Q&A371~380 of 卓球技術研究所t3i

卓球371~380

380.梅雨の季節になると湿気でボールが滑って困ってます……

こんにちは。

卓球歴17年、20代女性、シェイク裏表のKと申します。

梅雨の時期になると、体育館の湿気がすごくて、
とくに表ラバーはボールが滑る感じで、
ポトポトとネットにかかってしまいます。

落ちたり落ちなかったりしてコントロールが難しいです。

どのようにすれば、よいでしょうか?

よろしくお願いします。


じめじめした梅雨は卓球プレイヤーにとっては嫌な季節ですね。

とくに表ラバーにとっては、湿気でボールが滑って、
ボールコントロールに悩まされます。

ポトポトとボールが落ちると、フォームまでおかしくなります。

そこでラバーの湿気対策がこのシーズンは絶対不可欠になります。

朗報です。表ラバーの最大の味方グッズがあります。

それは「TSPドライ」です。

はい、表ラバーの湿気を除去するスプレーです。

これをシューッとやるとほぼ問題は解決します。

この商品のお値段は通常価格税込で630円、
ネット通販でも買えます
(なにもここまで筆者がTSPの宣伝をする必要もないのですが、
表ラバーのプレイヤーには欠かせないグッズですから、
どんどん宣伝しちゃいますよ)。

それとこれは表ラバーだけに限らず、
裏ラバーでも湿気で滑りますから、
つぎの対策はとっておきましょう。

①ラケットケースのなかに乾燥材(シリカゲル)を入れておく。
これも安価で売ってます。
市販のお菓子(たとえば煎餅とかオカキ)の袋のなかに
乾燥材が入っていますので、それを二次利用する手もあります。
ちなみに、むかしはラバーにチョーク(黒板で使う)を塗ってました。

②湿気はラバーだけでなく、ボールにも付着するので、
1ラリーごとにタオルで拭くようにしましょう。
公式の試合では顔や手の汗を拭くのと、
ボールの湿気をとる2枚のタオルを使うようにしましょう。
暑い夏の試合は、汗拭きタオルはビチャビチャになるからです。

この2枚のタオルを使っているプレイヤーを
実際の公式大会で観たことがあります。

そのプレイヤーは高木和健一・卓のお父さん
(お名前は失念しました。すいません……)でした。

このお父さんも、そしてお母さんもすごく卓球が強いのです。

③野球や重量挙げ、器械体操の選手が使う
ロージンバッグも利用できます。
これは手の汗をとるのが主です。
小さいのをパンツのパケットにしのばせておいてもいいし、
台の下に置いておくのもいいでしょう。

これを使うルール上の問題はクリアしてませんので、
大きな公式大会ではあらかじめ審判に確認するようにしましょう。
当方は一切責任をもちませんので。あしからず。

それから蛇足ですが、体育館の床が滑ることへの対策として、
湿らせた雑巾などの布でシューズの底を濡らすということをしますが、
備えのいい人は自分専用の「マイ・モップ」を持参するものです。

こういうプレイヤーは大概強いものです。

379.横回転系のサービスを出すと3球目打ちミスをしてしまいます……

初めましてLと申します
いつもこのサイトを見させていただきます

自分のスペックを軽く
右利き裏裏シェーク前中陣です。

三球目について質問させていただきます。

自分は卓球の技術の中でサーブが得意です。
巻き込むサーブや水谷選手を参考にしたサーブや
YGサーブなどある程度フォーム、
種類のサービスが使えます

しかし横下回転などの横系列のサービスを
思いっきり回転をかけチャンスボールになったときの
三球目が打ちミスをしてしまうことがあります。

練習試合をしていたおじさんにも
サーブも種類もなかなかいいけど
三球目が入れにきたり打ち損じたりするのが
とてももったいないと言われました。

試合中での横系の三球目を
どうしたら強打を安定させれるのか?

サービスのフォームはやはりひとつに限定させて
それを徹底的三球目練習するのか?

サービスは下系を軸にしたほうがよいのか?

どう練習したらよいかわからなくなってきました


横回転のサービスを出すと3球目強打にミスが多い――。

そうなんです。

これはトッププレイヤーでも、よくやってしまうことです。

なかなかいい質問ですね。

サイドスピン系サービスを出す→レシーブが浮く→
チャンスとばかり攻撃→オーバーミス
というパターンではないでしょうか。

その強打やドライブのミスのほとんどはオーバーミスのはずです。

これはよく覚えておいたほうがいいのですが、
横回転系のサービスをツッツキでレシーブすると
横回転が残ったままリターンされることがあり、
その横回転が混ざったボールを打つと
オーバーミスをしやすいのです。

ですから、横回転系サービスを出したときは、
リターンされてきたボールをよく見て、
あらかじめ強打やドライブ攻撃をするとき、
ラケット角度を前にかぶせ、
スイング軌道を水平に調整することを頭に入れておくことです。

これはダブルスのときも同じで、
パートナーが横回転を入れたサービスを出すときも、
以上のことを踏まえておきましょう。

ダブルスで、横回転が入ると3球目攻撃でミスをしやすいので、
横回転系サービスは出さないでほしいと
パートナーにいうプレイヤーがいますが、
これは本末転倒です。

自分がちょっと意識して工夫すればなんでもないことを
パートナーのせいにしてしまっているんですね。

横回転サービスのサインが出ているわけですから、
3球目を打つ人は、
横回転が残ってリターンされることがあることを念頭に入れて
強打なりドライブをすればいいのですから。

