裏面打法にチャレンジしている最中です。
そこで質問させていただきます、バックは全て裏面で返す練習中です。将来的には裏面ドライブ&水平打法に到達したいのですが、その前にツッツキとショートをそこそこにしたいと思っております。何かアドバイスいただけたら幸いです。


A まず、年齢的なことですが、だいたい38歳をすぎたあたりから、体力と運動神経にはっきりと衰えを自覚するようになります。プロ野球の一流選手の多くがこのあたりの年齢で引退するは、そういう衰えを自分で認識するからでしょう。

体力というのは、主に足腰です。また、運動神経というのは、頭では、たとえば、ここは回り込むんだと思っても、身体がその命令を無視するというか、頭と身体に若いときには感じなかった齟齬を覚えるものです。

さて、実際に卓球に復帰されて、以上のことを痛感され、フォアハンド一本から、バックハンドやバック系の技術でそれを補おうとされる気落ちはよくわかります。シニアの方は、ほとんどが同じような悩みを持たれるでしょう。

そういったなかで、裏面打法に取り組まれるのはかなり旺盛なチャレンジ精神をもたれていると思います。ペンの裏面打法は、表面だけでのプレーとはちがい、最初はかなり違和感があると思います。

若干、異なりますが、裏面打法はシェークのバック系技術に近いですので、まずはこれを参考にされるといいのではないでしょうか。

裏面のツッツキやショートですが、どちらの技術も表面で処理するのとくらべて、ラケットの打球角度を合わせるのがむずかいしと思います。角度を合わせるには、グリップから修正する必要があります。フォアハンドとの兼ね合いもありますが、裏面でやる場合、角度出しやすいグリップがありますから、試行されてはいかがでしょうか。

さらに、バック系技術に裏面を使う場合、表面との兼ね合いをどうするのかという問題があります。北京オリンピックの金メダリストである中国のマ・リンなどは裏面と表面の両方を使い分けています。

ペンはバックサイドにツッツキ系のボールがきたとき、それを攻撃する技術がシェークと比較して、弱いという問題があり、裏面を使う必然性が生まれたと思います。つまり、バックハンドドライブがペンの表面ではできないので、シェークのバックハンドドライブのように、それをペンは裏面を使ってこの問題を解決しようとしたのです。

ですから、基本的に裏面打法は裏面ドライブに限定して、その他のツッツキやショートなどのバックハンド系技術は表面で処理されたらいかがでしょうか。

なお、フォアハンドだけで全面をカバーされていたときと、フォアとバックを使うときとでは、ボールを待つ「間の感覚」を変えたほうがいいでしょう。
当サイトの技術論で「待ちのスタンスと時間」がお役に立てると思います。




肩甲骨打法を試していますが威力が出ません…

Q いつもみて参考にしています。ハリケーンといいます。

最近、肩甲骨打法に注目しています。しかし、威力があまりでません。どういう所に注意すればいいのですか?

筋トレも必要なのですか?ポイントなど、教えてください。お願いします。

 肩甲骨打法ですが、これまで何度か当サイトで書いておりますので、履歴を調べていただければと思いますが、もう一度、整理して述べてみましょう。

1.まず、その名の通り、肩甲骨打法は肩甲骨をスイングの軸にするもので、肩甲骨の可動範囲を広く使うことでパワーをアップさせるものです。

2.この打法のコツは、フォアハンドスイング(バックスイング)のときに、背骨の方に肩甲骨をぐっと寄せるというか入れるようにするといいでしょう。

3.このとき、卓技研では肩甲骨を意識して入れるほかに、バックスイングのときにヒジを少し外側に引くように指導しています。

4.ただし、いくら肩甲骨をスイングの軸にしても、バックスイングの高さ、ラケット角度、スイングの方向、腰の使いかた、スタンスなどが非合理的であれば威力あるボールは打てません。

5.フォアハンドスイングで、「強打」の威力を増したいのであれば、卓技研が推奨している「水平打法」に勝るものはないと断言します。強打は、できるだけボールをまっすぐ飛ばすことですが、水平打法はその究極の打法です。水平打法は当サイトで何度も展開しています。

6.フォアハンドスイングのドライブで威力を増すには、4の各部位を合理的に使うことですが、やはり「体重移動」がキーポイントになります。右利きでは、右足から左足への移動を意識してスイングしてください。

7.強打もドライブも、スイングの軸は基本的に肩甲骨ですので、2と3を意識してください。

8.フィジカルトレーニングですが、まず第一に考えることは、できるだけ合理的なフォームを身に着けることです。いくらフィジカルをきたえても、フォームが悪ければ威力は出ません。

9.そのことを認識したうえで、さらに上をめざすのであれば、絶対にフィジカルトレーニングは必要です。

10.鍛えるポイントはいくつかありますが、威力アップなら「体幹」です。腹筋と背筋はとくに重要なパートです。十分な時間がとれず、下半身がつかえず、上半身だけで打たなければならないことが試合ではよくありますが、そういうときにはこの上半身の筋力が必要となります。

11.それにスクワットも欠かせません。とくにドライブマンなら絶対です。







表ソフトでのブッロク、ミート打法を教えてください…

Q 自分はシェーク裏表ブロック主戦型です。フォア(裏)ではそこそこできるのにバック(表)はブロックをうまくできません。本で探しているのですがあまり表ソフトの技術のことはのっていないのでわかりません。もしコツなどがあれば教えてください。また表でミート打ちやドライブの仕方も教えて貰えれば嬉です。

 まず、表ソフトの一般的な特徴をしっかりとつかんでおきましょう。表は裏と比べて球離れがよく、相手のスピンの影響が少なめです。ですから、対ドライブのブロックは、裏よりも表のほうがやりやすいはずです。

ただ、表は裏よりも、ボールをもてないので、その分、ボールコントロールがむずかしいのかもしれません。基本的に表は、ボールを真芯で当てるようにしたほうがいいでしょう。

それには水平スイングがもっとも適合しています。ラケット面を垂直に立てて、水平に振ります。真芯にあたったかどうかは、「カン!」という打球音で確認することができます。ラバーでこすった音ではなく、ラケットのブレードの音です。

表を使っていても、裏のようにボールをひっかけて打つ人が多いのですが、それでは表の特徴を半減させてしまいます。
表のバックハンド・ブロックは、裏のようにラケット面をかぶせないで、前記したように面を立てて、飛んできたボールの高さにバックスイングしてそのままの高さとラケット角度で前にミートします。ジャストミートしたとき、そのリターンされたボールは速く、またナックルになるときもあります。

表のミート打ちは前記した水平スイングをすればいいでしょう。また表でドライブはできなくはありませんが、それよりもミート打法に徹したほうが、表の特徴を生かせると思います。また、表のバックハンドドライブはおすすめできません






ラージボールの台上処理とツッツキの有効活用

Q いつもQ&A参考にさせていただいております。ラケットはペン角形でラバーは表ソフト特厚を使用しておりラージボールで卓球をしております。

左利きでフォアは前陣では水平打法をしたり中・後陣に下がったらドライブかパワースィングで対応しています。

相手は右利きが多く最近はバックに返してくることが多くなりショート又は

バックハンドで対応しています。(それができないときはツッキかストップで)ただプッシュはあまりスピードが出なくて打たれてしまいます。

又バックハンドで打つのが安定しておりません。バックハンドの打点が悪いのかラケットの使い方が悪いのかと思っております。なお、相手の下切れをバックフリックするのですがネットにかかることが多く右側45度をネットに向かって振り切ればいいとのことですが課題となっております。

今日は練習をしてきて相手がツッキ又はショーカットで返して来て台上で弾んで止まってしまうような球がネットと同じか低く来る場合私のフォア、バックのフリック水平打法では対応できなくストップかツッキで返すと打たれてしまい何もできなくて自分が歯がゆくなりました。

現在の戦型から秋場先生にご指導をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。




 ツッツキやカット性のボールを打つ場合、ラージボールという特殊性をある程度、考えられたほうがいいと思います。というのも、ラージのボールは40ミリにくらべて弾まないので、短くて低いボールをフリックするとき、ボールの頂点がネットより低くなっていることが多く、そのためネットにかかってしまうのです。

ですから、ラージでフリックするときは、ラケットの角度を上向きにしてスイングは水平よりも若干、上に振ったほうがいいでしょう。このような角度やスイング方向でも、ラージならボールが重いのでオーバーミスの危険性は少ないのです。

また、バックにきたボールの対応ですが、ツッツキを工夫すれば大きな武器になります。相手に打たれるから短くストップばかりするのではなく、逆にエンドラインぎりぎりの長いツッツキをフォアサイドやバックサイドに入れれば、相手は対応がむずかしいでしょう。

相手がツッツキでリターンすればほぼ長いボールがくる確率が高く、また角度打ちやドライブしても、前に踏み込めないので、持ち上げるようになることが多く、どちらの場合もそれを狙い撃ちすることができます。

ツッツキは、

1. 深くすること

2. サイドを切る.

3. スピードを速くする

4. バックスピンとナックルを混ぜる

以上ができるように意識して練習してください。

そして、以上ができるようになると、ストップも効果がでるようになります。

ツッツキもレベルを上げれば大きな武器になりますので、ぜひ時間を割いて練習してください。








表ソフトのブロック打法をおしえてください……

Q こんにちは、腱鞘炎で止むを得ずシェークに転向した『まっちゃん』です。最近、バック側を表ソフトにしてがんばっているのですが、書物やDVDでの表ソフトの打法の解説がなかなかありません。インターネットで検索していると御社のHPにたどり着きました。水平打法をHPから学び実践しています。これを知ってから表ソフトの楽しみが倍増しました。
ここで質問です。バック側が裏ソフトの時は、ドライブやスマッシュが来てもショートでブロックが出来たのですが 表ソフトにしたら返球がふらふらとスピードが遅くてオーバーミスをしてしまいます。強打やドライブのかかった打球に対して表ソフトのブロック、攻撃的なブロックの打法を教えて下さい。
特殊粘着性ソフトラバーの表ソフト(ハイソフトバージョン)ツブの高さ1.0mmです。ご指導下さい。


 「表ソフトにしたら返球がふらふらとスピードが遅くてオーバーミス
をしてしまいます」とありますが、実際のスイングを見てみないと、何とも言い様が面があります。

考えられることは、使用されている表ソフトラバーだと、ナックルがかかりやすくなってしまうのではないでしょうか。一度、次のようなスイング(バックハンド)を試してください。

1. ラケット面を立てる。

2. バックスイングを飛んできたボールの高さと同じにする。できるだけ高い位置のバックスイングにする。

3. 打球スイングを上に上げないで、できるだけ水平にスイングする。

4. 右利きなら、飛んできたボールの左側面を打つ。

このスイングではオーバーミスはだめ、ネットミスはオッケーのつもりで、ネットミスを恐れないで、思いきって水平にスイングしてください。オーバーミスが出るのなら、ラケットが下から出ているので、バックスイングを高い位置にして、そのまま水平に振りきってください。






ループドライブの打ち方を教えてください……


 こんばんは。中学校で卓球をやっているんですが『ループドライブ』の打ち方を教えてください。お願いします。


A ループドライブは、スピンがよくかかり、スピードはあまりなく、またネットを山なりに超えていくことが多いのが特徴です。その分、打つほうは安定的に相手コートに入れることができることができます。ただし、またその分、相手も対応しやすいドライブです。

ループドライブをうまく使えば、決定打につなげる攻撃打法になり、下手に使えば、低めのロビングボールになってしまい、相手に強打されるボールを供給することになります。

さて、ループドライブの打ち方ですが、

1. スイングは真上に振り上げる

2. ヒジをスピンをかける軸として活用する

3. 下半身の動きは、スピードドライブは前への体重移動が主ですが、
ループは下から上にする。

以上の3点がループのポイントです。

そして、より有効なループは、対攻撃なら、できるだけエンドラインぎりぎりの相手コートに深くに打つといいでしょう。また、対カットマンなら、ネット際とエンドライン、つまり短いドライブと長いドライブを臨機応変に使い分けると効果的です。






フォアロング練習の第一球めが、 体が固まって打ち返す事ができません……

Q こんばんは。『卓球パーフェクトマスター』は調子が狂ったときにいつも読み返し て、フォームの調整をさせてもらっております。
私は社会人2年目で技術と体力的には非常に情けないものがありますが、いちおう 高校2年間と大学3年間の5年ほど続けておりました。現在はシェークで回転系表とスピード系表を貼っています。
卓球を始めた当初からずっと悩み続けていた事があります。社会人になって、週2 回ほどの練習になり、いろいろな練習場所で多種多様な戦術のかたと打っていただ く機会が増えたのですが、そのためか悩みもいっそう深刻なものとなりました。
私の悩みとは、最初にフォアロングの練習を始める際の第一球めのロングサーブが、 体が固まってしまって、どうしても打ち返す事ができません。
5球ほど打つと何の ことは無く、普段どおりにスイングができるようになります。きちんと準備体操を して、体が温まってから練習を始めるようにしていますが、私の場合はおそらくジレンマになっているので、メンタル的な問題ではないかと考えるようになりまし た。
丁寧に返さなければと思うと余計に緊張してあらぬ方向へボールが飛んで言ってしまいます。学生時代はフォアに裏ソフトを貼っていたために、最初の一球目はラバーに無理矢理引っ掛けて、体が動かないものですから、膝の屈伸運動だけで無理矢理返すというような事をしておりましたが、表に変えた今はそれもできなくなりました。
私の個人的な問題に過ぎないと思い込んでおりましたが、他のかたでも、一週間練 習期間が空くと打球感が戻るまでに、しばらくかかると仰る方もおられたので、もしかしたら私以外にも同じような悩みをお持ちのかたがおられるのであればと思い、思い切って質問してみる事にしました。
長文になり申し訳ありません。あまりにバカバカしい質問であると判断された場合 には、無視してください。ちなみに私の場合は、午前中に練習して、午後からの練習の最初の一球目ですら、普通にできません。それではよろしくお願いします。失礼しました。ハンドルネーム:表表男


A 悩まれている点はメンタルが大きいと思いますが、今回はせっかくですから、メンタルとテクニックの両面で悩み解消の試みをしてみましょう。

毎日練習している人でも、練習の開始から2、3球は調子が出ないものです。また、ふだんのゲーム練習ではできるのに、大会のゲーム前のフォアロングのときのサービスが、ぎこちなくなってしまう人を知っています。この人も、ゲームに入ると、まったく問題なくサービスも他の技術もできます。ですから、あなたの悩みもそれほど気にするものではないでしょう。

でも、もしかしたら、このあなたの悩みには、卓球上達の秘密が隠されているかもしれません。プロセス指向心理学という、かなり信頼のおける心理学派がありますが、この心理学はその人のクセを無意識からのメッセージととらえます。このあなたの悩みに、上達のヒントがあるように思えてなりません。

次の4点のメソッドを試してください。

1) あらぬ方向へボールが飛んでいくそうですが、それはいつも決まった方向でょ うか。それとも毎回違っていますか。あるいは何かパターンがありますか。まず、そのことを確認してください。そして、それが分かったら、そのことをしっかり意識して打ってみてください。別にちゃんと打てるかどうかは別にして、そのことを意識しながら打つのです。
2) 次に、相手がサービスを出すときに、相手のコートに第1バウンドした瞬間に「1」と声を出して数え、自コートに第2バウンドした瞬間に「2」と数え、そして自分がインパクトする瞬間に「3」と数えながら打ってください。
3) 次に、ボールが飛んでくるとき、顔を動かして見るのではなく、眼球を動かしてボールを見るようにしてください。
4) 次に、手でボールを打とうとしないで、まず腰を始動させて、あとからラケットが付いてくるようにして打ってみてください。

1が確認できたら、そのあとは2.3.4を同時にやってください。これを練習の開始から5分間だけでいいですから、いつもつづけるようにしてください。1か月後にこのメソッドを試した報告をお願いします。


【報告メール】
こんばんは。お返事いただけるとは思っていなかったので、たいへん感激しております。あれから、何度か練習に参加させていただきましたが、練習に臨む前に、お教えいただいていたとおり、自己分析をしてみました。
ウォームアップ1球目のレシーブの失敗で、一番多いパターンが練習する日の間隔が空いているので、きちんと打てるだろうかという不安と、相手に打ち易い弾をきちんとしたコースで返球しなければという思いから、スイングが途中で止まってしまい、ラケットをフィニッシュの位置まで持っていっていないということがあるように思いました。
2)3)4)の項目のアドバイスをいただいて、メンタル面に関しては、自分なりに考えた結果、最初の1球目でも、たかがウォームアップと考えずに試合に臨むつもりで、きちんと構えを取りレシーブすることにしました。
ここ、2、3回の練習では今のところ、きれいに返球できております。ゲーム練習ではきちんとできるのに、という人の例を教えていただいたことから、ヒントを得たのですが、この「最初の1球目から試合に臨むつもりで」というところは非常に大切であるように感じております。
 技術面では、3つの項目の内、3)が一番身につけるのに時間がかかりそうです。普段の生活から顔を動かして物を見る癖が付いているせいかもしれません。球の弾道がメガネの枠内に収まるように目線の高さを調整してみようかなとも思っています。
 練習の最初のボールタッチに対する不安は、あまり無くなったようで、そういう意味では小さなハードルをひとつ越えることが出来たようです。






威力あるドライブのスイングやフットワークと
そのための練習方法について……

Q こんにちは。高1のP.Pといいます。左シェークドライブ型です。
僕は試合でドライブを打つときにいつも威力のあるドライブが打てず、ブロックでコースをつかれてしまいます。そこで、質問なのですが、
[1] 威力のあるドライブをできるだけ安定させて打つには、スイングやフットワークをどのように改善すればよいですか。
[2] [1]のための効果的な練習はありますか。
この2つの質問に答えていただけるとうれしいです。よろしくおねがいします


A まず、ドライブの質問は多く、このQ&Aでも、かなり多く答えていますので、過去のものを読んでいただくと、ヒントになるものがあると思います。

まずは、ドライブの威力と安定について。これは基本的なことをまずしっかりとマスターしてください。卓球技術のすべてに言えることですが、とくにドライブの威力と安定は、「腰」というか「下半身」の使い方にあります。

ジャンプするとき、ヒザを曲げた状態から一気に真上に伸び上がりますが、この下半身をバネと考えてください。バネはどうすれば、勢いよく伸びるかを。ドライブでは、このバネの勢いの使い方が基本です。

ループドライブのスピンは真上にジャンプするパワーから、スピードドライブは前にジャンプする(伸びる)パワーから生まれます。このジャンプするパワーにプラス、腰の回転と体重移動を同時に加えます。体重移動では、あなたは左利きですから、左足から右足への移動です。

また、腕(上半身)の使い方ですが、肩甲骨、ヒジ、手首がそれぞれドライブスイングの軸になります。ドライブ総体のスピードやパワーは肩甲骨が、スピンはヒジと手首が軸になります。

ドライブの威力を増すコツですが、グリップはできるだけソフトというか、ぐらぐらの状態でバックスイングから打撃スイングに入り、インパクトの瞬間にグリップを握ります。そして、そのまま振り抜きます。フォロースルーによってパワーを得るドライブ法です。

もちろん、十分に余裕があれば、バックスイングを長くとってもいいのですが、実戦では、バックスイングを十分にとれることはあまり多くないと思います。そのために、バックスイングは短くても、パワーを得るのがこのドライブ法です。

フットワークですが、できればボールが飛んできた地点に速く動いて、ドライブスイングのときは前に体重移動ができればベストです。しかし、実戦ではなかなかそうはいかないと思いますので、「下半身から動くぞ」ということを意識してください。

あなたは左利きですから、曲がるドライブを覚えると有効でしょう。いわゆるカーブドライブですね。右利き選手が圧倒的に多く、一般的に右利きのドライブの曲がりに慣れています。左利きのカーブドライブは、右利きのカーブドライブよりも、とうぜん曲がる方向が逆ですので、ブロックしづらいのです。

そして、右利き選手と対戦するときは、相手のフォアミドル(相手側の右のポケット)あたりにカーブドライブを混ぜると得点力がアップするでしょう。左利きのカーブドライブは、ボールの左側面に当て、巻き込むようにスイングしてください。もちろん、左のシュートドライブも有効ですが、まずはこのカーブドライブをマスターしてからですね。





表ソフトのブロック打法をおしえてください……

 こんにちは、腱鞘炎で止むを得ずシェークに転向した『まっちゃん』です。最近、バック側を表ソフトにしてがんばっているのですが、書物やDVDでの表ソフトの打法の解説がなかなかありません。インターネットで検索していると御社のHPにたどり着きました。水平打法をHPから学び実践しています。これを知ってから表ソフトの楽しみが倍増しました。
ここで質問です。バック側が裏ソフトの時は、ドライブやスマッシュが来てもショートでブロックが出来たのですが 表ソフトにしたら返球がふらふらとスピードが遅くてオーバーミスをしてしまいます。強打やドライブのかかった打球に対して表ソフトのブロック、攻撃的なブロックの打法を教えて下さい。
特殊粘着性ソフトラバーの表ソフト(ハイソフトバージョン)ツブの高さ1.0mmです。ご指導下さい。


A 「表ソフトにしたら返球がふらふらとスピードが遅くてオーバーミスをしてしまいます」とありますが、実際のスイングを見てみないと、何とも言い様が面があります。

考えられることは、使用されている表ソフトラバーだと、ナックルがかかりやすくなってしまうのではないでしょうか。一度、次のようなスイング(バックハンド)を試してください。

●ラケット面を立てる。
●バックスイングを飛んできたボールの高さと同じにする。できるだけ高い位置のバックスイングにする。
●打球スイングを上に上げないで、できるだけ水平にスイングする。
●右利きなら、飛んできたボールの左側面を打つ。

このスイングではオーバーミスはだめ、ネットミスはオッケーのつもりで、ネットミスを恐れないで、思いきって水平にスイングしてください。オーバーミスが出るのなら、ラケットが下から出ているので、バックスイングを高い位置にして、そのまま水平に振りきってください。




水平フリック打法でボールの斜め横を打つのはクロスに打つことになるのでしょうか? 
またそれはボールの回転に影響されにくいためでしょうか……

Q 秋場様、こんにちは。gohanと申します。何気なく卓球研究所のホームページにたどり着き技術論を読んでいる内に興味津津となった次第です。
当方、卓球歴は以前(30代)会社の卓球部に所属し試合も町民クラスに出場していましたが、重ねる年齢(現在51歳)に伴い会社の昼間に汗を流す為の、いわゆる健康卓球に勤しんでいます。しかし試合中の緊張感が忘れられず最近では卓球部に再入部し年齢別の試合に出場している次第です。
では質問です。水平フリック打法として「ラケット面を台にたいして直角に立てるようにして、ボールの斜め横を水平に振ります。」と言われますがボールの斜め横を水平にインパクトすると言うことはクロスに打つ事になるのでしょうか?
またインパクトは何故、ボールの斜め横なのでしょうか?回転に影響されにくいのでしょうか?


A 「ボールの斜め横を水平にインパクトすると言うことはクロスに打つ事になるのでしょうか?」とありますが、そのとおりです。

ほとんどのプレーヤーは、打球の際、ボールのどの位置(真後ろ、右側面、左側面、上面、下面など)を打つのか、あまり意識していません。多くが、ボールの後を無意識的に打球しているのではないでしょうか。ところが、ボールを打つ位置をはっきりときめて打つと、多くのメリットが発揮できるのです。

その一つが、コースです。コースをねらう場合、そのコースに見合ったボールの位置を意識して打球すべきなのです。たとえばフォアクロスにサイドを切って打つ場合、右利きならボールの右側面を意識して打つと、ねらったコースへの確率は確実に上がります。

そして、とくにフリックのような打球点の低いボールを打つときは、ストレートコースに比べて距離が長くなるクロスコースをねらうことが多くなり、またサイドを切るような鋭い角度をもった打球が要求される場合は、とりわけこのボールの側面をねらうことが必要となってくるのです。

さらに水平打法というのは、ボールを真直ぐ飛ばす打法ですが、クロスコースをねらった場合、そのコースの角度に見合ったボールの位置を打球することで、真直ぐのボールが打ちやすくなるのです。

また水平打法はボールの真芯に当てる打法です。真芯に当たれば、その打球は加速度が付くようにぐんと伸びるような速い打球となり、その打球感というか、打ったときの感触はゴルフでいう「スイートスポット」に当たったときのような非常に滑らかな心地よい感覚が残りますが、この打球感もボールを当てる位置によって決まってくるのです。

「またインパクトは何故、ボールの斜め横なのでしょうか? 回転に影響されにくいのでしょうか?」とありますが、これはとてもすばらしい質問です。

まだ、当サイトではこの点について触れていなかったと思いますが、たとえば下回転の側面を打球すると、その下回転の影響がかなり緩和されるのです。これはツッツキのような短いボールでも、カットマンが打ったカット(下回転)でも同じです。ものすごく切れた下回転でも、ボールの側面をねらえば、低いボールでも強打することができます。

以上のことは、フォアからフォアへのクロスコースに有効ですが、フォアハンドでバックからバックへのクロスコースにも有効となります。右利きの場合、ボールの左側面をねらうのですが、下回転のツッツキやサービスをフォアハンドでバックからバックへサイドにフリックするときは、ラケット面を外側に開いて下回転の回転量に応じてラケットの角度を上向きにします。

このケースのフリックでも、たとえその下回転が強力で、かつ低いボールでも、ボールの側面を確実にヒットさせると面白いように鋭いフリックが打てるようになります。

今回はフリックや強打に関してのボールの位置について述べましたが、ドライブやツッツキ、カット、サービスなどにおいても、インパクト時のボールの位置を意識することで、より正確で鋭いコース、より強力な打球にすることができます。ですから、ボールの位置をいつも意識して打つように心掛けてください。


【レスポンス】秋場様、こんにちは。水平フリックについてにの回答、ありがとうございました。アドバイス後、ボールの側面を叩く意識で練習を行いました。ボールの側面を叩くのは例えば相手がミドルから私のコートのミドルに打ち込んできたボールをクロスに打とうと意識した時、無意識にボールの側面を打っているのに気が付きました。
また水平フリック打法の練習としてフォアに緩めの下回転を出して貰い、クロスにフリックする方法ですがスイングスピードをあげると玉離れが早いのか回転に影響されにくく、相手コートにナックル系のボールで返球できます。ただし、強烈な下回転をフリックするには、かなりのスイングスピードをあげないとネットにかかります。ラケットの面角度を変えて練習してみます。







切れ味の良いツブ高のツッツキはどうすればいいのでしょう……


 題:ツブ高のツッツキ方法について初めてご質問させていただきます。お時間がございましたら、ご回答のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。私は、高校の時の卓球部同窓会を機会に、再度卓球にチャレンジしております中年カットマンです。
道具:守備用ラケット、粘着性裏ラバー(フォア側)+ツブ高ラバー(バック側)
現状:再開して3度目位の練習で、40mm球にやっと慣れました。カットにつきましては、下手くそなりに、現役中学生や高校生と問題なく練習(試合)ができるようになりました。ただ、ツブ高のツッツキ(の方法及び感覚)が全くわからなくなってしまい困っております。
こちらのサイトを閲覧させていただき、以下の点を勉強(復習)いたしました。
1.ツッツキの瞬間ギュッとグリップを握り、切れやスピード感を出す。
2.ラケットのヘッドが下がっていては、下回転の威力が低下するので注意する。
3.裏ラバー:切った、切らないの両方を自分で意識して練習する。
4.ツブ高ラバー:上回転ぎみと下回転ぎみのナックルを意識して練習する。
5.裏ラバー:守備型でも攻撃力が必要なので、下半身を使い、軸をぶれないようにする。ドライブやスマッシュが必要である。ただし、相手の球の延長線を見極め、柔軟なフォームで球に対応すること(昔のようなガチガチのお決まりフォームはNG)。
6.ツブ高ラバー:水平打ちを向上させ、攻撃力の幅を広げる。
悩み:上記4のツブ高ラバーのツッツキの際、返球が安定せず、浮いたり、ネットに引っ掛かったりします。面を立てて返球するのは問題ない(まだマシ)のですが、ナックルではなく、切れ味の良いツブ高のツッツキを取り戻す技術的ヒントをお教えいただけましたら、幸いに存じます。ちなみに、使用しているツブ高ラバーは、フェイントロングIII(比較的やわらかく、細めで高さのあるもの)です。
ハンドルネーム:もう一度卓球少年


A ツブ高のツッツキですが、相手の下回転やナックルのツッツキやサービスにたいして、基本的に下回転はあまり掛かりません。ツブ高のツッツキでは、上回転気味のナックルと少しだけの下回転の変化を上手く使いましょう。

この変化のつけ方ですが、ナックルはラケットを立てて、ラケットを押しだすようにし、下回転はラケットを寝かして(打球面を上に向ける)、インパクトの瞬間のラケットスピードを速くします。このとき、できるだけボールを長く持つことを意識してください。

速くスイングして、長くボールを持つ……なんていうことは矛盾しているようですが、ツブ高を使っている方には理解していただけるのではないでしょうか。

また、相手ボールがツッツキやサービスでも、長くてロングに近い場合はカットの要領でラケット面を立てて下にガツンと切ってもいいでしょう。これもボールを長く持つという感じです。

ツブ高は相手ボールの回転を利用しやすいラバーで、その回転の変化は相手を幻惑しますが、ツブ高を使うほうもなかなか扱いにくいラバーです。ツブ高を扱うコツは、腰を中心とした身体全体のバランスをしっかりとることです。腰から始動することと、ラケットハンドとは反対のフリーハンドをうまく活用してください。もちろんこれはツブ高に限ってはいませんが、とくにツブ高には重要です。



ブロックが上手くできないのですが……

初めまして、ハンドルネーム「レオ」といいます。いつも楽しく拝見さしていただいています。
さて、質問なのですが、練習中はじめからフォア側に待っていても相手のスマッシュやスピードドライブを、上手くブロック出来ません。と、いうよりはラケットにボールがかすりもしません。その原因を自分で考えてみたら、多分ボールが目で追えていないからだと思うのですが…。
また試合中にフォア側にボールが打たれると反応出来ずにノータッチで抜かれてしまいます(自分がバック側にいるとき)。
これらにならないようにするには僕は一体どのようなことに気を付けなければいけませんか? アドバイスよろしくお願いします。 
 


A 最近ブロックについての質問が多いようですが、ブロックについてまず大前提とすることを述べておきます。

それは、「すべてのプレーヤーはブロックは苦手」ということです。もちろん、レベルによって、あるいは個人差によって程度はありますが、しかし基本的にはみんなブロックは、他の卓球テクニックに比べて見劣りします。

それは試合をしたり、実際に自分で試合をしてみれば明らかでしょう。中学でも高校・大学、あるいは市区村町の地域の大会でももちろんオリンピックでも、どんな大会でも先に攻撃を仕掛けたほうが勝ちます。

あるいはカットマンやツブ高を貼っている守備型をのぞいて、攻撃型のほとんどは先に攻撃をしようとして戦います。おそらく全プレーヤーの90%以上は攻撃型ですが、基本的に「先手必勝」というプレースタイルです。このことは、もちろん例外はありますが、先に攻撃を仕掛けるのが有利であることは普遍的な事実であり、そのことをみんな知っているということのあかしでしょう。

もう、何が言いたいのか理解されたのではないでしょうか。ブロックとは攻撃されたボールを止めるテクニックですが、ブロック対攻撃を、ごく単純に比較すれば攻撃に軍配が上がるのです。よって、自分はブロックができないと悩むより前に、自分の方から先に攻撃を仕掛けられることに意識や練習時間を割いたほうが有益だということです。

これはいずれ「指導者論」で展開する予定ですが、いわゆる強豪校では、自分から先に攻める練習に多くの時間を割きます。それが試合で勝つためには合理的だからです。強豪校の選手というのは、サービスをもったら、サービスからの3球目・五球目攻撃、レシーブなら、2球目・4球目・6球目攻撃を絶えず意識しています。

以上、述べたことは卓球全体を考えた場合のことであり、ごく単純に割りきって考えたときのことです。ですから、かならずしもブロックなんてどうでもいいとか、ブロックの練習などしなくてもいいというわけではありません。

試合する両選手がお互いに攻撃を仕掛けようとしても、かならずどちらかがブロックすることになるわけですから、ブロックの技術レベルが上がれば、それだけ試合を有利に進められることにまちがいありません。

では、ブロック技術を向上させるコツを展開してみましょう。あなたが述べられたように、ブロックするときは可能なかぎり、目でボールを捕まえるようにします。もちろんボールが飛んでくる方向に顔と目は動きますが、このとき顔が優位のはたらきをするものです。

ところが、顔を動かしてボールを見るとブレが生じやすいのです。ここでボールが前方から飛んできたのをイメージして、それを顔を動かしてボールを捕らえてください。つぎに、今度は目というか目玉を動かせてボールを捕らえるようにしてください。はい、このときどちらにボールを見るときのブレを多く感じたでしょうか。微妙ですが、それでもはっきりと顔を動かせたときのほうがブレが大きいですね。それとボールを打ったあとも、目で捕らえたときのほうがブレが少なく、また戻りというか、自分の打ったボールを早く捕らえやすいのです。

ただ、ボールを捕らえるとき、しぜんに顔が動くものです。目玉は意識しないと動いてくれません。ですから、ここは訓練なのです。練習のとき、できるだけボールを目玉を動かして見るように意識してください。もちろん顔(頭)は自然に動きますが、「目を動かしてボールを見るんだ」といつも言い聞かせながら練習するのです。この訓練をやっていると、いつのまにか相手の速い強打やスマッシュ、ドライブも見えるようになってきます。

それとあと2つ、ブロックのコツがあります。まず、フォアサイドに打たれたら、手からではなく足から動くように意識します。あ、強打を打たれると思って、あわててラケットを出さないで、まずボールが飛んでくる方向に近いほうの足(この場合は右足)を出すことが大切です。手が遅れることは絶対にありませんから、足から動くんだということを強く意識してください。

あと1つは、これは本当にブロック技術で大切なことで、とくに前陣での場合はものすごく重要なことです。しかし、意外と知られていないというか、意識されていないことです。

それはバックスイングです。ブロックするときは、絶対にバックスイングを下げずに、高い位置に置くことです。そして後に引かないで身体の真横に持ってくることです。バックスイングが低かったり、大きく後に引いてしまうと、前陣で相手の強打をブロックすることはかなりむずかしくなります。

たとえ、相手のボールをラケットに当てたとしても、オーバーミスが多くなります。バックスイングを高く、短くすると、相手の強打を当てる確率が飛躍的に大きくなり、またオーバーミスが減少します。

以上、目の動き、足から動く、バックスイングを見直して、訓練すると、相手のスマッシュやドライブなど強力な打球をみごとにブロックすることができるようになります。ブロックされた相手はもちろん、それをブロックした自分も驚くことになるでしょう。








横回転のバックハンドサービスをドライブするには、またドライブのスイングスピー ドをアップするには……

 こんにちは。はじめて質問させていただきます。私の卓球歴は中学校3年間と高校の2年間程度です。日本式ペンです。
それから30ウン年経った今年4月から再び地域の協会に所属して週1回程度汗を流しています。中学、高校とも顧問の先生が卓球の経験者でなかったこともあり、練習の内容は先輩にならったり、自分たちで考えた内容のもので、フットワークの練習などしたことがなかったというかそんな練習があるのかもしりませんでしたから、今振り返ってみるとかなり内容のうすいものでした。    
ただ、サーブについては、かなり練習し、回転のかかったものをおもった場所にだせるようになっていましたので、試合では、サーブで得点し、相手のサーブは突っつきで確実に返し、甘いボールがきたら、ドライブなり角度打ちで得点していくという消極的で相手のミスで得点していく戦術でした。     
 30ウン年経った今も昔とかわらない卓球レベルなのですが、ここのQ&Aで書かれていることに注意して威力のあるドライブが打てるように練習したいと思っています。
前置きが長くなりましたが、2つ質問させてください。
1つはレベルの高い選手には、右利きのバックの横回転(下、上をまぜたものも含めて)をだしても、台上からでてしまうと全て強ドライブで打ち抜かれてしまいます。スイングスピードがあるからできるのでしょうか。わたしならバックの横回転をドライブしようとしたら、ラケットをひらきぎみにしてドライブをしていますが、ネットにひっかかることが多くうまく返球できません。ミスの原因としてりきんでうっているのもあると思うのですが、バックの横回転サーブをドライブする場合のコツがあれば教えてもらえればと思います。
2つめは、スイングスピードをあげる練習として有効な練習や訓練にはどんなものがありますか、ラバーとボールの当たる感覚とか指の感覚とか微妙な点で注意することはありますか。以上長くなりましたが、お答えいただければ幸いです。


A まず、相手が右利きの横回転が入ったバックハンドサービスをドライブするコツについてです。

このサービスはレシーブ側からは普通に打つと左方向へ飛びます。したがって、横回転の量にもよりますが、その回転量を考慮して右側に打てば、左サイドを切ってしまうミスは防げます。

ただし、この横の回転は上下の回転よりもむずかしくはありません。というか、横の回転はあまり気にしないで、横回転が入ったサービスはバックハンドでもフォアハンドサービスでも、上下どちらかを的確に見分けることが大切です。上下の回転というのは、ほとんどの場合、バックハンドサービスなら下回転と上回転、フォアハンドサービスなら下回転とナックルですね。

横回転が入ると、この上下の回転の見きわめがむずかしくなります。まあ、サービスを出す側も、この判別を難しくして出すようにするわけですが。

横回転が右回りか左回りかの判別は難しくないですから、横回転が混ざったサービスの場合は、まずこの上下の回転を的確に見きわめて対処します。これは、ツッツキでもフリックでもドライブでも同じです。

当然ですが、ドライブなら下回転なら回転量に合わせて真上方向にスイングし、ラケット角度は台にたいして垂直になります。またナックルや上回転なら、前方方向にスイングし、ラケット角度は被せるようにします。このスイング方向とラケット角度が的確なら、まずミスはないでしょう。

次に、ドライブのスイングスピードを上げるコツです。
ヒザの屈伸力、腰の回転力、肩甲骨・ヒジ・手首をスイングの軸としたスイングの速さを上げれば必然的にスイングスピードは増します。このとき、スピードドライブを重視するなら、屈伸と腰を前方に素早く移動し、スイングは主に肩甲骨を軸にしたほうがいいでしょう。

また、スピンを重視するなら、屈伸と腰は上方向に移動させ、スイングは肩甲骨とともに、ヒジを軸にしたらいいでしょう。スイングにおいてヒジを軸にすると、コンパクトになってスイングスピードは上がりやすくなり、回転量も増やします。

強力なドライブには、バックスイングのときから打撃スイングまではグリップはできるだけ柔らかく握り、インパクトの瞬間にぐっと握るようにして、そのままフィニッシュまで振り抜きます。この握る瞬間にスイングスピードが増すのですが、握るとスイングが途中で止まってしまうので、そのまま振り抜くと、スピンとともにスピードが加味されるのです。

あなたがドライブ攻撃型を指向するなら、台から出るような長いサービスはチャンスボールですから、どんどんレシーブからドライブ攻撃をしてゆくべきです。その場合、少々の横回転など気にしないで、相手のフォアサイドにも怖がらないでドライブしてみてください。しっかりとしたドライブであれば、右サイドを割ってしまうことはありませんから。



シェークハンドのバックに表ラバーを使用してますが……

 御初です。いつも悩み事相談も参考になり役立ち、愛読してます。ハンドルネーム:タクチャンと申します。
さて、相談です。私は右利きシェイクハンドで、フォア面は裏ラバー(天極)・バック面は表ラバー(LOGO)です。バックが弱点で中々バックのドライブ、スマッシュ、ショートが上手くいきません。
レシーブする時、腕が前でなく横に返えしているのが原因らしいです(丁度、本のページをめくるときのイメージです)。表ラバー使用ということもあり、どんな点に注意すればいいのかアドバイスください。
また、バック面のプッシュはどうすれば、ペン使用のように上手くいきますか。


A バック面に表ソフトラバーを使っておられるのですね。そうなると、ご質問の言葉に気になるところがあります。

バックのドライブ、ショート、それにプッシュとあります。まず、ショートとプッシュですが、この技術は基本的にペンホルダーのものです。シェークハンドならハーフボレーとかフリックという用語を使うものですが、もしかしたら、シェークハンドのバックハンド系技術をペンホルダーと同じように考えておられるのかもしれません。

ペンホルダーとシェークハンドの大きな違いはバックハンド系にあります。基本的にペンホルダーは「押す」、シェークハンドは半円状に「振る」ものです。一般に、ペンホルダーよりシェークハンドのほうがバックハンド系が有利と言われるのは、この点にあります。やはり押すよりも振ったほうが、威力あるボールが出やすく、また台上での処理もやりやすいからです。

ですから、シェークハンドのバックハンド・ハーフボレーは、書いておられるように、押すよりはページをめくるイメージでいいのです。ただし、あまりにも横(右利きですから左方向)に振りすぎてしまうと、威力が半減してしまいます。

もしかしたら、手首を使いすぎているのかもしれません。手首も使っていいのですが、シェークハンドのハーフボレーにおけるスイングの軸はヒジを第1ポイントにするべきです。

ハーフボレーのとき、ヒジの角度が内側に約90度ほど曲げたところから、打撃スイングを開始して、ヒジをスイングの軸にして、インパクトとともに、ヒジを伸ばすようにします。このときヒジを180度まで伸ばしきらないで、150〜160度程度の角度でフィニッシュします。

で、このとき注意するのは、押さないということ。また逆に、手首を使いすぎないということです。自然に弧を描くというイメージです。

また、表ソフトラバーを使ってのバックハンドドライブというのは、できなくはないでしょうが、やはり裏ソフトラバーとくらべると、いちじるしく回転量が落ちます。

表ソフトラバーなら、バックハンドフリックを多用したほうが有利でしょう。ラケット面を台にたいして立てて、そのままの角度で水平にスイングするのを基本とされたほうがいいのでは。

この打法は、とくに表ソフトラバーに有効です。ロングボールでも、ツッツキ系やカット系、回転系サービスでも、基本的にはこの打法で有効です。表ソフトラバーは回転に影響を受けにくいラバーですから、少々の下回転でも、ボールの頂点をしっかりとミートすれば入ってしまいます。

表ソフトラバーの特徴を活かして、バックサイドにきたボールはあまりツッツキをしないで、どんどんフリックやハーフボレーで先に攻めていくことを意識したほうがいいでしょう。  





肩甲骨打法のコツとは……

Q 最近、中国の馬龍選手に憧れています。馬龍選手は肩甲骨打法を使っている、と実況の人が言っていたのですが、肩甲骨打法のコツなどがあれば教えてください。


 肩甲骨打法は高島則夫氏が『卓球王国』誌上で提唱した打法だと思います。したがって、その詳細について、当方でどれだけ的確に理解しているか定かではありません。当方で理解している範囲内で、この打法についての「コツ」を若干説明してみます。

肩甲骨打法は、フォアハンドスイングのときに、ヒジをぐっと背中のほうに入れるのが特徴です。肩甲骨を背骨のほうにぐっと寄せるといってもいいかもしれません。こうすることで、パワーが付き、またラケットの面が外に開かないで相手のボールに負けないようになり、したがってオーバーミスが少なくなります。

当方のフォアハンドの基本的な考え方は、肩甲骨をスイングの軸にするというもので、その点においては肩甲骨打法に近いと思います。


私はプッシュマンなんですけど、スマッシュが返せません……

Q コンニチワ。結衣です。あの、私は「プッシュマン」なんですけど、スマッシュが、上手く返せません。どうしたらいいでしょうか???それと、カットマンとプッシュマンってどっちが強いんですか???


