集中論「試合でびびったとき」 of 卓球技術研究所t3i

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集中論
試合でビビったとき……

相手から一方的に見られないこと。
相手をいつも見ること。

愛ちゃんの全日本敗戦から学ぶこと

フルゲーム、カウント9-10。
そのとき、どういう対策をとればいいのか

全日本観戦記はまだつづいていますが、
きょうはちょっとお休みして、
試合の土壇場における、メンタルや作戦について、
今回の福原の試合(全日本女子シングルス6回戦)を
モデルケースに展開してみました。


今年度の全日本女子でやはりというか、
危惧していたことが現実となった。
それは福原の試合である。
愛ちゃんは今年もまた同じ失敗を繰り返してしまった。
卓技研は「全日本予想」でこう福原について述べた。

「福原の試合を観戦する人は、
つぎのようなシーンを見るか注意してもらいたい。
それは接戦になると、
福原は下を向いて考え込むような仕草を見せるときだ。
いいかげん、このポーズを相手に見せることが、
いかに自分にとって不利なのか
自覚できないものだろうか。
私が観るかぎり、
全日本でこのポーズをみせたとき
必ず接戦をものにしていない。
あのようなポーズを見せると、
相手から見下ろされ、
接戦となりメンタルが勝敗の行方を決めるとき
致命傷になるのだ」

田勢との対戦で競った場面で、
やはり福原はこの「下を向いて考え込む仕草」
をやってしまった。
テレビのスポーツニュースでも、
このシーンが挿入されていたので、
テレビの編集ディレクターも印象深かったのか、
ここを見逃さなかったわけだ。

テレビのディレクターが見逃さないものを
対戦相手が見ないわけがない。
とうぜん、この福原の仕草を見た田勢は
精神的にかなり優位に立ったはずだ。

もちろん試合で窮地に陥ったとき、
考え込むことがある。
福原以外の選手も、たとえば優勝した王輝だって、
考え込んでるな、という仕草を見せることはあった。
しかしそれは対戦相手が優位に立つほどのものではない。

ところが福原の場合は
「わたし、ピンチ……。どうしよう……」
という胸の内があからさまに露呈してしまうのだ。
たとえ、福原がそう思っていないと抗議しても、
私にはそう映るし、
ほぼまちがいなく対戦相手にもそう映るだろう。

まあ、大事な試合で競っていて、しかも押されているとき、
だれでも「ピンチ……。どうしよう……」
みたいな心境になるものだ。

しかし、それを相手に絶対に見せてはいけないのだ。
ピンチになると下を向くだけではなく、
やたらとベンチのアドバイザーを見る選手もいる。

あの天才といわれたワルドナーでさえ、
ほとんどポーカーフェイスでやってるのに、
それでも大事な試合で窮地になったとき
ベンチの監督に
「だめだ、どうしたらいいんだ」
みたいな仕草をすることがあった。
そして、そういう仕草を見せたときはかならず、
そう100パーセントの確率で負けていた。

これは試合に出た人なら誰でも経験があるだろうが、
競ってくると考え込んでしまったり、
集中しようとやたらと気合いを込めたりするものだ。
しかし、いくらこんなことをしてもだめだ。
いや、へたに考え込んだり、
気合いを入れようとするから余計にダメになる。

こういう競って、ビビるポイントのときいちばんいいのは、
なにも考えず、気合いなんて入れないほうがいい。

来たボールを身体にまかせるまま打てばいいのだ。
相手のいることだし、
この試合を勝つか負けるか五分と五分。
自分は来たボールを身体にまかせるまま、
ただあるがままに 打つだけだ、
なんて思ってサービスやレシーブ態勢に入るのだ。

このとき、もし作戦を練るとするなら、
負けパターンを踏襲しないことだけを
念頭に入れるといいだろう。

たとえば、単純だが、
相手のバックサイドにレシーブすると、
相手がフォアハンドで回り込んで、
強烈なドライブをストレートコースにぶち抜かれてしまうことが、
もうはっきりわかっていたとする。

こんなケースでは、もうなにがあっても
相手のフォアサイドにレシーブしようと決めることだ。
いままでフォアサイドにレシーブすればいい
ことはわかっていたのだが、
自分のレシーブ技術では
フォアサイドに打つとミスが出る危険性が大きく、
バックサイドに打てば抜かれることは百も承知なのだが、
レシーブミスを恐れて仕方なく
バックサイドにレシーブしていた、というようなケースである。

こういうときは、ミスしてもいいと開き直って、
フォアサイドにレシーブしようと決め込むのだ。
作戦はただこれだけだ。

あるいはツッツくと絶対相手にやられる場合はフリックするとか、
浅いドライブを打つと必ずライジングのカンター強打で抜かれるとか、
これまで試合をやってきて、
失点するパターンというものが見えてくるはずだ。
しかし、見えていて、そのパターンを踏襲したくはないけれど、
パターン以外のやりかたをするとミスする可能性が高いので、
悪しきパターンにはまっているケースである。

こういうときは、ミスしても、負けてもいいと腹をくくって、
そのパターンをやめて、
勇気をもっていままでと違うやりかたをやってしまうのだ。

それと絶対に相手に自分の苦しさを見せてはいけない。
もし、考えたり、作戦を練りたいなら
相手を見ながら、ふつうの顔をしてやることだ。
試合では、どこまでも相手を見るべきで、
相手から見られてはならない。

ここを肝に銘じよう。ね、愛ちゃん。

卓技研・秋場


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