横回転が残ったツッツキボールを強打やドライブするのは、
それを意識さえすれば、そんなに難しいものではありません。

下回転も横回転が混ざったボールを打つとよく飛びます。

このボールの回転とリターンの性質をよく知っておくことです。

たとえば、下回転(バックスピン)サービスで、
相手レシーバーのネットミスをねらうとします。

このとき横回転が少ないほど、
その下回転サービスの切れ味はよくなります。

サービスで下回転に横回転が混ざるほど、
相手がネットにかけてレシーブミスする確率は減少し、
横回転が混ざらない純下回転になるほど、
レシーブで相手がネットにかける確率は増えます。

ですから、ネットミスを誘発する下回転サービスをマスターしたいのなら、
できるだけ横回転が混ざらないラケット面とスイング軌道にします。

そう、台にたいしてラケット面を真横に、
スイング軌道を水平にすればいいのです。

ただし、横回転を混ぜるサービスを出すと、
相手レシーバーが下回転か上回転(ナックル)かの判断を
難しくさせる効果があることも覚えておいたほういいでしょう。

横下と横上は、下か上か、
レシーバーは見分けにくいのです。

また、上回転サービスでは横回転が混ざらない分、
相手レシーバーのツッツキでのリターンは高く浮きあがります。

ですから、横回転が混ざるほど、
下回転・上回転の回転量が相殺されると考えればいいでしょう。

以上はサービスの「上下の効果」を考えたものですが、
横回転サービスには「左右の効果」もあります。

左右の効果とは、サイドラインを割るミスを誘うということです。

この上下と左右の効果は、
自分のサービスと相手のレシーブの特徴とを考えた
バランスできまりますが、
上下のほうが効果は高いものです。

ちなみに、
横回転がほとんど混ざらない「純下回転」サービスは、
ネットミスをよくしてくれるものです。

ぜひお試しあれ!

378.普段の練習では自分の持ってるサービスをださないで、公式試合で使う部員がいます。秋場さんどうお考えですか……

こんにちは

ハンドルネーム:スピードです。

いつも、技術について詳しく答えていただきありがとうございます。

さて、質問にうつらせていただきますが、
私は中学三年で、市の大会では
個人準優勝でした自校同士の対決となった、
決勝だったのですがまけてしまいました。

負けは自分の技術不足だったと、深く反省しています。

ですが、この前の別の大会でも、同じ結果になりました。

その相手は練習を本気でやってくれません。

詳しくいうと、
自分の持っているサービスを練習の時にだしてくれないのです。

勝敗は、気にしていますがそんなことよりも、
普段の練習について私は納得がいきません。

優勝者として、自覚をもってほしいのです。

秋場さんはどうお考えですか?

ご解答お願いします。


とってもユニークな質問ですね。

いい意味でも、首をかしげる意味でもね。

まあ、こうやって率直に質問を投げかけるところから、
自分の課題が浮かび上がってくるというものです。

あなたが問題としている肝要点は、
「自分の持っているサービスを練習の時にだしてくれない」
自校の練習相手ですね。

この問題をすぐに解決するもっともよい方法は、
そのあなたが負けた練習相手に直接尋ねてみることです。

「どうして、練習のとき
自分の持っているサービスを全部だしてくれないの」って。

そんなことはすぐにわかるのに、あなたはそうしようとしない。

これはなぜか? 

あなたは「そんなの相手の勝手でしょ」ということを
無意識的に知っているからです。

そう、部活の練習のとき、
自分の持ってるサービスを全部あなたに使うかどうかなんて、
まったくその本人の自由だから、です。

その彼が、持ってるサービスを全部あなたに使わないから、
「優勝者として、自覚をもて」と言われてもね。

彼は困るでしょう。

そんなの、彼にとっては余計なお世話ってとこです。

でも、なぜあなたに持ってるサービスを全部使わないで、
大会の試合のときに使ってくるんだろ? 

もしかしたら、その優勝した彼って、
あなたを強敵として、ライバルとして
リスペクトしているかもしれませんね。

そう、あなたは彼からライバルとして認められているので、
普段の練習では警戒してださないのもしれない。

また、こうも考えられます。

自分の得意なサービスを練習試合で使うと、
あなたや他の部員はとれないので自分の練習にならないから。

だって、自分の得意なサービスをだして
みんなレシーブミスやイージーなボールばかり返ってきては
3球目攻撃の練習にならないからね。

だから、彼は自分の練習のために、ださないのかもしれない。

あるいは、得意のサービスを使うと
みんなに勝つのはわかっているから、
得意のサービスを使わないという
自分で自分にマイナスのハンディをつけて
練習試合にのぞんでいるのかもしれない。

これはクラブやサークルで
トップクラスの選手がよくやることです。

自分より弱い相手と練習試合をするとき、
自分の得意なサービスを封印することは、
強いプレイヤーはみんなやっているのではないでしょうか。

それと、もっと上をいく選手というのは、
公式の大会でも同じ相手に
自分の持っているサービスを全部使うとは限らないのです。

強い選手は、何パターンかの強力なサービスを持っていて、
たとえばA・B・Cの3パターン持っているとすると、
Aパターンだけで勝てるとしたら、
BやCは使わないものです。

なぜなら、つぎに対戦したときのために隠しておくためです。

負けた相手は、つぎに対戦するとき、
あのときはあのサービスに手こずったから、
こんどはこういうようにやろうと
あらかじめ対策をたててくるものです。

そこで、二度目の対戦のときはいきなりBパターンでするとか、
あるいは前回同様にAパターンで入って、
勝負の局面でBやCを使うというようにするためです。

あなたももう何パターンかのサービスをマスターして、
練習試合では使わないで
こんど試合で対戦したときに使えばどうですか? 