 こんにちは、結衣さん。プッシュマンって、どんなプレースタイルですか。自分がいつもしているプレーを振り返って、こちらによくわかるように説明してください。じつはね、このように自分のプレーをもう1人の自分が客観的にみることが上手くなる秘訣なんですよ。

それから、スマッシュは世界チャンピオンでもリターンするのが苦手です。上手いプレーヤーほど、相手にスマッシュをさせないで、自分が先にスマッシュやドライブしたりして、攻撃しようとしています。ですから、スマッシュを返す練習よりも、先に攻撃するようにしたほうが、試合では勝ちやすいんです。

カットマンとプッシュマンってどっちが強いんですかって、さあ、どっちが強いんでしょうね。これはやってみないとわかりませんよね。

水平打法のインパクトはなぜ「斜め横」なのでしょうか……

Q こんにちは。gohanと申します。何気なく卓球研究所のホームページにたどり着き技術論を読んでいる内に興味津津となった次第です。

当方、卓球歴は以前(30代)会社の卓球部に所属し試合も町民クラスに出場していましたが、重ねる年齢(現在51歳)に伴い会社の昼間に汗を流す為の、いわゆる健康卓球に勤しんでいます。しかし試合中の緊張感が忘れられず最近では卓球部に再入部し年齢別の試合に出場している次第です。

では質問です。水平フリック打法として「ラケット面を台にたいして直角に立てるようにして、ボールの斜め横を水平に振ります。」と言われますがボールの斜め横を水平にインパクトすると言うことはクロスに打つ事になるのでしょうか?

またインパクトは何故、ボールの斜め横なのでしょうか? 回転に影響されにくいのでしょうか?


 「ボールの斜め横を水平にインパクトすると言うことはクロスに打つ事になるのでしょうか?」とありますが、そのとおりです。

ほとんどのプレーヤーは、打球の際、ボールのどの位置(真後ろ、右側面、左側面、上面、下面など)を打つのか、あまり意識していません。多くのプレーヤーは、ボールの後を無意識的に打球しているのではないでしょうか。ところが、ボールを打つ位置をはっきりときめて打つと、多くのメリットが発揮できるのです。

その一つが、コースです。コースをねらう場合、そのコースに見合ったボールの位置を意識して打球すべきなのです。たとえばフォアクロスにサイドを切って打つ場合、右利きならボールの右側面を意識して打つと、ねらったコースへの確率は確実に上がります。

そして、とくにフリックのような打球点の低いボールを打つときは、ストレートコースに比べて距離が長くなるクロスコースをねらうことが多くなり、またサイドを切るような鋭い角度をもった打球が要求される場合は、とりわけこのボールの側面をねらうことが必要となってくるのです。

さらに水平打法というのは、ボールを真直ぐ飛ばす打法ですが、クロスコースをねらった場合、そのコースの角度に見合ったボールの位置を打球することで、真直ぐのボールが打ちやすくなるのです。

また水平打法はボールの真芯に当てる打法です。真芯に当たれば、その打球は加速度が付くようにぐんと伸びるような速い打球となり、その打球感というか、打ったときの感触はゴルフでいう「スイートスポット」に当たったときのような非常に滑らかな心地よい感覚が残りますが、この打球感もボールを当てる位置によって決まってくるのです。

「またインパクトは何故、ボールの斜め横なのでしょうか? 回転に影響されにくいのでしょうか?」とありますが、これはとてもすばらしい質問です。

まだ、当サイトではこの点について触れていなかったと思いますが、たとえば下回転の側面を打球すると、その下回転の影響がかなり緩和されるのです。これはツッツキのような短いボールでも、カットマンが打ったカット(下回転)でも同じです。ものすごく切れた下回転でも、ボールの側面をねらえば、低いボールでも強打することができます。

以上のことは、フォアからフォアへのクロスコースに有効ですが、フォアハンドでバックからバックへのクロスコースにも有効となります。

右利きの場合、ボールの左側面をねらうのですが、下回転のツッツキやサービスをフォアハンドでバックからバックへサイドにフリックするときは、ラケット面を外側に開いて下回転の回転量に応じてラケットの角度を上向きにします。
このケースのフリックでも、たとえその下回転が強力で、かつ低いボールでもボールの側面を確実にヒットさせると面白いように鋭いフリックが打てるようになります。

今回はフリックや強打に関してのボールの位置について述べましたが、ドライブやツッツキ、カット、サービスなどにおいても、インパクト時のボールの位置を意識することで、より正確で鋭いコース、より強力な打球にすることができます。
ですから、いつもボールを打球するポイントを意識して打つように心掛けてください。



水谷選手らのバック待ちスタイルをやってみようかと思うのですが、これは無謀でしょうか……

Q はじめまして。マコと申します。いつも楽しく拝見させて頂いております。中学時代、卓球を3年間かなり打ち込んで中学卒業以来、まったくやっていなかった24歳男です。右シェークハンド・ウラウラ・典型的な前〜中陣スタイルです。

最近の世界卓球・北京五輪に触発されて最近、月に2回、2,3時間ほど卓球をし始めました。筋力の衰えも、感覚の忘れもすべて仕方ないので、筋トレ等もやりながら感覚を戻していっている状態です。

ドライブも何もかもスピード・回転の衰えは仕方ないと受け入れているのですが特に顕著に失ったのが、前でのラリーです。引き合いになってドライブ同士になれば当時とそこまでは変わらない感覚なのですが、前での打ち合いになると、フォアバック切り替えがぜんぜんできません。

例えばこちらのサービスをフリックされてからの、ピッチの早いラリー等です。やはりこれも慣れカナ〜と思って気長に気長になのですが、ネットで見る動画、TVでみる男子の試合、たとえば水谷選手をみていると、基本的にはバックハンドで待っているように見えます。

バックは体の前でうちますし、フォアは体の横。であればバック待ちは当然なのかな?なんて素人っぽく考えているのですが。感覚を失ったついでに、中学時代ガムシャラにやっていたスタイルから、恐れ多いのは承知で、五輪選手のスタイルを真似てみたいなと考えております。

そこで、水谷選手らのバック待ちスタイルをやってみようかと思うのですが、私のこの状態から、バック待ちスタイルに挑戦するのは無謀でしょうか? また、そもそも彼らはバックで待ってはいないのでしょうか?

もしよろしければアドバイスをお願いいたします。



 フォアハンド主体で、バックハンドはその補助という程度で待つプレースタイルは、まだまだ日本では多いと思います。まず、その待ち方ですが、前回の技術論「待ちのスタンス」と「時間」をお読みください。

基本的にバックにきたボールをバックハンドで処理するというスタイルをとるのなら、すべてとはいいませんが、そこに展開しているチャン・イニンのようなボールの待ち方を覚えるといいでしょう。

とはいっても、いつもバックに来たボールをバックハンドで打つのではなく、ボールが来るのがバックだと読めたり、甘いボールだと、やはりフォアハンドでの強打や強ドライブしたほうがいいと思います。

水谷のボールを待つスタンスも、バックハンドで待ちながらも、チャンスがあればフォアハンドで攻撃しています。とくに、水谷はサウスポーで右利きと対戦したときは、フォアにクロスへ抜かれる危険性があるので、あまりフォアハンドでは回り込みづらいということがあって、バックサイドのボールはバックハンドで処理するのが必然的に多くなっているのです。

シェークハンドを使うのなら、バックハンドを使わない手はないでしょう。とくに、シェークハンドは、台上の短いボール(ツッツキやサービス)にたいしては、バックハンド・フリックやバックハンド・ドライブが使いやすく、この技術は先手をとりたい攻撃型にとっては、大きな武器になります。

試合ではバックに、バックスピン系のサービスが多くきますから、それを短ければバックハンド・フリック、長ければバックハンド・ドライブでレシーブするようにしましょう。

以上のように、バックハンドで待つのは、まったく無謀ではなく、

現代卓球ではごく常識的なものです。

年齢的なことですが、24歳はまだまだ若いと思ってください。現代の卓球プレーヤーのピークは27歳前後ではないでしょうか。また、ほんとうに体力や反射神経が落ちるのは35歳過ぎでしょう。

【リ・メール】こんばんは。お忙しい中お返事ありがとうございます。

  前回の技術論「待ちのスタンス」と「時間」をもう一度読ませていただきました。確かに張選手の試合を見ると、前へ前へという印象は受けないですね。愛ちゃんと張選手の試合を見ましたがプレイスタイルがぜんぜん違っていて、現段階では張選手が圧倒してる感じでしたが、それでも試合の終盤ではほぼ互角。今後愛ちゃんがさらに上にいけるか、とっても楽しみですね。

水谷選手や王励勤選手らはやはりバックで待っているんですね。岸川選手の試合もいくつか見ましたが、上記二人に比べて、フォアバックの切り替え…というより反応でしょうか、バックで待っていても、フォアに強打がきた場合の切り替えスピードに差を感じました。

いかに切り替えが大事かということなんでしょうね。切り替えを早くする練習法も読ませていただきますね。秋場さんのおっしゃるようにせっかくシェークハンドなのでバックドライブや、台上でのバックフリックをまずはマスターしていきたいと思います。

先日試したところ、特に自分は台上フリックがまだまだと痛感しました。どうも手首の動きが硬いように思います。

過去の記事を読ませていただいた、グリップはインパクトまでは軽く!を意識して、手首を有効に使えるようにしていきますね!

あと私は、前へ前という気持ちが強いことがよくわかりました……。そのせいか?立つ位置が台に近いのでしょうか? 気持ち半歩台から離れるとフォアもバックも反応も自分の理想に近づいた気がします。これも「前」よりは「横」にやや重きを置いたといえるのでしょうか? このまま続けていきたいと思います!

秋場さんの技術論・精神論・ほかの方のQ&A等、参考にさせて頂きながら気長に練習していこうと思います。これからも楽しく読ませていただきますね! 質問に答えていただいてありがとうございました








フォアハンド強打のスイングや打球点を教えてください……

 ドウモこんにちは。僕は高校二年生のFが表 Bが裏の前陣速攻です。僕はバック系の技術は県でも通用するのですがフォアは中学生よりも下手です。フォアは軽くつなげて、バックでしとめる戦術ですが、流石に限界を感じてきました。

フォアで強打するときのラケットの振り方や打点やラケットのどこで打つかを教えて下さい。ちなみにバックサーブが主体です。

A フォアハンドですが、前陣速攻型であれば、基本的に打球ポイントは頂点からライジングまでです。強打する場合は頂点を、つないだり、相手に時間的な余裕を与えない、あるいはタイミングを狂わせたいなら、バウンドしてすぐに打つライジング打法が有効です。ですから、練習ではこの2つの打球ポイントで打てるようにしましょう。

ラケットの面は垂直にして、そのまま水平に振ると、ボールが真直ぐに飛んで速い打球になります。これは水平打法というものですが、本サイトの技術論や『卓球パーフェクトマスター』で解説しています。水平打法は前陣のとくに表ソフトには適した打法なので参考にしてください。





粘着性ラバーでドライブするコツを教えてください……

Q 前回のメールでも述べたように回転に負けてしまうことが多いので、自分が回転を掛けられるようになればいいのではないかと考えました。そこで中国製の粘着性ラバー(テンキョク3)に変えてみました。このラバーに変えてから一ヶ月経ち、だいぶ使い慣れてきたように思います。しかし、やはり普通のラバーではないの でうまくドライブすることができません。

このラバーでドライブを打つコツやポイントがありましたら教えてください。

また、ラケット面をかぶせて打つのと、立て気味にして打つのではどのような違いがありますか? よろしくお願いします。

A 粘着性ラバーの特徴は、何と言っても「ボールを長い時間持てる」ということです。この点が、最高のメリットとなり、またデメリットにもなります。長い時間ボールを持てるとき、その時間にボールの回転やパワーが充填され、相手コートには伸びて、重いボールとなってリターンされます。

また、ボールに回転がよく掛かるというのは、ボールを長く持てるからです。

それだけ摩擦に要する時間が増えるということですから。逆に、相手ボールの回転にも、それだけ影響を受けるわけです。極端な粘着性や、また極端なスピード系のラバーは、このメリットとデメリットの差が激しいことを自覚すべきです。

トップクラスのプレーヤーは、このような一般のプレーヤーからみて極端なラバーを使いますが、やはりレベルがあがると、必然的に回転やスピードが要求され、このようなラバーを使いこなさないとなかなか勝負ができなくなってくるのです。

短剣と長剣とが戦ったとき、長剣の扱いは短剣よりも難しいけれど、単純に考えれば、それを使いこなせば長剣のほうが有利だということと同じです。

さて、粘着性ラバーを使いこなすには、打球のときに、「しっかりボールをつかまえる」ことが必要となります。しっかりと「自分のボール」にしてリターンすることが大切です。なぜなら、中途半端にリターンすると、その強い粘着性のために回転やコースをコントロールできないからです。

ですから、よりしっかりとしたスイングフォームが要求されます。とりわけ注意したいのは、スイングのときにフォアハンド、バックハンドにかぎらず、ラケット面が外に開かないようにすることです。開くと、ボールの回転やスピードに負けて、オーバーミスが多くなります。

また、スイングのときに、腰から始動するのと同時に、やはり肩甲骨を支点にしてスイングするようにしたほうがいいでしょう。

粘着性ラバーでドライブをするときは、基本的にはスイングスピードを速くしないと逆に回転やパワーが出ません。スイングスピードを出すためのフォーム、またフィジカルの強化が必要でしょう。

ラケットの角度は、かぶせるほうが、粘着性ラバーには合っています。かぶせても、粘着性なら、ボールを持ち上げることができやすいからです。しかも、かぶせるだけ、ボールを長い時間持てることにもつながります。ただし、かぶせだけ、スイングスピードを速くすることが必要となります。






ドライブがオーバーミスするのですが……


 いつもDVDを見て練習しています。おかげさまで、Aチームに入れました。ありがとうございました。
 今はドライブを必死に練習しています。そのとき困ったんですが、フォアハンドドライブのとき、どうしてもオーバーしてしまいます。たまたま入っても前進回転が弱く泣きたい気分です。どうしたらコートにズバッと決まるようになりますますか?
 それとコーチに、ラケットを振り上げろ!と言われたんですが、どこから、どこめがけて振り上げればいいのか分かりません。そこはどうなっているのですか?
 以上の二点の返答、待っています。念のためですがが全てフォアハンドドライブです。本当に返答待っています。本当にお願いします。(ハンドルネーム 卓球少年)


A ドライブでオーバーミスが出るということは、次のような原因が考えられます。

1.スイング角度が上すぎる。
2.ラケット角度が上すぎる。
3.ドライブするボールの回転と、スイングやラケットの角度が合っていない。
4.打球するポイントが後すぎる。

つまり、この4点に問題があるとき、オーバーミスが出やすくなるので、この4点をチェックしてみてください。また、次のような練習をしてみるのもいいでしょう。いつもより、スイング角度を前方にして、ラケット角度を前にかぶせ、打球ポイントを前にします。ねらうのはネット上部の白いラインです。とうぜん、ネットミスが多くなると思いますが、それでもかまわないので、このようにしてドライブ練習を続けます。そして、続けているうちに、何本かネットを越えて入るボールが出るかもしれません。もしかしたら、このとき回転がかかり、スピードがあり、ねらったコースにずばりと決まるドライブのコツがつかめるかもしれません。
 もし、何度やってもネットを越えないのなら、次のヒントを参考にしてください。

1.スイングを速くするとボールはもちあがる。
2.そのためには、足腰の動きを利用する。ドライブにパワーのある選手の腰の動きをチェックしてみる。
3.グリップを軽くにぎって、インパクト(打球)の瞬間にぐっと握って、そのまま振り抜く。
4.振り抜くとき、ヒジを巻き込むとパワーが出て、とくに回転がアップする。『卓球パーフェクトマスター』の岩崎氏のドライブのフィニッシュを参考に。
5.そして、スクワットをやる。





「楕円打法」とはどういう打法ですか……


 最近30年ぶりに卓球の練習を再開しました。まぼろし探偵といいます。早速でもうしわけありませんが、「楕円打法」とは、どういう打法なのか教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

A 楕円打法というのは、中国で開発されたフォアハンド打法です。打球→フィニッシュ→バックスイングという一連のスイング・フォームが楕円状になることです。

 打球して身体の中心でフィニッシュして、そこから斜め下にバックスイングを始め、打球スイングに移るのですが、このときのスイングの動きが直線的ではなく、楕円状に回転するようにします。打球→フィニッシュ→バックスイング→打球というポイントでスイングを止めないで円状に滑らかにスイングします。こうすることで、次の打球へスムーズに速く移れるのです。

 この楕円打法は、かつて日本で開発された「三角打法」よりも進化したスイング・フォームです。三画打法とは、オデコでフィニッシュして、そこから下にラケットを下ろし、そこから横にラケットを伸ばして打球するというものです。この打法は、中・後陣でドライブ主戦のプレースタイルには合っていましたが、前陣でのピッチの速い卓球には、振り遅れて不適当になりました。

 三画打法では、フィニッシュやバックスイングから打撃スイングに入るときにいったんスイングが止まることになりスイングの動きが遅れてしまうからです。また、ラケットを下に下げすぎると、前陣ではそのピッチに対応できなくなります。

 いま、卓技研では、フォアハンドとバックハンドの新しいスイング・フォームを開発中です。それは楕円打法よりも、さらに速いピッチで対応でき、しかもパワーが増し、サイドコーナーも鋭くつくことができるものです。






水谷選手のようにバック待ちスタイルに変更したいのですが、無謀でしょうか……


Q はじめまして。マコと申します。いつも楽しく拝見させて頂いております。中学時代、卓球を3年間かなり打ち込んで、中学卒業以来まったくやっていなかった24歳男です。右シェークハンド・ウラウラ・典型的な前〜中陣スタイルです。
 最近の世界卓球・北京五輪に触発されて最近、月に2回、2、3時間ほど卓球をし始めました。筋力の衰えも、感覚の忘れもすべて仕方ないので、筋トレ等もやりながら感覚を戻していっている状態です。
 ドライブも何もかもスピード・回転の衰えは仕方ないと受け入れているのですが特に顕著に失ったのが、前でのラリーです。引き合いになって、ドライブ同士になれば当時とそこまでは変わらない感覚なのですが、前での打ち合いになると、フォアバック切り替えがぜんぜんできません。例えばこちらのサービスをフリックされてからの、ピッチの早いラリー等です。
 やはりこれも慣れカナ〜と思って気長に気長になのですが、ネットで見る動画、TVでみる男子の試合、たとえば水谷選手をみていると、基本的にはバックハンドで待っているように見えます。バックは体の前でうちますし、フォアは体の横。であればバック待ちは当然なのかな? なんて素人っぽく考えているのですが感覚を失ったついでに、中学時代ガムシャラにやっていたスタイルから恐れ多いのは承知で、五輪選手のスタイルを真似てみたいなと考えております。
 そこで、水谷選手らのバック待ちスタイルをやってみようかと思うのですが私のこの状態から、バック待ちスタイルに挑戦するのは無謀でしょうか?また、そもそも彼らはバックで待ってはいないのでしょうか? もしよろしければアドバイスをお願いいたします。


 フォアハンド主体で、バックハンドはその補助という程度で待つプレースタイルは、
まだまだ日本では多いと思います。まず、その待ち方ですが、前回の技術論「待ちのスタンス」と「時間」をお読みください。基本的にバックにきたボールをバックハンドで処理するというスタイルをとるのなら、すべてとはいいませんが、そこに展開しているチャン・イニンのようなボールを待ち方を覚えるといいでしょう。

 とはいっても、いつもバックに来たボールをバックハンドで打つのではなく、ボールが来るのがバックだと読めたり、甘いボールだと、やはりフォアハンドでの強打や強ドライブしたほうがいいと思います。水谷のボールを待つスタンスも、バックハンドで待ちながらも、チャンスがあればフォアハンドで攻撃しています。とくに、水谷はサウスポーで右利きと対戦したときは、フォアにクロスへ抜かれる危険性があるので、あまりフォアハンドでは回り込みづらいということがあって、バックサイドのボールはバックハンドで処理するのが必然的に多くなっているのです。

 シェークハンドを使うのなら、バックハンドを使わない手はないでしょう。とくに、シェークハンドは、台上の短いボール(ツッツキやサービス)にたいしては、バックハンド・フリックやチキータ、バックハンド・ドライブが使いやすく、この技術は先手をとりたい攻撃型にとっては、大きな武器になります。試合ではバックに、バックスピン系のサービスが多くきますから、それを短ければバックハンド・フリック、長ければバックハンド・ドライブでレシーブするようにしましょう。

 以上のように、バックハンドで待つのは、まったく無謀ではなく、現代卓球ではごく常識的なものです。年齢的なことですが、24歳はまだまだ若いと思ってください。現代の卓球プレーヤーのピークは27歳前後ではないでしょうか。ほんとうに体力や反射神経が落ちるのは35歳過ぎでしょう。






自分の球にして返球するのは……

 私は最近若手の上級者に稽古をつけてもらえる機会が増え、とても喜んでいる43歳の卓球愛好家です。高校時代は河野満選手にあこがれて表ソフト・ペンスタイル。35歳から卓球を再開した際は、両面高弾性裏ソフト・シェイクスタイルに変えました。

 師匠の彼が、私と練習する中で、
・フォアうちができてない。羽子板状態。当てているだけで自分の球になってない。
・相手の球種・スピードに関わらず自分の球にして打つことが大切。球も安定する。バックも同様。
・単にドライブで返球する、というのとは少し違う(私のドライブはそもそも弾く感じのドライブ)。
・球打ちをしましょう。ラケットで球を上に跳ね上げ、球をラケットですっと掴むように取る練習を。と指摘・指導してくれました。

 薄々は感じてました。この壁を越えないと中級レベル以上にはいけないなと。上級者が確かに自分の球にして返球していることは実感しています。球をラケットで一瞬掴む感じ。サービスひとつとってもこれが肝かと思われます。ボールタッチのセンスとでも言うのでしょうか。これを磨く効果的な練習方法を教授頂ければ幸いです。自分ではできていたと思っていた水平打法も不安定なのはこの感覚の欠如ではないかと思ってます。秋場様も水平打法では球の外側を打て、と指摘されていたと思いますが、球を掴む感覚と通じるところはないでしょうか。

 難解ですみません。何卒ご指導の程宜しく御願いします。また、水平打法の新展開、楽しみに待っています。


 「自分の球にして返球する」というのは、まあ、卓球技術の基本ですね。野球でいうと、真芯にあたったライナーがそうであり、凡ゴロや凡フライはそうでないということでしょう。このご質問は、実際にあなたのスイングを観てみないと、なんともいえないこともありますが、かなり厳しい目で観れば、ほとんどのプレーヤーは自分の球にして返球していません。これは日本のトッププレーヤーもふくまれます。

 ただ、自分の球にして返球するということでも、プレースタイルによって、その返球するボールの質は違ってきます。たとえば多くの中国選手のように、ほぼすべてのロングボールにトップスピンをかけてリターンする場合は、打球するときに「しっかりとボールをつかむ」ということが大切になり、また水平打法(ロング)の場合であれば「どれだけ真芯に当てる」のかということが大切になります。
 そして、前者はバウンドして伸びると同時に、その球を打つと非常に重くてパワーのあるボールとなり、後者はスイングの速さ以上に速い打球となり、しかも加速するように飛び、サイドを切るボールが打ちやすくなります。

 自分の球にして返球するには、前者・後者いずれにしても、スイングのときに腰から始動して、しっかりと振りきるということです。もし、振りきって入らなければフォームに問題があります。フォアハンド、バックハンドにかぎらず、これからは振りきるようにして、練習してください。最初は入らなくていいですから、思いきって振り抜いてください。これは強打することではありません。すっと、ゆっくりでもいいから振りきるのです。その振りきって、いいボールが打てたとき、「自分の球になった」一つの目安となります。ボールのコントロールは腰でする感じで、腕や手で手加減しないでください。






ハイトスサービスで短くて、回転をよく掛けるには……

 こんにちは。ボクは右シェーク両面裏の高校2年です。この頃、サービス練習をするときに、台の左端からトスを手の上から2メートルくらいボールを高く上げてから、フォアで下回転のショートサービスの練習をしています。このように打てば回転がよく掛かると思うからです。
 けれども、ハイトスのサービスをすると、ボールが長くなったり高くなったりして飛び出してしまうし、回転も自分の打ちやすい高さでトスしたほうが掛かっています。トスは大体真上にまっすぐ上げれるようになりましたが、ハイトスのサービスで短くて、回転がよく掛かったボールの出し方を教えて下さい。


 ハイトスサービスですが、これをマスターすると、たしかにスピンがかかりやすくなります。また、レシーバーにもタイミングの狂いや集中力を減少させるなどの効果も期待できます。

 ハイトスサービスにスピンがかかりやすいのは、高く上げたボールが落下するときに
それだけスピードがついて、サービス時の打球の際に摩擦が大きくなるからです。しかし、ハイトスサービスを完全にマスターするには、かなりの訓練が必要です。とくにハイトスでショートサービスを出すのは、かなり難しいものです。

 まず、まっすぐ上に投げ上げることですが、これはだいたいできるようですね。最初はあまり高く上げないで、50センチ位の高さくらいからはじめていけばどうでしょうか。このとき、自分がサービスをするときに打球しやすい位置というかポイントを見つけることです。
 あまり打球ポイントが身体から離れたり、また前すぎると、安定感に欠け、スピンの切れ味も悪くなります。サービスは個性が大きいので一概には言えませんが、右利きであれば自分の右腰に近くで打球するほど、安定し回転もかけやすくなります。

 そして、打球するときは、足腰を十分に意識してください。打球する瞬間に、右の太股にぐっと力を入れるといいでしょう。また、バックスピンはラケット面を上に向けて、台に対して水平に近くなるほど、スピンはよくかかります。それだけボールがラバーにあたっている時間が長くなり、回転に必要な摩擦力が増えるからです。
 また、ショートサービスは第1バウンドをネットに近いほど出しやすくなります。

 以上のことを踏まえて、最初は50センチ、次は75センチ、1メートルと徐々に高くしてマスターすればいいでしょう。なお、サービスのもっと詳しいテクニックは『卓球パーフェクトマスター』で解説していますから、参考にしてください。(卓球技術研究所・秋場龍一)




ドライブするとカンッという音がして、回転が掛かりません……

Q こんにちは。いつも参考にさせてもらっています。右日本式ペンドライブ型の高2生です。僕は少し前まで表ソフトを使って速攻をしていて最近裏ソフトに変えたのですが、ドライブをするとカンッというスマッシュの時の様な音がして回転が掛からずに安定しません。どのようにすれば回転が掛かり安定するでしょうか、ご教授お願いしますm(__)m(大根大好き より)


 ドライブのときに、「カン」という音と回転がかからないというのは、まだ表ソフトラバーのときのクセが残っているのかもしれません。

 ツッツキなど下回転系のボールを打つとき、通常、表ソフトは角度を調整して、弾くように打ちます。いっぽう、ドライブはボールをこすりあげながら回転(トップスピン)をかけます。この2つの打法のスイングのベクトル(方向)はまったく異なっています。
カンという音が鳴るのは、ラケットのブレード(板)にボールが当たったときのものです。通常のドライブでは、この音は出ないものです。なぜかといえば、ドライブはブレードに当てるのではなく、ラバーでこすりあげるからです。

 ですから、ドライブの基本は、「ラケットでボールを打つ」のではなく、「ラバーでこする」ことを意識することです。練習では、空振りしてもいいですから、ボールをこすりあげてください。

 次に、ドライブの回転を増し、安定させるには、足腰を意識することが大切です。ボールをこすりあげるというと、どうしても腕や手に気持ちがいきすぎてしまいますが、回転をつけるにはヒザの屈伸と腰の回転を、また安定させるには「腰でボールを持ち上げる」というイメージをもつことです。

 その方法ですが、ボールが飛んできたら、バックスイングをとりながら、同時にヒザを曲げて腰を落とします。そして打球スイングのときも同時にヒザを伸ばすようにします。スクワットしながら、ドライブスイングをする要領です。





強打に素早く対応するには……

 こんにちは。卓球暦2年の両ハンドドライブ方を目指している者です。僕は、三球目攻撃をするのは得意な方です。しかし逆に三球目攻撃をされた時や、ラリー中にいいコースに打たれた時反応できません。相手の打った球を見ているつもりですが、動く前に抜かれてしまいます。

1)どうすれば、相手の打った速くいいコースの球への反応を速くできますか? それと、少し高く浮いてしまった球を相手に打たれるとき、体が動かなくて、全く反応できません。特にいいコースに打たれたわけではないのに、返せません。情けないですが、頭の中で「危ない」と思っているのだと思います。

2)相手の打ったスマッシュや、速い球を怖がらないで返せますか?