そうすれば、この前負けたリベンジができるし、
何よりあなたのサーブ力が数段アップすることになりますから。


377.どうしたら少しでもカットマンに勝てるようになるでしょうか……

秋場さんこんにちは。

今回も団体戦でカットマンに二人あたり
対戦したのですが負けてしまいました。

二人ともバックがイボ高でした。
イボのバックを攻めるのか裏ソフトのフォアを攻めるのか分からず
イボのほうにうったのですが返された球をまたスマッシュしてネットミス、
イボで返球された球をドライブしたら
反対にカットマンにスマッシュされてしまいました。

自滅タイプで負けです。

頭で考えようとしても試合になると頭が真っ白になってしまい
浮いたボールに手をだしてスマッシュミス。

ボールの選球眼ができません。
対カットマンが鬼門です。

ドライブをするとそのあとが身体がくずれ次のレシーブがミス。
カットマンが喜ぶ試合です。

どうしたら少しでもカットマンに勝てるようになるでしょうか。
ヤドカリちゃん

いまやもうほとんどのカットマンは
フォア面は裏、バック面は粒高ですね。

これはカットマンの戦略としては、
フォア面とバック面を異なるラバーにすることで
回転(カット)の変化をつけようということです。

また、強烈なバックスピンがでる粒だけでいきたいところですが、
それでは強力な攻撃ができない。

攻撃となると、ドライブと強打ができる裏ということになり、
「フォア面裏」+「バック面粒」というのが
定番パターンになったのでしょう。

そして、ここがカットマンの強みであり、また弱みなのです。

そう、異質ラバーを使うことがウイークポイントにもなるのです。
裏と粒。
その性質に極端な差異があります。

ここを対戦者はねらうといいでしょう。
そしてカットマンはここを工夫すれば、より強くなります。

一般的に「裏+粒」型のカットマンと対戦するドライブ攻撃型は
(右利き対右利き)、カットマンのバックサイドから攻める傾向にあります。

なぜなら、カット打ちがしやすいからです。
とても単純な理由です。

バッククロスのカット打ちは左足を踏み込みやすく、
それにカットマンのカウンター攻撃を受けにくいからです。

いっぽうカットマンにとっても、
バックハンドカットのほうがフォアハンドカットより安定しているので、
カットマンもバッククロスへリターンすることが多くなります。

ドライブ攻撃する場合、
相手カットマンのバッククロス深くに
パワードライブを2本3本と連続で打ち、
カットマンを対角線上に台から十分離しておいて、
相手側フォアサイドのストレートにパワードライブをぶちかます。

これがドライブ攻撃型のカットマン攻略のいわば王道です。

中国やヨーロッパのトッププレイヤーは
この攻撃パターンで強豪カットマンをねじ伏せてきました。

かつて日本が誇ったカットマンである松下浩二と渋谷浩は、
この攻撃パターンに屈しました。

日本には当時、パワードライブを擁するプレイヤーは
岩崎清信、そして吉田海偉で、
彼らはこのパワードライブを有していたから、
松下、渋谷の強豪カットマンを破って
日本チャンピオンになることができたのです。