 さて、まず(1)ですが、自分のボールが高く浮いた場合、そのボールへの反応が遅くなるのは、どんなプレーヤーであってもほぼ同じだろうと思います。これは「技術論」のフェイントでも述べましたので参照していただきたいと思いますが、浮いたボールは相手に余裕があるので、どのコースに打つのか考えられる時間があるため、とうぜん相手は空いているコースやサイドを切るとかミドルを狙うとかかなり自由に選択できるので、それに素早く反応するのはかなり難しいと思います。ですから、こういう浮いたボールにならないようにリターンすることが先決でしょう。

 そして、もし浮いてしまったら、(2)の点にも関連しますが、相手の強打やスマッシュ、強ドライブをブロックするには……
1.まず飛んでくるボールを可能なかぎり、眼球の動きでとらえるようにします。もちろん、頭は動きますが、意識として、ボールに顔を向けてとらえるというより、眼球でボールをキャッチするようにします。そして、もし相手の強打など速いボールが見えたら、半分以上ブロックに成功したようなものです。

2.飛んでくるボールに手からではなく、足から動くように意識します。あまりにも遠くに打たれた場合は腕が伸びて打つようになりますが、できるだけ腰でボールを受け止めるようにします。このとき、フリーハンドで身体全体のバランスをとってください。

3.強打を怖がるのを防止するには、1のように眼球でボールをキャッチする意識をもつこと、さらに2のように腰でブロックする意識が大切です。強打されたとき、足を後に引いたり、腰が逃げたりしがちですが、飛んでくるボールに腰をぶつけるという気持ちをもつといいでしょう。





ボールは目で追って、顔で追うのではないですね……


 こんばんは、卓球技術研究所を利用させてもらっているものです。集中論で述べてあった、「ボールを観る」という記事を見てから、ボールにすばやく反応できるようになりました。
 一応確認したいのは、ボールは目で追うのであって、顔で追うのではないですよね?ってことです。


A ボールを観るについてですが、そうです、ボールは頭(顔)を動かさずに、できるだけ目というか、眼球の動きでとらえるようにします。このことを意識してやっていると、相手の動きがよくわかり、次のプレーが早くなります。とはいっても、ボールが飛んできた方向にすこしくらい顔が動いてもまったく問題ありません。

 また、眼球でボールをとらえるとき、ボールに集中はしつつも、あまり眼光するどく凝視するのではなく、注意深く眺めるという感じがいいのです。ちょっと、微妙な表現ですが、冷静な気持ちでボールを観察するというイメージってわかりますか? 頭はクールで、心はヒートしている、というのがベストですね。

 このようにできると、競った試合でも、ほとんど緊張しないで、しかも闘争心にあふれて集中できるようになります。こういうことも、大切な訓練だと思って、練習のときに意識してやってください。







【実践報告メール】相手のレシーブコースや回転を早く見きわめて、3球目ドライブ攻撃の成功率を高めるにはどうすれば…
3球目への反応がたいへん早くなりました……

 丁寧な回答ありがとうございました。今練習ではサーブをインパクトまで見ずにレシーバーのほうに目を移すことを特に心がけてやっています。まだサーブミスが出てしまうことが多いですが、三球目への反応はとても早くなったことが実感できました。他にいただいたアドバイスについても実践で生かせるようにしっかり練習していきたいと思います。






回転がかかり安定したドライブはどうすればいいのでしょうか……

 こんにちは。いつも参考にさせてもらっています。右日本式ペンドライブ型の高2生です。僕は少し前まで表ソフトを使って速攻をしていて最近裏ソフトに変えたのですが、ドライブをするとカンッというスマッシュの時の様な音がして回転が掛からずに安定しません。どのようにすれば回転が掛かり安定するでしょうか、ご教授お願いしますm(__)m 大根大好き より


 ドライブに回転がかからないようですが、その対策をお答えします。
 「カンッというスマッシュの時の様な音がして」というのは、まだ、表ソフトラバーを使っておられたときの感覚が残っているのでしょうか。まず、ボールをこすりあげるコツを会得することからはじめましょう。それにはループドライブから入るのがいいでしょう。つぎのような練習をおすすめします。

 送球者に少し下回転のボールを出してもらいます。そのボールにたいしてラケットの面を垂直に立て、まっすぐ上にこすりあげるようにスイングします。フィニッシュの位置は頭の真上あたりです。このとき、スピードは出なくても、また山なりになっても気にしないでください。とにかくボールをこすりあげて、回転をかけるコツを得るための練習ですから……。このとき、ラケットのブレードに当てるというより、ラバーにボールを引っかけるというイメージです。

 最初は空振りが多くなるかもしれません。空振りを防ぎ、また安定したスイングとパワーを得るために、右利きならば、ボールが飛んでくることに合わせて右足を縮め、同時に右腕のラケットハンドも下に引きます。そして打球に向けて右足を伸ばすのと同時に右腕も連動して上に振り上げます。このように、右足と右腕を同時に連動させることを心掛けてください。

 この練習をすることで、回転をかけるコツを覚えたら、徐々にラケットの角度を前にかぶせ、スイングの方向も真上から前方にしてゆきます。そうすることで、ドライブにスピードが出て、また低い弾道のドライブになります。





ラケットヘッドは「立て」て打つほうがいいのでしょうか……

 いきなりすいません。僕は高校?年で戦型は前陣速攻でF表B裏です。質問ですが、僕は悩んでいるのですが、打つ時はいつもラケットを立てて打った方がいいんですか。回答お願いします。


 質問の内容がはっきりしないところがありますが、推測して述べたいと思います。あなたはシェークハンドの右利きとします。また、「ラケットを立てる」とありますが、これはラケットのヘッド(先端)を立てるということですね。垂直に立てるという意味にもとれますが、それもふくめてお答えします。

 まず、ラケットヘッドを立てることですが、フォアハンドでもバックハンドでも、一般的なグリップでは立つのが普通です。ときどき、倉嶋選手(協和発酵)のように手首を下に向けるようにするプレーヤーもいますが、彼は例外でしょう。とくにフォアハンドはしぜんなグリップであればラケットヘッドは立ちます(上に向く)。ラケットヘッドが立つと、スイングの力がスムーズにラケットに伝わります。

 ただし、ドライブなどで手首をよく使いたいタイプであれば、ラケットヘッドが下に向くのもよしとします。ただ、フォアハンドのドライブはいいとしも、フォアハンドロングや強打、スマッシュなどは、手首を下げると引っ掛かりやすく、ドライブ性(トップスピン)になりがちです。

 また、バックハンド(ハーフボレー)のときのラケットヘッドも少し上がるくらいがいいでしょう。このほうが、スイングがコンパクトに振りやすく、また手首の返しも効きやすいからです。ただし、あまり立て過ぎると、スイングパワーが落ちたり、ラケット面が外に開くようになって、相手のボールの威力に負けるので注意が必要です。

 これは質問内容とは異なるかもしれませんが、ラケットの角度はとくにフォア面が表ソフトラバーであれば、台にたいして垂直気味にしたほうがボールのスピードは出ます。ラケット面を下にかぶせて上方にスイングするよりも、ラケットを垂直にして水平にスイングしたほうが、球の威力は出るからです。これは本サイトの技術論「水平打法」や『卓球パーフェクトマスター』を参考にしてください。




バックスピン・サービスを出すとき横回転が混ざってしまいます……

Q バックスピンサービスについての質問です。極力、本(卓球パーフェクトマスター)と同じにしていますが、左横回転がかかってしまいます。理由としては何が考えられますか? また、どうすればいいですか? 卓球少年


 ご質問の内容から、ちょっと理解しにくいところがありますが、そこは想像して解説してみます。まず、バックスピンサービスですが、これはフォアハンドサービスとして考えてみましょう。さらに左横回転というのは、時計回りですね。それに、あなたは右利きですね。(あるいは、逆時計回り回転でも、ラケットのヘッドなどは上に向いている可能性があり、基本的には以下の解説と同じだと考えてください)

 以上3点を仮定してお答えします。ごく簡単に答えると、サービスのときのラケットヘッドが下に向いているためです。あるいは外側にラケットが開いているといってもいいかもしれません。フォアハンドのバックスピンサービスを出すとき、あなたのようなラケット角度で出す選手は多いものです。ほとんどのプレーヤーがラケットヘッドは下がってます。

 ところで、左横回転(時計回り)がかかると何か問題があるのでしょうか。少々の横回転なら、時計回り回転やあるいは逆時計回り回転でも、別に問題はないはずです。ただし、バックスピンサービスで横回転が混ざると、その分だけバックスピンの回転が相殺されて、下回転の効き目が弱くなります。
 なぜなら、横回転というのは、リターンしたときにボールを浮かせる性質があり、その性質が下回転の回転量を減らすためです。まあ、物理学的というか科学的には、以上の回転の減少はおかしな話かもしれませんが、実際のプレーにおいては、横回転が混ざる分だけ、下回転の威力が減少することは間違いないですから。

 バックスピンサービスで、ほんとうに純下回転が出たときは、レシーバーはネットによくかけてくれるものです。ですから、バックスピンの威力を増そうとしたいなら、できるだけ横回転が混じらないように、まっすぐに切れたサービスを出すようにするべきです。

 では、どうすれば、まっすぐな、純下回転のバックスピンサービスを出すことができるのでしょうか。そのやりかたをレッスンしましょう。まず、サービスを出す位置について、実際にサービスを出すようにかまえてください。つぎに、ラケットをにぎったまま。ラケットのフェイス(フォア面)を上に向けて、台の上に置いてみます。
そうすると、ラケットはきれいに水平の角度が出ます。
 そこから、そのラケットの水平角度を保ったまま、サービスを出す高さまで上げて、
その位置から同じくその水平角度を保ったまま後方にまっすぐラケットを引いて、サービスのバックスイングをとります。そして、バックスイングと同じ軌道を通って、まっすぐ水平に前方にスイングします。これで、純下回転のバックスイングサービスが出せます。

 以上のように書くと、とてもむずかしいようですが、要するに、台の水平面に合わせてラケットの角度とスイング方向を水平に保つようにすればいいだけのことです。このとき注意するのは、ラケットヘッドが下がらない、あるいは上がらないようにすることです。





フォアサイドに振られると、その後の展開が不利になるのですが……


 こんにちは! 前日パーフェクトマスターを購入し、何度もDVDの「攻撃を組み立てる」を見ています。
 私は左ペン表の速攻型です。最近は練習で守備範囲も広がってきていて、フォアに振られた時になんとか返す事が出来るようになってきましたが(以前は届かない事が多かったです)飛びつきながらクロスに返球しても定位置に戻りきれないうちにバックストレートに抜かれて失点する事が多いです。
 まだフォアストレートに返球する技術はなく、相手の待っているところに返すのがやっとです。この様な状況から抜け出す為にどんな返球の練習をどんなふうにすればよろしいでしょうか?(フォアにふられるのはラリー中の下回転だったり、ロングサーブだったりです)宜しくお願い致します。


 左ペン表の速攻型ということですが、そういうプレースタイルであれば、前陣でプレーすることがほとんどだと思います。そうなると、フォアサイドを突かれたとき、必然的に距離・時間的に余裕がなくなります。ですから、バックサイドをフォアハンドで待っていると、とうぜん抜かれてしまったり、返球しても甘く入っていまいます。

 そこで、前陣型はバックサイドは主にバックハンド系の技術で攻撃できるよう強化につとめる必要があります。しかも、あなたは左利きですから、右利きとの対戦では、相手のバックサイドからの返球があなたのクロスに抜けていくことになります。つまりあなたのフォアサイドへ対角線上に遠く逃げていくわけです。
 これは右利きの対左利き対策も同じなのですが、左利きが右利きと対戦するとき、お互いにバック対バックのストレートコースのラリーが多くなります。双方とも、このバック対決を有利にすることで、左右の対戦を有利にみちびくことができます。

 そして、左右対決のときは、お互いに相手のフォア前とミドル前を意識させることで、実際にもここを数多く突くことで相手にかなりのプレッシャーを与えることができます。フォア前→バックサイドに深く→フォアサイドに深くリターン、という攻撃パターンで相手を崩すのです。実際にこのように攻められると、あなたも嫌なはずです。この攻撃パターンをマスターするためにも、バックハンド系を強化して、あまりバックサイドに寄りすぎないでプレーができるようにしてください。

 以上のことを理解されたうえで、フォアへの飛びつきをよくするフットワーク練習をしましょう。フォアに飛びついたあとの戻りをよくするには、身体の向きに注意してください。飛びついたとき、台に対してあなたの身体の正面が向いていますか? 台に対して横を向くようになっていませんか? フットワークのときは、できるだけ台に対して正対するように、(カニが歩くように)してください。そうすれば、戻りが速くなり、またストレートやクロスなどのコースへ打ち分けることも容易になるでしょう。

 練習方法を3点紹介します。(相手右利きを想定)
1.バック対バックのツッツキからフォアにツッツキを振ってもらい、それを相手のバックに軽打して、相手はバックからストレート、
つまりあなたのバックサイドを突いてもらい、それをあなたはバックハンド系でリターンしてあとのラリーはフリーに、お互いどこに打ってもよいことにします。
2.多球練習の要領で、送球者にあなたのバックに球を出してもらい、あなたはそれをバックハンド系で相手のバックに打ち、送球者はあなたが打った瞬間にフォアサイドにボー  ルを出して、それをあなたは飛びついて相手のフォアサイド、つまりストレート方向に強打します。
3.これはオーソドックスなラリー練習です。一つはオールフォアハンドで左右のフットワーク練習です。相手にバックハンド系で左右に振ってもらいます。これはゆっくりとしたボールでいいですから、相手に左右に大きく振ってもらいます。2歩動、3歩動のフットワークで、できるだけ大きく速く動くようにします。かなりハードな練習ですが、この練習を積むと確実に上達します。

 もう一つは、3点フットワークで、相手にバックサイド→フォアサイド→ミドル、そして再びバックサイドへと順番に送球してもらい、あなたはバックハンド→フォアハンド→バックハンド→バックハンドという順番でフットワークしながらリターンします。この練習はフットワークとフォアとバック両ハンドの切り替えがよくなります。

 フォアサイドへのリターンというのは、甘く入れば攻撃されるし、厳しく攻めれば戦略上において非常に有効になりやすく、卓球の基本です。ですから、ここをいかに攻め、またここを突かれたときどう対応するのかが試合のポイントになります。これはトップクラスの試合でも同じことがいえますから、このポイントをぜひとも強化してください。







練習ではできるのに、試合になるとどういうわけかフォアハンド・サービスが出せません。どうすればいいのでしょうか……


 こんばんは。わたしは試合になるとバックサーブしか出せなくなります。練習のときはフォアのサーブは何の問題もなく出すのですが、試合になると、なぜかフォアのサーブが出せなくなります。ダブルスのときは出せるのですが、シングルになるとミスしてしまいます。どうしたら試合のときにフォアのサーブが出せるのか、教えてください。


 試合になると、練習では何の問題もなくできていたことが、急にできなくなることがあります。

 あなたの場合はバックハンドサービスは出せるが、フォアハンドサービスが出せなくなるのですね。この原因は、バックハンドサービスは、サービスを出すときにバックスイングをするときに身体のラケットを移動させるのでバックスイングが小さくなり、必然的にコンパクトなフォームになって安定します。
 ところが、フォアハンドサービスは、バックハンドサービスのように身体のカベがなく、バックスイングが不安定になります。そして、サービスをするときのタイミングがフォアハンドサービスではうまくとれないので、試合になると無意識的に不安定なフォアハンドサービスを怖がって、フォアハンドサービスが出せなくなるのです。

 ではどうすれば、試合でフォアハンドサービスを出せるようになるのか? 解決策はあります! サービス練習をするとき、手のひらにボールをのせ、16センチ以上投げあげ、頂点から落下するところで打たなければならないというルールがあります。

 ボールを投げあげた瞬間に「イチ」と数え、同じテンポで「イチ、ニ、サン」と数え、「サン」で打球するようにします。このとき、「イチ、ニ、サン」のタイミングをゆっくりとって、サンで打球するように調整します。

 一般的に、試合になると、ボールを早く打ちたいという意識がはたらいて、練習のときよりもタイミングが早くなりがちです。この「イチ、ニ、サン」のタイミングを練習で覚えておくと、試合のときにこれを思いだして、同じように「イチ、ニ、サン」と数えながら出すので、練習時と同じタイミングにすることができます。

 この練習法を覚えると、あなたのようなケースだけにかぎらずサービスを安定的に出せるようになり、サービスミスが減少します。

 また、この「イチ、ニ、サン」のタイミングを覚え込むことによって、試合の局面で「イチ、ニ、サン、シ」とか、「イチ、ニ」とか、タイミングを変化させて相手を幻惑させることも可能となります。この「イチ、ニ、サン」のタイミングを基本としてマスターすれば、その応用としてタイミングをずらしたサービスが出せるようになるわけです。

 さらに、この「イチ、ニイ、サン」はサービス以外の練習にもつかうことができます。
ラリー練習のとき、相手が打球した瞬間を「イチ」、打球が自コートにバウンドした瞬間を「ニ」、そして、自分が打球する瞬間を「サン」を数えながら打つのです。

 これを毎回、正確にカウントするように練習していると、集中力が高まり、ミスが減少するばかりか、飛躍的な上達がもたらされるでしょう。ただし、この練習は楽なようで、意外と辛いものです。本当に強くなりたければ、この「イチ、ニ、サン」のタイミングをいつも心のなかで数えながら練習をおこなってください。



中ペンに変えたのですが、どんなグリップがいいのでしょうか……


Q 
こんにちは。私の戦型は日本式ペンドライブですが、最近中国式に変えました。初めてなので、どのように握ったらいいかわかりません。グリップの削り方もわかりません。また、ラバーはグリップから少し離して貼ったほうがいいのでしょうか? ご指導よろしくお願いします。


 日本式と中国式のペンホルダーグリップは、基本的には日本式と同じでいいと思います。日本式で握っていたように、いちばん打ちやすく、また、自分のプレースタイルに合ったグリップでいいのです。

 中国選手のグリップは、以前はラケット表面の人差し指と親指を大きく円をつくるようにして、ペンというより、わしづかむというように握ることが多かったようですが、最近は日本人のようなグリップが多いようです。(ただ、中国選手各個人の詳細は不明ですが)

 ただし、例外があります。ひとつは、裏面打法をつかう場合、裏面をささえる中指・薬指・小指の位置を変えたほうがいいかもしれません。裏面打法をつかうとき、中指がまっすぐ伸ばしていると、ボールが指に当たりやすくなります。
 また、右利きなら右の方へ中指を曲げていると、裏面打法をつかうときに、ボールの威力に負けてラケット面が開いてしまうことがあります。中指のささえが弱くなるからです。そこで、裏面打法をつかう場合は、中指を左の方にもっていくことも考慮されたほうがいいと思います。
 日本式で裏面をつかわない場合は、中指の位置がラケット裏面の縦の中心線から左におくことはショートなどバックハンド系スイングのラケット角度が十分に出せないのでよくないグリップです。これはペンホルダーグリップの原則といってもいいでしょう。
ただ、裏面打法をつかう場合は、この原則はかならずしも当てはまらないと考えてください。

 以上のように、中国式ラケットのグリップは、自分のプレースタイル、つかう技術、そして好みに応じて対応することが大切です。ラケットの削り方ですが、これはご自分で握りやすいように調整すればいいのです。ラバーの貼り方ですが、ラバーが指に接すると汗ですべりやすくなりますが、これもご自分のフィーリングに合わせて調整してください。



力強いスピード・ドライブを打つ方法(ドライブ矯正法・その1)

Q いつも回答の方ありがとうございます。今回はドライブをかける際のフォームの矯正法について質問させてください。
 私は右ペンドライブ型ですが、ドライブの際、直したい癖を2つもっています。一つ目は肘が上がってしまうこと、もう一つはバックスイングをして振りぬこうと する際、最初に肩がまえにつっこんでしまうというものです。
 2つともループドライブを打つ際はまだいいのですが、スピードドライブを打とうとすると「面をかぶせてスピンをかけたい」という意識で肘が上がってしまい、パワーを出したいと言う意識が体を先に開いて 肩から動作を始めさせてしまい(先に体が前に突っ込んでしまう感じ)、結局、力強いボールが打てていません。長年のものなので、なかなか矯正は難しいと思いますが、何か意識的に行ってみると良いことがあれば教えていただけないでしょうか。
 いつもお手数おかけいたしますが回答の方お願いいたします。

A まず、意識的な面で、あなたはボールに回転をかけよう、あるいは相手コートにボー ルを入れようという気持ちが強すぎるように思われます。また、あなた自身も自覚されているように、パワーを出したいという意識から体が開 いて、体が前に突っ込むのです。

 これはドライブにかぎらず、どんな種類のスイングにも共通することですが、「入れたい」「強く打ちたい」「ねらったコースを突きたい」などという気持ちが強 いとき、
肩や腕、手に余計な力が入りすぎて上半身主導になってしまいます。

 ところが、上半身主導であればあるほど、思いとは逆にマイナスの結果となるのです。
腰あるいは腹(臍下丹田)を意識して、下半身主導でスイングするように心掛けるこ とが大切です。「腰」とは、その造りのとおり、体の要です。この腰から始動して、腰でスイングのバランスをとるようにすれば、打球の安定性はもちろん、スピードやスピン、そしてパワーも倍増します。また、人間の体のパワーを生みだす70%以上は下半身が占めていますから、下半身の動きや筋力を使わない手はないでしょう。

 とくにドライブ打法は下半身の上手な使い方が要求されます。下半身の伸び上がる力、右足から左足への重心移動と腰の回転をうまく融合させて、下半身に引っぱられるように、肩甲骨から腕、ひじ、手首がインパクトに向かってパ ワーが集約されるようにスイングするのです。スイングのとき、腰のバランスを意識するのと同時に、両足の太股の筋肉をフル稼働 させているかも注意をはらってください。

 下半身の使い方を覚えるのと同時に、スクワット、腹筋、背筋などの筋トレも合わせ ておこなうと、よりパワーが発揮できるでしょう。





中年期の下半身強化法とドライブ打法(ドライブ矯正法・その2)

Q いつも丁寧な回答ありがとうございます。現在、以前に回答頂いたことに基づいて、フォアドライブの矯正をしていますが、年齢的なものもあるのか下半身が弱くなってきた気がしています。
 というのはバックスイングを取り、腰の回転と膝の伸び上がる力を使ってドライブしようとするとおしりが沈み、手だけのスイングになります。特に対カットの際、顕著にあらわれます。走りこみやスクワット等がいいのは分かっているのですが、無理をすると仕事にさしつかえるので、今年で36歳を迎える私ができる下半身強化法があれば教えてください。(毎日腹筋100回は現在やっています。)以上お手数おかけいたしますが回答のほうお願いいたします。

A まず、スポーツをするうえで、35〜42歳ごろは、体力的な大きな曲がり角に入ります。これは体力だけではなく、精神的なこともそうですが。心理学の世界では、「中年の危機(ミドルエイジ・クライシス)」という言葉があります。ですから、中年期は人生における最大の転換期だといってもいいでしょう。ちなみに、厄年は数えで42歳ですが、これも人生の転換期を踏まえたうえでの戒めではないでしょうか。

 卓球ですが、体力が落ちてくるのはとうぜんですが、反射神経も鈍ってくるようです。たとえば、頭では回り込めと命令しても、身体がそれに反応しないで、回り込まないといったように。

 さて、ドライブですが、もう感じておられるでしょうが、ドライブというのは、ものすごいパワーを必要とします。ドライブはスマッシュと同じか、それ以上のパワーを要します。そこで、そのパワーをつけるために、筋トレや走り込みなどで体力強化をはかるのか、あるいは、この際、体力を考慮して、ドライブ主戦から転換して、省エネ卓球をめざすのか、という選択をされてはいかがでしょうか。

 もし、どうしてもドライブ主戦でいきたいという選択をされたのであれば、体力的強化をしたほうがいいでしょう。お薦めするのは、スクワットと歩行、水中運動です。仕事に差しつかえるほど激しくやらないで、すこしきつくなってきたなと感じたら、そこでやめればいいのです。歩行はいつもより、早足で歩き、電車やバスで通勤されていたら、一駅とかバス停を2つ3つ手前で降りて歩くとか、エレベータやエスカレータに乗らないで階段を使うようにしたりと、生活のなかでちょっと工夫すれば、いくらでも体力は強化できます。それから、水中運動は体力アップにかなり有効で、しかも安全性が高くお薦めです。近いうちに、卓球技術研究所サイトで紹介しますから、参考にしてください。

 また、カット打ちで連続でドライブをすると、かなり体力を消耗しますので、つなぎのドライブと決めのドライブを使い分けるといいでしょう。つなぎのドライブとは、省エネタイプのドライブ打法です。この打法は、ボールをこすりあげるというよりも、ラケット角度を上に向けて、ボールをラケットにのせるようにしながらリターンするスイングです。そう言うと、中年だけのテクニックだと思われるかもしれませんが、かつての世界チャンピオンであるワルドナーを筆頭に世界のトッププレーヤーもこの技術を駆使しています。

 カットボールの回転量に応じて、ラケット角度を調整して、ラケット面にボールをのせて、ボールの右側(右利きなら)を巻き込むように打ちます。この打法なら、腕を激しく振り上げる必要がないので、体力をあまり使わなくてすみます。そして、この打法に慣れてくれば、まったく回転をかけなくしたり、一瞬くっとトップスピンをかけたりと微妙な回転の変化で相手カットマンを翻弄しましょう。もっと慣れてくると、ナックルドライブもつかえるようになります。

 さらに、両サイドやミドルを深くつくだけではなく、短く落とすドライブを混ぜると対カット攻略の戦略がひろがります。




「つなぎのドライブ」をマスターしたいのですが……(ドライブ矯正法・その3)

Q 回答のほうありがとうございます。回答を頂いて、自分はまだドライブ主戦を続けたいので下記を参考に体力強化をしたいと思います。
 ただ下記にある「つなぎのドライブ」はマスターしたいと思います。 練習でやってみたのですが、いまいちよく分かりません。私が今考えているイメージはループドライブをかけるようにバックスイングを取りラケットの先端を下げてボールの 右側をカーブ・ドライブをかけるように振り抜くという感じです。練習でやってみるととても体力を使い、秋場さんがおっしゃっているものと違う気がします。もう少し解説をいただけないでしょうか。以上宜しくお願いいたします。

A つなぎのドライブですが、前回の当方の説明がわかりにくかったのかもしれません。
「ループドライブのようにバックスイングをとり、ラケットの先端を下げる」のではありません。よく表ソフトラバーの選手がカット打ちでやる「角度打ち」に近い打法です。ラケット表面を上に向けるようにして、ボールをラケットに乗せるように、包みこむようにしながら打つドライブです。

 通常のドライブは、ラケットの角度を下向きか、ループドライブのように垂直ぎみにしますが、このつなぎドライブは面を上むきにします。こうすることで、通常のドライブ打法で使う、体力的なパワーを減少させることができるのです。ラケット角度を下か垂直にむけて、ボールをこすりあげて回転をかけるというのは、そのまま打つと当然ボールは落っこちますから、その分、ラケットの速い振りが必要で、多くの体力を必要とするのです。

 ラケット角度を上向きにしているのですから、ボールをこすりあげるパワーは必要ではなく、体力は通常のドライブように消耗しません。もちろん、回転量やスピードはあまりでませんが、それでもラケットにボールをのせて、振り抜くときにドライブのように回転をかけたり、あるいはボールの右側面を打球することで、右利きなら左にカーブドライブをかけたり、また、ラケットにボールをのせて、そのまま少し押しだすように打てば、無回転になってナックル・ドライブになり、回転の変化をつけることで大きな武器になります。

 また、このドライブ打法は、ツブ高でカットされたときに出るものすごい回転のかかったバックスピンをリターンするときにも、きわめて有効な打法となります。ご存じのように、こちらがドライブでトップスピンをかければかけるほど、それをツブ高でカットされると猛烈なバックスピンがかかって、それをなおドライブによるトップスピンの回転でリターンするとなかなか持ち上がらないものです。相手のカットの回転の威力に負けてしまうのです。

 そこで、こういう猛烈なバックスピンのカットに対してドライブでリターンするときは、ラケット角度を通常とは違って、上向きにすることで対応すればいいのです。角度を変えて、相手のバックスピンのかかったボールをラケットに乗せることで、楽々とこのボールが持ち上がるのです。いったんボールをラケット面に乗せて、それからドライブをかける、というイメージです。

 このドライブ打法のポイントは、「ラケットを上向きにして、カットボールを面にのせる」ことです。






ペンホルダーのバックハンド系技術について……

Q 紹介していただいた練習法を参考にさせていただき頑張りたいと思います。もう一つ質問ですが、これからバックハンド系の技術を強化するのにはどの技術が良いかご指導をお願いしたいです。
(私の現状)
1. 現在は切り替えがうまくいかないので、ショート時のグリップを直していましてブロックやプッシュが安定していません。(今は辛抱中です)
2. 以前からバックハンド系を使いたくて時々練習していますが、裏面を練習したりバックハンドを練習したりしています。試合中は間に合わなくて、とっさに出るのはバックハンドです。
3. 下回転に対しては、狙えば裏面の方が入る確率が高いように思えます。競った試合では、今の所どちらも使えません。
4. 私も若くないので、とっさにバックハンドを振って腰を痛めた事があります。
5. 最近はバックフリックも使ってみたいなと思いました。(DVDを見て)

仕事をしているので、他のママさんに比べたら練習時間は極端に少ないです。この様な状況です。お時間のある時にでもお返事をお願い致します。



 ペンホルダーのバックハンド系の強化ですが、ご質問の内容はビギナーからトッププレーヤーまでに共通したペンホルダーの問題点です。

1. ペンホルダーのフォアとバックの切り替えにおけるグリップの悩みですが、グリップはプレースタイルと関連します。ここでは基本的なグリップの方法について解説しますから、ご自分で試してみて調整してください。
 まず、ペンホルダー・グリップは深く握ればフォアハンドはやりやすいというか威力が出やすく、バックハンドはやりにくくなります。またフォアとバックの切り替えはやりにくくなります。浅く握れば、フォアハンドの威力が出しにくくなる感じを受けるかもしれません。ただ、人によってこの感覚は違います。バックハンドと切り替えはまちがいなくやりやすくなるでしょう。ですから、両ハンドをスムーズに使いたいのであれば、最初は浅いグリップから徐々に深めにしていくなかで、自分のフーリングにぴったりの握り度合を探すのがいいのではないでしょうか。
 つぎに、ラケットの裏面を支える中指・薬指・小指はラケットのタテ中心線に近く、つまり指をまっすぐ伸ばすほど、フォアハンドの威力は出ます。このグリップは、中指でラケットの中心を支えてフォアハンドを打つわけですから威力が出るのです。そして、指を曲げていくほどバックハンドと切り替えがやりやすくなります。
 ここで注意するのは、もし裏面打法を使うのなら、ラケット裏面のグリップはまっすぐ伸ばしてはいけません。手首が利きにくくなり、またボールが指に当たってしまいやすくなります。ですから、裏面打法のグリップは、指を曲げることが、ほぼ絶対条件となります。
 また、ペンホルダーの切り替えで、ショートのグリップで親指を外す人が多く、それはそれでいいのですが、バックハンド・ロングやバックハンド・ハーフボレー、それに裏面打法は親指は外せないので、もしこれらの技術を多用するのなら、親指はフォアハンドを打つときと同じく、親指は外さないほうがいいでしょう。

2.3.4.5. この質問は関連しますので、まとめて解説します。まず、ペンホルダーのバックハンド系技術ではショートは確実にマスターしたいものです。そして、できれば、バウンドしたらすぐに打球するようにしてピッチを速くするとともに、強力なプッシュ打法も覚えましょう。このとき、飛んできたボールの外側の側面(右利きでは左側)を打球するようにします。
 ただし、より上位をめざすなら、ショート系のバックハンド技術だけでは不十分です。質問にもあるように、試合で多いツッツキなど下回転系のボールをショート系では攻められないからです。それで開発されたのが、裏面打法によるドライブです。この打法だと、シェークハンドのバックハンド・ドライブのようにバックハンドでツッツキボールを攻めることができます。
 ただ、ここで一つ大きな問題点にぶつかります。それはショート系の表面打法と裏面打法を使い分けしなくてはならないからです。もちろん、バックハンド系を表面と裏面をうまく使い分けているプレーヤーもいますが、できればバックハンド技術は表面か裏面か、どちらかに固定したほうがはるかにスムーズにいくはずです。
 そこで、もし裏面打法を自分のバックハンド系技術の中心としたいのなら、表面のショートはもうこの際やめてしまって、ロングボールやブロックでも裏面で対応してはどうでしょうか。実際に裏面打法を開発した中国では、バックハンド系はすべて裏面だけで対応している選手を見かけます。
 また、いやショートは絶対に使いたいというのなら、中途半端に裏面打法を使うのはやめて、徹底して表面だけのバックハンド技術を磨いたほうがいいでしょう。この場合、ショートにプラスしてバックハンド・フリックをマスターするといいでしょう。肘と手首をスイングの軸にして、小さく鋭く振り抜くのです。ツッツキ系の下回転には角度を調節して払うように角度打ちの要領で強打したり、トップスピンをかけて、表面バックハンドドライブやってみてはいかがでしょうか。
 さらに、ショートだけでリターンしていると、どうしても威力に乏しく、またピッチに慣れられやすいことが多くなるので、ロングボールにはバックハンド・ハーフボレーをマスターしましょう。スイングのやりかたはバックハンド・フリックと同じで、とくに肘をスイングの軸にして、コンパクトに小さな半円で振り抜くようにします。
 バック対バックのラリーやレシーブでこのバックハンド・ハーフボレーを入れると、相手はタイミングが狂うのかポイントにつながりやすいものです。




フォアを突かれたとき、威力あるドライブを打ちたいのですが…

Q こんにちは。私は趣味で週1回程練習している者です。いつもこのサイトで勉強させて頂いてます。
 さて、早速質問なのですが、バック対バックのラリーからフォアにまわされた球をドライブするとき、弧を描かずにネットに落とすことがままあります。上手い人などはこの状況で、ちゃんと弧を描いて伸びのあるドライブを放ちます。どこを注意すればよいでしょうか。

 質問内容から察すると、フォアへつかれたときのフットワークに問題があるように思われます。これは、想像ですが、フォアにボールを送られたとき、台に対して身体が正対するのではなく、あなたが右利きなら、右の方に向いて打っているのではないでしょうか。もし、そうだとすると、そういう体勢から打つと、当然威力が落ちるのです。

 そして、もしかしたら、フォアにまわされたとき、頭を下げてドライブしていませんか。理想的には、フォアにまわされたら、素早くフットワークをつかってボールより先に右に移動(右利きの場合)して、そこから、台に正対して、前に重心移動するようにスイングをすればいいのです。そうすれば、威力あるドライブが打てます。

 それともう一点、フォアにまわされたとき、ラケット角度ですが、ラバー面が下に向きすぎていませんか。ちょっとでも、フットワークが遅れると、先ほど述べましたように威力が落ちるので、遅れたときは、ラケット面を垂直の角度に調整することも必要です。ループドライブになりやすいですが、その分、相手コートに深く入れるようにすれば、そう簡単に相手からカウンターをくらうこともないでしょう。



ツッツキやフリックをすると攻撃されるのですが…

Q ただのツッツキや、ただのフリックをすると、単調となり、攻撃されます。そこでチキータをしたんですが、手首や前腕の使い方が分かりません。教えて下さい! 

 ご質問の内容を読むと、何か根本的な間違いがあるように思います。
「ただのツッツキやただのフリック」をするから、書かれているように「単調」となって、相手に攻撃をゆるしてしまうのです。では、「ただ」ではないツッツキやフリックをすればどうなるのでしょうか。チキータをマスターするなとは言いませんが、それより以前に単調でないツッツキやフリックをマスターすべきです。

 ツッツキというと、いかにも安易なテクニックと受け取られることがありますが、ツッツキも極めればかなり有効で攻撃的な打法となります。統計をとっていないので正確なところではありませんが、トッププレーヤーのゲームでも使用頻度ではいちばん多用するのがツッツキではないでしょうか。

 実はツッツキというのは意外と難しい技術なのです。まず、ネットすれすれの低くて深い、基本のツッツキができる人は少ないものです。クロスにツッツキをする場合、ほとんどの初級・中級のプレーヤーはラケットヘッドを下げてツッツキをします。このためボールに横回転が入ってボールが浮きやすくなるのです。

 クロスにツッツキをする場合はフォアハンドやバックハンドにかぎらず、あるいはシェークハンドやペンホルダーにかぎらず、ラケットヘッドを少しタテてカットすると、低くて深く、しかも高速のツッツキになります。さらに、相手コートのサイドを切ることも容易となり、これだけでかなり攻撃的なツッツキになります。ドライブマンならよくわかると思いますが、高速のツッツキをされると、押されて詰まりながらドライブすることがよくあります。
 この「低い・深い・高速・サイドを切る」という基本のツッツキをマスターしたなら、つぎに同じクロスへのツッツキのバックスイングからストレートコースへのツッツキ、さらにツーバウンドとなる短いツッツキを覚えましょう(A)。この技術のポイントは、クロスコースへのバックスイングから、ストレートや短いツッツキをすることです。この技術をマスターすれば、相手はどんなボールが来るのか予測がしづらくなります。

 さらに、同じツッツキのスイングフォームから、切る・切らない技術を覚えましょう(B)。強いバックスピンをかけるとき、手首を使うのは一般的ですが、インパクトの瞬間にラケットをぎゅっと握るようにしてカットすればラケットスイングが速くなって、切れ味のよいツッツキになります。

 そして、以上のことができるようになれば、こんどはAとBを融合して使えるようにします。たとえば、ストレートコースに短くて切れたツッツキやクロスのサイドを切るコースに切れていないツッツキなどです。これをできるだけ、同じバックスイングとおなじフォームでやるようにします。

 さらに、相手のツッツキ(サービス)ボールもバックスピンやナックル、またサイドスピンが入っているものなどさまざまですから、どんな種類のボールが来ても以上のような技術が発揮できるようにしなければなりません。

 普通、切れたツッツキを送れば、切れたツッツキとなって返球されてくることが多いもので、それを予測してまっていますので、たとえばバックスピンのよく切れたツッツキが来たら、それをナックルにして返したり、逆にナックル性のツッツキはよく切って返すなどの技術も必要です。

 これらのテクニック以外に、ツッツキにサイドスピンを入れる技術などもあります。ざっとツッツキのテクニックを見たように、これらの技術は「ただのツッツキ」ではありませんし、これらの技術をマスターすることはそう簡単ではありません。ツッツキといっても、なかなか奥が深いのです。ちなみに、トッププレーヤーとは、正確な技術とそれを基本とした応用技術を会得しており、逆に言えばだからこそトッププレーヤーになれたのでしょう。

 尚、フリックとチキータについては、『卓球パーフェクトマスター』に本とDVDで詳しく解説していますから、そちらをご参照ください。





「ナックル・ふわふわボール」とは「極弱回転ボール」では…

Q 初めまして。記事にコメントしたくてメール差し上げました。
 「表ソフトやツブ高のナックル、ふわふわボールに対する打ち方や攻略 法を教えて……」の「ふわふわボール」のことを、秋場さんは「上ナックル」と推察され ていますが、私は「微弱上回転ボール」でも「微弱下回転ボール」でもなく「極弱回 転ボール」のことだと思います。

 極限まで回転数が少ないボールは十分な速度で空気中を進むと、回転の 向きがどうであれ、ボールの空気抵抗の偏在が一定せず、結果的に揺れながら前進します。野球で言う「ナックル」は揺れ球であり、「極弱回転ボール」を指すと 思います。質問者の方の仰る「ふわふわ」は極弱回転ボールが揺れる様を指してる ものと私は推察します。

 また、質問者の方は「表ソフト・ツブ高ラバー」「ナックル、ふわふわ ボール」という順に書いておられますので、それぞれのラバーの象徴的なボールであるところの「微弱上回転ボール」と「極弱回転ボール」を指して「ナックル、ふわ ふわボール」とされたという推測もできます。

 「ふわふわボール」は回転が無いだけではなく、揺れる為に軌道が見極 めにくく、また、相手のスイングの割には球が遅いので、打ちにくいです。

 周りのみんなは「ふわふわボール」に対して、十分に引きつけてドライ ブで強く返す人が多いです。前陣が好きな私は、ラケット面をフラットないし少し上向きにし、ライジングを横振りします。

 元々「ナックル」とは「曲げた指の関節(Knuckle)で突き出すよ うに投じるボール」
ですが、卓球では野球用語を借用して弱い回転のボール全般を表してい るようですね。
おかげで、「微弱上回転ボール」「微弱下回転ボール」「極弱回転ボー ル」を言い分ける用語が無く、「本当のナックル」とか「ナックル気味の下回転」とか、 工夫しなくてはなりません。

 
 メールありがとうございました。このように、リアクションをいただくと、本コーナーもたいへん有意義になります。今後もどんどんコメントしてくださるようお願いいたします。

 さて、たしかに、ふわふわボールは「極弱回転ボール」です。ナックルといっても、ケースバイケースで、いろんな性質のボールになりますが、ツブ高が押しだすようにしてツッツキすると、打ってバウンドするまでは下回転で、そしてバウンドすると上回転に変化することがよくあります。

 もちろん、どちらも極弱回転ですが、このツブ高独特のボールを説明を分かりやすくするために「上ナックル」としました。ですから、「極弱回転ボール」と「上ナックル」は、ほぼ同じ性質のボールです。とはいっても、あくまで「ほぼ」で、厳密には性質は異なるでしょうが。この2種のボールの打ち方は、ドライブ、水平強打とも、ほぼ同じでいいと思います。






低い弾道のドライブ、またサイドラインを切るスピードドライブはどうすれば打てるようになりますか……

Q ものすごくかかった下回転を低い弾道のドライブで攻められず、ループでしか打てず相手にカウンターされ得点できません。どうすれば、ものすごくかかった下回転を低い弾道できれいに攻められますか?
 また、試合の要所でサイドラインを切るようなドライブを打って決めたいと思います。バックコースから打つときにはシュート回転をかけるようにしていますが、どうしても安定しません。どうすればサイドラインが切れる安定したスピードドライブが打てるようになりますか?

 基本的に、ドライブを打つうえで、スピードとスピンは相反した関係にあります。つまり、スピードを求めればスピンを犠牲に、スピンを求めればスピードが犠牲になるということです。しかし、パワードライブはこのスピードとスピンの両方を合わせもっています。では、どうすればスピードとスピンのあるドライブを打てるようになるのでしょうか。

 スピードを求めるとラケットの角度は台に対して垂直にして、スイングは前方へまっすぐに、押しだすようにしながらこすりあげます。いっぽう、スピンを求めるとラケットの角度はスピードと同じく台に対して垂直にして、スイングを真上の方向へ、こすりあげます。
 あなたの場合のラケット角度も、このように台に対して垂直ぎみなのではないでしょうか。もちろん、基本的にはこのラケット角度でいいのです。

 しかし、これではご質問の「どうすればものすごくかかった下回転を低い弾道」のドライブボールは打てません。こういうドライブは、ラケット角度をかぶせぎみにして、しかも前方へスイングする必要があります。理論的には、こうすれば回転のかかった低い弾道の、しかもスピードがあるドライブが打てます。
 でも、これではラケットをかぶせ、しかも前方にスイングしているのですから、下に落っこちてしまいます。

 で、ここで逆に質問します。どうすればラケットをかぶせ、しかも前方にスイングしてもボールは落っこちないようにできるでしょうか?しばらく、ご自分で考えてから、下の答えを読んでください。

 このようなラケット角度、スイング方向で、ボールが落ちない方法は、スイングスピードをあげればいいのです。スイングスピードが速ければ、その摩擦によってボールは落っこちないのです。

 中国のマ・リンなどは、ラケット面がほぼ真下に向いて、そのまま前方(30〜45度程度)へスイングするときがありますが、これはスイングスピードが速いから有効なのです。もちろん、中国製の粘着性ラバーを使用していることもありますが、あんなにラケットがかぶせているのに、しかも下回転のボールでも下に落っこちないのは、このスイングスピードの速さにあります。

 バックサイドからのシュートドライブが安定しないとありますが、これは実際に見ないと判断できませんが、よくあるケースは、しっかりとバックサイドに回り込んでいないことです。
 腰をしっかりとまわして、右利きなら時計回りに十分にまわすことです。こうすれば安定して、しかもシュートドライブもバックサイドを切ることもできるようになるでしょう。一度ためしてみてください。





相手のレシーブコースや回転を早く見きわめて、3球目ドライブ攻撃の成功率を高めるにはどうすれば…

Q ハスハスといいます。サイトはよく見させていただいています。とても参考になる話ばかりで活用させていただいています。
 さて、今回はドライブについて質問があってメールさせていただきました。一言で言うと下回転サーブからの3球目ドライブの成功率が低くて困っているんです。原因を考えてみると、相手のレシーブのコースや回転の見極めが遅かったり、できていなかったりすることと、相手のボールのボールに対して一球一球スイングを調整できていないことだと思います。
 中学から卓球を始めて今高校一年です。中学校の時から前に書いたことを意識しながらドライブを中心に練習してきたつもりなのですが、なかなか上達が見えません。
 相手のボールに対してのスイングの変え方や、効果的な練習などありましたら教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします

 このあなたの問題は、多くの人がぶつかる問題でもあります。高校ぐらいになると相手のレシーブ技術も高くなり、甘いサービスではなかなか十分な体勢でドライブを打つことはできにくくなります。この問題をクリアする3つのポイントを挙げてみます。

1. まず、サービスです。いいサービスだと、3球目攻撃がやりやすくなります。相手にレシーブ攻撃をさせないためには、短いサービスを出す必要がありますが、相手レシーバーは3球目攻撃をされるのを避けるために、短いサービスは短くレシーブされたり、またコースの角度をつけられたり、速いツッツキなどで対応してきます。そうなると、3球目に十分な体勢でドライブすることはむずかしくなります。

 そこでマスターしたいサービスが、ハーフ・2バウンド・サービスです。これはエンドラインのぎりぎりの長さに出すサービスで、相手はドライブ攻撃もまた短い返球もむずかしくなります。またツッツキで返球すると長くなって、3球目攻撃がしやすいボールがかえってくる確率が多くなります。

 とくに、よく掛かった下回転のハーフ・2バウンド・サービスは短くツッツキしようとしても、その下回転のために長くリターンしやすくなります。このサービスは上級者でもうまくリターンするのが難しいので、ぜひマスターしてください。

2. 「相手のレシーブのコースや回転の見極めが遅かったり、できていなかったりする」ことの原因の一つは、サービスのインパクトのときに、自分の出したサービスボールに目線がいってしまいすぎることです。

 サービスのボールをインパクトするときは、レシーバーの相手を見るようにします。そうすれば、いままでとは見違えるように、レシーブされたボールの見きわめがよくなります。サービス練習のときに、最後までボールを見ないで、インパクトするときには相手を見るようにするのです。

 これをマスターすると、3球目攻撃への始動が驚くほど早くなります。中国のトップクラスはマスターしていますが、日本のトップクラスではかなり少ないのではないでしょうか。そういうと、とっても難しいテクニックのように思われてしまうかもしれませんが、サービスのときに意識してこれを続けていると、意外に簡単にマスターできるものです。

3. ドライブそのものの始動時間を短くしましょう。それにはバックスイングを短くして、ドライブするようにします。そして、できるだけ足から動くようにして、素早くフットワークで動いて、腰を十分に使ってドライブ・スイングするようにします。腰を十分に使うことで、小さなバックスイングでも、強力なドライブボールを打つことが可能です。

 この1、2、3は、すこし高度な技術ですが、マスターすればかなりレベルアップできます。






相手の打球に素早く反応するにはどうすればいいのでしょうか…………

Q アドバイスの通り練習したら以前より良くなったと感じています。
 次の質問です。僕は練習でのフットワークは普通に動けているのですが試合になると前後、左右などの様々なボールに対して、どこにボールが来るのか、どのように動けばいいのか分からず、他の人より反応や動きが遅くなってしまいます。ボールの動きを早く判断するにはどこを見ればよいのでしょうか? よろしくお願いします。


A ボールがどこにくるのか、いち早く判断することができれば、それだけでかなり優位に立つことができます。そのメソッドは2点あります。

 まず1点は、自分の打つボールのスピード、スピン、コースが相手にとって厳しければ、相手は打つコースが限定され、おのずとどこに相手が打ってくるのか判断がつきます。たとえば、簡単なケースでは、相手のバックに深くて速い打球を打てば、相手の返球はクロスか、あるいは高く浮いてくる確率が高くなります。もちろん、これはあくまで「確率」であって、ストレートへ強烈なカウンターをくらうこともなくはありませんが。しかし、このようなバックに深くて速い打球をストレートコースにスピードボールで返球するには、それなりの高い技術レベルが要求されます。

 2点目は、自分がボールを打つとき、ボールを「見すぎない」ことです。もちろんボールを見ることは重要です。しかし、見すぎてしまうと、相手の動きを見ることへの反応が遅れ、したがって飛んでくるボールへの判断が遅れることになってしまうのです。

 ボールはよく見なければならないが、見すぎてはいけない??。この矛盾するようなテーマを解くには、頭を動かしてボールを見るのではなく、眼球の動きでボールを見るようにすればいいのです。頭を動かして、ボールを打つインパクト近くまでボールを見てしまうと、また頭を動かして戻さなくてはならず、頭を戻しているあいだに、自分が打ったボールはもうすでに相手が打つ瞬間のところまで飛んでいっています。

 それとくらべて、眼球の動きは頭の動きよりも数倍も速く自分が打球したら、すぐに相手の動きも目でとらえられるのです。

 このボールをインパクトまで見ないということは、女子の世界選手権やオリンピックで優勝している、現在世界ランク1位の中国女子の張(チャン・イニン)も実践しています。普段の練習から、眼球の動きでボールをとらえるようにして、できるだけ頭というか顔を動かさないで、しっかりボールを見つつ、打ったらすぐに相手を見るというように習慣づけるように訓練してください。このメソッドは非常に高度ですが、できないことはありません。

 またこのメソッドは、レシーブにおいても、かなりの効果がでます。本ウエブ、「技術論・レシーブ」を参照してください。もしこれができるようになると、冒頭に書いたように、試合ではかなり優位に立てることはまちがいありません。そう、ワンランクは確実にレベルアップするでしょう。





監督からドライブは「溜めて打て」と言われたのですが、意味がわかりません…………

Q 僕は岸川選手のように両ハンドで攻めるプレースタイルです。そこで最近、監督にドライブを打つときはしっかり溜めてから打つと言われました。しかし、僕はその溜めるの意味がよくわかりません。体をどのように使ったら溜めることができますか? また、その溜めた力をどのようにボールに伝えて威力を出せばよいのでしょうか? 具 体的に体の使い方やイメージを教えてください。

A 「溜めて打つ」というのは、ボールをよく引きつけて打球する、そして打球するときに腰をつかってボールに下半身のパワーをのせる、というようなことだと思います。要するに下半身の使い方でしょう。

 威力あるボールを打つには、スイングスピードを速くすればいいわけですが、それは単に肩や腕などの上半身だけではなく、下半身を生かすことが大切となります。なぜなら、肩や腕は下半身に乗っかっているわけですから。

 その下半身の使い方ですが、次の3点の動きがあります。

   1. 腰の回転運動

   2. ヒザを支点とした上下運動

   3. 重心移動

 この3点の動きをうまく融合させることでパワーが生まれます。結局、「溜める」ということは、以上の3点の動きにつながるのです。

 
この3点の体の使い方ですが、まずそれぞれの動きをやってみてください。

 1はそのとおり、腰を打球方向へ回転させます。右利きでフォアハンド系のスイングなら逆時計回り、バックハンンドは時計回りです。

 2はスクワットトレーニングの要領です。(とくにドライブはスクワットの筋力が重要ですから、スクワット・トレーニンングは十分に積みましょう)

 3は打球方向への体重移動です。通常は前方への動きになります。とくにフォアハンド系のスイングに必要です。フォアハンド強打やドライブは通常は前に踏み込みますが、
 その動きです。ちなみに、前陣にいて、前に踏み込むスペースがないときは、横に踏み込むことでカバーしま す。右利きなら左方向です。

 そして、以上の3点の動きを融合させてやってみてください。一見、複雑で難しそうですが、それほど難しいものではありません。

 また、溜めるといっても、打球点を落とすこととは違うと考えてください。ボールを引きつけるというと、どうしても打球点を落としてしまいがちですが、できるだけ打球点を落とさずにボールを引きつけるようにしましょう。

 それには、スイング動作に速く入ることです。次のスイング動作に速く移った時間だけ、ボールを引きつける余裕が生まれます。そのためには、フィニッシュのあと素早くニュートラルにもどることや、フットワークをよくして素早く打球地点に入れることが大切になってきます。








水平打法とはドライブのことですか………

Q 僕はシェークドライブでフォア面にキョウヒョウ(中国ラバー)を使っているものです 。質問がいくつかあります。

1)水平打法とはラケットをたててフラットであてるドライブのことですよね?
2)上記の戦型でも水平打法は有効でしょうか?
3)結局水平打法とは粘着ラバーのための打法なのですか?
4)あと上回転に対しても水平打法は使うのですか? トップシートでこすらないのですか?


A 水平打法の基本をふくめて、質問番号に準じてお答えします。

1)卓技研での水平打法とは、ドライブではなく、ロング打法および強打法のことです。ただし、もちろんドライブでも水平打法は有効です。

2)3)有効です。水平打法によるドライブは粘着ラバーのほうがやりやすいですが、日本製のラバーでも可能です。

4)上回転のボールにも水平打法のドライブを使うことができます。「トップシートでこすらないのですか?」という、質問の意味がよくわかりません。

 御質問に単刀直入にこたえると、以上のようになります。
 水平ドライブについては、本ウエブの次回技術論「台上ドライブ」(近日公開予定)で展開します。その趣旨は、水平ドライブをマスターすると、ツーバウンドのボールでもドライブすることが可能になる、ということです。





ペンからシェークに転向したものの、今後どうしようか悩んでいます………

Q 私は学生時代に卓球をやっていなくて、25歳くらいからはじめました。現在55歳なので、かれこれ30年の卓球歴になります。周りからは学生時代にやっていないなんて信じられないといいます。
 始めた頃はペンが多かったので自然とペンを使いました。左ききで、練習は週2回でラリーの後は試合です。1度途中でシェークで遊び程度でやりましたが、やはりペンがやりやすいので元に戻りました。
 また、馬淋に憧れて 、ペンの裏にソフトを貼り裏面ドライブも試しましたが、どうせ裏でドライブするならシェークが威力あるし、ペンは重くなるしと思いました。裏面ドライブも増えてはきました。
 しかし、最近は若い人はシェークばかりでシェークの優位性が目立ちます。もちろんペンでもすごく強い人もいます。年齢的にも足がだんだん動きにくくなるので、バックハンドを振れたら有利だと思い、本格的にシェークにかえて3ヶ月ほどなります。練習はフォア、バックともいい感じなのですが試合になると思うようにバックが入りませんし、フォアも凡ミスしたりします。勝てそうな相手でも負けて悔しい思いをします。ペンでは威力あるプッシュで得点を挙げたりもできますが……。
 人に聞いてみると、いまさら変えないほうがいいでは、せっかくいいプッシュを持っているのに……。シェークなら裏に粒高を貼ってバックをカットで粘って甘いボールがきたらフォアでたたくスタイルにしたほうが、裏ソフトで攻撃してミスするよりもそれがいいよと……。今は11点ゲームだし。若いひとみたいに徹底して練習することももできないし……。
 今度は簡単に元に戻らないように高いラケットを購入しましたが……。1年使用してダメだったらペンに戻そうかと試行錯誤です。よいアドバイスをお願いします。


A あなたの悩みというか、問題となっているポイントは、多くのペンやベテランプレーヤーに共通したものですね。

 まず、ペンホルダーの最大の問題点はやはりバックハンドです。これは前に書きましたが、ペンは前陣では基本的に押すバックハンド、つまりショートやプッシュになります。一方、シェークハンドのバックハンド(ハーフボレー、フリック)は振るスイングです。このバックハンドの「押す」と「振る」のちがいがペンとシェークハンドの決定的な差です。

 とくにバックハンド・フリックは、ペンでやろうと思えばできなくはありませんが、かなりむずかしく、やはりシェークハンドにはかなわないでしょう。ですから、ペンからシェークハンドにかわったのなら、このバックハンドを徹底的に利用しなければシェークハンドを使っている意味が薄れてしまいます。レシーブや短いツッツキのボールにたいして、シェークハンドはバックハンド・フリックでどんどん払って先手をとるようにすべきです。

 ですから、もし今後、シェークハンドでやり抜くつもりであれば、このバックハンドのフリックとハーフボレーを完全にマスターしたほうがいいでしょう。

 ただし、長い期間、ペンホルダーに馴染んだあと、シェークハンドに転向するとフォアハンドはそれほどでもないと思いますが、バックハンドはペンのショート系とシェークハンドのバックハンド系とでは基本的なスイングが異なりますので、かなり違和感が残るものです。卓球をはじめたときからシェークハンドを使っていれば、この違和感はありませんが、一度ペンを使いこなしていると、シェークハンドをつかいながら、「ペンなら、もっとスムーズに打てるのに……」という意識がどうしても浮上してしまうものです。

 質問内容はプレースタイルにも及んでいますが、戦型というのは、各個人の好みというかフィーリングがとても大切で、試合に勝ちやすいからこのスタイルといっても、そのスタイルが合わなければ、卓球が楽しくならないので、卓球をやる意味すらわからなくなってきます。

 バック面にツブ高を貼って、カットするのも、自分の好みやフィーリングで判断したほうがいいでしょう。そういうプレースタイルがやっていて、楽しいかどうかですね。かといって、自分の好きなスタイルでは、明らかに問題があるのがわかっているのに……。おそらく、この葛藤に、意識あるというか、センスのよいベテラン・プレーヤーは悩んでいるはずです。

 結論は、シェークハンドをやるなら徹底的にバックハンドを磨くこと。それに自信がなければ、ペンに戻す。もし、ペンに戻すなら、振るバックハンドを覚えるといいでしょう。腕を畳んで、ヒジをスイングの軸にして、シェークハンドのハーフボレーのように「振る」のです。あるいは、裏面を使うか、どちらかをマスターされればいいと思います。




低い打球点で水平打法のフリックはできるでしょうか………

Q 私は左ペンドライブ型です。Q&Aの中でフォアハンドフリック(水平スイング打法による)についての説明がありましたが、もし、レシーブの反応がおくれてボールを頂点でとらえることができなかった場合、どのようにフリックすればよろしいのでしょうか。(ボールが頂点よりさがってしまえば当然水平スイング打法は難しくなると思います。)


A 頂点を逃した場合のフリックですが、水平打法を使うなら、ラケット面の角度を上向きに調整します。そのとき、フォアクロスに打つ場合は、右利きならラケット面をフォアクロスの角度に合うように内向きに、またバッククロスに打つ場合は、ラケット面を外に開くようにします。ストレートに打つ場合も、ラケット面を外に開きます。

 この場合、頂点をとらえることができないのですから、水平フリックといっても、水平打法で頂点を打ったときのような直線的で鋭い打球ではなく、打球スピードは遅くなり、打球は少し放物線の打球となります。スイングのイメージとして、ラケット面を上向きに開いて「軽くはらう」という感じです。

 ただし、打球点が相当低くなったり、相手の打球がバックスピンがよくかかっていたときは、スイングの角度を上向きにして調整することが必要です。

 以上の点から、打球点、ボールの回転量などを総合的にふまえて、ラケット角度、スイング方向、打球スピードを調整しなくてはなりません。




フェイントのコツを教えてください………

Q はじめまして。僕は小学生のころから現在、高校生になるまで卓球を続けています。いつも拝見していてとても多くの点で参考になります。
 そこで現在、世界で活躍されている水谷選手のレシーブについて質問です。水谷選手はときどき相手のフォアに流すと見せてバックにフリックしたり、バック前にストップすると見せてフォアに払ったり、フェイントを混ぜています。突然ラケット角度を変えるので相手も逆を突かれてノータッチで抜かれることがよくありま す。
 その水谷選手のようなフェイントを大げさにして効果的にするためにはどのような点に気をつければいいでしょうか?コツを教えてください。


A これからの卓球において、このフェイント、逆モーション技術はかなり重要なポイントになることは間違いありません。技術論で展開していますので、ここではごく基本的なことを挙げておきます。

 フェイントを覚える前に、すべての技術を正確にマスターしていることが大切です。
なぜならフェイントというのは、相手の予測とは逆のコースをつくわけで、それは通常のスイングフォームとは異なった動作が必要であり、正確なスイングができていないと、フェイント技術はうまく使えないのです。ですから、フェイントは通常のフォームの応用と考えてください。

 フェイントに多いのが、クロスに打つと見せかけて反対のコースへ流すことですが、これも正確にクロスに打てる技術がなく流すと、身体が開いて、オーバーミスや高く浮いたりします。

 野球の投手でいうと、直球を投げるとよくナチュラルシュートしてしまう選手が、シュートを投げるとコントロールがつきにくいのものです。その点をふまえて、ずばりフェイントを効果よくするには、フリーハンド側の「肩」、それにラケット面をうまく「見せる」ことです。

 水谷選手が自分のバックサイドに回り込んでドライブをするとき、ほとんどフェイントが入っています。これは左利きである水谷選手が、ドライブをするとき右肩をぐっと内側に入れることによってフェイントになるのです。
 左利きの選手が右肩をぐっと入れると、対戦相手は瞬間的にクロスへくることを条件反射のように予測してしまいます。ですから、右利きの選手でも、ドライブや強打するとき、一瞬左肩をぐっと内に入れるだけで、フェイントになります。

 また、フリックのときは、ラケット面をいったん開いてクロスに打つ、あるいは開かないで打つ瞬間に流すことでフェイント効果になります。





回り込みを速くするにはどうすればいいのでしょうか…

Q こんばんは。僕は日ペンの裏ソフトドライブ型です。回り込みについての質問何ですが、僕は回り込みが遅くて、いつも詰まって打球してしまい、回転がかけれずスピードも出ないために相手に簡単にとられてしまいます。なので、日々フットワークの練習をがんばっているのですがなかなかうまくできません。これは自分的にはフットワークが遅く、相手が良く見れていないのかな〜?と思っています。
 どうすれば、回り込みが早くなるのか教えてください!お願いします!


A 回り込みが遅く、詰まってしまうということですが、まあこれは実際にあなたのプレーを観ないと正確なことは分からないのですが、回り込みの基本について説明してみます。

 まず、「詰まる」というのは、バックサイドに回り込むとき、台との距離が近すぎるのではないでしょうか? 回り込みを速くしようとすれば、回り込むための半径を小さくしようとして、台の近くで回り込むという意識がはたらき、また実際にそういうプレーヤーをよく見かけます。

これは回り込みの基本ですが、台からの間隔を十分にとるようにして回り込むようにします。台との間隔が十分にあれば、ドライブをかけるとき、前に重心移動ができて、詰まることなく、威力あるドライブを打つことができます。そのとき、腰からまわる、という意識が大切です。もしあなたが右利きなら、時計回りに腰を大きく回して回り込みます。とくに、相手のクロスへ、バックサイドに打つ場合は十分に腰を回すことが大切です。腰から半円を描くように大きく回り込むことを意識してください。





ドライブをブロックするときの体重移動は………

Q 私は左のペンドライブです。相手のドライブをバックハンドショートでブロックするとき、足の体重移動はどうすればいいのでしょうか。

A 対ドライブのブロックについて、要点をまとめてみました。

●腰や足を引いたり、上半身をのけぞらさないで、ボールに向かっていく気持ちをもつこと。

●腰を身体のセンターに置くことを意識して、身体全体でバランスをとること。

●ラケットハンドとは反対のフリーハンドを有効に使うこと(これはすこし詳しい解説が必要なので、また機会があればやります)。ごく簡単に説明すれば、フリーハンドを十分に使うことで、身体バランスをよくするのです。

●相手の打球にたいして、頭を動かしてボールを見ようとするよりも、眼球の動きでとらえること。

 そして、左利きであるあなたがバックハンドショートでブロックするときの体重移動ですが、左足から右足に軽く移動するのが基本ですが、ミドルにきたボールにたいしては逆の動きになります。ですから、体重移動は臨機応変に考えてください。



バックハンドサービスを出す選手が、最近少ないのはなぜですか…

Q 質問です。私は左のペンドライブ型です。最近の選手を見るとあまりバックハンドサービスを出す選手がいないようですが。昔は斉藤清選手などバックハンドサービスを多用していましたが……。何か理由があるのでしょうか。バックハンドサービスは不利なのでしょうか。


A バックハンドサービスは、たしかにここ、もう20年来減少しています。これはバックハンドサービスが不利だから、というよりも、やはりシェークハンドが多いこと、中国、ヨーロッパのトッププレーヤーの多くがフォアハンドサービスを多用することの影響ではないでしょうか。

 このバックハンドサービスは、どちらかといえばシェークハンドよりもペンホルダーのほうが出しやすく、シェークハンドが多くなることで、バックハンドサービスがしぜんに減ったことにあると思われます。

 ですから、一概にバックハンドサービスは不利とは断定できません。それはたとえば、つぎのような理由からです。

 バックハンドサービスの特徴は同じサービスフォームから、スピン系とスピード系のサービスを出しやすい点です。また、スピン系は、横下と横上回転のサービスの判別がむずかしく、スピード系は速いボールが出しやすく、さらにトップスピンとナックルもスピードをともなって出せます。

 ただし、ペンホルダーはシェークハンドにくらべて手首が利きやすく、とくに横回転サービスはシェークハンドより有利ですから、ペンホルダーはフォアハンドからも、変化サービスを出せるようにしたほうがいいでしょう。

 ちなみに、若いプレーヤーはほとんどフォアハンドサービスでバックハンドサービスに慣れていないので、バックハンドサービスに戸惑う若いプレーヤーも多く、試合でバックハンドがサービスが有効なことがあります。理想的には、フォアハンドとバックハンド両方からサービスを出せるのがいいのではないでしょうか。




ラケットの硬さはどうやって調べればいいのでしょうか………

Q 用具のことで一つ気になったのですが、粘着性ラバーはわかるのですが、柔かいラケットとは、何を参考にして柔かいのか硬いのかを判断すればいいのでしょうか? カタログなどにラケットの硬さは載っていますか?

A ラケットのブレードの硬さや感触、ボールが当たったときの飛距離などは多種多様で、じつに多数です。いちばんいいのは、実際のラケットで打つのがいいので、同じようなタイプの人のラケットを借りてみて、試打することでしょう。

 また、卓球専門店で店員の人に聞いてみるのも手です。店が暇な時間帯をねらって、しつこく質問してみてください。ていねいに応対してくれる店員さん(現役の選手が多い)を見つけるのも練習だと思って何店かまわってみましょう。

 「特注」ができるラケットメーカーもあります。極めるなら、これが最良かもしれません。さらに、自分がモデルとしているトッププレーヤーが使っているラケットを使う人もいます。

 ラケットも高価で、そう何個も買うわけにはいかないでしょうが、こればっかりはその使う人の好みが大きいので、これくらいしかアドバイスできません。


重いドライブボールを打つにはどうすればいいのですか…

Q 質問です! 試合ではドライヴを多用して試合をしていますが、相手に球が軽くてとめやすいとよく言われます。球が軽いのはフォームが悪いからなのでしょうか? 
 強い選手はよく重いボールを打つといわれますが、重いボールとはどういうボールなんでしょうか? またどうすればそういうボールが打てるのでしょうか? 回答をお願いしま す。

A 基本的にラケットとボールの当たる時間が長ければ長いほど「重いボール」になります。ですから、柔らかいラケットと粘着性のラバーを使って、「ボールを長く持つ」ように打てば重いボールになります。

 長くボールを持つということは、その時間分だけ、ボールにパワーが充填されるわけです。ドライブボールに「軽い」とか「重い」とか、というように考えるのではなく、そうしたら威力が出せる、というように考えたほうがいいと思います。

 今回は威力あるドライブボールが出せる方法を1つアドバイスしますから、試してみてください。

1.下半身をリラックスさせてかまえる
2.グリップはできるだけ軽く、ぐらぐらに握る
3.ボールがきたコースへできるだけ速く動く。そのとき、手からではなく、足から先に 動く
4.下半身からスイングの始動をしようと意識する
5.肩甲骨をぐっと背中の内側に入れるように、さらに肩甲骨を軸にしてスイングをはじめる(バックスイングは小さく)
6.インパクトまでは下半身、肩、腕、手など、可能なかぎりリラックスして、インパクトの瞬間に息を吐きながら、ぎゅっとグリップをにぎる
7.インパクトしたら、そのままぐっと力強く振り抜く
8.フィニッシュしたら、へそのあたりに戻す。このとき余りラケットを下に下げないこと(次の始動が遅れる)

 この打法は、現代卓球の速いラリーやピッチにたいして有効に対応でき、かつ威力あるボールが生み出せます。この打法を試してみればわかりますが、かなりフィジカルの強さを要求されます。そのことを踏まえたうえで訓練してください。



お薦めのラバーはありますか……………

Q 前回は教えていただきありがとうございました。考えた末、持ちやすさなども試してみて、日ペンの裏面を使うことにしました。
 人には、柔らかいラバーが良いと言われたのですが、いまいちよくわかりません。
お薦めのラバーはありますか?

A ラケットやラバーの選択というのは、その人の好みやプレースタイルによってきまりますので、一概にこれがいいということはできないのです。
 基本的にスピードを重視したプレーをしたいのであれば、ラケット、ラバーとも硬いもの、またスピンを重視するなら柔らかいものになります。
 しかし、実際には硬いラケットならラバーは柔らかいものとか、柔らかいラケットに硬いラバー、というように組み合わせることが多いようです。さらにラバーもスポンジの硬さなどもあり、その組み合わせはものすごく多様です。
 卓球専門誌『卓球王国』では毎号、ラバーやラケットについて比較検討していますから、これを参考にするのもいいでしょう。



厳しくツッツキされたとき………

Q 僕は左シェークのドライブマンですが、厳しくツッツキされたときに、いつもフォアでループドライブをするのですが、相手に待ち伏せされてカウンターされ、ラリーの主導権を握れない場合が多いのですが、どのようにすれば厳しくツッツキされたときにスピードのあるドライブが打てるのでしょうか?

A 「厳しくツッツキされたときにスピードのあるドライブが打てるのでしょうか」とありますが、まず厳しくツッツキをされないようにすべきでしょう。あなたのサービス、レシーブ、ツッツキが甘いのではないでしょうか。どうすれば、攻撃的なツッツキをされないか、まず検討してください。

 つぎにそれでも厳しいツッツキの対処法です。ほとんどのケースでは、厳しいツッツキがくることが予測されるはずですから、そのコースへ素早く動くことが大切です。このとき重要なのは「足から先に動く」という意識です。手からというか、どうしてもラケットを伸ばしてボールを打とうとしますが、それでは相手のボールに押されて威力あるドライブを打つことができません。ボールが来るコースへ先にフットワークを使って動いて、そして前方へ重心移動するようにしてスイングすれば、威力あるドライブが打てます。

 また、それでも、威力あるドライブを打つために、十分な時間がない場合があります。
そういうことも踏まえて、ドライブのフォームをできるだけコンパクトにして、しかもパワーのあるものにしておく必要があります。それには、バックスイングをできるだけ小さくして、インパクトしてからのフォロースルーで威力をアップするようにすることです。

 バックスイングを小さくすることは現代の速い卓球には大切なことで、ドライブに限らず、強打、バックハンドなど、どんな種類のスイングでもバックスイングを小さくすることをおすすめします。

 バックスイングを小さくすればとうぜんパワーが落ちますが、インパクト後、強力に振り抜くとバックスイングをとること以上のパワーが出ます。ドライブでは、できるだけラケットを軽くにぎって、インパクトの瞬間にぎゅっとにぎり、その勢いでぐっと振り抜くのです。このような打法をマスターすれば、厳しいツッツキがきても、威力あるドライブを打てるようになります。

 この打法をより有効にするには、下半身や腹筋、背筋などの強さが必要ですので、フィジカルの強化にも努めてください。





ループドライブ回転量をアップするには………

Q カーブドライブの回転量を増す方法を教えてください。


A ドライブに限らず、カットやツッツキでも、回転量は基本的にラバーとボールの接触時間が長ければ長いほど増えます。このことを理解すれば、おのずと答えは出てくると思います。

 さて、カーブドライブの回転量を増やす方法です。ループドライブはラケット面を台にたいして垂直に立て、スイングも垂直方向(上向き)にして回転量を確保します。こうすることでラバーとボールの接触時間を長くしているわけです。

 カーブドライブはトップスピンだけではなく、サイドスピンも混じるのす。右利きなら、ボールの右側面をとらえ、ラケットを台にたいして垂直に立て、ラケットの先端を開かないでできるだけ内向き(中に入る)ような、面と角度をつくります。そして、垂直方向(上向き)にスイングします。

 このとき、垂直方向(上向き)にスイングすればするほど回転量はアップしますが、その分、スピードはダウンしますので調整が必要ですが、実際には巻き込むようにスイングするプレーヤーが多いようです。




カットでストレートコースに打つには、どこに注意すればいいのですか………

Q フォア・バック両方なんですが、ストレートにカットをうまく送れません。ストレートにカットを送るときの体の使い方やポイント・注意点などを教えて下さい。


A カットをストレートに送球するには、体勢をストレートの方向へ向ける必要があります。それはクロスよりも、身体の向きが「開く」ようになります。右利きでフォアハンドカットをストレートに送るなら、クロスよりも約15度右に向きます。バックハンドカットなら、左に向くわけです。

 実際の打球ポイントはクロスと変わらないのですが、感覚としてはボールをクロスに送るよりも引きつけてカットするようにします。

 また、ストレートへの送球は、とうぜんクロスよりも短くなり、オーバーミスしやすくなりますので、そのぶんカットのミートポイントは、上から押さえ気味にしたほうがいいでしょう。このように打球点が高い位置からのストレートへのカットは、カットでありながら非常に攻撃的なボールとなり、相手にとっては打ちにくいものとなります。

 ストレートコースに低くて速いカットを送ったとき、フォアサイドのコースなら相手のドライブが甘くなったり、バックサイドならツッツキで返球してくることが多くなりますので、そのボールを攻撃するようにしっかりと準備しましょう。

 クロスのボールをストレートへコースチェンジすることは、カットだけでなく、どんなボールでも難しいものです。しかし、その難しい分だけ、攻撃的な打球になり、得点に結びつくことが多くなるので、クロスのボールをストレートコースへ打つ練習を十分積むことが大切です。いつも、クロス対クロスだけではなく、クロスからストレートへ、またストレート対ストレートなど、いろいろなコースに送る練習をしましょう。




表ソフトやツブ高のナックル、ふわふわボールに対する打ち方や攻略法を教えて………

Q 67歳の男性です。卓球歴1年3ヶ月、シェーク右ハンド、両面裏ソフト特厚、練習時間は週20時間ほどです。コーチは秋場さんと「卓球パーフェクトマスター」です。DVDを見ながら繰り返し素振りをしてフォーム作りをしました。水平スイング・スイートスポット打法がほぼ自分のフォームになりつつあります。
 最近地域の卓球大会に参加していますが、対戦相手が裏ソフトの時は、自分なりのゲームができますが、参加者の8割までが同年代の女性で、表ソフト・ツブ高ラバーの人が多く、これに対すると、まるで別人のようになり、腰高・手打ちと自分のスイングが出来なくなってしまいます。ナックル、ふわふわボールの打ち方、サーブの出し方、またゲームの攻略法をお教えください。


A 練習時間は20時間ですか? たっぷりあって、いいですね。ただ、気をつけていただきたいのは、身体の故障です。練習前に十分な準備体操をしてください。とくにヒザを悪くするご年配の方が多いですので、屈伸と骨盤のストレッチはたっぷりやるようにしましょう。

 さて、表とツブ高の対策です。まずはナックルボール対処法について。ナックルボールは無回転ボールのことですが、基本的にナックルボールは2種類あると考えてください。下回転が入ったナックル(下ナックル)と上回転が入ったナックル(上ナックル)です。これは通常、ナックルと呼ばれ、飛んでくる感じも同じように見えます。しかし、この下ナックルと上ナックルはボールの性格が異なります。下ナックルを普通のフォアハンドで打つと下に落っこち、上ナックルはオーバーしやすくなります。とくに、ツブ高はこの上ナックルを出しやすいラバーです。ですから、同じナックルでも、下か上か、ナックルの種類を見きわめることが大切です。書いておられるように、「ふわふわボール」が上ナックルのことかもしれません。

 そして、この下と上のナックルのちがいによって、打ち方も変える必要があります。下ナックルは普通に打てば落ちるので、少し上ぎみにスイングし、上ナックルはボールの横を水平に叩きます。とくに上ナックルはボールが軽いというか、普通に打つとオーバーしやすくなりますので、ボールの横、フォアハンド強打なら、右利きならボールの右横をねらうようにします。

 水平打法ができるなら、下であろうと上であろうと、タイミングさえつかめれば、すべて水平スイングで強打できます。
ラケット面を垂直に立てて、水平にするどく振り抜けばいいのです。そのとき、上ナックルはオーバーしないようにボールの真横を若干上から叩くようにします。表ソフトもツブ高も球離れは速いものの、打球スピードは失速しやすく、タイミングさえとれれば、ばんばん強打を
打つことが可能です。

 次にサービスの出し方とゲームの攻略法ですが、サービスもふくめて、中途半端に短いサービスは禁物です。相手にもよりますが、1発で抜かれることがない相手であれば、エンドラインぎりぎりに長いサービスをつかってはいかがでしょうか。女性、とくに表やツブ高のプレーヤーと対戦すると、台にくっついて、左右にふってくることが多いですが、ボールが短いとサイドを突きやすいのですが、深いボールにたいしては、このようなタイプはやりにくくなるはずです。

 それと相手のミドルが穴になりやすいものです。相手のラケットをもっているほうの短パンのポケットあたりです。ここを深く攻めて、どんどん相手をバックハンドを使わせて、センターよりに移動させるよう仕向けていきます。そうすると、必然的にバックサイドがあくようになりますので、相手の得意なバックサイドが「穴」になります。

 もう1点、相手にフォア前を意識させることも重要です。できれば、フォア前に短くてよく切れたバックスピンサービスとバックサイドおよびミドルにロングサービスを混ぜて使うようにすれば、両方のサービスの威力が相乗効果で倍増します。

 ポイントは深いボールを送ること、ミドルを攻めること、フォア前を意識させることです。



ドライブ型ですが、日ペンと中ぺん、どちらにしようか迷ってます………

 僕は今、日ペンのドライブ型なのですが、スイングスピードや、打球感を考え、中ペンにしようか迷っています。どんなラケットがいいですか?また、中ペンの長所はなんですか?

A 「日ペン」というのは角型、「中ペン」は丸型のラケットですが、両型には特徴があります。

まず角型はラケットの重心が先端にあり、ドライブや強打にパワーが出やすく、丸型は重心が中心付近にあり、ラケットの振り抜けやフォアハンドとバックハンドの切り替えがしやすくなっています。ですから、この点を考慮して、自分のプレースタイルとよく相談することが必要です。

ドライブ型ということですので、ドライブ一発で抜くというなら角型、ラリーに持ちこみ、有利に戦いたいのなら丸型が適しています。

また、角丸型という、角と丸の中間タイプもあります。これは角型のパワーと丸型の振り抜けのよさを合わせ持ったもので、日本で開発(おそらく河野満という世界チャンピオンが初めて使った)されたタイプです。

まあ、このラケットのタイプは、自分で実際に試してみて、合うかどうか決めるしかないでしょう。



相手に攻撃されないで、ラリー戦に持ち込みたいのですが……

 自分は、卓球暦1年半両面裏のドライブ攻撃型です。1ヶ月前ぐらいから週に3回ぐらい、卓球に詳しい人に教えてもらっています。この前大会があり、その成果を出そう!っと思って試合に挑んだら、まさかの1回戦負けでした。

なぜ負けてしまったのか、あとから考えてみると、一方的に相手に打たれていました。ぼくは、ラリー戦に持ち込んで、そこから粘ったり相手のミスを誘うと教わって練習してきました。なので、ブロックとかスマッシュとかの練習はしていなくて・・・。

どうしたら、相手にバシバシ打たれなく、ラリー戦に持ち込むことができるのでしょか?