もうお分かりになりましたね。

相手カットマンのバックサイド奥深くへ3本以上連続、
それからストレートへ強力なドライブを打てるようになることを
まずめざしましょう。

しかし、これは教科書みたいなもので、
粒高の強烈な回転がかかったカットを
そうはドライブすることはできないものです。

それにこっちのドライブのトップスピンがかかればかかるほど、
強烈なバックスピンになって返ってくるのですからたまりません。

相手のバックサイドが安定していて、バックスピンも強力なら、
カット打ちのコースパターンを変えてみましょう。

相手のフォアサイド、
そうです裏ラバーを使っているほうを主体に攻撃し、
決定的なドライブや強打はバックサイドへ打つというパターンです。

これは相手カットマンの
フォアハンドのカウンタードライブを警戒してください。

このコースパターンのときも、
相手フォアサイドにドライブするときは深く入れて、
カットマンをフォアサイド対角線上に台から遠くに離すようにします。

こうすることで、バックサイドが空くことになり、
またストップも効果的で、
さらに相手はドライブ・カウンターがやりにくく、
やっても威力は減少します。

よくカットマンのカットは深く入れることが大原則とされますが、
カット打ちのドライブマンも深くドライブを入れることです。

もちろん、バックサイドやフォアサイドだけではなく、
カットマンの泣き所であるフォアミドルにも深く入れることです。

この深いパワードライブと
極端に浅いループドライブを織り交ぜるとより効果的です。

できるだけネット近くに回転のかかったループを低く入れるのです。
山なりループではなく、低空ループです。

ですから、日ごろの対カットマン練習は……

①深いドライブをバックサイド、フォアサイド、フォアミドルに連続で打てる

②クロスラリーのカット打ちから
ストレートコースにコースを切り替えてドライブできる

③浅くて低いループを打てること

ということになります。

カットマンと試合をすると自分の実力がよくわかるものです。

なぜなら、攻撃タイプとして、
ある程度自由に攻撃をさせてくれるカットマンは、
自己の攻撃力の力量がはっきりと出るからです。

また、身心の持久力と瞬発力も
対攻撃型以上に対カットマンでは要求されます。

脆弱な身心では、強豪カットマンに勝つことはできません。

いっぽうカットマンは、
相手ドライブ攻撃型の「王道パターン」対策を万全にすることです。

それにフォアハンドカットの変化とバックハンド攻撃もできることです。
それには……

①フォア面とバック面をラケットをくるっとまわして
ラリー中に切り替えられること

②粒高でも強打を打てること

③そしてとうぜん、
深いドライブ、浅いドライブを受ける練習を積んでおくこと

ということです。


376.表ラバーの厚みと、「球離れ」「ナックル」「回転」の関係についてご教授ください……

メンデルバックと申します。
試合等でしょげて帰り、
卓球技研の「Q&A」を拝読すると《夢と希望》を与えられ
又頑張るぞと励まされております。
有り難い事と感謝の毎日です。

一昨日練習時相手からネットが多いねと言われました。
今盛んに水平打法を意識して特訓中です。
質問NO265に秋場さんも書いているように
確かにネットインが多くなります。
試合では余り感じませんがだんだん効果が出てくると期待しております。

前置きが長くなりましたが
10日程前ラバーについて投稿させて頂きましたが
再度ラバーについて質問させて頂きます。

小生今年からF面は質問N0374に記載の
ブースターの「中厚」を使用しております。
B面はキョウヒョウ(特厚)。

そろそろブースターを更新(少し遅れましたが)しようと思っております。

表ラバーの特徴は
(1) 球離れが早い
(2) ナックルを出しやすい等で
(3) ブースターに関しては裏ラバー程では有りませんが回転も出せる。
  だったと思います。

そこでこの特徴と厚みの関係はどのようになっているかをご教授下さい。

厚みが増せば(1)や(2)等がUPするかDOWNするのか?
また(3)回転の威力はUPするのか等。

現在ラバーを「中厚」にしているのは
裏から変更したので
いきなり厚や特厚では使い切れないだろうと思ったからです。
今はかなり慣れました。

以上です。
宜しくお願い致します。


表ソフトラバーのスポンジの「厚み」と、
「球離れ」「ナックル」「回転」の関係ですが、
「表」といっても多くの種類があり、
その表ラバーの特徴によっても、
これらの関係性に違いが出てくることをご承知ください。

そのうえで、お答えしたいと思います。

(1)の「球離れ」ですが、
スポンジの厚みがあるほど球はスポンジに食い込むことになり、
とうぜん球離れはダウンします。

ただ、表ラバーの粒の硬さによって、
中厚から特厚に変更しても、
極端な球離れのダウンにはならないでしょう。

また、スポンジの硬さ(メーカーやラバーの種類によって異なる)
によっても球離れに影響がでることも考慮されたほうがいいでしょう。

(2)ナックルですが、厚いほどダウンします。

ただ、薄いとスピードというか飛距離が出ないので、
スピードの遅いナックルになりやすく、
対戦相手は対応しやすくなります。

ナックルが有効となるのは、
そのナックルボールが速いことと比例します。
めざすのは「スピードナックル」です!

(3)厚くなれば、ブースターに係わらず回転はアップします。

ブースターを使うのであれば、
表でも回転を求めるという指向性があると考えられますので、
論理的・合理的には
とうぜん厚いラバーの選択ということになるでしょう。

ここでラバーのスポンジの厚みについて、
再度卓技研の考えを述べておきます。

もし、より上のレベルをめざすのなら、より厚いラバーを使うべきです。

これが結論です。

スピードとパワーは実戦において非常に有効なものです。

それをラバーやラケットでプラスアルファできるのなら、
絶対的にスピードとパワーが出るものを選択したほうが有利です。

スピードとパワーが出る用具を使わない理由は、
飛びすぎてうまく扱えないということでしょう。

あるいは相手のスピン、スピード、パワーにたいして
大きく反応するのでブロックしにくいということでしょう。

でも、これは技術力で十分補えることなのです。

スピードとパワーが出る用具を使うことの
メリットとデメリットを比較したら、
メリットのほうがはるかに大きいのです。

その証拠にトップレベルのプレーヤーは、
ほぼすべてといっていいくらい「特厚」をつかっています。

これは「特厚」を使った方有利だからです。
単純なことです。
特厚を使った方が有利になるから使うのです。

あるいは「特厚」を使える技術力をもったからこそ、
トップレベルにあるといってもいいでしょう。

また、初心者が用具の選択をするとき、
指導者や卓球プロショップの店員が、
あまり飛ばないものを推奨することがありますが、
わたしは小学生であろうと中学生であろうと、
ビギナーからでも飛ぶラバーを薦めます。