A 「どうしたら、相手にバシバシ打たれなく、ラリー戦に持ち込むことができるのでしょうか?」とありますが、まずいちばん大切なのは、あなたがこのような形の卓球をしたいのか、という問題です。人それぞれ、百人百様の卓球スタイルがあります。そのプレースタイルは、自分の好みや考えで決めるべきだと思います。指導者の意見を参考にしつつも、プレースタイルを決定するのは、あくまでプレイヤー自身です。

つぎに、ラリー戦に持ち込むとありますが、ラリーになることを目的としたプレースタイルは、現代卓球において、理解できないというか、非常に試合で勝ちにくいスタイルです。
「相手にバシバシ打たれる」のも、ラリーに持ち込むことを目的にしているためかと考えられます。

卓球というスポーツの性格上、先に攻撃を仕掛けたほうが断然有利なのです。だから、サービスからの3球目・5球目攻撃、レシーブからの4球目・6球目攻撃が重要だといわれるのです。もう、いまや、このことはあたりまえすぎて、あえていわれなくなってきているほどです。トッププレイヤーはもちろん、ほぼすべてのプレイヤーは、サービスやレシーブに入る前に、どうやって攻めるかをまずイメージするものです。現代では、カットマンでも、サービスを持ったら、3級目攻撃をねらっています。事実、松下浩二選手は強い相手のときは、サービスを持ったら、半分近く3球目攻撃をします。ラリー戦が得意なカットマンでさえそうなのです。

ラリーになるにしても、先に相手に強打や強力なドライブを打たれてブロックしてラリー戦に入るより、攻撃してからラリー戦に入ったほうが圧倒的に有利です。先に攻撃を仕掛けて、その過程のなかで、ラリーになることはあるでしょう。しかし、これはあくまで、その過程としてラリーになっただけで、ラリー戦に持ち込むことを目的化していません。もし、ラリー戦に持ち込みたいのなら、あるいはそういうプレースタイルをめざすなら、まず先に攻撃を仕掛けて、そこからラリーを展開すべきでしょう。

相手に先に打たせて、そこからラリーに持ち込むというスタイルをどうしてもやりたいのなら、先に攻撃させても、一発で決められないように、きびしいサービス、レシーブ、ツッツキやリターンをしなければなりません。

また、スマッシュの練習は絶対にやるべきです。スマッシュが打てないと、強い相手はもちろん、弱い相手にも勝ちにくくなります。ふつう、練習でやっているフォアロングやバックハンドロングは、試合の実戦では、チャンスボールであり、強打できなくてはなりません。基本的にネットより高い打球点で打てる球は、すべて強打できます。それより低い球はドライブで攻めることができます。ラリー戦に持ち込みたくても、攻撃力を持つことは欠かせません。試合で勝つためには、ぜひ攻撃力を磨いてください。






打つとき、力が入りすぎてしまいます。かといって力を抜くと球に勢いがなくなって…

 こんにちは、はじめまして。僕は卓球をこよなく愛し、全身全霊をもって卓球に取り組んでいる高校一年生であります。質問がありますので、お答え頂きたいと思います。

動いているときに力みすぎると当然固くなってしまい、スムーズに次の動作に移ることができません。しかし、逆に力を入れずにしようと思うと、今度は打つときにも力が入らず、球に勢いがなくなってしまいます。この問題に悩みを抱えています。

頭では「打つ瞬間だけに力を入れれば良いじゃないか」と思いますが、なかなか体がそうなってくれません。大変歯がゆい思いです。この問題に対する有効な対策や練習方法がありましたら、是非ご回答を承りたいと思います。
 因みに、僕の戦型はペンの裏で、前陣攻撃型であります。何卒よろしくお願い致します。

A 力みすぎてはいけない、でも、かといって力を抜くとほんとうに抜けて威力がでない。こんな問題に悩んでいるプレーヤーも多いと思います。

この問題を解くには、二つの大きなポイントがあります。それは技術面と精神面です。まず技術的には、あなたは手や腕でボールをコントロールしようとしすぎていませんか。手や腕でコントロールしようとすればするほど、余計な力が入ってしまうのです。

脳というか自我というか、これらはボールを入れたい、勝ちたいという指令や思いが強くはたらくところです。そして、その脳や自我の命令は腕や手にもっともよく反映されます。手は脳神経の一部だという脳研究家もいます。わたしは手は自我の手先だと考えています。
実際にボールを打つのは手ですから、手でボールをコントロールしようとするのはもっともなことです。ボールを入れようとして、手に力が入りすぎてしまうのももっともといえばもっともなことです。

ですが、ご存知のように上級者ほど、打球スイングにおいて身体全体のバランスがよく、綺麗なフォームで、下手な人ほどぎこちないものです。これはなぜかといえば、身体のセンターにずれがあるからです。では、この身体のセンター、つまり打球スイングの中心軸とはどこにあるのかといえば、「腰」にあります。この字を見てのとおり、身体の要に腰があるのです。この腰を意識して、腰のリードで打球するようになれば、手に余計な力が入らなくなります。

もうひとつ、技術面でいえば、グッリプを意識しましょう。ペンであれ、シェークであれ、グリップは「握る」というより、「はさむ」という感覚で、軽く持ったほうがいいでしょう。軽くはさむようにグリップすると、なんだか手からラケットが外れて飛んでいってしまいそうになりますが、それは最初だけで、いつもはさむようにもつようにしていれば、そのうち意識しないでも、軽くはさむようになっています。

もうひとつの精神面ですが、これは「集中」ということです。たとえば、試合で最初の数試合は緊張もあってグリップも硬く力が入りすぎるのですが、5回戦、6回戦と試合を続けていくうちに、じつにスムーズなグリップの状態になり、力も必然的に抜けているものです。そうなんです、ほんとうに集中したときというのは、身体の力かげんというのも、しぜんに絶妙のバランスになるものなのです。

ですから、できるだけ集中することです。どうすれば集中しやすいかは、本サイトの「集中論」をお読みください。そして、打球するとき、あるいはプレーに入るとき、以下のことを心がければ、余計な力みがなくなるでしょう。

まず、ゲームで、サービスやレシーブに入る前に、臍下丹田を意識して大きく複式呼吸をします。このとき息を吐ききることが大切です。また、打球する瞬間、息を吐きながら打ってください。これを続けてやっていうちに、しぜんに身体から余計な力が抜け、また必要なパワーが出るようになるでしょう。




レシーブで横回転を加えたいのですが、その注意点とは…

 僕はサーブレシーブが苦手で、けっこうミスが目立ちます。最近、レシーブは横回転を加えたツッツキをすることで、サイドを切ったり、変化する球で相手がドライブを打ちづらいようにしたりと以前よりは良くなりました。しかし、まだまだ不安が残ります。この横回転レシーブの注意点や欠点 などを教えてください。

A レシーブで横回転などの変化をつけることは、相手を翻弄するうえで効果的です。ただし、あるレベル以上の相手には、横回転だけの変化ではすぐに慣れられてしまい、有効な打法とはなりません。攻撃できる球はどんどん積極的に攻撃し、強打やドライブ攻撃できない場合に、ツッツキの変化をつけるようにしたほうがいいでしょう。

そのうえで、横回転レシーブの注意点について解説いたします。横回転で返球するには、相手のサービスがナックル系のあまりスピンのかかっていないボールでないとなかなかやりづらいものです。強いバックスピンのサービスに横回転をいれてツッツキすると、下に落とす確率が高くなります。ですから、横回転レシーブでもっとも注意を要するのは、相手サービスのスピンの変化を読み取り、その回転量を正確につかまないとミスがでやすくなります。

それでも、強く切れたバックスピンの球に横回転を入れたいのであれば、ラバー面を台に対して水平近く上向きに開いて打球し、ボールがラバーに乗っかった瞬間にラケットを右斜めなり左斜めなりに切り上げて横回転をつけるようにすればいいでしょう。ちなみに、これはどんな打法もいえることですが、できるだけ腰を打球バランスの中心において打球すると正確さが増してきます。小手先でボールをコントロールするのではなく、いつも身体のセンターは腰にあることを意識してスイングすると安定するものです。

また、レシーブやツッツキの変化は回転だけではなく、打球点の変化もつけるといいでしょう。相手のボールが頂点にくるまえに、できればバウンドしたらすぐに打球するわけです。このようにハーフボレー気味にツッツクと、相手は強打やドライブに入る体勢が遅れて打ちづらいものです。




ドライブをフォアハンドでブロックするには…

 私の方、先日こちらアメリカのボルチモアで行われた団体戦の試合に本当に久しぶりに参加してまいりました。ABC,XYZの5点先取の団体戦でいろいろなレベルの方と試合が出来、また4対4で私に順番が回ってくる等、高校以来味わったことのない緊張とプレッシャーの中試合をすることができて、とても有意義な時間をすごしてまいりました。その中で質問させていただきたい課題がありましたのでご教授いただけないでしょうか。

1.私は基本的に前陣でドライブをかけていくのですが、相手に距離をとられてエンドライン近くに トップスピンボールを入れられるとブロックしてネットにかかるか、つまって甘いボールになったところを飛び込まれてたたかれてしまいました。こういった時の対処の仕方を教えてください。

2.フォアに来たボールをブロックしようとした際角度が安定せず、ネットミス、オーバーミスを繰り返します。特に相手のフォアドライブがカーブして自コートに入ると、その回転で自分から観て左側に飛んでいかないように完全にフォアで打つべきボールでもバックで処理しようとしてしまいます。フォアブロックの仕方及び練習法を教えてください。

A まず1ですが、トップスピンの深いボールをつまるという最大の原因は、打ったあとの戻りが遅いことと、台に近づきすぎていることです。打ったあとは、すぐに台との距離がとれるようにすばやく戻るようにしましょう。

2ですが、フォアハンドのブロックを安定させるには、ラケットを持っていないフリーハンドをうまく利用することです。フォアハンドでブロックするとき、フリーハンドで身体全体というか、打球のときのバランスをとるようにこころがけてみてください。それと、ラケットの位置は高くおいて、バックスイングはできるだけ少なくして、フリーハンドと一緒にボールを包み込むように打球するのです。



カットマンが、回り込んで攻撃するときのフットワークについて教えてください…

 こんにちは。僕は高校生のカットマンですがフットワークについて聞きたいと思いメールさせていただきました。

 僕は今まで攻撃はあまりしませんでした。しかし、カットなどの技術は県や大人の方々にもある程度通用するので全国大会も視野に入れています。最近ですが攻撃にミスがない相手にはカットの変化だけではなかなか、勝てないように感じるようになってきました。チームメイトからもワンパターンを指摘されました。
 なので攻撃を今まで以上にしようと思い取り入れたのですが、回り込み後の対応に遅さを感じます。また、ちょっとした攻撃も攻撃が続きません。スイングが悪いのでしょうか?
 三歩動も含め二歩動、一歩動の使い時や攻撃のタイミングを教えてください。どうか、お願いします。


A ご質問の内容から、どのようなフットワークや回り込みをされているのか、ちょっと分かりづらい点がありますが、お答えできる範囲で解説してみます。まず、あなたが攻撃体勢に入るとき、カットマンのフットワークになっているのではないでしょうか? 一般的にカットマンは重心が攻撃型よりも後ろにあって、前後の動きに適した体重バランスやフットワークになっています。ところが、攻撃型は前に重心をおいて、左右に動きやすいバランスやフットワークをするものです。やはりカット主戦型といえども、攻撃をするときは攻撃型の体重バランスやフットワークをするべきでしょう。

 通常の攻撃型の選手がやっているような、左右のフットワークやバック側への回り込みのフットワークを、練習時間のなかに多く組み込むようにします。そうすれば、練習のなかで、3歩動や2歩動、1歩動などの動きができるようになります。

 そして、その練習のときは、カットマンというよりも攻撃型だという気持ちに切り替えるようにしましょう。

 さらに、この練習のとき、打ったらすぐに次の動作にすばやく移るように心がけます。その心がけをすることで、たとえばバックスイングが大きすぎることや、打ったあとの足のもどりの遅さなどの点について、問題点を自分で見つけられるかもしれません。

 いわゆるカット主戦で強い相手を倒すのはなかなかむずかしいと思います。サービスをもったらかならず3球目攻撃、レシーブでは2球目→4球目攻撃をねらうようにします。現代卓球において、1球目〜4球目までは非常に重要なところで、やはりカットマンといえども、この点を簡単に見逃さないようにすべきです。そして、4球目までに決着がつかなくて、攻撃するチャンスボールがこなければ、そこではじめてカットに入る、というようなプレースタイルがいいのではないでしょうか。

 ちょっと強い相手にとって、カットマンのツッツキやカットはほとんどがチャンスボールになりますので、わざわざそんなボールを相手に簡単に供給する必要はないでしょう。攻撃型にとって、攻撃力のないカットマンは、安心して、気持ちに余裕をもってプレーできるものです。

 さらに、カットに入っても、相手のドライブにはいつでもドライブでかけ返したり、強打するなど、いつでも反撃する意識をもって、実際にもどんどん攻撃して、相手の攻撃型に余裕をあたえないことが大切です。このような攻撃を多くし、攻撃力を高めてゆくことで、カットの威力も増してきます。カット+攻撃のシナジー効果で戦力が3倍にも4倍にアップするでしょう。

 また、このような攻撃力をもつことで、対カットマンとのたたかいへの備えにもなります。対カットマン戦では、ツッツキのねばりあいだけでは、やはり強いカットマンに勝つことはできませんし、促進ルールに入ったときのことも考慮すべきです。

 以上の点から、あなたはカットマンと同時に攻撃型であるという気持ちをもって、練習やプレースタイルに取り組んだほうがいいのではないでしょうか。



これから目指す戦型についての相談です…

 こんにちは。僕は中学三年で部活を引退し、これを機に自分の戦型について見直そうと思っています。僕の戦型は右利きのシェークでF面裏ソフト、B面粒高のブロック主戦型です。粒高のラバーはMARK社のオリジナルというアンチ加工のものを使っています。
僕の戦術は相手のドライブをカット性ブロックで返し、返ってきたツッツキをプッシュやフォアで強打します。バックは切れたボールであればスピードドライブと同じくらいの速さで打つことができ、どんなドライブもたいていブロックできます。故にドライブマンにはめっぽう強いのですが、ナックルを集められたり粒高をさばくのがうまい相手の時は全く歯が立ちません。
そこで田勢美貴江選手のようなハーフボレー中心のスタイルになろうと考えました。こっちの方がナックルの処理もやりやすいし、自分から意図的に変化をつけることもでき球質のバリエーションも増えます。しかし粒高特有のいやらしさがなくなり、今まで自分が築き上げてきた技術が無駄になるのではないか、という怖さもあります。またこの二つの中間のスタイルもいいんじゃないかと考えましたがプレーが中途半端になるのではないかとも思いました。
 ぼくはこの三つのスタイルのうち、どれを目指すべきなのでしょうか。それぞれの戦型に合うラバーは具体的のどんなものがいいでしょうか。アドバイスよろしくお願いします。


A 戦型、つまりプレースタイルをどうするのかというのは、非常にむずかしい問題です。まず、そのプレーヤーならではの戦型の「好み」や、ある種、先天的というかほぼ絶対的な長所短所、できるできないということがあります。この戦型は勝ちやすいからと無理にその戦型になろうとしても、それが面白くなかったり、楽しくなかったら、大好きな卓球をやる意味がなくなってしまいます。プレースタイルはライフスタイルと同じように、各人によってそれぞれ大きく、また微妙に相違するものです。
 また、勝ちやすい戦型だといっても、その主戦とする武器、たとえばドライブに苦手であれば自分の戦型にするのは考えものでしょう。しかし、いくら自分の好きなプレースタイルといっても、勝てなくては、また面白さや楽しさも失われてきます。
 さて、自己の戦型について悩むときは、大なり小なり「壁」にぶちあたっているときです。現状を打破したいとか、このままでは伸びないという時期かもしれません。この戦型に悩むときは、自分を大きく飛躍させるときでもあります。このときにもっとも大切なのは、自分の卓球というものを、もうひとりの自分が冷静によく観察してみることです。
 客観的に自己を観るということです。スポーツでも何でもそうですが、成功する人はこの自己観察能力に長けています。イチローなどは、その典型的な人でしょう。逆にいつまでたっても下手な人はびっくりするほど自己観察能力がありません。

 あなたのプレースタイルは、現在の大勢からはめずらしいタイプというか少数派に位置します。
 ではなぜ、あなたのプレースタイルは少数派なのでしょうか?
 それはズバリ、「勝ちにくい」タイプだからです。
 あなたの戦型は、粒高ラバーが苦手なタイプ、あるいは粒高になれていないプレーヤーには強いかもしれませんが、粒高になれ、ある一定のレベル以上の選手には、ほぼ間違いなく勝てないというタイプかもしれません。いみじくもあなたが、「ドライブマンにはめっぽう強いのですが、ナックルを集められたり粒高をさばくのがうまい相手の時は全く歯が立ちません」と述べておられるように。粒高特有のいやらしさだけで勝てる相手というのは限られてくるのです。
 卓球という球技はボールの微妙な回転の変化がありますが、この回転の変化というのはそれに対応する時間が長くなれば対処しやすいものです。
 ところが、スピードあるいはパワーというのは対応時間が長くなろうとも対処しにくいものです。相手がスマッシュした球を前陣でブロックすることは、たとえ世界チャンピオンであろうとも至難のことです。でも、どんなに判別しにくい回転の変化であっても、対応時間がなれるにしたがって対処することはできます。
 つまり、スピードやパワーというのは「絶対的」な強みを発揮するのにたいして、スピンは「相対的」な強みしか発揮できないということが分かります。こういうところから、現代の卓球界では、スピードとパワーを活かしたプレースタイルが全盛なのです。ドライブ打法というのはスピンだけではなく、そこにスピードがともない、パワーにまで昇華する打法なのです。
 ここまで読んで気をつけていただきたいのは、「だから、粒高はやめて、ドライブ攻撃型を目指そう」といいたいわけではありません。先に述べたように、プレースタイルというのは、好みや長所短所などがあります。
 ここで、プロ野球プレーヤーを例にとって考えてみましょう。
投手であれば、ほとんどの投手はスピードボールと得意な変化球を持っています。打者なら、フルスイングできることはもちろん、カウントを追い込まれたり、どうしても必要なときは流し打つ技術を持っています。これは一流のプレーヤーほどそうです。あなたの場合は、投手ならスピードボール、打者ならフルスイングする技術をもう少しレベルアップさせることが必要でしょう。卓球なら、強打やドライブで得点することを増やすことです。もっと、簡単にいうと、「自分から得点する技術を持つ」ことです。
 そのような技術力を高めることで、あなたの粒高がよりいっそう効果を発揮するようになります。投手のスピードボールは、変化球があることで、よりいっそうそのスピードは速く見え、逆に変化球はスピードボールがあることで、よりいっそう変化が大きく見えるのです。
 当方からいえることは、スピードをともなった攻撃力を持つこと、それと粒高の回転の変化とブロック力をさらに高めることです。さらに付け加えると、「バックは切れたボールであればスピードドライブと同じくらいの速さで打つことができる」という技術をもっと円熟させるとともに、それをラリー中にラケットを回転させてフォア面でも粒高で打てるようにすればいいのではないでしょうか。

 いま、この時機があなたの正念場です。思いっきり悩んでください。悩みながら、練習に励んでください。強くなれる人ほど悩みます。悩めることが能力です。悩めるあなたは可能性がいっぱいあります。じつは、悩むことって楽しいことなのです。




ドライブのスピンアップはどうすればいいの?

 カーブドライブの回転量を増す方法を教えてください。

A まず、ドライブの回転量を増やすためには、基本的には、ラケット角度を台にたいして垂直に立て、スイング方向は下から上に、できるだけ真上に振り上げればいいでしょう。そのうえで、カーブさせるためには、ラケットの先端を内側に入れて角度をつくり、飛んできたボールの右側を巻き込むようにしながらスイングすればいいわけです。
 また、カーブドライブにかぎらず、ドライブの回転量をアップさせるためには、下半身を使って、そこで生まれたパワーをいかにインパクトに伝えるかが最大のポイントです。下半身を縮めて伸び上がるスクワット的なパワー、右利きなら、右足から左足へ重心が移動することによって生まれるパワー、腰を回転させることによって生まれるパワー、そして、肩甲骨、肘、手首をそれぞれ軸として腕と手から生まれるパワーを、もっとも合理的に融合させることで、回転量だけではないパワードライブが生まれるのです。
この各ポイントを意識しながら、ドライブ練習を積んでください。





どのような練習をしたら台上プレーが上達しますか……

 自分はカットマンなのですが、台上プレーがあまり得意ではありません。なので、台上プレーが得意な選手と試合すると、どうしても主導権を握られてしまいます。どのような練習をしたら台上プレーが上達しますか? また、練習のとき心がけることなどを教えて下さい。

A ご質問の内容があまり具体的でないので答えにくい点がありますが、想像の範囲でできるだけ詳しくお答えしたいと思います。
 まず、台上プレーというのは、基本的に台上で2バウンドするか、しないまでも短いボールをリターンすることです。ツッツキ、ストップ、フリックなどが、台上プレーの主なテクニックになります。カットマンでも攻撃タイプでもそうですが、ゲームでは、台上プレーから始まることが多く、台上プレーで先手をとれないと、どうしても不利な展開になってしまいます。
 ただ、カットマンはあらかじめ相手に攻撃をさせるという心積もりでゲームプランを組み立てることが多く、少々相手に台上プレーで主導権をとられても、カットで応戦することで、自分のペースにもってゆくことができます。しかし、台上プレーで安易に主導権をわたしてしまうと、1発でドライブや強打で抜かれてしまうばかりか、相手・攻撃タイプに余裕をもってプレーをされてしまい、精神的な主導権も握られてしまいます。
 そのうえで、台上での主導権を握るかどうかは、まずあなたのプレースタイルを見つめることから始めることが大切と考えられます。カットマンなんだから、カットする……この考えを一から見直してみませんか。少なくとも、サービス、レシーブ、3球目、4球目までは、積極的に攻撃して、チャンスがあれば決めてしまうという心積もりでプレーをしてみてはいかがでしょうか。そうでないと、なかなか台上プレーは上達しません。
 なぜなら、いわゆる「カットマンなんだから」という気持ちでは、台上で主導権を握るという意欲があまりはたらかないからです。攻撃マンは台上で主導権をとって、チャンスボールをつくって決めるという気持ちがあるので、積極的に主導権をとろうという意欲がはたらきます。しかし、いわゆるカットマンの精神的スタンスでは台上で主導権をとったところで、どっちみちカットに入るという気持ちがあるので、台上プレーを向上させるという意欲は攻撃マンにくらべて弱いというか、中途半端になってしまうと思われますが、いかがでしょうか。
 ここで誤解しないでいただきたいのは、カットをするなとは言ってるのではありません。カットラリーに持ち込むためにもサービスから4球目くらいまでは攻撃タイプのようにアグレッシブにプレーするなかでカットラリー戦に持ち込めば、ラリー展開も有利にはたらくということを述べているわけです。また、卓球というスポーツの性格上、サービスから4球目までに勝負が決することが多く、なぜ多いのかといえば、サービスやレシーブで先手をとったほうが有利であり、また相対的に3球目4球目に攻撃を仕掛けるほうが有利にはたらくことが多いからです。だから、カットマンだからといって、このチャンスをみすみす逃す手はないのではないでしょうか。
 さらに、もう1点、サービスから4球目のあいだはもちろん、積極的に攻撃してくるカットマンは、攻撃マンにとって、嫌なものです。攻撃力にもよりますが、カットマンの攻撃に、攻撃マンは意外ともろいと感じませんか? たとえば、対攻撃マンならブロックできるドライブでも、カットマンのドライブには対応できない場合が多いようです。
これは攻撃マンにとって、カットマンの攻撃に、気持ちの切り替えができないというか、勘が狂ってしまうというか、対応がむずかしいものなのです。





相手のトップスピンにつまるのですが……。またフォアのブロックの仕方も教えてく ださい……

 1.私は基本的に前陣でドライブをかけていくのですが、相手に距離をとられてエン ドライン近くにトップスピンボールを入れられるとブロックしてネットにかかるか、 つまって甘いボールになったところを飛び込まれてたたかれてしまいました。こうい った時の対処の仕方を教えてください。
2.フォアに来たボールをブロックしようとした際角度が安定せず、ネットミス、オー バーミスを繰り返します。特に相手のフォアドライブがカーブして自コートに入る と、その回転で自分から観て左側に飛んでいかないように完全にフォアで打つべき ボールでもバックで処理しようとしてしまいます。フォアブロックの仕方及び練習法 を教えてください。


A まず1ですが、トップスピンの深いボールをつまるという最大の原因は、打ったあ との戻りが遅いことと、台に近づきすぎていることです。打ったあとは、すぐに台と の距離がとれるようにすばやく戻るようにしましょう。
 2ですが、フォアハンドのブロックを安定させるには、ラケットを持っていないフ リーハンドをうまく利用することです。フォアハンドでブロックするとき、フリーハ ンドで身体全体というか、打球のときのバランスをとるようにこころがけてみてくだ さい。それと、ラケットの位置は高くおいて、バックスイングはできるだけ少なくし て、フリーハンドと一緒にボールを包み込むように打球するのです。



サービスの回転をアップするコツはありますか……

 僕はとにかくサーブが下手です。卓球を3年近くやってますが、回転が全くといってもいいほどかかりません。サイトに書かれているサーブのコツを拝見しましたが、僕は、どうやら力を瞬間的に加えて回転量をアップさせる以前の問題のようです。分析した結果、ラケットの角度がおかしく、安定していない(毎回違う)ようなので、ラケットの角度をつけるコツ、安定させる方法を教えてください。

A サービスのラケットの角度をつけるコツ、および安定させる方法について、いくつかご紹介します。
 まずバックスピン(下回転)のサービスですが、ラケット面が上向き状態で床にたいして水平の角度になるほど、よく切れた下回転が出ます。大きな回転を生むには、ラケット(ラバー面)とボールとが、できるだけ長い時間、接触して摩擦を大きくすることが必要です。このために、バックスピンにはこのような角度が理想的なのです。
 このような水平のラケット角度をつけるコツは、サービスを出すときに構えたとき、卓球台が見えますが、その台と平行を保ちながら、前(相手側)の方向にラケットを振って、水平になるように感覚をつかむように練習するといいでしょう。このように、卓球台の水平面を基準にすると、ラケットを上向きにしながら水平に切るというコツがつかみやすくなるのです。
 この練習方法は卓球台がなくても、たとえば家の食卓や机の前でも練習することができます。このときは別にボールは必要ありません。次はボールを使っての練習方法ですが、これは卓球台は必要ありません。家でもどこでも、ラケットとボールがあれば練習することができます。サービスを出すように右利きの人なら、左手にボールをもって、そのボールを右手に持ったラケットの左端上部にあてるように繰り返して練習します。 バックスピンサービスは、右利きなら、ボールをラケット面の左端で当たるほど、よく切れるようになります。でも、これは意外とむずかしくて、何度も練習しないと、なかなか安定してそのポイントに当てることはできません。ラケットにボールが当たったときの感触を感じるように注意しながらやっていると、ボールが左端に当たったときは、コツンという硬い感触があります。これが成功したときの合図で、このときはものすごく切れたボールになります。
 この左端に当てられるようになったら、こんどは右端にあたるように練習するといいでしょう。右端に当たると、あまりボールは切れなくなるからです。こうして、左端と右端に同じサービスのフォームから、思い通りに当ててボールを切ることができれば、レシーバーは切れているか、いないか見分けがつきにくくなります。ほとんどのトッププレーヤーは、このサービステクニックをもっています。
 それから、サービスは腕や手だけでやるのではなく、常に腰を身体のセンターにくるようにバランスをとっておこなうことです。そうすれば、安定し、より回転の利いたサービスが出せるようになるでしょう。
 スピン系サービスはバックスピンのほかにも多くの種類がありますが、まず今回はこのバックスピンサービスをマスターしてください。




天性の柔らかいボールタッチ、天性の球ぎわの強さは練習で上達しますか……

 突然の質問ですいません。よく雑誌などに、天性の柔らかいボールタッチとか、天性の球ぎわの強さなどとよく書いて有りますが、それは練習で克服出来ますか? その練習方法とはどの様にしたらよいですか? 教えて下さい。いつも試合には勝つのですが、上記2つの反対を指摘されます。よろしくお願いします。

A まず、指摘される内容についてですが、非常に抽象的なことであり、しかも他のプレーヤーとの比較のうえでのことなので、あなたはそれほど気にする必要はないと考えます。ただし、自分のプレーについて、自己観察するのはとっても大切なことです。上級のプレーヤーほど自己観察に優れ、下級になるほどその逆で、自己観察する能力こそが、ある面、上達の極意かもしれません。その自己を観察するといえば、自分のことだから簡単と思われることかもしれませんが、自分のこと、自分のプレーのことを客観的にみるというのは、じつは大変むずかしいことなのです。そうだからこそ、コーチという専門家が必要とされるのです。
 さて、以上のことを踏まえたうえで、「天性の柔らかいボールタッチとか、天性の玉際の強さ」について、検討してみましょう。この「天性」というのは、雑誌の書き手の表現上での一種の比喩であり、あくまで主観的なものの見方でしかないので、この表現はそんなに意味のあるものではありません。その「天性」と表現された技術が、「そうとう巧みである」という程度に考えればいいでしょう。
 そして「柔らかいボールタッチ」ですが、あなたはこの「反対」と指摘されるそうですから、「硬い」のでしょうか。この表現から考えられることとすれば、あなたはインパクトのとき、肩や手に力が入りすぎて、フォームバランスが、どこかぎこちなくみえるせいかもしれません。一度、腰を意識して、腰から始動するようにしてスイングしてみてください。そうすれば、フォームのバランスがよくなり、ボールタッチも柔らかくなるでしょう。
 つぎに「球ぎわの強さ」ですが、これの「反対」ということは、あなたは球ぎわに弱いのですか? 球ぎわに強いというのは、常識的には練習を多く積んでいる者ほど強くなります。ちなみに、高校で名門といわれ、毎年インターハイの上位に進出するような学校の選手は、みな球ぎわに強いものです。そして、名門校に共通するのは、長時間の練習を積んでいること、それに凡ミスをゆるさない指導にあります。
 ですから、「球ぎわの強さ」というのは練習のとき、「腰から動くぞ」とか、「絶対に凡ミスをしないぞ」と意識するだけで、かなり克服することができるでしょう。「天性の柔らかいボールタッチとか、天性の玉際の強さ」という、この2点をもったプレーヤーというのは、たとえば日本のトッププレーヤーなら水谷(雑誌で「天性のボールタッチの柔らかさ」というのは水谷のことではないでしょうか)、世界なら世界チャンプのワン・リチンということになるでしょうから、彼らのプレーをよく観察することも参考になるでしょう。



ツブ高で攻撃する方法を教えてください……

 僕は中学3年生で、ツブ高の異質攻撃型なんですが、最近、ツブ高でもドライブが出来るコトに気づきました。ツブ高でチキータやドライブは出来るのでしょうか? 出来れば、ツブ高で攻撃する方法、または、フォームを教えて頂けないでしょうか?

A ツブ高でもドライブやチキータなどのトップスピンをかけらないわけではありません。しかし、ツブ高でトップスピンはかかるにしても、強力にはならないでしょう。ツブ高を使うのであれば、このラバーに適した球質や攻撃法を考えたほうがいいのではないでしょうか。
 ツブ高の特徴はやはりなんといっても、ナックルを出しやすいことです。しかも、わずかにトップスピン(前進回転)が入ったナックルと、バックスピン(後進回転)が入ったナックルの2種類のナックルが出ることです。この2つのナックルボールは、回転量からはほんのわずかの違いですが、それを打つほうは、かなりのスイング軌道の修正が要求される、やっかいなボールです。
 まずツッツキで、この2種類のナックルを使いこなすことを覚えましょう。すこし押すように打てばトップスピンが入ったナックルになり、ボールの下をツッツけばバックスピンが入ったナックルになります。また、ツッツキだけではなく、ロング打法でも押すように打ったり、上から切るように打つようにすることで、前進回転のナックルや後進回転のナックルに変化しますので、試してみてください。
 また、ツブ高でも水平スイングは可能です。下回転のボールをフォアハンド強打するときは、少しラケットを上向きして、右利きならボールの右横を鋭く水平に振り抜いてください。ツブ高はボールの回転の影響を受けにくいので、ツッツキ打ちやカット打ちには水平強打スイングが有効なのです。





フォアとバックの切り替えを早くするには……

 僕は左シェーク両面裏のドライブマンです。最近ラリー戦になることが多いので、バックドライブを打とうと思うのですが、打とうとすると切り替えしが遅くて、フォアも振り遅れてループになる場面が多いのです。ちなみにバックのスイングはすごく小さくしています。どんな事を意識すれば切り替えしが早くなりますか? よろしくお願いします。

A 切り替えを早くするポイントは、打ったあとのフィニッシュからバックスイングするとき、ラケットの位置を高く保つことです。もしかしたら、あなたはフィニッシュしてから、ラケットを下げていませんか。いわゆる三角スイングや楕円スイングでは、フィニッシュからバックスイングにいたる過程でいったんラケットを下に下げて、スイングのリズムというか流れをとるようにしますが、このようにラケットを下に引くと切り返しが遅くなってしまいます。
 ロングラリーなら、腰より高い位置で打つことが多いので、フィニッシュしたらラケットの位置を腰より下に下げないで、高く保った位置をスイングをはじめる前のニュートラルとします。このニュートラルの高さは水平スイングに適してもいますから、その位置から水平気味にドライブしたり、水平スイングで強打することが容易になります。
 練習で、フォアとバックに交互に送球してもらい、このラケットの位置を意識しながらフォアハンド、バックハンドのドライブを打ってみてください。こうすることで、確実に切り替えが早くなるでしょう。この練習では、腰でスイングのバランスをとるようにすると、スイングが安定します。


カットマンはループドライブをどう処理すればいいのか……

 自分はカットマンなのですが、ループドライブの処理がうまくできないのですがコツなどあったら教えて下さい。

A ループドライブは、台に浅く入ってくることが多いので、カットするときのスタンスが重要となります。フォアハンドカットなら左足を、バックハンドカットなら右足を十分に前にだして、通常のカットよりもスタンスを広くとりましょう。そのとき、もちろん、素早く飛んできたボールまでフットワークをつかって、素早く移動することが大切です。
 また、ループドライブは回転量が多いので、打球点は高くして、上から押さえ気味にカットするとよいでしょう。さらに、相手のループドライブが予測できるなら、素早く前に移動して、それを積極的に強打することも必要です。ループドライブというのは、それをかける方は比較的安全な打法ですが、消極的な打法ともいえます。相手がループドライブを多用するなら、どんどん強打して、相手の攻撃リズムを狂わしましょう。攻撃型は対カット戦で、相手のカットマンに攻撃されるといやなものです。攻撃型が安心してドライブや強打などの攻撃をさせないためにも、積極的に反撃していきましょう。
 ループドライブは回転量こそ多いですが、高い放物線をえがくことが多いので、ループドライブを攻撃球と思わないで、ちょっとしたロビングと考えて、怖がらずに強打すればいいのです。これからのカットマンは、自分のフォアにきた球の半分以上はドライブや強打でリターンするようにしたいものです。
 なお、『卓球パーフェクトマスター』では、ループドライブに対するカットを連続写真とDVDで解説していますので参考にしてください。



ツッツキに対して、ドライブ以外のバックハンド攻撃の技術は………

 僕はシェークで両面裏ソフトラバーを使っています。対下回転にフォアドライブを打つのは得意なのですが、バックハンドは安定性にかけ、スピードがないので使わないようにしています。回り込みも苦手のですが、他にツッツキに対してバックハンドの攻撃的な技術はないでしょうか?

A バックサイドにきた対下回転への対応は、バックハンドドライブあるいは、フォアハンドで回り込むというのがよく使われる技術です。この技術を使わないのであれば、バックハンドフリックや攻撃的なツッツキをやるというのがいいでしょう。
 バックハンドフリックは、ヒジと手首をスイングの軸にして、小さく鋭く振り抜きます。この打法も基本的には水平スイングで、右利きであれば、ボールの左側を叩くようにします。コツは頂点を確実にヒットすることで、少々バックスピンがかかっていても、打ち抜くことができます。また、下回転のボールが、低くてかなりバックスピンがかかっていたら、ラケット角度とスイング軌道を上向きに調整します。
 もし、将来的にバックハンドドライブを使わないなら、バック面に裏ラバーを貼る意味が減少しますので、思いきって表ラバーに換えるということも考慮すべきでしょう。あるいはどうしても裏がいいのなら、硬質の裏にしたほうがいいでしょう。もちろん、どちらの場合も、ボールの回転に影響を受けにくく、ツッツキ打ち(水平打法)がやりやすいためです。
 また、攻撃なツッツキというのは、相手サイドを鋭く切ったりするコーナーワークや、通常のツッツキよりも速い打球の「高速ツッツキ」、あるいはサイドスピンを混ぜたりするというものです。ツッツキも極めれば、かなり有効な打法となります。
 バックハンドドライブや回り込んでドライブをかけるプレーヤーも、以上のバックハンドフリックや攻撃的ツッツキはぜひマスターしてほしいものです。






サービスから3球目への動き出しを早くするには……

 聞きたいことがあります! それは三球目攻撃のときなどの球へのはいりかたです。僕はサーブを出して、相手がレシーブしてからの動き出すまでがよく遅いと言われます。自分では、サーブ後は相手のラケットを見て、出来るだけ速く動き出すようにしているつもりなんですが、やっぱり遅いみたいです。
 大会などで見ていると、サーブを出してから相手がラケットにボールをあてる直前に動き出して、速い打点でうまく三球目をきめている選手もみられます。よく逆をつかれないなあと思います。どうすればそのように早くスタートをきれるんでしょうか? 何かポイントや練習の仕方があれば教えてください。


A 3球目攻撃への始動を早くするもっとも重要なコツは、サービスするとき、インパクト(打球)の前に相手を見るということです。ほとんどのプレーヤーは、サービスでインパクトすると、そのボールを目で追いながら、相手のレシーバーが打つ瞬間に、相手や相手のラケットの動きをとらえています。こういう動作では、どうしても3球目に入るのが遅くなります。なぜかというと、サービスの動作に入ると、ボールを見るために顔と目がボールのほうに向きます。そしてサービスでインパクトしてボールを追うと、顔と目を起こすようにして動きます。動きながらボールをとらえ、同時に相手の動きもとらえると、人の始動は遅くなるのです。
 そこで、サービスでインパクトする前に、相手を見るのです。こうすれば、レシーバーの動きがサービスをするまえにとらえることができます。もちろん、極端にいえば、ボールを見ないでサービスするのですから、最初は不安ですが、このようにインパクトの瞬間にレシーバーを見るということを意識して、そのようにサービスの練習を繰り返せば、意外と簡単にインパクトまで見ないでサービスができるようになるものです。
 じつはほとんどのプレーヤーは、サービスのときでも、それ以外のスイングのときでも、打球するインパクトの瞬間まで見ていません。ちなみに、卓球雑誌に掲載されている、トッププレーヤーがサービスからの3球目に入る連続写真を見てもそれは明らかです。なぜ、インパクトまでボールを見ないのかというと、インパクトの瞬間までボールを見ていると、次の動作に入るのがものすごく遅れてしまうのと、ボールにあたるまでボールを見なくても、ある程度正確に打てるためです。ですから、いままでよりも、ほんの少し早く、ボールをとらえるのをやめて、相手を見るようにすればいいのです。
 そして、もう一点、注意するのは、頭(顔)を動かしてボールをとらえにいこうとしないことです。頭を動かすと、それだけ次に移る動作が遅れるからです。サービスのときはもちろん、どんなスイングでも、頭を動かしてボールを見るのではなく、目の動き、眼球の動きでボールを見るようにすれば、より早く次の動作に入ることができます。私はずっと以前から、このように指導していましたが、意外というか、トッププレーヤーでも、このようにしていないことがほとんどなのです。ところが、1年ほどまえに、世界チャンピオンである中国の張(チャン・イニン)が、卓球レポートのインタビューに、私の指導と同じように、サービスを出して、インパクトのまえにレシーバーを見ると答えており、我が意を得た思いがしました。
 もう一度、確認しましょう。サービスを出すときボールを上に放り上げ、ボールが落球してきて打球動作に入ります。この間、当然ボールを目で追っていますが、ボールを打つまえ(インパクトのまえ)に、できだけ早くボールから目を離してレシーバーを見るようにするのです。これだけで、3球目への始動、入り方は見違えて早くなります。
(卓球技術研究所)



ドライブのフォームを矯正したいのですが……

 ドライブをかける際のフォームの矯正法について質問させてください。私は右ペンドライブ型ですが、ドライブの際、直したい癖を2つもっています。一つ目は肘が上がってしまうこと、もう一つはバックスイングをして振りぬこうとする際、最初に肩がまえに突っ込んでしまうというものです。
 2つともループドライブを打つ際はまだいいのですが、スピードドライブを打とうとすると「面をかぶせてスピンをかけたい」という意識で肘が上がってしまい、パワーを出したいと言う意識が体を先に開いて、肩から動作を始めさせてしまい(先に体が前に突っ込んでしまう感じ)結局力強いボールが打てていません。長年のものなので、なかなか矯正は難しいと思いますが、何か意識的に行ってみると良いことがあれば教えていただけないでしょうか。


A まず、意識的な面で、あなたはボールに回転をかけよう、あるいは相手コートにボールを入れようという気持ちが強すぎるように思われます。また、あなた自身も自覚されているように、パワーを出したいという意識から体が開いて、体が前に突っ込むのです。 これはドライブにかぎらず、どんな種類のスイングにも共通することですが、「入れたい」「強く打ちたい」「ねらったコースを突きたい」などという気持ちが強いとき、肩や腕、手に余計な力が入りすぎて上半身主導になってしまいます。ところが、上半身主導であればあるほど、思いとは逆にマイナスの結果となるのです。
 腰あるいは腹(臍下丹田)を意識して、下半身主導でスイングするように心掛けることが大切です。「腰」とは、その造りのとおり、体の要です。この腰から始動して、腰でスイングのバランスをとるようにすれば、打球の安定性はもちろん、スピードやスピン、そしてパワーも倍増します。
 また、人間の体のパワーを生みだす70%以上は下半身が占めていますから、下半身の動きや筋力を使わない手はないでしょう。とくにドライブ打法は下半身の上手な使い方が要求されます。
 下半身の伸び上がる力、右足から左足への重心移動と腰の回転をうまく融合させて、下半身に引っぱられるように、肩甲骨から腕、ひじ、手首がインパクトに向かってパワーが集約されるようにスイングするのです。またスイングのとき、腰のバランスを意識するのと同時に、両足の太股の筋肉をフル稼働させているかも注意をはらってください。
 下半身の使い方を覚えるのと同時に、スクワット、腹筋、背筋などの筋トレも合わせておこなうと、よりパワーが発揮できるでしょう。



肩甲骨打法のスイングの軌道は……

 肩甲骨打法におけるスイングはどのような軌道になるのでしょうか?

A 肩甲骨打法とはその名の通り、肩甲骨を軸にしてスイングする打法です。主にフォアハンド系のスイングに適用するものです。通常のスイングも肩甲骨を軸にするのですが、肩甲骨打法はバックスイングのとき、肩甲骨を背中の中心部にぐっと入れて打つのが特徴です。こうすることで、打つポイントが長くなり、野球のバッティングでいうところの懐が深くなって、ボールの変化に対応しやすくなり、打つタイミングも長くとれるようになり、またパワーもアップします。そして、スイングの軌道は従来のフォアハンド系のスイングよりも水平方向になります。
 基本的に当研究所は肩甲骨打法を支持します。なぜなら、フォアハンド系スイングに関しては、バックスイングでヒジをすこし引くこと、つまり肩甲骨を内に入れることと実質的には「肩甲骨打法」と同じなので、この打法を支持するものです。
 ただし、以上述べたことはあくまで当研究所の「肩甲骨打法」の見解であって、当方とは違った見解もあるかもしれません。
ちなみに、当研究所が推奨する水平打法におけるスイング軌道は、打球点がネットよりも高い位置の場合は基本的には水平方向で、ネットより低くなるにしたがって上向きになります。



水平スイングのフィニッシュはどこになるのでしょうか……

 秋場さん、はじめまして。私は中学校の三年間、卓球をしていて、つい最近また卓球を再開した高校二年生です。技術論、集中論を拝見しましたが、どれも素晴らしい内容でした。特に凄いと感じたのは水平スイングです。ここで質問なのですが、三角打法のスイングのフィニッシュはオデコの前(私も中学時代は三角打法でした)ですが、水平スイングのフィニッシュはどこになるのでしょうか? 教えてください。


A 水平スイングのフィニッシュは、基本的には身体の中心です。なぜかといえば、身体の中心でフィニッシュすると、スイングのバランスや戻りが早くなるからです。ただし、これは通常のラリーで、強打となるとスイングの勢いで、右利きであれば左肩あたりまできます。
 フィニッシュする高さは打球したポイントや身長によってかわってきますが、首と口のあいだあたりになります。というか、水平スイングですから、打球した高さがフィニッシュの高さということになります。もちろん、高い球はその位置よりも低い位置でフィニッシュするようになりますが。おでこをフィニッシュときめると、スイングのおさまりはよくなります。しかし、なにがなんでも「おでこ」ときめてしまうと、それがスイング全体に悪影響を及ぼします。たとえば高い球や伸びる球にたいしてはおでこがフィニッシュだとオーバーミスが出やすくなります。
 水平スイングでは、フィニッシュの位置は一応身体のセンターとしておき、打球点、あるいは軽打や強打によって、柔軟にかわってくるのです。ちなみに、水平スイングのポイントは、飛んできたボールの高さにバックスイングをとって、そこからボールの斜め横を水平に振り切ることです。こうすることで、打った球は直線的にまっすぐに飛び、ぐんと伸びる威力ある打球となります。また、打球感も抜群でスイートスポット打法とも呼べるものです。ぜひ、マスターしてください。




安定したカットをするには……

 カットマンのカットについての疑問です。自分のカットはそこそこ入るのですが相手の台に飛んでいくまでがとても速く打球時に高い音がします。上手いカットマンの選手 を見ていると、ボールがゆっくりで、なんかフワーッと相手のコートに入っていきます。打球時には高い音ではなく低い音がしています。観ていて、とても安定しています。ラケットでのボールのとらえかたに問題があると思うのですが、どうすればそういうボールが送れるのでしょうか? 暇なときにでも回答お願いします! ちなみに使っ ている用具は松下モデルに両面タキネスチョップの薄です。

A カットを安定させたいとありますが、実際にあなたのカットフォームを見ないと、何とも言えない部分もあるのですが、お答えできる範囲で説明してみます。
 いまのカットの打球ポイントをもう少し引きつけて、右利きであれば、フォアカットの場合は、右足に重心をおいて、飛んできたボールをできるだけ右足の近くで打球するようにします。バックカットの場合は、左足に重心をおきます。こうすると、安定感が増すはずです。
 また、ラケットの角度を、床に対してもう少し開いてみてください。そうすると、いまよりもゆっくりと飛んでいくでしょう。また、よく切れたカットボールも出しやすくなります。


年配者向けの技術も研究してください……

 卓技研の教え方は全日本を目指す人か若い人向きだと思います。年配者向けの技術も研究して欲しいなと思います。例えばハーフボレーもへその前で打球するとしてますが、年をとるとフォアへ戻るのが難しいと思います。ですからバックのハーフボレーも体から離れたところで打球する練習も多く必要だと思います。どう思われますでしょうか。ご意見お聞かせ下さい。

A 卓技研ではトップからビギナーまで、あらゆるプレーヤーにたいして対応していく所存です。もちろん、年配の方にたいしてもです。
 さて、ご質問のバックハンドの技術ですが、卓技研ではバックハンドのハーフボレーは身体の正面、分かりやすくお腹、おへその前で打球するように解説しています。しかし、これはあくまで「基本」です。このように打球したほうが、安定してミスが少なく、また強打も打ちやすいからです。できれば、年配の方であっても、バックハンドのハーフボレーは身体の正面でできるだけ打球したほうがいいと思います。
 また、これも基本なのですが、飛んできたボールにたいして、ラケットを持った手からではなく、足から先に動くようにすると安定し、強打のチャンスもひろがります。飛んできたボールを打つとき、人間の習性として、ほぼ絶対的に手から先に動いて当てにいこうとします。そのとき、足を動かすのを怠りがちです。ビギナーほどこの傾向が強くなり、元気のいい中学生でも、なにも指導しないと足を使って動こうとしません。もちろん、年配の方は足が動きにくい、反応が遅い、戻りが鈍いというのはよく分かります。分かったうえで、以上のように申し上げています。
 今度、練習のとき、飛んできたボールにたいして、手からではなく、足から先に動くようにしてみてください。そうしても、手が遅れるということは絶対にありませんから安心してください。
 簡単なフットワークの方法は、ボールが飛んできた方向に、近い方の足をまず動かしてみることです。このことを念頭において練習してみてください。身体から離れたところで打球する練習ももちろん必要です。その練習のときも、飛んできたボールに近いほうの足を動かすようにしみてください。そのようにしていると、足もよく動くようになり、打球も安定してミスも減るでしょう。




シェークのフォア表ですが、将来カベに当たる気がして……

 私は今シェークフォア表なんですけど、将来的に、壁に当たる気がして不安です。なぜなら、シェークフォア表なんてあまり聞いたことありませんし……。
 でも、ドライブよりスマッシュがしたいので、表で続けているのですが、今は何も問題なく、普通に勝てます。この場合ペンに変えたり、裏&裏に戻したほうがいいのでしょうか? ちなみに男子の中3です。


A まず、「将来的に壁に当たる気がして」とありますが、そんなことは考える必要はないと思います。壁に当たってから、の話しです。そして、「シェークの表なんてあまり聞いたことありませんし」というのは、あくまで他の選手を考えた場合であって、あなた自身の好みや感性、考えなどをまず優先すべきでしょう。
 ドライブよりスマッシュがしたいのであれば、そのプレースタイルをとことん追究していけばいいのです。それで、もし「壁に当たれば」そのときに考えればいいことです。
また、いま現在はドライブ全盛ですが、今後はスマッシュが有効になってくると思いますので、あなたのプレースタイルは将来性も高いと思います。いまはシェークの裏+裏というプレーヤーが多いのですが、このタイプが万能ではありませんし、シェークにしろ、ペンにしろ、また裏や表、ツブ高にしろ、それぞれ長所と短所を有しています。
 「意外性のありすぎるラバーの組み合わせ」というのは、対戦する相手にとっても「意外性」があって、やりづらいはずです。表+裏というラバーの組み合わせは、かなり可能性を持っていると思います。場合によってはラケットを回転させて、フォアを裏にしてドライブをやってみるとか、かなりプレーの巾が出るのではないでしょうか。
 また、そんなことより、自分のすきなラバーやラケット、プレースタイルを追究するほうが、卓球をしていて楽しいはずです。楽しいからこそ、上手くなるのです。ぜひ、あなただけの「オンリー・プレー」をめざしてください。





「球への入りが遅い」と監督からいわれたのですが…………

 質問したいことがあります。練習や試合で監督から球への入りが遅いといわれます。監督には、あるコースにボールを打ったら、返ってくるコースをあるていど予測して、そこで先に動いてまっておいて強打し、予測したコースと違うところにきた時はつなぐようにと教えられました。なーんとなくわかるんですが、どういうふうに練習してそういう動きを身につければいいのかわかりません。いい練習の仕方などがあれば教えてほしいです。

A 「球への入りが遅い」のには、2つの理由が考えられます。
 1つは、あなたがボールを打つとき、頭をまわしてボールを追うことで、打ったあとボールを見る時間が遅れたり、打ったあとにニュートラルの位置にラケットを戻すのが遅れることです。
 ボールを「見る」ことは大切ですが、インパクトの瞬間までボールを見ようとするあまり、頭を大きく動かせてボールを見ようとすると、「球への入りが遅く」なります。ボールは頭で追うよりは、目玉の動きで追ってとらえたほうがいいでしょう。
 2つめは、反射神経をよくする練習をすることです。いろいろな練習方法がありますが、今回はつぎの2つを紹介します。
 まず、ロングラリー練習で、あなたは相手に送るコースをフォアとかバックの1つに決めておき、相手にアトランダムに全面(いろいろなコース)に送ってもらうのです。そして、あなたはそのボールをフットワークや両ハンドをつかって返球します。最初はむずかしいでしょうから、相手にはゆっくりとしたボールを送ってもらうようにします。
 もう1つの練習方法は、多球練習で送者に、これもアトランダムにロングボールをいろいろなコースに送ってもらいます。また、この練習をバージョンアップさせて、ロングボールのほかに、下回転やドライブボール、ストップボール、ロビングボール、強打など、ありとあらゆるボールをアトランダムに連続して送ってもらい、そのボールにたいして、もっとも適切なスイング法でリターンする練習があります。
 以上の練習を積むと、確実に反射神経がきたえられ、「球への入りが」よくなります。ぜひ、試してみてください。





ループドライブを上手にカットするには…………

 自分はカットマンなのですが、ループドライブの処理がうまくできないのですが、コツなどあったら教えて下さい。

A ループドライブは、台に浅く入ってくることが多いので、カットするときのスタンスが重要となります。フォアハンドカットなら左足を、バックハンドカットなら右足を十分に前にだして、通常のカットよりもスタンスを広くとりましょう。もちろん、飛んできたボールまでフットワークをつかって素早く移動することが大切です。
 また、ループドライブは回転量が多いので、打球点は高くして、上から押さえ気味にカットするとよいでしょう。
 さらに、相手のループドライブが予測できるなら、素早く前に移動して、それを積極的に強打することも必要です。
 ループドライブというのは、それをかける方は比較的安全な打法ですが、消極的な打法ともいえます。相手がループドライブを多用するなら、どんどん強打して、相手の攻撃のリズムを狂わしましょう。攻撃型は対カット戦で相手のカットマンに攻撃されるといやなものです。攻撃型に安心してドライブや強打などの攻撃をさせないためにも、積極的に反撃していきましょう。
 ループドライブは回転量こそ多いですが、高い放物線をえがくことが多いので、ループドライブを攻撃球と思わないで、ちょっとしたロビングと考えて、怖がらずに強打すればいいのです。これからのカットマンは、自分のフォアにきた球の半分以上はドライブや強打でリターンするようにしたいものです。
 なお、『卓球パーフェクトマスター』では、ループドライブに対するカットを連続写真とDVDで解説していますので参考にしてください。




下回転のロングサービスについてお尋ねします……

 いつも丁寧な回答ありがとうございます。先日下回転のロングサーブについて質問させていただいて練習させていただいていますが、質問があります。
1.私は以前からロングサーブをほとんど使わないので、どのくらいのスピードが必要で、どのような軌道をボールが描くのが理想か教えていただけないでしょうか。 現在ゲームで使用すると、短く出そうとした下回転が台から出てしまったような感じで、どうも言われているようなサーブではない気がします。これができればOK、あるいは ボールがこういう軌道を描くとOKというようなターゲットを教えていただけないでしょうか。
2.サービスを出す時の台との距離ですが、ユ・スンミン選手ほか大体の選手は体が台の エンドラインよりネット側に入っているくらいできうる限る近づいてサーブを出されています。ショートサーブは台に近い方が出しやすいのですが、ロングサーブはどうも窮屈な感じがしています。サーブを出す際の立ち位置について解説頂けないでしょうか。


A 1.下回転のロングサービスは、慣れないとちょっとむずかしいでしょう。中途半端に出すと、相手レシーバーにとっては、甘いサービスとなってしまいます。
 まず、第1バウンドはできるだけ、自陣エンドラインぎりぎりに落とします。そして、できるだけスピードが出るようにします。この2点をまもらないと、なかなか下回転のロングサービスは出せません。軌道については、ネットすれすれがよい、としか答えようがありません。

2.サービスを出すときの位置ですが、エンドラインに可能な限り近い(台に近い)ほうが時間的・距離的に有利になります。また、きびしいサービスを出そうとすれば(とくにスピード系ロングサービス)、台に近づいたほうが出しやすいのです。ですから、ほとんどのトッププレーヤーは台にできるだけ接近して出します。
 ロングサービスを出すときに窮屈に感じるのであれば、最大限台に近づいた位置からロングサービスを出す練習をして、その位置を標準にして、ショートサービスを出すようにすればいいでしょう。あるいは、ユ・スンミンのように、サイドラインから出る位置から出せば、窮屈感はなくなるかもしれません。



ショートサービスの第1バウンドを落とす位置はどこがいいのでしょうか……

 こんにちは、自分は大学で卓球をやっているものですが少し質問したいことがあります。サーブについてなのですが、よく卓球の雑誌などでは短いサーブを出すときに第1バウンドを自分の台の真ん中あたりに出すようにと載っています。
 僕はクラブチームにも入って練習をしているのですが、そこではできるだけ台のエンドライ ン上に第1バウンドを落として、短いサーブも長いサーブも使いわけるように練習するように言われました。これはどちらのほうがいいんでしょうか。


A 長い(ロング)サービスはエンドライン際に、短い(ショート)サービスはネット寄りに第1バウンドさせるのが「基本」とされています。というか、長短のサービスを出しやすい方法です。
 長いサービスや長くて速いスピード系ロングサービスは、エンドライン近くに第1バウンドさせないと、まずうまくいかないでしょう。ちなみに、ネットぎわに第1バウンドさせて、スピード系ロングサービスなど絶対に出せません。
 しかし、短いサービスは、かならずしも台の真ん中やネット寄りでなくても、たとえエンドライン際にバウンドさせても出すことができます。サービスでボールを当てる(打球感)強弱で調整できるからです。
 長いサービスも短いサービスも、同じエンドライン上にバウンドさせたほうがいいといわれるのは、レシーバーにサービスの長短を第1バウンドの時点で予測させづらくさせるためだろうと思われます。
 なぜ、このようにするかといえば、サービスの「コツ」はレシーバーにできるだけ、そのサービスの情報を与えないか、遅く与えるということです。それはサービスのロングサービスやショートサービスの長短だけでなく、フォア、バック、ミドルなどのコース、あるいは下回転や上回転、横回転などスピン、それにスピード系かスピン系かといった情報もふくまれます。
 サービスの情報を与えないというのは、レシーバーにとってはそのサービスがどんなサービスか理解できないことです。それはスピン系サービスがあてはまります。ナックルサービスと読んでレシーブしたら、下回転でネットにひっかけてしまったというようなことです。また、情報を遅く与えるというのは、レシーバーがフォアへのスピード系ロングサービスだと反応して動き出したときには、もうサービスのボールはフォアサイドを超え、ノータッチで抜かれてしまったというようなことです。このような例は、だれでも経験のあることですが、これは相手にサービスの情報を遅く与えた成果として、サービスエースとなったわけです。
 今回のご質問の、短いサービスも長いサービスもエンドライン上から出すというのは、同じ位置にバウンドさせるわけですから、相手のレシーバーにとっては、その時点では、短いか長いか判断しづらいのです。つまり、レシーバーに情報を遅く与えるためです。第1バウンドがエンドライン上か台の真ん中かの、時間的な差は数十分の1秒のことですが、卓球というスポーツにおいて、この時間差はかなり「重要な時間」になるのです。これはレベルが上がるにしたがって、その重要度は増すことになります。
 ただし、もちろん、エンドライン上でバウンドさせて短いサービスを出すには、打球感(スピード感)と距離感との微妙な調整が必要で、それなりの訓練を積まなくてはならないでしょう。




表ソフトで、回転・スピード・安定性を兼ね備えたラバーはありますか……

 ラバーについての質問です。ペン表ソフトなんですが、すごく矛盾する事で悩んでいます。今スペクトルのスピードと21を相手の戦型によって使い分けています。
 スピードはスポンジがめちゃ硬いのでスマッシュのスピードはすばらしものがありま すが、守りは弾み過ぎる為安定しません。21はスポンジが軟らかいので、スピードはおちるものの守りはすごく安定します。
 表ソフトにはあり得ない矛盾な事なんですが、回転、スピード、安定性、この3つを備えたラバーは無いと思いますが、出来るだけこれに近いラバーとか、おすすめ表ラバーはありませんか? メーカーは問 いません。僕は前陣速攻型です。回答宜しくお願いします。 


A 相手の戦型によってラバーを使い分けるというのは、ちょっとびっくりしました。そんな発想もあるんですね。
 まず、表ソフトラバーを使うのならば、スピードを重視したプレースタイルを指向しているわけで、スピードが出ること、そして次にどれくらいの回転量を求めるかで、選ぶラバーの種類は決まってくると思います。
 「安定性」というものを求めると、どうしてもスピードと回転をそれなりに失うことになります。指向するスタイルによっても違ってきますが、安定性は技術力の上達でカバーするものです。トッププレーヤーのほとんどが、特厚でスピードグルーを使用している(いた、と過去形で言ったほうがいいかもしれません)のは、ラバーに求めるのは、スピードと回転であって、安定性ではないということでしょう。
 ラバーを武器とすれば、より強力な武器を使いこなしたほうが戦いには有利だということは当然です。あなたが、より上位を目指すならば、「安定性」ではなく、「強力性」を選択すべきです。そのうえで、自分に合ったラバーを見つけるしかありません。それが、「おすすめラバー」です。




よく切れた下回転を水平打法で打つとネットにかかるのですが……

 水平打法に興味があり、7月頃に2、3度メールで質問させて頂きました。ペン表ソフトです。下回転が切れてれば切れてるほど、ネットにかかります。やはり少し持ち上げないと入りません。誰か手本になる様な人はいませんか? プロ、社会人、学生で。水平打法の威力のある球と言うのは、ほぼ無回転のボールと言う事ですか?

A 下回転を水平打法する場合のポイントをまず確認しましょう。
 ●右利きでは、ボールの右側面を打つようにします。
 ●切れていればいるほど、スイングスピードを速くします。
 ●ボールの頂点を確実にとらえるようにします。
 以上の3つのポイントがうまくいけば、たとえよく切れた下回転でも、ほとんどうまくヒットすることができます。
 ただ、低いツッツキボールを水平打法で強打する場合は、ボールがバウンドした頂点を確実にヒットさせてください。たとえ低いボールでも、そのバウンドしたボールの頂点はネットより高くなることがほとんどですが、低ければ低いほど、そのネットより高くバウンドするのは、ほんの一瞬です。ですから、低いボールを打つ場合は、その頂点を逃さないで打つ、かなりの集中力が必要です。
 また、ものすごく切れた下回転やネットすれすれの低いボールは、ラケット角度をすこし調整する必要があります。水平打法のラケット角度は基本的には台に対して直角です。しかし、上記のような場合はラケット角度をすこし上に向けます。しかし、スイングはあくまで水平です。
 水平打法がもっとも有効に使えるのは、フォアからフォアに打つコースです。なぜなら、ボールの右側面(右利きの場合。左利きはボールの左側面)を打つわけですから、わかっていただけると思います。では、バックからバックへ打つ場合どうでしょう。とくによく切れた下回転や低いボールに対しては、右側面を打つことが難しいので、そのときはラケットを開いてボールの左側面を打つようにします。
 もう、おわかりでしょう。下回転のよく切れた、低いボールを打つポイントは、「ボールの側面をねらう」ことです。このコツさえつかめれば、少々の下切れでも、おもしろいように強打することができます。
 もちろん表ソフトラバーには有効な打法です。しかし、裏ソフトでも、けっして使えない打法ではありません。コツをつかむまで、練習を積んでください。かならずできるようになります。




どうすれば安定したカットができますか……


 僕は高校からカットマンをはじめたものなんですが、自分のカットで気になることがあります。それは一応相手のドライヴをカットで返すことが出来るのですが、カットしたボールが相手のコートに飛んでいくまでがとても速いことです。
 あまりうまくは言えませんが大会などで勝ち上がってくるカットマンのボールはとてもゆっくりしていて、ふわーっと相手のコートに入っていきます。見ていてとても安定してる感じがします。
 どうすればそういうカットが出来るのでしょうか? 僕が使っている用具は両面裏ソフトでラケットもラバーもかなり弾まないものを使っています。多分スイングがおかしいかと思うんですが何かわかることがあればぜひ教えてほしいです!!


A まず、ラバーが考えられます。あなたは、カットマンで両面裏ですね。最近のカットマンではめずらしいでしょう。現在のカットマンのほとんどは、裏+ツブ高ですから。ツブ高でカットすれば、弾まないので、とうぜんボールはゆっくり飛んでいきます。
 そして、もっとも考えられるのが、あなたはボールを呼び込んで、しっかり自分のボールとしてカットしていないのかもしれません。あなたのカットが速いというのは、相手のドライブボールを受け止めて、その勢いを殺して、自分のボールとしてリターンできていないのです。
 技術的にいうと、いまのラケットの角度をもう少し水平に開いて、相手のドライブなり角度打ちなり強打なりをできるだけ引きつけて打つようにします。そうすれば、とうぜんボールは前に飛びにくくなり、自分のボールとなって安定します。それは必然的にゆっくりとしたボールとなってリターンするのです。また、こういうようにラケットを開いて、引きつけることで、よく切れたバックスピンもできるようになります。
 以上のことを踏まえて、練習してみてください。



裏面打法に適したグリップとは……


 わたしは、ペン裏裏ドライブで、バックは全て裏面打法で処理しているのですが、フォアとバックを両立するにはどのようなグリップが理想的ですか?

A ペン裏面打法で全部バックをカバーするのであれば、これまでのペンのグリップの常識とは考え方を変えたほうがいいでしょう。
 問題は裏面にかかる中指、薬指、小指の位置です。通常、ペンでバックを表面でカバーする(裏面打法を使わない)のであれば、この3本の指は、裏面の中心ラインよりも右側(右利きの場合)に位置したほうがいいとされてきました。なぜなら、表面でバックをカバーするには、このようにしないとバック面の角度が十分に出せないからです。
 ところが、バックハンド(ショート、バックハンド)をすべて裏面でカバーするとなると、話しは変わってきます。まず、裏面にかかる3本の指を伸ばすグリップだと、打球するとき、ボールに指があたりやすくなります。よって、指を伸ばすグリップはふさわしくありません。
 では指を丸めるといいのですが、この3本の指を丸めるとき、中心のラインよりも右側にすると、裏面打法のときに、打球する支えが弱くなります。打球の威力に圧されやすいのです。
 このようなことから、バックをすべて裏面打法で処理する場合は、この中指、薬指、小指の3本の指は、ラケットの中心ラインよりも左側にもってくるようにします。こうすると、3本の指がラケットを十分に支えることができるとともに、裏面でのバックハンドの角度がスムーズに出て、しかもこの3本の指の支えが打球をカバーするのでパワーが増すのです。しかも、フォアハンドも同時にこの3本の指がカバーするので、フォアハンドもパワーが増強します。
 ですから、裏面で全部バックをカバーするのであれば。裏面の3本の指は丸めて、中心のラインよりも左側にもってくるとよい、ということになります。


バックへ回り込むと、空いたフォアに逆を突かれてしまうのですが……


 今回質問させていただきたいのはバックへの回り込みのタイミングについてです。よくコーチから「タイミングが早すぎる」と言われます。その分、簡単に逆をついてフォア側にツッツキができてしまうと言われます。そういえば試合でも必ず2、3本はフォアヘツッツキを出されてそれがドライブできず得点を与えてしまうということがあります。
 自分ではできるだけ大きく回りこみたいので早く動きたいという気持ちは当然ありますが、タイミングについてあまり考えたことがありません。あとバックの技術に不安があるので、できる限りフォアで対応したいという気持ちもあります。そのため単に私が相手の動きを見ていないことが原因なのでしょうか。相手がバックにつっついてくるのを確認して回り込むと時間的に遅くなりつまってしまう気がしています。
 何か練習、試合の際、気をつけておくことがございましたらアドバイスいただけないでしょうか。以上ご回答頂ければ幸いです。

A バックへ回り込んで、相手にフォアを突かれるというのは、ペンドラやフォアハンドドライブ主戦型にはよくあることです。ちなみに、韓国のユ・スンミン(柳)も、フォアを突かれることがよく見受けます。しかし、彼はフォアへの飛びつきのフットワークがいいのでクリアしています。
 では、まず、ツッツキで相手にフォアにツッツキされないように工夫してみましょう。
あなたのツッツキが短いと、相手はストップ気味や逆に深いツッツキをフォアに入れやすくなります。そこで、相手のバック側にできるだけ深く、バックスピンのかかったツッツキを入れるようにします。こういうツッツキを送ると、相手は容易にフォアにツッツキができにくくなります。また、逆に相手がバックに回り込んで、ドライブや強打をしようとしても、こういう深いツッツキにはつまりがちになるので、カウンターがしやすくなるのです。できるだけフォアハンドで攻撃したいタイプは、このようにツッツキを工夫することで、このタイプを生かすことができるでしょう。
 ツッツキという技術は、試合で多く使う技術です。しかも、ツッツキは単に守備的な技術ではなく、錬磨することで攻撃的な武器になる技術です。
 次に、バック対バックのツッツキから、あなたが回り込んでドライブする練習をしましょう。このとき、何球目にあなたが回り込むか相手とは決めないでおきます。アトランダムに2回目とか3回目といったように回り込むのです。そして、相手はあなたが回り込むと予想できたら、あなたのフォアにツッツキするようにします。この練習をやりこなすことで、相手にバックへ回り込むタイミングをさとられないようにするとともに、たとえフォアにツッツキされても、飛びついてとれるようになります。
 この練習に慣れてきたら、こんどは相手がフォアに突くことを逆に利用することもできるようになるでしょう。バックに回り込むと見せかけて、フォアへのツッツキを予測して、待ち受けて攻撃するのです。つまり、バックに回るぞというフェイントをかけて、フォアで待つように網を張るわけです。
 もちろん、なおいっそうドライブの威力を高めること、フットワークを俊敏にすることは大前提です。



 早速の丁寧な回答ありがとうございます。下記の件で2点質問があります。
1.深く切れたツッツキのコツを教えていただけないでしょうか。現在コーチからはラケットは高い位置で留め、基本的に上から下に向かって使うよう指示を受けています。あとこの中に「切れた」要素を入れるには技術論のなかにあった「ぎゅっと握る」ことで解消するのでしょうか。

2.私は今まで「下回転のロングサーブ」をほとんど出したことがありません。深く切れたツッツキが有効であるならば、サーバーの時、深く切れたサーブを出すことは私のような戦型にとっては有効なサーブになりうるのでしょうか。私は基本的に短いサーブで相手に強打されない下回転サーブを中心にゲームを組み立てて来ました。学生時代から短い下回転サーブは比較的得意でほぼ台上でボールが戻ってきます。もし「下回転のロングサーブ」が有効であるならば練習したいと思います。それに対するターゲットがあれば教えてください。
 以上お手数をおかけいたしますが宜しくお願いいたします。

A まず、1.の「切れたツッツキ」についてです。コーチが指導される「上から下に向かって使う」というのは、攻撃的なツッツキになるのでこれを修得すれば武器になると思います。
 もっと攻撃的にするには、ラケットのヘッドをクロス方向に上げてツッツキをしてください。そうすると、ボールが低くなり、相手のバックサイドを切ることができます。バックサイドを深く切るボールは、相手にとってフォアへツッツキしにくくなると同時に、回り込んでのドライブや強打もますますやりにくくなります。
 切るツッツキですが、インパクトの瞬間にそれまで軽く握っていたグリップをぎゅっと握るとよく切れます。このときのコツですが、ボールの底を切るということと、ボールを打った瞬間にスイングを止めることです。通常のツッツキではインパクトしたあと、そのままラケットスイングは前に出ますが、これをインパクトしたら、すぐに止めるのです。そうすると、ラケットスピードが倍増してよく切れるのです。
 さらにもっと攻撃的にするには、ライジングでツッツキすることです。打球点を落とさないで、また頂点までまたないで、バウンドしたらすぐに打球するのです。ツッツキのハーフボレーとでもいいますか。これをやると相手はそう簡単に回り込むことができなくなり、ツッツキからの先手攻撃をしやすくなります。

 次は2.です。短いサービスばかりでは、相手は前に行くことだけを意識すればよくて、とっても楽です。やはり長いサービスを出さないと、相手に読まれてしまって、せっかくのよく切れるショートサービスの効きも悪くなります。得意のショートサービスを生かすためにも、ロングサービスを出すべきです。相手にもよりますが、現代卓球では、バックへの深いサービスに対して、フォアハンドで回り込んでドライブや強打する選手が減っています。ほとんどの選手がバックハンドで対応します。バックハンドドライブを使う選手もいますが、フォアハンドドライブとくらべると、その威力は半減している
選手がほとんどでしょう。
 また、よく切れたロングサービスは、かなりの技術力をもった選手でないと、強力なバックハンドドライブはできません。バックへ深い切れたサービスは「穴」です。どんどん使うべきだと思います。
 それと並行して、切れたショートサービスを使えるのであれば、相手のフォア前に出すと効くはずです。相手のバックへのロングサービスとフォア前のサービス。この2つのサービスがよければ、実際の試合ではかなり相手にプレッシャーを与えることでしょう。この2つのサービスのコンビネーションを武器とされてはいかがでしょうか。
 そして、このコンビネーションが完成すれば、もう1つ、今度は相手フォアへのスピード系のロングサービスとバックへのショートサービスというコンビネーションに挑戦してください。
 この2系統のコンビネーションがあれば、かなり有効な武器となります。サービスは野球でいう、配球、コンビネーションを考えるといいでしょう。いい投手というのは、かならず速い直球と鋭い変化球をもっています。たとえば、巨人の上原なら直球とフォーク、松坂なら直球とスライダーというように。








卓球部に卓球が分かる指導者がいません。どうしたら、上達するのでしょうか……


 こんにちは。私は今、中学二年の卓球部のものです。卓球は、小学二年の時から始めています。ラバーは両方とも裏ソフトです。小学校のときから、前陣速攻タイプです。学校が終わってから、2時間〜3時間ほど練習しています。
 小学校のときの顧問の先生は、卓球を教えることができる卓球経験者でした。私が今入っている部活の顧問の先生は、卓球初心者で、卓球の無経験の人です。私は、もっとうまくなりたいのですが、なかなか上達しません。うまくなる練習法がわからないのです。卓球ノートを書いてみたりしましたが、どんなふうに書けばいいかわかりません。自分より上手い人がいない中で、どう練習したらよいのでしょうか?

A まずは指導者がいなくても、自分一人ででも学ぶことや、一人の練習を充実させることです。それには、卓球の技術解説書やDVDを見たり、サービスの練習を徹底的にやってみることです。また、多球練習を多くやるといいでしょう。いくら、相手が上手くなくても、球出しはできるでしょうから、お互いに送者と打者に交替しながら、フォアハンド、バックハンド、フットワーク、切り替え、ブロック、飛びつき、ドライブ、ドライブ&スマッシュとか、いろいろやってみることです。だいたい1種目30〜50球を連続でやります。
 つぎに考えてみることは、他校の練習に参加させてもらうことです。地域のブロック大会でいつも優勝やいい成績を挙げている学校の練習に参加させてもらうのです。自分の学校の練習が休みの日とか、あるいはあなたの部員みんなで練習に参加させてもらってもいいかもしれません。顧問の先生に相談してみてください。
 また、あなたの住んでいる近くに、卓球の地域クラブがあるはずです。そこには社会人の人が多く練習しているはずですから、上手そうな人を見つけて教えてくださいと頼んでみてはどうでしょう。ほとんどのおとなの人がよろこんで教えてくれるはずです。もちろん、しっかりとしたあいさつと礼儀が必要です。
 また、少々、お金がかかりますが、卓球スクール(クラブチーム)に入るのも手です。
いま小中学生で強い子はほとんどが、こういったところに所属しているか、かつて所属しています。





1人でできる練習方法を教えてください……


 私は高校1年で両面裏のドライブ型です。朝練によく行くのですが、1人で練習してるときが多くて、サービス練習しか出来ません。 何か一人で出来る練習方法はないでしょうか? よろしくおねがいします。

A 近一人でやる練習法について解説します。ちょっと、自分で考えてみてもいくらでもあります。まずサービス練習を一人でやっても楽しいように、いろいろと工夫してみることです。たとえば、スピード系ロングサービスなら、ねらったポイントに半円をチョークで書いて、そこに100本中何本入ったか毎日記録をつけるとか、凹んだボールをねらったポイントにおいてそれに当ててみるとか。かつて、世界選手権で合計12個のメダルを獲得した荻村伊知朗さんは、万年筆のキャップをコーナー隅において、それを100本連続で倒すことを目標にして、たとえ99本目にミスをしてももう一度、最初からやりなおして、100本連続が達成するまでやったといいます。
 あと、壁打ちです。これもワンバウンドした球を打つのではなく、直接ダイレクトで壁から1.5〜2メートル離れたところから打つ方法で、慣れてくるにしたがって、どんどん速くしていきます。これはコントロールと反射神経のトレーニングとしては最高の練習法です。フォアハンドだけではなく、バックハンド、ドライブ、切り替え、フットワークの壁打ちや、壁に接近してツッツキの壁打ちもできます。これも100本連続だとか、200本、300本と目標を上げていくとモチベーションが上がります。あるいは、卓球台の半面を立て掛けて、それを壁にして、台にワンバウンドさせてやる、台を使った壁打ちもできます。
 あとシャドープレーも良い練習法です。台について、たとえば自分の得意パターンのサービス→3球目ドライブ攻撃→5球目スマッシュとか、フリックレシーブ→4球目バックハンド→6球目パワードライブとか、それをコーナーを設定してやるのです。
 また、こういったラケットを持った練習ばかりではなく、フィジカルトレーニングとか集中力をきたえる瞑想も、一人でできるトレーニングです。
 『卓球パーフェクトマスター』には「卓球ステップ・アップ・チャレンジ」という企画があります。基本的には2人でやるものですが、工夫すれば自分一人でも可能です。ビギナーからスペシャルクラスまで11級のクラスがあり、上のクラスに挑戦してゆくことができます。
 これまで、世界のトップにたったプレーヤーたちは、一人の練習を重要視し、また時間をかけてやりました。一人でも、工夫すればいくらでも練習できます。また、朝練をやっている他校の練習に参加させてもらうことも考えてはどうでしょうか?熱意があれば、ほとんどの指導者は受け入れてくれるはずです。以上、がんばってください。



古武術を応用したフットワークについて……


 いつもご指導ありがとうございます。フットワークについてはDVD及びパーフェクトマスターには、特にどのようにすればよいか記入されておりませんでした。先日、TV10チャンネル、ニユースステーションで元プロテニスプレーヤーの松岡氏が、古武術のスポーツへの応用で、卓球の平野早矢香選手がつま先で蹴るのでなく移動する側の方へ重心移動によりフツトワークを行うことを実演で説明されておりました。
 秋場先生はこの方法についてどのようにお考えでしょうか。また、先生がそれよりもベターなフットワークを研究されているようでしたら教えていただけますでしょうか。よろしくご指導願います。


A 最近ではフットワークに関して、多くの考え方や方法がでてきています。この一つの原因は、やはり日本において、いろいろなプレースタイルが輩出していることです。プレースタイルが異なれば、とうぜんフットワークも違ってきます。
 たとえば、おおよそ30年以前でしたら、攻撃型のフットワークはいわゆる3歩動が基本でした。この時代に全盛だった、主に中陣から後陣でプレーする、ペンドラタイプに適したフットワークだったからです。いま、日本では、ペンドラもすくなくなり、また3歩動のフットワークもすくなくなりました。しかし、韓国では、いまだにペンドラでトッププレーヤーが多く活躍し、キム・タクスやオリンピック金メダリストのユ・スンミンは、典型的なペンドラ、3歩動フットワークです。
 また、主に前陣、しかも両ハンドを振るタイプになると、2歩道や1歩動が有効になってきます。ボールの待ちかたというか、間のとりかたも、前者と後者では、かなり違ってきます。ですから、つま先で蹴って動くフットワークがいいとか、わるいとか、一概には言えないのではないでしょうか。
 実地指導では、つま先でフットワークをするようには言っていません。なぜなら、ほとんどの選手たちが両ハンドで打つので、つま先で蹴るフットワークが適していないからです。また、レシーブでの待ちかたや基本姿勢においても、かかとを浮かして、つま先に重心をかけるようにとは指導していません。(このことは『卓球パーフェクトマスター』の基本姿勢を参照ください)軽くかかとを着けて構えるとしています。
 ただし、フォアハンドで動く、左右や回り込みのフットワーク練習はおこないます。やはり、動いてボールをとらえるということは非常に大切な練習ですから。実際のゲームでは、ほとんど動きのなかでスイングをしています。それに、速く動けることで、強打やドライブのチャンスがひろがります。動きの速さが、チャンスボールになるかどうかな大きなポイントですから。
 ここ数年、甲野善紀氏人気などがあって、いわゆる古武術の動き、ナンバ歩きなどが注目されています。私も何冊も古武術の本を読みました。それが本質的な合理的な動きに通じるということはわかります。しかし、まだ、それを実感といいますか、体感といいますか、しておりません。したがって、それを指導したり、論じたりすることはできません。
 私が卓球技術研究所のサイトで、紹介する技術や考え方は、すべて自分が実感、体感できたものです。自分が納得いくものでないと、みなさんに推薦することはできません。
平野選手は実際に甲野氏の指導を受けています。また、ミキハウス卓球部もかなり古武術の動きを研究しているようです。機会があったら、ぜひ平野選手やミキハウスを取材してみたいと思っています。ということですので、古武術のフットワークについては、ここでは控えさせていただきます。






強くなるための練習方法を教えてください……

 僕は高校一年でフォアに表 バックに裏という戦型です。しかし、一向に強くなる気がしません。なにか良い練習方法を教えてくれませんか? ヨロシクお願いします。


A 気持ちはよくわかりますが、あまりにも質問内容が漠然としすぎています。もし、あなたが、心の底から強くなりたいのなら、メールでですが徹底的に指導しましょう。
 では、こちらから質問します。

1.卓球を好きですか。
2.練習時間はどれくらいですか。
3.どういうプレースタイルをめざしますか。
4.あなたは自分で、どこが弱いと思いますか。

 以上をできるだけ具体的に書いてメールしてください。この4つを考えることが、まず卓球にかぎらず、すべてのものごとが上達する最低の条件です。お待ちしています。


 漠然としたメールすいませんでした。質問に答えると僕は卓球が好きです。練習時間は日常は2〜3時間で土日は4〜7時間です。僕が目指しているプレイスタイルは前陣速攻型ですが、とにかくストップや相手が嫌がるコースにボールをやったりして自分が打って入るボールをキッチリ入れていくプレースタイルを目指しています。
 自分の弱い所はたくさんありますが(笑)、技術面ではフットワークや打ちミスが多い、サーブが弱い等です。あと大会や練習試合になると、とても緊張して打つフォームが変ったり、サーブが入らなくなったり、動かなくなります。弱点だらけの僕ですが、どうかアドバイス等をお願いします


A 質問の1.2.が重要でした。その点において合格です。なにより、卓球が好きなことが必要です。そして、本当に好きなら、その好きなことを大切にしてください。人生において、何ごとにつけ、心底好きなことは、そう多くありません。好きなことを徹底的に掘ってゆくと、いつかきっと黄金の鉱脈にあたるでしょう。
 練習時間は、問題ありません。好きで、そのことに時間がかけられる、ということは、あなたは強くなる条件を満たしています。
 問題は3の「プレースタイル」と「目指している」ということに矛盾があることです。
前陣速攻を目指ししながら、「ストップや相手が嫌がるコースにボールをやったり」というのは、変だと思いませんか。速攻というのは、自分から攻撃を仕掛けていくことです。というか、現代の卓球はほとんどすべてのプレースタイル(カットマンも含む)は、
基本的に前陣速攻なのです。サービスをもったら3球目攻撃、レシーブなら、2球目、4球目攻撃をまず念頭に入れてスタンバイします。これは、ドライブマンであろうと、カットマンでさえ、そうなのです。
 試合では、ほとんど初めて対戦する相手です。そんな相手が嫌がるコースなんて、そう簡単にはわかりません。もちろん、相手の決定的な弱点があれば、そこを突くというのは当然ですが、そんなことよりも、まず自分から攻撃を仕掛けて、決めるということを第1に考えるべきです。
 まず、つぎの点を強化してください。

 1.自信のあるサービスを最低2種類マスターする。
 たとえば、思いっきり切れているバックスピンサービスとか、サイドスピンサービスで、横上か横下かわかりづらいサービスとか。とにかく、2種類の強力なサービスを持つことです。サービスの練習は、正直、あまり面白いものではありません。一人でこつこつとやるので、ラリーをする楽しさがありません。しかし、だからこそ、サービスは大切なのです。練習が始まる前に一人でサービスの練習をしてみませんか。一日30分は、サービスの練習に充ててください。

 2.ツッツキ打ちの練習を多くやる。
 レシーブにしろ、3・4球目攻撃にしろ、そのほとんどがツッツキ打ちです。先に攻撃を仕掛けることが、現代卓球では圧倒的に有利なのです。強い選手というのは、上記のサービスとツッツキ打ちが得意です。実際の試合では、これでほとんどが決まります。

 3.ロングボールを強打できる。
 ラリー練習、たとえばフォアハンドロングやバックハンドロングの練習で、そのボールをいつでも強打できることが大切です。フォアロングを打っているとき、強打してみてください。ほぼ、100%入りますか? もし、入らなければ、それはあなたのフォアハンドに問題があるのです。強打の成功率がよくないというのは、フォアハンドに問題がある証拠です。もちろん、バックハンド(ショート)も同じです。

 以上、この3点を徹底的に練習してください。これは、試合で勝てるための練習です。
その上、また疑問点をメールしてください。
 3年生になったら、インターハイに出場しましょう。それが、あなたとぼくの目標です!