なぜなら最初から飛ぶ用具を使えばそれに慣れるのも早く、
またすこし上達すれば
すぐに飛ぶ用具というか特厚にすることをわかっているからです。

じつは卓技研は、スピン系表ラバーの開発を望んでいたのです。

なのでブースターの登場には大きな期待がありました。

そして、やはりこのラバーの使用者は増えています。

望むなら、もっと回転のかかるのが欲しいところですね。

裏ソフトはもっとスピードがでるものです。

さらなるハイテンションを求めたいところです。

なぜこういうラバーを望むのかといえば、

卓球進化のベクトルが、こういうラバーを要請しているからです。


375.ハイブリット攻撃を行っているトップ選手はいるのでしょうか?……

こんにちは。
角飛車です。
ハイブリット攻撃について質問です。

私もハイブリット攻撃が新しい卓球であると考えているのですが、
トップ選手の動画を見ても、
ドライブとスマッシュを使い分けている選手がいません。

みんなドライブしか使ってないように見えます。

ハイブリット攻撃を行っているトップ選手はいるのでしょうか?
教えてください。
お願いします。


(その1)
ハイブリッド攻撃をおこなっているトップ選手はいるのか? 
うん、いませんね。すくなくとも筆者は見たことはありません。

ドライブがスマッシュというか、
強打のような打ち方をしているプレーヤーがほとんどです。

それはどういうドライブかというと、
ラケット角度を前にかぶせて、水平にスイングするものです。

このように打つと、その打球はドライブとしては放物線の頂点が低く、
かなり直線に近い弾道になり、
またスピードがあって、強打に近いものです。

これは「水平ドライブ」というようなもので、
まあドライブの進化としてはとうぜんの道筋ですね。

日本では男子は丹羽、女子は石川がかなり水平軌道です。

丹羽と石川に大きな伸びしろを感じるのは、
こういう高度な技術をマスターしていることです。

でも、これはハイブリッドではありません。
あくまでドライブ攻撃の進化系にすぎません。

いまハイブリッドにチャレンジしているのは女子の平野でしょう。

平野は間をとるという張怡寧ばりの卓球を指向していたのですが、
ここ2、3年はそのプレースタイルをとることで、
壁にぶちあたっていたように見えます。

張は間をとりながらも、攻撃ができていたのです。

だけどその攻撃性が平野のには、
いまひとつ足りませんでした。

張は、大相撲でいう「横綱相撲」が取れたのですね。

相手の動きを見ることで一瞬、出足が遅れるのですが、
それで間をとることで相手の出方を読んで対応するのです。

ただ、こういう戦法はいわゆる「受け」てしまうので、
相手の出足で一気に不利な形勢に持ち込まれる危険性があります。

しかし、横綱はそれをがしっと受け止めながら、
瞬時に攻撃体勢に入れる力量があるのです。

平野はこの間をとることで、
ヨーロッパや中国の選手に決定的な攻撃の時間を与えてしまうのです。

その大きな要因のひとつは、
平野の「つなぎボール」が脆弱だということです。

そのつなぎはドライブですが、
日本選手相手だと「つなぎ」となるのですが、
外国の有力選手には格好のチャンスボールとなってしまうのです。

平野は国際大会で、
ヨーロッパの選手に一発で抜かれてしまうことがよくありました。

そこで、その平野のスタイルからの脱皮を指向し、
「アタック」を織り交ぜるということになったわけです。

まあとうぜんのスタイルチェンジですね。

平野の指導者および平野本人も的確にプレーの分析がなされた結果、
こういうハイブリッド・スタイルを指向したのでしょう。

ことしの世界選手権団体戦で「ニュー平野」を見せてくれました。

確実に攻撃力が増して、力強さを感じました。

しかし、まだまだハイブリッドをマスターしたとは言い難いですね。

これからの卓球にとって
ハイブリッドが圧倒的に有効なのは間違いないのですが、
そうは簡単にマスターできるものではありません。

なぜなら、スイングのベクトルがまったく異なることを
ラリーのなかで使い分けなくてはならないからです。

ドライブ主戦タイプは、
プレーに入る前からドライブ軌道のスイングを意識する
というかイメージしているものです。

相手のボールによって、
強打とドライブを使い分けようなどと
意識してプレーしているドライブ主戦型はほとんどいません。

みんなドライブしようと思っています。

だから、ロビングのような超高いボールでも
ドライブスイングで「スマッシュ」するのです。

なぜなら、そのほうが打ちやすいからです。

しかもドライブスイングでも、
強打に匹敵するような威力が出るからです。

別に強打しなくても、
ドライブで十分に攻撃的な武器になるからです。

だからスイング軌道を換えてまで強打しないのです。

だけど、ここにきて、そのドライブに陰りがみえてきたのです。

なかなかドライブで決まらない。

相当、強力なトップスピンやスピードをともなったパワードライブも、
簡単にリターンされるようになってきたのです。

それはトッププレーヤーばかりではなく、
中学生の中級クラスでさえその傾向が如実にあります。

なぜか?

ドライブのタイミングにみんな慣れてしまったからです……。

もう卓球プレーヤーのなかに、
ドライブに対応するDNAが刻み込まれたというところです。

(その2)
そう、ドライブにかつてのような攻撃性が薄らいだということです。

だから、ドライブの威力を高めようと、
ドライブの打球点はより高くなり、
ドライブスイングの軌道は水平になって、打球弾道を低くし、
かつスピードとスピンを増すようになったのです。

それを男女とも徹底させたのが中国卓球でしょう。

彼らのドライブは、少なくともどこの国のトップ選手よりも
打球点が高いことは誰もが認めることでしょう。

ちなみにドイツのボルが
中国トップに拮抗できるほぼ唯一のプレーヤーですが、
ボルと中国トップの決定的なちがいは、
ドライブの打球点の高さにあると筆者はみています。

そして、先日丹羽が馬龍に勝ちましたが、
これからの卓球スタイルを占ううえで
非常に示唆的なゲームだったのではないでしょうか。

ドライブという技術はこれからもどんどん進化しつづけるでしょう。

それと同時にドライブを活かすための技術が、
これからは必要とされるのです。

野球で変化球ばかり投げるより、
そこに直球を配球することで、
変化球の威力が相対的に高まることと同じです。

変化球のタイミングだけに合わせていればたやすく対応できるのが、
そこに異なるベクトルの直球が混ざることで
タイミングが相乗的にとりづらくなるのです。

卓球も、ドライブという、いわば変化球だけにたよってきたことで、
もうみんなそのドライブから繰り出されるときの
ラケットとボールがあたるときの時間間隔(タイミング感覚)、
飛んでくる弾道、
トップスピンボールへのラケット操作などが、
容易につかめるようになっているのです。