※分かりやすくて、正確なアドバイスをありがとうございます。これを元に一生懸命頑張ります。










フォアハンドフリックのやりかたを教えてください……

 自分は右中ペン両面裏ソフトドライブ攻撃型ですが、フォアフリックが全く出来ません。どうすれば出来るのでしょうか?


A フリックができないとありますが、どうできないのかが分からないので解説がむずかしいのですが、一般的なフリックについて展開します。
 当方のフリックの考え方は、基本的には「フォアハンド・トップスイング」をコンパクトにする、というものです。つまり、打球点の頂点(トップ)を水平スイングで振りきってしまうのです。このとき、フォアハンドトップスイングでは、肩甲骨をスイングの軸にするのにたいして、フリックではひじを軸にコンパクトに振ります。
 このとき、手首はあまり使いません。この水平スイング打法で、ナックルはもちろん、よく切れたバックスピンでも、フリック強打することができます。この打法のポイントは、飛んでくるボールの頂点を逃さず、ラケットを台にたいして直角に立てて、斜め横を思いきって鋭く振り抜いてしまうことです。ただし、特厚の粘着性の強いラバーは、回転の影響を受けやすいので、よく切れたバックスピンのボールには、ラケットの角度を多少上向きにして、スイングも水平よりも若干、上向きするなどの微調整が必要となります。
 従来から、手首を柔軟に使うフリックが推奨され、またそういうプレーヤーが多いのですが、スイングのシンプル化、安定度、打球の威力などの面から、ひじを軸にした「水平フリック打法」をお薦めいたします。
 この打法は、『卓球パーフェクトマスター』でも、詳しく解説していますので、ご参照ください。





肩甲骨打法とは……

 肩甲骨打法とはどのような打法なんですか?


A 肩甲骨打法とは、スイングのときに肩甲骨の可動範囲を利用して、スイングの可動範囲をひろげるとともに、パワーもアップさせる打法です。具体的には、フォアハンドスイングのときに、バックスイングもひじを引きますが、そのとき肩甲骨を支点にして、ひじを背中の中央部の方にぐっと入れるようにします。そうすることで、ミドルにきたボールにも対応しやすくなるとともに、ミートポイントが長く(深く)なり、野球のバッティングでいうところの、「懐が深く」なって、直球・変化球などを見極める時間がとりやすくなるのです。
 また、スイングの軸(支点)を肩甲骨にすることで、ひじを軸にするよりも、腕が長く使えてその分パワーが増量します。さらに、肩甲骨という身体の中心部に近いところをスイングの軸にすることで、ひじを軸にするスイングよりもバランスをとりやすくなります。






鋭いツッツキにドライブが詰まるのですが……?

 下回転の球に対する攻撃についての質問です。3球目攻撃などのとき、特にバックでの攻撃のときなのですが、鋭いツッツキに対するドライブでは詰まってしまい、また、中途半端な長さの球に対しては空振りなどが生じてしまいます。何か、距離感のとりかたなどのアドバイス等ありましたらご指導をお願いいたします。


A 「バックでの攻撃」とありますが、自陣のバックサイドにきたボールに対して、バックハンドドライブあるいは、フォアハンドドライブでリターンするのか、文面からは判断しずらいのですが、上記の条件をすべてふくめて説明することにします。
 「ドライブを詰まる」ということは、台とあなたとの距離の取り方が狭すぎることが
考えられます。サービスを出したあと、台にくっつきすぎているのではありありませんか? バックハンドドライブでもフォアハンドドライブでも、深いツッツキがきたときに対応できる台との距離を確保しましょう。
 また、フォアハンドドライブのときに、バックサイドに回り込むとき、回り込みの半径が小さい選手をよく見かけます。バックに回り込むときは、腰をしっかり回して、いつもより大きく回り込むようにしてください。
 「中途半端な長さの球に対しては空振りなどが生じてしまいます」とありますが、これは、ツーバウンドするか、ぎりぎりのボールのために、ラケットが台にぶつかることを無意識的に警戒して、スイング軌道がずれることで空振りすることがあります。怖がらないで、思いきってスイングして、そのとき、ボールをよく見るようにすると、空振りが少なくなります。台から出るかどうかのボールをドライブするには、ラケット面を被せ気味にして、台に対して水平近くにスイングすることをお勧めします。速いスイングと、前への踏み込みを鋭くすれば、ツーバウンドのボールでもドライブで、相手のコートにもっていけます。





フォアロングサービスでフォアのコースに出すサービスをやりたいのですがどうすれば良いのでしょうか?

 以下に説明することは、あなたが右ラケットハンドで、対戦相手も右ラケットハンド、あなたのバックサイドから相手のフォアサイドに、ストレートに出すサービスということを想定した上でのことです。
 ストレートのロングサービスは、クロスに出すよりも距離が短くなり、そのぶん難しくなります。つまり、オーバーミスが出やすくなるのです。ですから、より正確なサービス技術が必要とされます。とくに、スピード系のロングサービスはこのことが強まります。では、どうすれば正確なサービス技術をマスターするにはどうすればいいのでしょうか。そのポイントを挙げてみました。


A 
 トスを上げてボールが落下して打球するタイミングを一定にするために、自分の頭のなかで、「1、2、3」と数えるようにする。
 打球するポイントはできるだけ低い位置にする。打球点が高くなると入射角度が高くなって、バウンドも高くなり、高いボールや遅いボールしか出せない。
 サービスのコントロールおよびスピード、スピンの最も大切な点は、「腰」と「下半身」の始動とパワーによっておこなう。また、そのことを常に意識すること。

以上、上記の3つのポイントをマスターすれば、かならず強力なフォアハンドサービスを出せるでしょう。



足を床にダーンッとうちつけるのはなぜ……

 素朴な質問ですが、サービスや強打をするときに、足を床にダーンとうちつける人がいますよね。あれにはどんな意味があるのか教えて頂けますか?

A 足を床にダーンとうちつけるのは、それでインパクト時の威力を出すためと、一つのリズム感というかタイミングをとっているからです。別に大きな問題はないのですが、硬い床でやりすぎてしまうと、ひざや脚に負担がかかり、故障する原因になるので注意が必要です。




ペン・フォアハンド攻撃型から、ショートを使った戦型に変えたいのですが…

 現在卓球に燃えている者です。最近の試合でインターハイに出ている者と当たりまして、ボコボコにやられてしまいました。僕の戦型はペンのフォア中心型です。相手(インターハイ県1位)とやって、今までにやってきた者とは全くスピードが桁外れに速くて、なにもする事が出来ず負けてしまいました。そこで、今、フォア中心をやめてショートを使った攻 め方に変更しようと思っているのです。今はその事でとても悩んでいます。ショートを使うと今までやってきたリズムや攻め方などが変わって崩れてしまうのでは?と思ったりします。強い相手とやって思ったのは絶対にフォア中心で戦うのは無理だと感じたのですが、この事に関して、解説&アドバイスの方をよろしくお願いします。

A あなたの悩みは、ペンのフォアハンド攻撃型なら、だれでも一度はぶつかる悩みでしょう。ペンで、フォアハンドで待っていたのを、両ハンドで待つというように戦型を変えるのは、確かにリズムや攻め方が根本的に変わるといっていいでしょう。
 ごく大まかですが、ヨーロッパのプレーヤーはフォアを6〜7、バックを4〜3程度の比率で、中国のプレーヤーは同じくフォアを7〜8、バックを2〜3程度の比率で待ってます。これはペンでもシェークでも同じです。
 なぜ、バックに比重が多くおいて待てるのかといえば、「振れる」バックハンドを使えるからです。シェークでは前陣でのハーフボレー、ペンは裏面でのシェークと同じようなハーフボレーが使えるという意味です。
 ところが、ペンで裏面を使わないとすると、前陣ではショート系の「押す」打法に限定されます。ショート系打法には、プッシュという攻撃的な打法がありますが、やはり上記のバックハンド・ハーフボレーの攻撃性には劣ります。
 もし、あなたが、フォア中心ではなく、バックも意識して待つのであれば、前陣で「振る」バックハンドを使う必要があるでしょう。ペンなら、裏面打法か、表面でのバックハンドです。表面でのバックハンドを使う場合は、腕を畳んで小さく鋭く振るようにします。
 ただし、ヨーロッパや中国の両ハンドを振るトッププレーヤーであっても、フォアハンドで打てるときはフォアハンドで回り込みます。これはやはり、フォアハンドとバックハンドを比較したとき、その威力は圧倒的にフォアハンドのほうが勝るからです。
 ですから、いくらバックハンドを使うからといってもフォアハンドの重要性が薄らぎはしないのです。オリンピック金メダリストの韓国の柳(ユ・スンミン)は、ほぼオールフォアです。吉田海偉選手もオールフォアです。彼らに共通するのは、そのフットワークで、全面をカバーします。それと同時に、ショートもバックハンドも使えるということです。
 フットワークをまず鍛え、ショートとバックハンドをマスターし、両ハンドの切り替えをスムーズにするように訓練してください。そうすれば、あなたの戦型の悩みは解消するかもしれません。




横上回転サービスが上手く出せません……

 僕は今、横下回転と同じフォームの横上回転サービスを練習していますが、なかなか上手く出来ません。何かコツなどがあったら教えてください。

A 横回転サービスですが、これはフォアハンドサービスとしてお答えします。横下回転は、ボールを斜めに上から下に切ります。横上回転は、ボールを斜めに下から上に切ればいいのです。右利きの場合、手首を右から左に時計回転でひねります。そして、手首が上に向いたときに打球すれば、横上回転になります。そのためには次のことが必要です。
1.手首を柔らかく使えるようなグリップにします。
2。打球するとき、「ボールをこすりあげる」というイメージをもちます。
3.手首や腕だけではなく、下半身のパワーをインパクトの瞬間に伝わるように下半身を意識します。
 今回のようなテーマは、文章ではなかなか説明がむずかしいものです。『卓球パーフェクトマスター』の134〜135ページと、DVDの「サービス」を参照してください。



シュートドライブが上手くなるには……(1)

「卓球パーフェクトマスター」という本では、シュートドライブという技が載ってありましたが、DVDを見てもよくわかりませんでした。カーブドライブは上手くできるんですが、シュートドライブはなかなか上手くできません。どうしたら上手くできるようになりますか。教えてください。

A カーブドライブの場合、あなたが右ラケットハンドならば、ボールの右側面を巻き込むようにしてドライブスイングしたはずです。
 シュートドライブはその逆で、ボールの左側面をラケットヘッドを立てぎみに開いて、
時計回りの回転をかけるようにスイングします。このとき、カーブドライブのように巻き込むのではなく、身体からラケットが離れるようにできるだけ真上方向にスイングします。





シュートドライブが上手くなるには……(2)

 何度も伺ってすいません。「身体からラケットが離れるようにできるだけ真上方向にスイングします」とはどうやって打つのですか。教えて下さい。

A カーブドライブでは、巻き込むようにスイングして、フィニッシュのラケットの位置は自分の身体の近くにあったはずです。シュートドライブは、カーブドライブとはまったく逆です。巻き込むのではなく、ラケットを開いてスイングして、フィニッシュのラケットの位置は身体から離れなくてはなりません。
 前回書いた、「真上方向にスイング」ということが分かりづらかったかもしれません。
それは気にしないで、あなたができるという、カーブドライブとは逆の方向にスイングすることをイメージしてみてください。




ペンとシェーク、どちらがオールフォアのプレースタイルに適しているのか……

 オールフォアでプレーをする場合ペンとシェークどちらがやりやすいですか?

A 基本的にはペンもシェークも同じです。ただし、相対的にシェークのほうがバックハンドが振りやすいために、シェークを使うプレーヤーはオールフォアではまわらないのです。また、台上処理の点では、ペンのフォアハンドのほうが、細かい技はシェークよりもやりやすいと思います。
世界のトッププレーヤーを見渡したとき、シェークでオールフォアでプレーする選手はいませんが、ペンでは韓国の柳(ユ・スンミン)やかつての名プレーヤー金(キム・タクス)、それに日本の吉田のように、ほぼオールフォアでプレーヤーする選手が存在します。
 ペンホルダーのフィーリングが好きで、フォアハンドで可能なかぎり打ち、バックは補助的に使うという考えならペンがいいでしょう。もちろん、オールフォアで動くならば、俊敏なフットワークが必要となることをご承知おきください。




サイドスピンとアンチサイドスピンサービスの回転が上手くかかりません……

 いつも「卓球パーフェクトマスター」を見て頂かせています。いきなり質問ですが、「卓球パーフェクトマスター」に〔フォアハンド・スピン系サービス〕DVDを見てサイドスピンとアンチサイドスピンをがんばって出そうとしているのですが、なかなか上手くかかりません。どうしたらいいですか。         

A このサイドスピンサービスですが、わたしは中学生にこのサービスを指導するとき、困難を感じることが多くあります。それは、サイドスピンサービスを出すコツをなかなかつかめないからです。できる子はすんなりできるのですが、できない子はなかなか要領がつかめません。ほかの卓球技術はできるのに、サイドスピンサービスとなると、なぜか、その運動神経が機能しないというような子が多いのです。
 あなたがシェークハンドであれば、サービス時には親指と人差し指でグリップして、手首が利くようにします。そして、ラケットヘッドを下にして、ボールの側面をこするのです。まず、順サイドスピンをマスターしてください。アンチサイドスピンサービスは順サイドスピンサービスよりも回転はかかりにくく、順サイドスピンがうまく出せることでアンチサイドが有効になります。




JTTAタッグをつけなおして試合に出てはいけないのでしょうか……

 卓球ルールの競技服装の所に「JTTA公認のタグの付いた物を……」と書いてありますが、海外で生産された、日本製の公認ユニフォームと同じ物を手に入れたのですが、JTTAタッグをつけなおして試合に出てはいけないのでしょうか

A 「JTTAタッグをつけなおして試合に出てはいけないのでしょうか」とありますが、正式ルールでは禁止されていると思います。有り体の話しですが、公式の審判員がつく大会以外、ほとんどの大会では服装のチェックはありません。卓球メーカーがユニフォームとして製造したものであれば、とくにローカルの大会では、問題視されることはあまりないと思います。しかし、ルール上は「禁止」されていることはお忘れなく。



ラバーについて質問です……

 brioとsuperSpin pipsのラバーの特徴を教えてもらえますでしょうか。
まあ、それぞれのラバーの短所と長所というかたちでです。

A 一般的にはSpin pip系はその名の通りスピンがかかりやすい表ソフトラバーで、非常に使いやすいラバーでしょう。brioについては、なんともいえません。
 ラバーやラケットの特徴については比較で判断するしかありません。また、プレースタイルによって、それが短所になったり、長所となるので、一概に短所とか長所は言えないのです。いずれにしても、自分で実際に試してみるしかないでしょうか。



バックハンド・ハーフボレーのスタンス……

 バックハンド・ハーフボレーの練習方法で、『パーフェクトマスター』では、両肩のラインを台のエンドラインと平行にするのはどうなのでしょうか?

A 『パーフェクトマスター』では、クロスに打つ場合を想定して、両肩のラインといいますか、身体(足)はクロスの方向に向いています。これはフォアハンドとの切り替えをスムーズにするためのものです。
 考え方によりますが、卓技研ではフォアハンドの足のスタンス(右ラケットハンドでは左足前)で、バックハンドのスタンスも兼ねることを基本にしています。これは、スタンスを変えないでおこなうことで、両ハンドの切り替えを素早くしようというものです。
 ただし、これは前陣でのケースであり、中陣・後陣でのバックハンド・パワースイングでは、右ラケットハンドでは右足前のスタンスにします。前陣ではピッチの速いラリーが多く、スタンスを変える時間がすくない場合が多く、また、中陣・後陣では下がっているので、スタンスを変える時間があるのでこのような理論になっています。




裏面で打つと、ラケットの角に当たるのですが……

 卓球パーフェクトマスターでは使用するラバーは特厚を薦められております。私はラージボールで卓球をやっておりますがパワーアップのためカーボンラケットを使ってみようと思います。その場合カーボンは高反発な性能をもっているので特厚でいいのか厚に迷っております。
 又、現在左ききペンドライブ主戦型と自分では思っておりこれを進めております。パーフェクトマスターで見た裏面打法を試験的に習っておりますが裏面で打つとラケットの角に当たったりしてしまいなかなうまくいきません。角度が悪いのかラケットの使い方が悪いのかよくわかりません。合わせて適切なアドバイスをお願いいたします。


A 「カーボンは高反発な性能をもっているので特厚でいいのか厚に迷っております。」
とありますが、これは個人差の問題と思います。あくまでパワーをアップしようとすれば特厚でしょうし、飛びすぎるのであれば、もうすこし低反発のラバーを使う、という程度しかおこたえできません。
 「裏面で打つとラケットの角に当たったり」とありますが、ラケット角度をかぶせすぎたり、スイングが下から上に上げすぎるとラケットの角に当たりやすくなります。ラケットは台にたいして垂直に立てて、バックスイングはあまり低くとらないで、ボールと同じかすこし低い位置でインパクトするようにしましょう。




ロングサービスのスピードを出すには……

 今ループドライブとツッツキで切る練習しているのですが、今一よく分からないんです。あと、サーブでツッツキを出すと見せかけてロングサーブというのを毎日練習しているのですが、あまりスピードがでません。


A 「今ループドライブとツッツキで切る練習しているのですが、今一よく分からないんです。」
 質問内容がよくわかりません。ループドライブとツッツキの回転量を高めるにはどうするのかということでしょうか? もし、そうでしたら、ループドライブの回転は、通常のドライブスイングよりも、スイングの方向を床にたいして直角方向、つまり真上に振り上げます。このとき、とくに肘を軸にして、手首も使うようにします。また、下半身の動きも下から上に向かうように使ってください。
 また、ツッツキの回転量を高めるには、ボールの底を切るようにします。このときラケットは台にたいしてできるだけ寝かすよう(水平)にします。また、インパクトの瞬間に、グリップをぎゅっと握るとよく切れるようになります。




ヤングジェネレーションサービスの回転を上げるコツ……

 ヤングジェネレーションサービスを練習しているのですが、上手く回転がかからずに無回転になってしまいます。どうすればできるようになるのでしょうか?


A ヤングジェネレーションサービス(YGサービス)とは、フォアハンド・サービスから時計回り(順横回転)とは逆の回転をかける、いわゆる逆横回転サービスです。主にヨーロッパの選手が得意で、日本では岸川聖也選手がよく使っています。ヤングジェネレーションといっても、このサービスが開発されて、もう10年はたちますから、ミドルジェネレーションサービスと名称を変更したほうがいいかもしれません。
 さて、YGサービスの回転をかけるにはどうすればいいのでしょうか? このサービスの出し方のコツは、手首を柔らかくして、ラケットヘッドの重みを感じながら遠心力を利用することです。
 まず、シェークハンドならば、手首がよく使えるように、グリップは親指と人差し指だけでもって、あとの指は外します。そして、手首を内側にひねって、ラケットヘッドを効かすようにしながら、ひねった手首を前にはじくように返します。YGサービスも、横上回転と横下回転の二種類をマスターすると、実戦ではより効果的です。横上はボールの斜め上を、横下は斜め下を切ります。
 YGサービスは順横回転サービスとくらべると、腕・肘・手首の可動範囲がせまく、強い回転はかかりにくいものです。ただし、順横回転サービスと同じフォームから、手首を返してYGサービスを出すと、レシーバーを幻惑することができます。そのためには、順横回転サービスを出すときも、インパクトしたあと、手首を返して、YGサービスかわからないように、フェイントをまぜるとより効果的です。
 また、通常、YGサービスはシェークハンド特有とされがちですが、ペンホルダーでも出すことができます。手首の使い方によっては、ペンホルダーのほうが出しやすいかもしれませんので、ペンホルダーの選手もYGサービスを練習することをおすすめします。




三歩動フットワークは練習したほうがいいでしょうか……

 フットワークに三歩動と二歩動があり、三歩動は二歩動に比べて時間がかかり試合で使わないと思うのですが、試合で三歩動は使うのでしょうか? また、使わない場合三歩動の練習はしたほうがいいのですか?


A 三歩動は大きく動くのに適したフットワークです。ですから、台から下がって後陣でプレーするときには有効なフットワークになります。後陣でほとんどプレーしないのであれば、三歩動のフットワーク練習はあまり必要はなく、自分のプレー領域で多く使うフットワーク練習に費やしたほうが合理的でしょう。
 また、二歩動だけではなく、ラケットハンドと同じ側の足を同時に出す、一歩動のフットワークもマスターされるといいと思います。サービスを出して三球目に、フォア前にすこし高く浮いたボールを強打するときなどは、ニ歩動よりも俊敏に動ける一歩動のほうが適しています。また、相手の強打などを止めるときにも、フォア・バックともボールに近いほうの足を一歩出してブロックするときも一歩動フットワークが有効です。




スピード系表ソフトラバーのバックハンド・スイングとは……

 自分はバックにスピード系の表ソフトを使っているのですが、どのようなスイングをすれば良いのですか? またどのような練習をすればよいのでしょうか?


A スピード系の表ソフトを使用している理由は、とうぜん打球にスピードを求めているわけですね。あるいは、このラバー独特の打球感が好きなことも理由かもしれません。
 スピードを求めるのであれば、スイングはフォアハンドでもバックハンドでも「水平」に近いほど、スピードは増します。
 バックハンドのハーフボレーでは、相手の打球がバウンドして、ネットの高さよりすこし高いポイントで打球します。そして、ラケットの角度は台にたいしてほぼ直角に立てて、そのまま水平にスイングします。また、クロスに打つ場合は、右ラケットハンドでは、ボールの左の側面約45°を打つようにします。
このような水平スイングでは、打球がほぼ直線に飛びますので、ネットに当たりやすくなりますが、ネットするのを怖がらないで思いきって振ってください。このスイングでジャストミートしたときは、「カーン」という高い打球音がして、速くて威力のある
打球が出ますが、これはまたスイートスポット打法にもなり、じつにここちよい打球感を味わえます。
 また、この打法は表ソフトだとナックルが出やすく、しかもスピードのあるナックルは強力な武器になり、相手を翻弄するでしょう。
 練習は上記のことをふまえて、最初は1球ずつ球だしをしてもらって、慣れてくればラリー練習に入り、その後、ドライブボールのブロックやツッツキからのフリックを練習メニューに入れていけばいいでしょう。
 基本的には、『卓球パーフェクトマスター』のバックハンド・ハーフボレーのページやDVDで解説していますので、ごらんください。




フォアハンドドライブのバックスイングのラケット角度について……

 フォアハンドドライブのバックスイングをするときに、ラケットの角度を地面に垂直にしてバックスイングをする人と、ラケットの角度を地面に平行にしてバックスイングをする人がいるのですがどう違うのですか?


A 「ラケットの角度を地面に垂直にしてバックスイングをする人」は、手首が使いやすくなるので、その分ドライブにパワーが付加します。また、ラケットを下げることで、ラケットの重みを感じやすくなり、遠心力を使ったスイングがしやすくなります。さらに、ボールを曲げるカーブドライブも打ちやすくなります。ただし、いったんラケットを下に向けるので、強打とドライブの切り替えが遅れがちになります。また、手首が下がったまま強打するとトップスピン気味に引っ掛かりやすく、打球スピードがロスします。どちらかというと、中陣から下がってプレーする人に向いています。
 一方、「ラケットの角度を地面に平行にしてバックスイングする人」は、ボールの上面をこすりやすくなるので、ドライブボールにスピードが出やすくなります。また、上面を真直ぐこすることで、純トップスピンになって、ドライブの打球が相手コートではねあがりやすくなります。さらに、相手サービスやツッツキの、ハーフロング気味の短いボールでも、ドライブが打ちやすくなります。ですから、前陣でプレーする人に向いています。理想的には、両方のバックスイングができれば、オールラウンドでプレーができ、またドライブの種類(スピン、変化)も増え、有利になるでしょう。




眼球の動きでボールを観察するとは……

 内容を拝見さしていただき、大変参考になるところがありありがとうございます。1点お尋ねいたします。集中力の中にでてくる"眼球の動きでボールを観察するように観る"とは具体的にどのようにするのかが不明です。また、静かにボールを見るとは? よろしくお願いします。


A 「眼球の動きでボールを観察するように観る」ことと、「静かにボールを見る」こととは、精神を集中することにおいてつながっています。まず、「集中する」ということは、どういうことかを考えてみるとき、雑念や思考、感情など一切なく、ただただボールを「無我の状態」で打っているときであり、それはじつに「静かな」精神状態であることがわかります。
 集中力というと、がんばって気合いを入れようとして、ボールをにらみつける人が多いのですが、そのようにすることで、逆に不必要に力んでしまい、思わぬ凡ミスが出てしまうのです。これは「ざわついた」精神状態であり、「無我の状態」とはまったく逆です。つまり、勝ちたいという「自我の状態」であり、こういう精神状態が、純粋にプレーをするということを妨げるのです。接戦のゲームの終盤、思わぬ凡ミスがでるときは、こういう精神状態になっていることが多いものです。
 そこで、こういう自我の指向を排除して、静かな精神状態になるメソッドがボールを眼球で観るようにすることです。具体的には、頭を動かしてボールをとらえるよりも、ただ眼球の動きでボールをとらえるようにすればいいのです。ボールをにらみつけるのではなく、観察でもするように。ただそれだけです。レシーブでは、サーバーがサービスをだすときにボールを手にのせますが、そのとき、ボールに目の焦点を合わせるようにします。そして、このとき、手からではなく、足から動いて打ちにいくという意識をもつと、よりいっそう「静かに」、「眼球の動きで」ボールをとらえることができるようになります。




フォアハンド・トップスイングの楕円スイング、水平スイングの使い分け……

 秋場さんは、卓球パーフェクトマスターで、前陣でのフォアハンドは水平打方を薦められてますが、モデルの岩崎、吉田両氏とも楕円打法をとっているように見えます。これは、遅いラリーでは楕円打法をとり、実戦の早いラリーではこの楕円のラケット軌道が潰れて水平になるという理解でよろしいでしょうか?


A 確かに、岩崎さん、吉田さんとも、楕円スイングです(ただし、岩崎さんは楕円と三角の中間か?)。吉田さんに直接、中国ではどのように、フォアハンド・トップスイングのフォームを教えているのか質問したところ、「楕円に振る」ように指導されると答えました。やはり、中国の指導者は楕円スイングを基本としているようです。中国のように、ほぼすべてのボールをトップスピンをかけてリターンする方針であれば、楕円スイングが適していると思います。
 ただし、現在の中国卓球をマスターしようとすれば、超粘着ラバーを使いこなす必要があります。中国卓球は理論と実戦に基づいて、卓球スタイル、スイングフォーム、フットワーク、用具など、かなり緻密に研究されたものです。確かめたわけではありませんが、中国の国技は卓球であり、威信をかけた国家プロジェクトとして、「勝てる卓球」を研究していると思います。その点、日本は「個人レベル」の研究に近いようです。中国が楕円スイングだから、フォアハンドは楕円がいい、という程度で教える日本の指導者が多いことも確かです。フォームというのは、卓球スタイルによってきまるものであって、短絡的に「楕円がいい」「水平スイング」がいいというわけではありません。
 水平スイングと楕円スイングの使い分けですが、前陣から前中陣では水平スイングが、
中陣から後塵では楕円スイングが適しています。ただし、前陣にいるとき、楕円スイングしか出来ない場合、振り遅れによるオーバーミスが出やすくなります。この点、水平スイングでバックスイングが高い位置にあると、相手の速い打球や伸びてくるドライブボールにも振り遅れることがすくなくなります。
 『卓球パーフェクトマスター』のフォアハンド・トップスイングで水平スイングを薦めているのは、まずビギナー向けの本であることから、ビギナーはラリーのほとんどを前陣でプレーすること、それと水平スイングによるボールのスピードアップとサイドラインを切るボールを打てることによるものです。
 水平スイングは理論だけではなく、実際にそれを試して、そのボールの速さと威力、サイドをするどく切る打球を打ってみて、その効果のほどが実感することができます。
そして、その水平スイングが正しくできているかどうかは、打球音によって確認することができます。正しくできたときは、「かーん」という高い音が出ます。スピードグルーを塗っていなくても、正しい水平スイングのときは、高い音が出ます。これが、『卓球パーフェクトマスター』で述べているスイートスポットの感触です。前陣や前中陣でプレーする、スピードを武器とした卓球をスタイルとするなら、ぜひ、この水平スイングをマスターしていただきたいものです。





ドライブの空振り防止法は……

 卓球パーフェクトマスターについて質問です。フォアハンドドライブを打とうとしても、空振りが多く、当たっても、ボールにうまく力が伝わりません。うまく打てるポイント、練習法はありますか?

A ゴルフをやらない人には信じられないでしょうが、ゴルフのビギナーはよく空振りをします。ゴルフのように、ボールが止まっているのを打つことでさえ空振りするのですから、卓球でのドライブなど、空振りしてあたりまえといえるかもしれません。とくに、ドライブは空振りしやすいものです。
 その原因は、大きく2点あります。まず、ラケットのフェイスとボールのあたる面が小さいという点です。そして、ドライブはロング打法とくらべて、スイング時の身体の軸がぶれやすいためです。ですから、この2点を修正すれば、空振りは減少しますが、とくに後者のぶれのすくないフォームをめざすべきでしょう。
 ゴルフで空振りする最大の原因は、下半身が動くことにあります。ゴルフクラブをもつ、手は下半身にのっているわけですから、下半身がぶれれば、とうぜん手もぶれて、空振りするのです。もう一点、ボールを打つ前にヘッドアップして、ボールを最後まで見ないことも空振りの原因です。
 ドライブは、このゴルフのことと同じです。ドライブは下半身を上下、左右に動かしますが、このとき、身体の中心軸をぶれさせないように意識します。とくに左右の動きは注意を要します。中心軸がぶれなくなれば、まず空振りはなくなります。
 また、ボールは最後まで、よく見るようにします。卓技研では、ボールを見るとき、頭を動かしすぎると、速いボールについていけなくなったり、スイングしてたあとの頭のもどりが遅くなってしまうので、ボールを眼球の動きでとらえることをお勧めしています。眼球でボールを見ると(「見る」というより、目撃するように「観る」)、集中しやすくなります。
 それでも、空振りが多いのなら、こんどはラケットのフェイス面を修正しましょう。
ドライブのスイングを直線的に振り上げていたのを、ボールを巻き込むようにして、ラケットフェイスとボールがあたる面を大きくするのです。ドライブスイングとロングスイングの中間のようなラケットフェイスを作るのです。これは安全なドライブ打法で、スピン量は減りますが、スピードが出て、ボールが曲がりやすくなるでしょう。
 ドライブでボールに威力を伝えるには、下半身のパワーをスイングに伝える必要があります。そのためには、あなたが右ラケットハンドであれば、バックスイングで右腕を下げたら同時に右足を縮めて、打球スイングで右腕を振り上げるのと同時に右足も伸ばします。これだけで、下半身のパワーが伝わり、かつ空振りも少なくなるでしょう。
それと、ラケットは軽く握り、打球する瞬間にぐっと握って、そのまま振り抜くと、凡ミスが減って、威力は倍増します。




裏面打法のラバー・ラケットは? フォア前サービスの対応技術を……(その1)

 新星出版社の『卓球パーフェクトマスター』を購入しペンの裏面打法を知りました。
 現在ラージボールで卓球をやっております。左ききで戦型はドライブ主戦型です。そのためどうしてもバック前に下切れ、横切れ等のショートサービスを出されツッツキで返すと打たれてしまいます。回り込んで打てばと思いますが、なかなか足がついていきません。そこでペン裏面打法をマスターしようと思いますが、ラケット裏にいままでラバーをはったことがありませんので、そこから始めなくてはならないと思っております。現在はラケット檜単板、ラバーはバタフライウエストウイル厚を使っております。ラケットラバーについてご指導願います。なお、ペン裏面打法はシェークのやり方をマスターすればよいのでしょうか。      最後にもう一つ質問させてください。現在の戦型でバック側にかまえているとフォア前に小さいサーブをだされくろうすることがあります、この場合の対処について教えてください。よろしくお願いします。


A 原則的に『卓球パーフェクトマスター』は40ミリボール対応ですが、ラージボールにも共通する部分もありますので参考になると思います。「戦型はドライブ主戦型」とありますが、ラージのルールでは表ソフトラバーしか使えませんが、表ソフトでドライブをかけておられるのでしょうか? まれに、ローカルルールで、裏ソフトもOKという大会もありますが、いかかがでしょうか? 
 さて、裏面打法を使う場合のラケットは、両面にラバーをはるために作られた専用ラケット(ローターラケット)の使用をおすすめします。ラバーは、片面を回転系の粒が平たくてスポンジの厚いものにし、もう片面はスピード系やナックル系の粒が小さくスポンジの薄いものにすると、スピード、スピンに変化が出て、相手を幻惑することができます。もちろん、表面・裏面とも、ドライブを使いたいのであれば、両面とも回転の効くラバーにしたほうがいいでしょう。
 裏面打法でのバックハンド技術は、基本的にシェークハンドと同じです。ただし、裏面打法の場合は、グリップ裏面の指を丸めたほうがいいでしょう。そうしたほうが、手首が効き、また指にボールがあたるのを防げます。
 右利き・左利きを問わずフォア前サービスは、レシーバーを動かすという点で、大きなメリットがあります。しかし、サービスを出すほうにとっては、攻撃がしやすいフォアに出すわけですから、攻撃されやすいというリスクも背負っているわけです。その点を考えて、フォア前のサービスは、基本的にフリックで攻撃するスタンスをもちます。左利きということなので、対・右利き相手の場合は、相手のフォアへ流すようにはらうフリックを覚えるといいでしょう。この技術をマスターすれば、相手はそう簡単にフォア前のサービスは出せなくなります。また、フォア前に出されたら、逆にストップ技術で、右利き選手のフォア前にぽとりと落とすようにレシーブすれば、逆に相手を動かすことができます。




攻撃的フリックで対応しましょう……(その2)

 フォア前サービス対応ご指導ありがとうございました。本日の試合に早速フリックでフォアに流し初めて勝つことが出来ました。
 追加で申し訳ありませんがバック前に下切れ、横切れショートサービス対応はやはり回り込んでフリックか、バックフリックかストップを使えばよいでしょうか教えてください。

A では、今回はバック前、フォア前に限定しないで使える攻撃的フリックの応用技術をレクチャーします。

1. フォア・バックフリックとも、ひじをスイングの軸にして、コンパクトに振り抜くこと  が前提です。

2. 打球するポイントをボールの真後ろではなく、斜め45度の角度をねらいます。

松本さんは左ラケットハンドですから、フォアフリックはボールの左面、バックフリックは右面になります。

3. ナックル性のサービスは、ラケットを台に対してほぼ直角にして、ボールの横* を打つ気持ちで、水平に打ちます。

 バックスピン(下回転)のサービスは、回転量に応じてラケットを開いて、ボールの横の底面を打つ気持ちで、斜め上方に打ちます。

以上のように、ボールを打つ「面」を変えることで、どんな回転のボールにも攻撃的に対応できるのです。とくに表ソフトには使いやすい技術で、ラージでも、40ミリでも通用するでしょう。




小中学生に裏面ドライブは必要でしょうか……

 ペンホルダーのバックハンド・ドライブについての質問です。私自身、学生時代(30年以上前)には本書のように裏にラバーを張ってドライブする技術は知りませんでした。ダブルスのラリー中、ミドルにロングボールがきた時、台から離れた位置より表面で左から右にこすり上げ、カーブドライブを掛けることは今でもありますが……。『卓球パーフェクトマスター』には、ペンの裏面に表ラバーを貼り、バックハンドドライブが出来るようにしたほうが良いとのことが書かれていますが、やはり小学生、中学生レベルでも必要な技術でしょうか、御教え願います。私が見本を見せられませんが……。当団のメンバーはペン自体が少数派でしかも裏面ラバーはいないかもしれません。上級レベルのことですので、現実的にはそこまで行かず問題にならないと思いますが、指導の中に入れたほうが良いでしょうか?