ドライブから繰り出されるボールが、
「攻撃的から普通」になっているのです。

筆者はいわゆるループドライブが登場したとき、
その現場を中学生のときに目撃していますが、
山なりのいまではロビングのようなボールが、それは効果的でした。

前進回転はすごいものの、山なりでスピードもないのにです。

それは、そんな打球をいままで見たことも打ったこともなかったので、
強力な攻撃性を発揮したのです。

そう、みんな慣れていなかったわけです。

その攻撃性もいっときのことで、
時代とともにループは攻撃性が弱まったのでした。

いまもループドライブは使われていますが、
ループだけではなく、
スピードドライブやパワードライブに織り交ぜて使っていることで、
その命脈を保っているところです。

(その3)
 ドライブの威力というか、有効性が10年前より失われていることは、
もうだれもが認めることでしょう。

そこで卓技研は「ハイブリッド・タクティックス」「ハイブリッド攻撃」を
提唱しました。

これからの時代は
ドライブ、つまりトップスピンとアタック(強打)を
織り交ぜた攻撃が有効であると――。

ところで、いまでこそ多くのプレーヤーは
ドライブスイングの軌道でほとんどのプレーをしますが、
ひとむかし前までは、サービスやツッツキのボールをドライブし、
相手がブロックしたつぎのロングボールを強打する、
というプレーヤーもかなりいたし、またそう指導するコーチもいました。

では、これをハイブリッドというのかといえば、そうではないのです。

これではハイブリッド的効果はあまり期待できません。

ドライブでくるのか、強打でくるのか、相手にわかってしまうからです。

ハイブリッド攻撃はツッツキやロングボールにかかわらず、
ドライブと強打を織り交ぜることで、
相手のタイミングをはずすことを主なねらいとしているものです。

このように書くと、
それほどすごい効果があることは想像できないかもしれませんが、
実戦で試してもらえばすぐに納得されるでしょう。

たとえば相手のツッツキボールを
いままでだったら絶対にドライブと言うケースで、
いきなりバシーンッと強打すると、かなり高い確率で決定打となります。

ドライブ主戦タイプのプレーヤーは、
つぎの練習ゲームで一度試してください。
それは効果的ですから。

なぜ、これが効果的なのかというと……。

①相手が対応するタイミングがずれる

②それはインパクトのときの
ボールとラケットの接触時間の長さのちがい

③打球の軌道のちがい

④回転のちがい

これが、たとえば表ソフトの強打主戦タイプが、
いつもは強打するボールをドライブしても、やはり効果的なのです。

相手にとっては、こっちが打つまで
ドライブがくるのか、強打がくるのかわからないので、
いままで主戦としていた武器、
つまりドライブや強打も活きてくるわけです。

そう、投手が直球と変化球を織り交ぜることで、
両方の球種をともに活かすことができるのと同じです。

ではどうすればハイブリッド攻撃をマスターできるのでしょうか。

①ドライブと強打とも、構えやバックスイングは
高い位置にとる。すうすることで、どちらのスイングも可能となる

②始動体勢は水平打法の要領

③基本的に高い打球点でドライブ(もちろん強打)する

④打球点を落としてしまったときには、②の体勢の
延長上のスイングとしてドライブスイングを位置づける

以上のことから、水平打法と、
高い打球点での水平ドライブを
まずマスターする必要があります。

つぎに以上の発展系として……

⑤以上をマスターしたら、
打球点を落としたときにも「強打」を打てるようにする。
(強打といっても打球点がネットより低いと、
放物線をえがくスピードがない、
強打と軽打の中間の「中打」のような威力になる。
でも、「ここは絶対ドライブ」ときの「中打」は、
「ここは絶対強打」のときの強打よりも効果がある)

⑥ロングラリーでは、ドライブと強打のほかに、
「ナックル強打」を織り交ぜる

以上の「中打」と「ナックル強打」をマスターすると
鬼に金棒状態になります。

374.ブースターは万能でしょうか。このラバーの対応策とは……

こんにちは!
Q306でお世話になりましたモスミンです。

私は右シェーク裏裏ドライブ攻撃型で、
前回は表ペン攻略法について質問させて頂きました。

あれから1年!あっという間ですね!
…と感慨にふけっている場合ではないのですが、
おかげ様で私の技術もちょっぴり向上し、
表ペンに対する恐怖心はすっかり消え失せ、
試合の序盤で相手の弱点がわかれば、
そこを攻めて攻めてなんとか乗り切れるようになりました。

しかし新たな課題も出てきました。

ラバーを限定しますが、ブースターはペンもシェークも、
相手のペースにハマってしまいます。

相手の技術が1枚上手なのでしょうけども、
ブースターって万能ラバーなのか?と思うほどです。

いや、必ず克服してみせる!
と鼻息荒く練習に取り組んでいますが、
ブースターは表でもキレるらしく、
いろいろ操作しているのか難しい回転のレシーブが返ってきます。

少しおおざっぱな質問で申し訳ないのですが、
ブースターに対してはどう意識して試合に臨めばよいのでしょうか?


ブースターはスピンタイプのテンション系表ソフトラバーですね。

表にしては、スピンがかかるというところでしょうか。

「難しい回転のレシーブが返ってくる」とありますが、
抽象的に「難しい回転」と分析するのはどうかと思います。

「難しい回転」ではなく、
もっと精確にその回転をよく観察することです。

「難しい回転」とあいまいにしているかぎり、
ずっとブースターを苦手とするでしょう。

ふだんあまり対戦したり練習したりすることのない
ラバーを使うプレーヤーと対戦すると、
その相手が打球する感じや球質に戸惑うことがあります。

違和感に負ける、といってもいいかもしれません。

だけどそれも1ゲーム(セット)ほどやると
慣れて対応できるようになるものです。

でもなかには、ずっと違和感に対応できず、
自分の敗因を相手のラバーのせいにしてすませてしまうことがあります。

違和感とか、難しい回転と思うのではなく、
おもしろい回転や打球感のあるラバーだなというように、
その相手の特徴を楽しむぐらいの余裕が必要です。

また、変則的な回転が出るラバーほど、
それを扱うほうも難しいものです。

さらに、ある特徴があると、
逆のマイナスの特徴もかならずあるものです。

それは粒高を考えれば十分でしょう。

粒高のプレーヤーと対戦するとき、たしかにまごつきますね。

対裏ソフトとくらべるとたしかに違和感があります。

でも、粒高を使うプレーヤーもそれを扱うのは難しいし、
回転の変化はあるけどスピードに欠けます。

粒高のように、
ブースターにもこのような課題はつきまとっているはずです。

今後、ブースターのような表ソフトラバーや、
ブースターに似たタイプの裏ソフトラバーが、
どんどん開発されてくると予想します。

中国製粘着ラバーとはまったく逆の超テンションタイプですね。

ますますテンション系に拍車がかかるということです。

前陣から前中陣で高速ピッチでのラリー展開が増え、
トップスピンだけではなくアタック(強打)も織り交ぜた
ハイブリッド攻撃が増えるからです。

なぜそうなるのかというと、
卓球の進化からみれば、そのベクトルにいくしかないからです。

そうするのが、近未来の戦略の王道となるからです。

なので、いつまでも「難しい回転」とか
「万能ラバー」だとか言ってる場合ではないのです。

きっとブースターが新しい卓球の先駆けとなるでしょう。

いや、もうとっくのむかし、
テンション系裏ソフトラバーの登場とともにそれは始まっていたのです。

実践報告「教えられたこと、やってみました」

Q374のモスミンです。
本質を突いたアドバイスをありがとうございました。
目からウロコでした。

『ずっと違和感に対応できず、
自分の敗因を相手のラバーのせいにしてすませてしまうことがあります。』
のくだりは耳が痛いです。

『「難しい回転」ではなく、
もっと精確にその回転をよく観察することです。
「難しい回転」とあいまいにしているかぎり、
ずっとブースターを苦手とするでしょう。』
↑↑↑↑
ですよね! 目と頭を使って、よく観察し、考えます!
克服できた時、また報告します!
あまりの的確なアドバイスに、感動とやる気が出てしまい、思わずメールしてしまいました。
ありがとうございました!!

373.両ハンドの切り替えを早くしつつフォアでビビらず打てる方法を教えて下さい……

以前秋場さんに回答をもらったたつやです。

いつも興味深く拝見しています。
さっそくですが質問です。

中ペンを使ってプレーしているのですが、
いつも練習の時はフォア主戦で打って行ってるのですが
今日の大会では自分自身がビビってしまい
あまりフォア主戦で動けませんでした。

今日の敗因を周りに聞くと
もっとフォアじゃなくて両ハンド振ればと言われました。

自分自身でもフォアではなく両ハンドで振ればいいと思うのですが
思うように切り替えしがうまく出来ませんでした。

両ハンドの切り替えを早くしつつ
フォアでビビらず打てる方法を教えて下さい!!

長文すいません。


お答えします。

「両ハンドの切り替えを早くしつつフォアでビビらず打てる方法」ですか?

この質問に直接答える前に、
あなたのプレースタイルをもうすこしはっきりさせた方がいいと思います。

どういう形で得点に結びつけるのかを、
自分の好きなやり方、得意なやり方、自分が理想としているやり方、
自分が真似したいやり方などを総合的に判断して、
ある程度の道筋をつけるのです。

これがはっきりしないと、単に切り替えを早くするとか、
フォアでびびらないといっても、
自分のなかで実を結ばないでしょう。

自分でこういうプレーがしたいとイメージできてから、
それから切り替えの技術的なことや
びびらないためのメソッドをトレーニングしましょう――。

と、ここで終わってしまっては、ちょっとあんまりな気もしますので、
もうすこし解説してみます。

まず、切り替えをよくするためにもっとも大切なのは、
「間」をとるようにすることです。

間、つまり自分が打つためのタイミングがとれてはじめて
スムーズな切り替えができるようになります。

それには、ボールを打つインパクトの瞬間に相手を見ることです。

もちろん打つためには、ボールをよく見ることは大切ですが、
ボールがラケットに当たる最後まで見る必要はありませんし、
またそんなプレーヤーはほとんどいません。

しかし、ほとんどのプレーヤーは中途半端にボールをよく見て、
また中途半端に相手を見ています。

そうではなく、ボールを眼球の動きでしっかりとらえながら、
打球する瞬間に相手をしっかりと見るのです。

そうれば確実に「間」をとることができて、
スムーズな切り替えのための準備も整います。

切り替えの技術的なポイントをつぎに挙げます。

①ラケットのかまえる位置を高くする

②バックスイングは小さく

③フィニッシュでラケットを止めずにつぎの動作の始動とする

④台との間隔が近すぎることが多いので、いつもより5センチから10センチほど離れて調整する

⑤フォアハンド、バックハンドとも腰で始動する

だいたいこんなところでしょうか。

つぎにフォアでびびらないということですが、
ではなぜフォアハンドをびびるか
自分でよく考えてみる必要があります。

じゃあ、バックハンド系はびびらないのですか? 