A ペンホルダーの裏面打法についてですね。これは、従来のペンホルダーのように、片面だけで打球する場合と比較すると、プラスとマイナスがあります。裏面を使うプラス面は、裏面に裏ラバーを貼ってシェークハンドのように、バックハンド・ドライブができるということと、同じくバックハンド・ハーフボレー、バックハンド・フリック、バックハンド・強打がやりやすいことです。とくに、バックハンド・強打は下回転のボールに対してラケット角度がきまりやすく、威力ある打球が打てます。ただし、対ロングボールにはシェークハンドのバックハンドのようにはいきません。また、ブロックは裏面では難しく、表面でショートのように返球するほうがやりやすいでしょう。これは裏面のなきどころです。ラリー中に、表面と裏面の両方を切り替えて使い分けるのは難しいですね。また、中国式ラケットのほうが、裏面打法をつかいやすいと思います。
 一方、従来の表面は、前記した裏面のプラス面が、そのまま弱点になるということです。バックハンド・ドライブはちょっと無理ですし、バックハンド・強打やバックハンド・フリックも、裏面にはかないません。しかし、表面だけで打球することは、間の取り方がシンプルで、アジア的リズム感にはふさわしいと思います。とくに、40?ボールになって、球速が遅くなることで、いわゆるペンドラのオールフォアという日本の伝統的スタイルも復権するチャンスがあると思います。事実、韓国の柳はペンドラと抜群のフットーワークを活かして、オリンピックで金メダルを獲りました。脚力に自信があるとか、フットワークがいい子はこちらのほうがいいでしょう。
 従来の片面だけのスタイルと、裏面も使うスタイルとでは、プレースタイルが大きくちがいます。卓技研の考えは、プレースタイルは本人の好みにまかせるべきだということです。前記したプラス、マイナスの面を子どもに説明して、子どもに判断させればいいのではないでしょうか。小中学生でも、裏面を使って、バックハンド・ドライブをやっても何ら問題はないと思いますし、シェークハンドではバックハンド・ドライブを使う子は少なくありません。個々の子どもを見ながら、裏面打法ができる子や、興味を示す子であれば、指導に入れていかれたらいかがでしょうか。




フォアハンド・トップスイングのバックスイングについて……

 卓球パーフェクトマスターについて質問です。DVD収録のフォアハンド・トップスイングの岩崎選手の横アングルのスローモーションの映像において、バックスイングがやや大きい気がします。これは実践的なもの、それとも、撮影を意図したものなのでしょうか?

A 『卓球パーフェクトマスター』の本やDVDのナレーションでは、フォアハンド・トップスイングのバックスイングはからだの横で止めるように述べています。しかし、この岩崎氏のように、実際には真横よりも後ろにバックスイングがくるのがふつうです。
また、スローモーションでは、とくにスイングは大きく見えるものです。バックスイングは意識して小さくしようとしないと大きくなりすぎるので、テキストでは「バックスイングは横で止める」としているのです。
 でも、あくまで、フォアハンド・トップスイングのバックスイングは、からだの横で止める程度が適当である、というのが卓技研の考え方です。大きいバックスイングでは、速いボールに対応しづらく、高いボールや遅いボールはそのぶんバックスイングを大きくとればいいのです。小さいバックスイングでも威力ある打球は可能です。バックスイングよりも、フォロースルーのほうがパワーは出るものです。また、バックスイングをコンパクトにするとブロックが向上して、相手の強打やパワードライブもカウンターできるようになります。




右利きですが、卓球は左ラケットハンドですが……

 僕は、卓球をするときは左で打つのですが、普段の生活(字を書くときなど)は右で行っています。そのせいか、細かい技(ツッツキなど)をするとき、手が震えてしまってなかなかうまくいきません。どうすればよいのでしょうか。

A お答えします。と、言いたいところですが、今回の質問がいままでで一番むずかしいですね。
 では、まずは夢のある話しからしましょう。ゴジラこと、松井秀喜選手は、もともとは右利きです。でも、ご存じのように、打つときは左です。なぜ、左打者になったかといえば、彼の幼少のころのあることがきっかけです。松井家はふたり兄弟で、秀喜には兄がいます。秀喜は、野球が大好きな子で、兄や兄の同級生といっしょに草野球をよくしていました。年下なのにかかわらず、秀喜は幼少からその才能を発揮していたのか、ものすごくでっかい打球を飛ばしていました。そんな秀喜に、手を焼いた兄たちは、秀喜に右打ち禁止、左で打つことを命じたのです。
 それから秀喜は、ずっと左打ちです。もし、あのまま右打者でいたら、秀喜はいまのような活躍ができたでしょうか? すくなくとも、野球というスポーツにとっては、左は有利です。何よりファーストベースに右のバッターボックスより左のほうが近いこと、それに、左打者に有利とされる右投手のほうが、左投手より多いことです。
 さて、あなたも左ラケットハンドです。左の選手は卓球でも、右よりも断然すくないので、それだけ有利ということになります。右利きの選手は、右利きと対戦することが多く、左利きと対戦するのはそれよりはるかにすくなく慣れていません。ところが、左利きの選手は、右利きの選手と対戦することが多く、慣れています。この対戦慣れの差というものは、けっこう大きいと思います。
 では、どうすれば左ラケットハンドをうまく使いこなせるでしょうか。まずは、日常生活でできるだけ左手を使ってみることです。病気や事故で手が動かなくなった人が、リハビリをしてその機能を回復させるように、小さいものを指でつまんで置き換えることを何回も繰り返したり、あるいは歯を磨いたり、ボタンを止めたり、はずしたりするときは左でするなど、左の神経機能をきたえてみることです。
 また、ツッツキなど台上の処理は、手ではなく腰のリードで、ボールを打つというより、運ぶようにして打球してみてください。これは、特別なことではなく、卓球フォームの基本中の基本です。
 さらに、「両手打ち」にチャレンジしてみるのもおもしろいかもしれません。もちろん、ラケットを両手に2本持つのは違反です。でも、左から右に、右から左に、ラリーをはじめるまえでも、はじめてからでも、持ち替えるのは違反ではありません。実際の公式大会で、ラリー中に、右利きの人が左に持ち替えて打つのを見たことがあります。この持ち替えをきたえて、あなただけの特技にしてみてはいかがでしょうか? これはけっして冗談ではありません。本気で練習すれば、かなり実戦で使える技術になると思います。ぜひ、がんばってください。




フォアハンド・トップスイングで、ラケットのヘッドが下がるですが……

 卓球パーフェクトマスターについて質問です。私はフォアハンド・トップスイングの時、手首を曲げ、ラケットのヘッドをねせて打ってます。しかし、モデルの岩崎選手はややたち気味ですよね? ややたち気味の方が安定するのでしょうか?

A フォアハンド・トップスイングを打つ場合、一般的にひじを90〜110度程度曲げます。このとき、シェークハンドならラケットのヘッドはしぜんに上気味になります。これが合理的に、腕と手の力がラケットに伝わるフォームです。
 「手首を曲げ、ラケットのヘッドをねせて打ってます」とありますが、シェークハンドでラケットのヘッドを下げると、ボールをこするようにトップスピンをかけて打っているのではないでしょうか? すべて、トップスピンをかけて打つというプレースタイルなら、それでいいのかもしれませんが、強打のスピードや安定性、またブロックにおいて弱点になると思います。
 また、ペンホルダーの場合は、そのグリップの性格上から、少しヘッドが下がるのは問題ないでしょう。




横回転サービスをフォアハンドでレシーブするには……

 パーフェクトマスターを読ませてもらって、横回転のバックハンドのレシーブの仕方はわっかたのですが、フォアハンドにきたときのレシーブの仕方が分かりません。教えてください。

A 基本的には横回転サービスのレシーブは、バックハンドもフォアハンドもちがいはありません。順回転・逆回転レシーブとも、『卓球パーフェクトマスター』に掲載した方向にラケットを操作すればいいのです。
 横回転サービスのフリックについて教示しましょう。横回転(とくに横上回転)のボールをフリックする場合は、両ハンドとも、バックスイングをとらないでスイングします。バックスイングをとると、横回転にまともに反発してオーバーミスが出やすくなります。バックスイングの反動で打たないで、ボールがきたポイントにラケットをさっともっていき、そのまま振りきります。そうすると、相手の横回転のスピン量が、そのままスピードに変換されて速いスピードでするどくリターンできます。

 すいません。難しすぎて分かりませんでした。僕が特に知りたいのは、フォアにくる横回転のロングサービスで、あれを横下回転と使い分けられるのが苦手です。横回転、横下回転のロングサービスの打ち方を教えてください。

A 「横回転、横下回転のロングサービスの打ち方」はいろいろな方法がありますが、
今回は次のような打ち方を練習してください。これは、攻撃的な打ち方です。フォアへのロングサービスというのは、レシーバーにとってはチャンスボールですから、これを強打でリターンできるようにしましょう。
 打ち方は、前回書いたやりかたと同じです。バックスイングをとらないで、飛んできたボールの頂点より前で打ちます。こうすると、相手サービスのボールの回転が利用できて、速い打球になります。横回転や横上回転は、ラケットをいくぶんかぶせて、水平からやや下の方向にスイングします。横下回転は、ラケットをいくぶん上向きにして、やや上の方向にスイングします。横回転や横下回転のサービスを出してもらって、何回も練習してください。やっているうちに、かならずコツをつかめます。




スポーツ少年団の指導者になったのですが……

 はじめまして。私は某市スポーツ少年団で卓球の指導者を最近請け負ったものです。
息子が入団したいというので付き添ったら、「学生時代に選手だった保護者は指導者になってほしい」との要請があり、運動不足で何かスポーツをしたいと思っていました私はあっさりOKしてしまいました。指導者になるからには、結果(大会入賞など)を出せるような指導をしたいと思い何冊かの卓球の書籍を購入し、DVD付の「卓球パーフェクトマスター」に出会いました。
 これからが本題ですが、スポーツ少年団は小学生と中学生がメンバーになっています。基本的な技術を磨きながら、実戦的な技術も教えたいと思っていますが、小学生や中学生はレベルが違いますが、どの程度のレベルまで指導したらよいか迷っています。本書にあるステップアップチャレンジを試してみようか、DVDの最初から最後までやろうか・・・。何か例がありましたら御教え願います。

A 小中学生への、ごく基本的な指導法について説明いたします。まず、バックハンドなり、フォアハンドなりの模範のフォームを素振りと実際の打撃スイングで子どもたちに見せます。次に、多球練習の要領で、1回ずつ球を打ちやすいところに出します。このとき、子どもたちは、ボールを相手コートに入れたいという意識がはたらきますから、
ボールは入らなくてもいいから、正しい基本のフォームで打つようにいいます。そして、正しいフォームだったら、たとえ相手コートに入らなくても、すかさずほめます。「ナイス!」でも「いいぞ!」でもなんでもいいです。正しいフォームで打って、相手コートに入ったときはさらに力強くほめます。
 各個人のくせや個性がフォームにかならず出ますが、基本のポイントがOKであれば、
細かいフォームのチェックはしないほうがいいと思います。ただし、基本のポイントが違っていれば、気がついたときに即、指摘します。たとえば、フォアハンドで、ボールを打つのが前すぎるのであれば、もうすこし待って、ボールを引きつけて打つようにとか、またバックハンド(シェークハンド)で、からだから離れた位置からラケットが出ている場合は、お腹の前で打つようにとか……。そして、その指摘したことがすぐにできて、いいボールが入ったら、「そうだ、すごい!」とほめます。これで、指導者への信頼が増します。
 伸びるのが早い子と遅い子がいますが、遅い子でも、あるときから急に伸びだすこともありますので、あせらず、じっくりとやることです。全部の技術が一応できるまで、技術的なことに関しては、批判や叱ったりしないようにします。ほめることが大切ですが、子どもに媚びると、すぐに見透かされます。ほめる場面で、的確にほめることです。また、球拾いや台を使って練習をしていないときも、だらっと座り込ませないようにして、練習場の雰囲気は、たとえ小学生といえども、ある程度、緊張感があるようにつとめます。もちろん、和気あいあいとしたものを否定してはいませんが、気を抜くと、すぐにふざけたり、だらけた雰囲気に流れやすいものです。ただし、こどもたちの「遊びのたのしさ」を奪わないようにします。このへんの配慮は微妙ですが。このビギナー時の「遊びごころ」が、その子の個性を将来、大きく伸ばします。(卓球にかぎらず、どのスポーツでも、日本の子どもたちが大学以降伸びないのは、ここに問題があると思います)
 『卓球パーフェクトマスター』を卓球指導で使う場合は、まずDVDを何回も見せることです。視覚的な情報は、学習することにものすごく大きなはたらきをします。これは、「習うより慣れろ」ということに通じているのかもしれません。語学学習のように、その言語の国で生活すれば、若い年齢ほど学習というより、しぜんに言葉が話せるようになるのと本質的に同じことだと思います。
 そして、前記したように、1球ずつの球だしで打たせますが、このときは、各基本打法の「練習方法」のページがありますから、それを参考にしてください。「卓球ステップアップチャレンジ」は、ゲーム感覚、遊び感覚で1週間や1か月に1度みんなで競うようにやらせれば、子どもたちは嬉々として参加するでしょう。
 指導者として、なにより大切なのは、ボランティアであっても、指導者自身がたのしむことです。子どもたちのために頑張ってます、などと偽善的なことは思わないことです。指導者がよろこんで指導することで、子どもたちもよろこんで卓球に参加してきます。ぜひ、すてきな子どもたちを育ててください。




練習をやりすぎて、肩を痛めてしまったのですが……

 最近、今まで以上に練習に熱心に取り組むようになり、やっと上達してきたかなぁと思っていたのですが、練習のし過ぎで、肩の炎症を起こしてしまいました。しかし、今やすんでしまったら、また昔のような下手くそな自分に戻ってしまいそうで怖いのです。かといって、練習を続けて、肩を痛めたくもありません。こういうときはどういった練習をすればよいのでしょうか? ちなみに、自分はシェークの、バリバリのフォア・ドライブマンです。

A 故障してしまいましたか。せっかく上達してきたのに、さぞ残念なことでしょう。
でも、故障したことをネガティブにとらえず、逆にポジティブにとらえることで、故障したことが、あなたの今後にプラスにはたらくようになります。
 卓球で肩を痛める人の多くはドライブマンです。案の定、あなたも「バリバリのフォア・ドライブマン」ですね。ドライブというのは、ほかの打法とくらべて、ものすごくエネルギーをついやす打法です。とりわけ、スピンをかけようとすれば、腕を速く振り上げようとしますから、肩への負担が大きくなります。
 ここで、肩の故障を、体からのメッセージと受け取ってみてはいかがでしょうか。肩に負担がかかりすぎた結果、肩を故障したわけですから、あなたの打法、とくにドライブ打法のフォームに問題があったと考えてみることです。つまり、肩に負担をかけすぎる、バランスの悪いフォームだったということです。
 この際、もっと下半身をつかうフォームに改造してはいかがでしょうか。肩に負担をかけないように、ひざの上下運動、腰の回転運動を十分につかうようにして、その動きを上半身から腕に伝えるようにするのです。下半身のパワーが乗ったドライブボールは、
腕だけに頼ったスイングとは違った、重くて威力あるボールになります。
 ただし、炎症があるうちは、肩をあまり動かさないほうがいいでしょう。いまは、下半身の動きだけで、腕をつかわないで、ドライブのスイング練習をしてみることです。シャドートレーニングです。炎症が治ったら、練習前にかならず、ウォーミングアップを十分にやりましょう。からだが暖まると、滑液というものが出て、関節が動きやすくなります。それをやらないで、激しい動きをすると故障する原因になります。そして、練習が終わったら、クールダウンもかならず実行します。筋肉の回復がよくなります。 それから、ランニングはしてますか? 2日に1度、30分間、ゆっくりでいいですから。2週間で動きがよくなり、3か月後にはフットワークが軽快になり、持久力もつき、そしてドライブの威力が増すでしょう。できれば、アスファルトは避けて、土や陸上競技用のグランドで走りましょう。また、身体的な治療法として、おすすめするのは、「操体法」という整体法です。これはとても安全な治療で、しかも効果があると思います。




フォアハンド・ロングの左サイドに入るのですが……

 卓球パーフェクトマスターについて質問です。フォアハンド・トップスイングの時、自分から見て、ボールがクロスコーナーより左に入ることが多々あります。クロスコーナーにうまく入れるポイントはありますか?

A 「クロスコーナーより左に入る」とありますが、右対右の場合、相手のフォアサイドに切れて入るということですね。『卓球パーフェクトマスター』で解説しているトップスイングは、サイドを切るボールが多くなります。これは打ち方として、まったく問題はありません。と、いうより、むしろいい打ち方をしていると思います。『卓球パーフェクトマスター』のトップスイングは、サイドを切るというスイングといったほうがいいかもしれません。サイドを切るというのは、実戦では決定打になりやすいからです。ただし、あまりに左サイドに切れすぎるというのは、ボールの打球ポイントが前すぎるのです。ですから、もう少し、ボールを引きつけて打てばいいでしょう。




ロングラリーやフォアとバックの切り替えが苦手なのですが

 私はどっちかというとバックがすごくミスりやすいので、バック側にいてほとんどはフォアでやって、バックは補助という感じです。バック側からサーブしてまず下回転が返ってきたらドライブをします。次に少し強めの前進が返ってきてからの打ち合いが苦手なんです。フォアに返ってきても、バックに返ってきても思うようにできません。また、交互にボールが返ってきたらなおさらミスります。どうしたらいいですか?

A 文面からいうと、ドライブは苦手ではないのですね。ドライブしたあとの、いわゆるロングラリーが苦手というわけですね。
 まず、ドライブとロングの打法は打ち方がちがいます。ドライブはボールをラバーにこすりあげるように薄く当て、ロングは厚くラケットに当てます。でも、この2つの打法を実戦で使い分けるのは、かなりむずかしいのです。なぜなら、スイングのベクトルが異なるからです。事実、トッププレーヤーであっても、ロング打法はほとんど使わないで、ほとんどをドライブ系のスイングでやり通すことも少なくありません。高いボールでも、強打ではなく、ドライブ強打のように打つプレーヤーも多くいます。つまり、ドライブ打法を強打やロング打法に応用して、ほとんどすべてをドライブ打法のスイング・ベクトルで通しているわけです。
 このように、ドライブ打法だけでやるのか、それともドライブ打法とロング打法を使い分けるのか、どちらを選択するかはプレーヤー本人の意志にまかせるべきでしょう。
 もし、ドライブとロング打法を使い分けるのであれば、次のような練習をするといいでしょう。多球練習で、送球者にバックスピンのボールを出してもらいドライブをし、次につづけて今度はトップスピンのロングボールを出してもらい、それを強打します。このとき、はっきりとドライブとロングのスイングの方向を意識して打つことが大切です。ドライブはしっかりと「ラバーでかける」、ロング強打はしっかりと「ラケットの芯に当てる」ように打ちます。
 このとき、打球した「音」でそのスイングが適切かどうか判断することができます。ドライブなら、ラバーだけに当たったようなにぶい音が、強打なら「カキーン」というラケットのブレード当たった高音がします。
 ドライブから強打に切り替えるときに大切なのは、ドライブをしたあと、ラケットのバックスイングのトップを、ドライブをするときのように下にもってこないことです。ドライブをしたら、ラケットのトップを高い位置にもってくると、切り替えがより速く、しかも強打の威力も高く、ミスも少なくなります。
 もう一点。ロングラリーのフォアとバックの切り替えも苦手なようですが、これは次のような練習をします。まず、よくやる、ラリー練習でも、多球練習でもいいのですが、1球ずつ、フォアとバックに打ってもらい、それを正確にリターンします。このときも、バックスイングのトップは、高い位置にあると、切り替えがスムーズにいきます。さらに、この練習がたやすくできるようになったら、2人で同時に切り替えができる練習をしましょう。片方がクロス、もう片方がストレートだけに返球するラリー練習です。クロスに打つ人は、ボールが自分のフォアにきたらフォアハンドでストレートに打ち返し、バックにきたらバックハンドでストレートに打ち返します。ストレートに打つ人は、自分のフォアにきたらフォアハンドでクロスへ、バックにきたらバックハンドでストレートに打ち返すのです。これで、2人ともフォアとバックの切り替えの練習が同時にできます。そして途中でクロスとストレートに打つ人が交替します。このフォアとバックの切り替えの大切なポイントは、ボールコントロールを腕でやるのではなく、腰のリードでボールを運ぶようにスイングすることです。こうすることで、フォームが安定して凡ミスが減ります。




前進回転や横回転サービスにたいしてレシーブミスが多いのですが?

 相手が横や前進のロングサービスをバック側(またはフォア側)にしてきたとき、ラケットの角度を合わせられなくて、ネット際・オーバーしてしまいます。どうしたらいいでしょうか?

A 横回転と前進回転のレシーブミスは、一般的にオーバーミスが多いものですが、その場合は次のようなラケット操作をすると、安全にリターンすることができます。
 飛んできたボール(横回転と前進回転)にたいして、バックスイングはとらないで、そのままラケットの先端から振るように打球します。このとき、少しでもバックスイングすると、相手ボールの回転の影響を受けやすく、オーバーミスが出やすくなります。
 また、横回転のレシーブは、「順回転リターン」と「逆回転リターン」の2つの方法があります。これは『卓球パーフェクトマスター』の141ページ、およびDVDでも解説していますからご参照のほど。
 レシーブは、卓球のなかでいちばんむずかしいパートです。以上のほかにも、いろいろなレシーブテクニックがあります。本サイトの「技術論」と「集中論」でも、レシーブについて近いうちに展開する予定です。




フォアを打つとき、詰まってしまうのですが…。

 前陣のペンドラです。練習の時(ブロックの時は除く)、または試合の時は オールフォアでやっています。9対1の割合で1がバックハンドって感じで す。卓球を始めた時は反転式のツブ高でオールバックの戦型で3年間ほどや っていました。それで1年ほど前から戦型を変更してペンホルダーのオール フォアに変更しました。
 試合で一応オールフォアはできるのですが、ボールを打つ時に詰まってしま い、しっかりスイングせずになんとかしてフォアで入れるだけになってしま うのです…。どうした詰まらずにしっかりスイングでき打てるようにな るでしょうか?それとも自分の立ち位置が悪いのでしょうか? アドバイスを お願いします。

A 「詰まる」とは、あなたのバックサイドに、とくに深いロングボールがきたときですね。バックサイドにフォアハンドで回り込むというのは、とうぜんあなたのフォアサイドががら空きになります。次の相手の返球が、フォアを突かれたとき、ノータッチで抜かれてしまう恐怖があります。そのため、思いきってバックサイドに回り込めず、十分なスイングのスペースがとれないために詰まってしまうのではないでしょうか?
 以上のことを前提に、何点か指摘してみます。
 まず、前陣で回り込んだときは、相手にフォア側を抜かれることを覚悟して、思いきって大きく回り込んで、強打かドライブで、一発で決めてしまうことです。このとき、あなたが右利きなら、腰を十分に回して、大きく回り込んでください。相手が右利きの場合、相手のバックにクロスへ打つときは、とくに十分に腰を回すことが大切です。
 また、十分に腰を回す余裕がないときは、相手のフォアを突くと、バックを突くときほど、腰を回さなくてすみますから、詰まることは少なくなります。
 さらに、詰まったときの打ち方があります。肘をたたんで、バックスイングをできるだけ小さくして、バックスイングのトップの位置を高くもって、上からボールを叩くのです。そうすると、相手のバックサイドを切ることができます。
 この打ち方ができるためには、ふだんの練習からフォアハンド・トップスイング(フォアロング)のフォームを水平スイングにして、バックスイングはボールの高さに応じてラケットを引くように心掛けることです。『卓球パーフェクトマスター』の16ページからの「フォアハンド・トップスイング」に、詳しく解説していますから参考にしてください。
 そして、ペンドラは何と言ってもフットワークが大切です。日々の練習で、左右のフットワーク練習とランニングを欠かさずおこなってください。
 日本でのペンドラ復活、期待してます!



「スピードが速ければ速いほど、入る確率が高まる」というのはなぜ?

Q ちょうど、昨年の今頃、16年ぶりに卓球を再開し、ルールの改正、用具や技術の進歩に驚きつつ、現代卓球に充分ついて行けない自分を感じております。ですが、それでも「卓球は面白い!」と再認識し、この一年、卓球にハマッております。貴サイトをたまたま見付け、全頁を楽しく、またいろいろ自分のことと思い合わせながら、読ませて頂きました。ただ、次の点がもう一つ、自分の中で腑に落ちないので、質問させて頂きたく、メールを差し上げた次第です。
 『技術論 バックスイング2』の6段落目のところで、「強打とは、直線的に飛ぶので、理論的にはその強打のスピードが速ければ速いほど、相手のコートに入る確率は高まる。」とありますが、これはどういう理論からでしょうか?
 経験的には、思い切り打った球、つまりスピードのある球の方が、弱気に繋ぐようにして打った球、つまりスピードのない球(往々にして、手打ちになっていたりして)よりも、コートに入る確率は高いような気はします。しかしながら、それはメンタルの面や他の要因、動きが良く(or 悪く)なってとかによるものですよね。仰られているように、強打において、入る確率と球のスピードとの相関関係、もっと端的に言うと、[入る確率] = a × [球のスピード] + C (a は係数、C は定数) という単純な比例の関係にはないと思うのですが、如何でしょうか?
 「スピードが速ければ速いほど、入る確率が高まる。」と仰っている理論的な根拠を教えて頂けたら、幸いです。
 上記、一点以外は、バックスイングが一定でないこと、飛んでくる球の延長戦上にバックスイングをとるべきこと、現代卓球と以前の卓球との違い、サイド攻撃の重要性など、自分なりではあると思いますが、理解させて頂き、是非、今後参考にさせて頂きたいと思っております。
 また、「集中論」 楽しみにしております。あと、近いうちに『卓球パーフェクトマスター』も取り寄せたいと思っております。

 これは、メンタルとしては書いておりません。あくまで、技術的な問題です。「強打は直線的に飛ぶ」と書きましたが、厳密には重力によって、放物線をえがいて落下します。しかし、その強打が速ければ速いほど、より直線的に飛ぶ距離は延びるわけです。ですから、ネットすれすれのボールが来ても、それがネットより高い位置で打球すれば、その打球が強ければ強いほど、つまりスピードがあればあるほど、直線的に飛んでいき、相手コートに入る確率はアップします。逆にいえば、その打球が弱いほど、重力によってボールは落下しやすくなり(放物線に早く落ちる)、ネットにあたる確率が高まります。この説明でご理解いただけますでしょうか?
 ちなみに、放物線に落下することを利用して、ネットよりも低いボールを「強打」するテクニックがあります。単純な強打よりも、もう少しテクニカルな「強打法」です。それは、ネットより低い分だけ、打球角度を上目にして、少し弱めに「強打」するのです。強打を上向きに打てば、オーバーしやすくなりますが、その分だけ弱く打って、放物線に落ちることを利用して、相手コートのエンドラインぎりぎりに強打を叩き込むのです。もちろん、これは「弱い強打」ですが、単純につないだボールよりもはるかに効果の高いボールです。

 尚、この[A:答え]にたいして、質問された方から……
「なるほど、ネットミスはしにくくなるということですね。ネットすれすれのボールを強打する場合、オーバーミスよりは、ネットミスの方が圧倒的に多い。そして打つ角度というか、方向が大きくズレていないと仮定したとき(つまりこれを変数ではなく、所与の定数としたとき)、球のスピードが速ければ速いほど・・・。よく分かりました。」

 ……というご返事をいただきました。




ロングボールをドライブするときオーバーミスが多いのですが?

 私は中学2年生で、卓球を始めて1年ほどになります。
 ロングボールに対する処理についての質問です。自分が3球目などで先手を取った際、相手のブロックなどのボールに対してドライブで攻撃を仕掛けた際、オーバーミスがとても多いのです。下回転に対するドライブの場合は、しっかりと擦ることができ、安定感もそこそこあるのですが、ロングボールに対するドライブの場合は、厚く捕らえてしまいます。
 ロングボールに対してのドライブは、下回転に対するドライブのように薄く捕らえることが必要なのでしょうか?  (中2・H・W)

A ロングボールをドライブするのは、基本的には「薄く」ても「厚く」てもどちらでもいいと思います。なぜなら、薄い、厚いというのは、回転かスピードか、どちらを選択するのかという問題ですから。薄くとらえればスピン、厚くとらえればスピードが出るということです。
 ただし、これは机上の話しで、実戦ではロングボールをドライブするのに、薄くとらえるのは難しいでしょう? 下回転よりスピードのあるロングボールを薄くとらえて回転をかけるというのは、技術力や体力的なパワーも必要です。ご存じだろうと思いますが、対下回転と対ロングのドライブ打法は、次の点を変える必要があります。まず、そこを確認します。
 ●ラケットの角度
 ●スイングの軌道
 もちろん、対ロングほど、角度はかぶせ、軌道は水平になります。そして、大切なのは、バックスイングのトップの位置です。下回転などスピン系のボールは、比較的ゆっくりと飛んでくるのでバックスイングを下からとる時間的な余裕があります。しかし、ロングボールはスピン系のボールよりも速く飛んでくるので、バックスイングのトップを下にとってると、ボールのスピードに押されて打球ポイントが遅れます。打球ポイントが遅れると、オーバーミスが出やすくなるのです。あなたのオーバーミスも、このことが原因だろうと思います。とくに、3球目をドライブして、次のロングボールをドライブするときは、前陣にいるときが多いので、バックスイングのトップを下にもってくると相手の打球に遅れます。そこで、3球目にドライブをかけたら、次の相手の打球はほとんどロングボールになるので、5球目のバックスイングのトップは高い位置にもってくるのです。下回転のボールよりも高くバックスイングをとってドライブすればいいのです。もちろん、角度はかぶせて、軌道は水平です。こうすれば、オーバーミスはなくなります。下げたトップでは難しいですが、高いトップは余裕があれば、そのまま強打することもできます。
 練習方法として、多球練習で送球者に下回転を出してもらい、ドライブして、次にすぐにロングボールを出してもらい、それをドライブなり強打するという、2連打の多球練習をすればいいでしょう。それから、基本的にバックスイングのトップはいつも高い位置にもってくるようにすれば、次打球への対応が素早くなりオーバーミスが減少します。



フットワークの上下動を防ぐには?

Q フットワーク練習で、フォア、バックと交互に球を出してもらい、それをすべて
フォアハンドで返す多球練習をよくするのですが、先日、体の上下動があるといわれました。無駄な動きが多いようなのですが、どうしたらいいでしょうか?(ペン、裏ソフト使用)


 まず、基本的に上下に身体が動くほど、スイングの安定性がうしなわれます。上下に動くことで、ボールをとらえる目線がぶれたり、打球ポイントもぶれてしまい、空振りが出やすくなります。ちなみに、ドライブをかけるとき空振りが多くなるのは、この上下動が一因です。
 左右のフットワークで、身体が上下するのは、ひざを収縮させる力をフットワークに転用しているためです。ひざを伸ばしたり、縮めたりしないで、床をするように、左右に動くと、上下動が減少します。




フォアとバックの切り替えを素早くするには?

 フォア打ち、バックハンドの切り替えが遅く、もたついてしまいます。素早くできるようになるには、どうしたらいいでしょうか。(ペン、表)

 フォアハンド・バックハンドの切り替えが遅くなる最大の原因は、スイングしたあと、フォロースルーからバックスイングに移るときに、ラケットを下げすぎることにあります。とくに、バックハンド(ショート)からフォアハンドに切り替えるとき、下がりやすくなります。スイングしたあと、ラケットを下げないで、高い位置(トップ)を保ってバックスイングすると、切り替えがスムーズになります。また、より素早く、安定した切り替えをするには、腰をスイングのセンターに置くことを意識して、下半身のリードで打つことを心掛けるといいでしょう。




ペンからシェーク(裏ソフト)に変えたのですが?

Q ペンからシェーク(裏ソフト)に変えたのですが、フォア打ちのとき、どうしても球が下に落ちてしまいます。どうしたら相手コートにきちんと入るようになりますか?フォームの違いなど、どのようなところが違い、どのようにすればよいか教えてください。

 球が下に落ちるということは、ラケット角度が下向きすぎ、あるいはスイングの方向に問題があるわけですが、ほとんどはラケットの角度に問題があります。このラケット角度は、「グリップ」と「手首」に関連しています。
 まず、グリップの点検です。シェークのフォア面を親指で支えていますか? また、バック面の人差し指がラケットの中心ラインにくるほど打球の安定感がわるくなります。右利きの人なら、人差し指の先が右側にくるほど安定感は増します。
 次に、ラケットハンドの手首が下がっていませんか? 手首が下がると、とうぜんラケットの先端も下がって、打球が不安定になります。ペンは先端が少し下がっても問題ではありませんが、シェークのラケットの先端を下げないで、むしろ上に向くほうが安定します。




相手のサービスの回転の見きわめができません?

Q レシーブのとき、相手がどのような回転を出してきたかの見きわめが、なかなかできず、ミスも多いです。どうしたらより早く見分けることができるようになりますか。

 サービスの回転を見きわめるのは、ビギナーにはとてもむずかしいものです。また、キャリアのあるプレーヤーでも、サービスの上手い初対面の相手の場合は、慣れるまで、けっこうてこずることがあります。
 見きわめるポイントは3つあります。第1に、相手のラケット角度と方向、スイングの強弱など、サービスのインパクト時。第2に、ボールのマークを目印に、飛んでくるボールの回転そのものを見きわめる。第3に、回転の種類によって微妙にちがう、ボールの揺れというか振る舞いで判断する、というものです。第3は、卓球のキャリアを積んで、飛んでくるボールに深く集中することで可能となります。
 ビギナーは、上級者の変化サービスを受けるとき、こんな回転の見きわめなど、一生かかっても絶対にできない、と思ってしまうほど、手も足も出ないことがあります。ですが、ふしぎなことに、その後、経験を積んでいくと、意外にすんなりとできようになるものです。
 回転を見きわめる、究極のコツをお教えしましょう。それは、「見る」のではなく、「観る」のです。これは、集中力の問題なのですが、近日中に「集中論」として、この卓技研のサイトに連載する予定です。



試合に競ったとき、土壇場で負けてしまうことが?

Q もうすぐ大会があります。試合になると緊張してしまい、特に相手と競ったとき、土壇場で負けてしまうことが多いので、イメージトレーニング(メンタルトレーニング)など、何かいい方法があれば教えてください。

 メンタルの問題は、メンタルそのものだけではなく、技術の問題にも関係しています。ゲーム展開で、一見、競っているようでも、対戦者どうしの技術の差が明らな場合、最終的には技術的な力量の高いほうが勝つことが圧倒的に多いものです。それを、ビギナーや技術力が不足している人は、競っていたのに、メンタルが弱いから負けたのだと思ってしまうのです。
 もちろん、技術力が互角の場合は、最後はメンタルの強さが物を言うでしょう。では、「メンタル」の強さとは何でしょうか? このテーマを論じるには、ぶ厚い本を一冊書かなくてはなりません。結論的に言うと、ゲームの勝ち負けにこだわる自我的傾向に支配されないで、ゲームそのものに全力を注ぐということです。
 なぜ、土壇場になれば、緊張してびびるのか? 勝ちたい気持ち、勝負にこだわる気持ちが強まるからです。そうなると、卓球そのものよりも、勝負に意識が向いてしまうのです。そして、サービスのリズムが速くなってサービスミスが出たり、早くボールに当てようと、打球ポイントが前にずれたり、またミスを恐がってボールを持ち上げるようにスイングしたり、ドライブなら、より回転をかけたいことや安全性を重視して、いつものスイングより真上方向にして、山なりのループドライブやオーバーミスが出たり…など、身体の動きに変化があらわれ、思わぬミスが出てしまうのです。
 競ったゲームは、とても苦しいものですが、でも見方を変えれば、白熱した面白いゲームとも言えるわけで、それに自分が参加して作りだしているわけでもあります。それなら、そのゲームに参加できていることによろこんで、思いっきり楽しんでしまえばいいのです。もちろんゲラゲラ笑うような楽しさではありません。でも、どんなスポーツでも、白熱したゲームのなかで、ファインプレーが多く生まれます。真剣勝負の土壇場、その現場に自分が居合わせることのよろこびを味わい尽くすことほど、楽しいことはありません。
 相手も勝ちたいと考えています。どちらかが勝ち、どちらかが負けるのです。勝つにせよ、負けるにせよ、土壇場に乗じて、卓球そのものを楽しんだものが「勝ち」だと思いませんか? そして、土壇場で楽しめる力をもった者こそ、「強いメンタル」の持ち主と言うことができるでしょう。
 『卓球パーフェクトマスター』の別冊に、「土壇場のメンタル調整法」を掲載していますので参考にしてください。また、このメンタルについても、「集中論」で展開する予定です。

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