もしそうだとしたら、こういう点に問題があるかもしれません。

バックハンド系はフォアハンドとくらべて、
バックスイングがとれず腕の可動性が制限されます。

つまり腕が自由に動かしづらいわけですね。

ここがびびる、びびらないの分かれ目です。

腕や手は脳の出先機関みたいなもので、
勝負に躍起になる脳の機能、
心理学でいう「自我」が腕や手を操作しやすいのです。

そのため、
ボールを相手コートに入れたいという意識が強くはたらきすぎると、
腕が自由に動かなくなり、
可動範囲の広いフォアは自由さが大きすぎて、
打つためのスイングをもてあましてしまうのです。

それがフォアハンドを思い切り振れないことであり、
びびるということになっているのです。

こういうことを防ぐには、ひごろの練習において、手や腕ではなく、
腰のリードでスイングをするという意識をもつことが大切です。

自分の脳ではなく、
腰に先導されて打つんだという意識が身に着けば、
手や腕の出る幕はすくなくなります。

かといって手や腕の動きがぎこちなくなったり、
遅れたりすることはありません。

最初はちょっと違和感がありますが、
すぐに慣れて腰のリードで打つことができるようになります。

そうなれば、たとえびびっても正確に打つことができるのです。

ほとんどのプレーヤーは競った試合であればあるほどびびるものです。

それはトッププレーヤーだって例外ではありません。

人間はそんなとき、びびるようにできているのです。

そういうふうに考えて、
そうなったときもできるだけプレーに影響が出ないように、
ふだんの練習で技術的な面から
それをカバーするように訓練しておくことです。


372.イップスに悩んでいて、こんな自分の現状を受け入れられません……

初めまして、HTといいます。

僕は1年半ほど前からイップスに悩まされました。

自分で克服しようと思いいろいろ調べ、
様々な本など読みましたがいまだに克服できずにいます。

専門的に治してくれる所が東京の方にありますが、
放射能のことが心配で行くことは親に反対されています。

僕は昔から卓球で活躍したいと考えていたので、
自分の現状を受け入れられない状態です。

質問になってないかもしれませんが、
卓球をする上で僕はどうしていけばいいのでしょうか?

よろしくお願いいたします。


おこたえします。
ご質問の内容から、問題はイップスの程度ですね。

専門に直してくれる所とありますが、そこはどういう所なんでしょうか? 

イップスを克服するには、自分がイップスになったときの状態を、
もう一人の自分がよく観察することです。

そしてそのことをメモしておきましょう。
このメモをする行為そのものがイップスを治す効果があります。
なぜなら、自分を対象化できるからです。

卓球の練習や試合をしているとき、
人は誰でもそれなりに緊張したり、びびったりするものです。

イップスというのは、その状態が過剰なときということができます。

あなたは打球するとき、いいボールを打とうとか、
いいフォームでなければならないとか、
この試合には絶対に勝ちたいという気持ちが強すぎるのかもしれません。

そんなあなたの状態をあなた自身が観察することで、
それは「もうひとりの自分」が
みずからおこなっていることを認めるわけです。

ではイップスの具体的な克服法を挙げてみましょう。

①まず腹式呼吸をするといいでしょう。

ゆっくりと空気を鼻から吸って腹にため、
そこでぐっといったん止めて、
こんどはゆっくりと口から吐きます。
これを数度やってみます。
呼吸は身心をつなぐパスポートです。

②それから、打球するときは何も考えないで、
ただひたすらボールを眼球の動きで観るようにします。
できるだけ顔を動かさないで目玉の動きで観るようにするのです。

③さらに足から先に動くことを意識して、
スイングの始動は手ではなく腰からにします。

④そして相手が打つ瞬間に「イチ」
ボールがバウンドした瞬間に「ニ」
自分が打つ瞬間に「サン」と数えます。

この一連のことをすると確実にイップスは防ぐことができます。

ただ、最初の数回はイップスがでるかもしれませんが、
繰り返し以上のことを意識してやってみると必ず改善します。

これで、もしよくならないなら、またメールをしてください。
ただし、具体的に記載することをお忘れなく。


371.バックサイドに深いボールがくるとミスが多くなります……


シルクです。

以前カーブドライブ、シュートドライブについて教えていただきました。
使い分ける意味を教えていただいて
目的を持って練習できるようになりました。
がんばって身につけたいと思います。

今回はバックについて教えてください。

私はシェークでバックはスピード系の表を使っています。
台上のボールに対してはフリックが打ちやすく
得意な意識があるのですが
どうしてもミスの多い深い場所を狙われてしまいます。

それで深いボールに対してのドライブ練習をはじめましたが
周りの人に表でこすってドライブを打つのは
表の意味がないのでは・・と言われてしまいました。

深いボールに対しても角度で打てればいいのですが
私はナックルや切れた下回転のミスが多くなってしまいます。

表でも薄く当てたドライブ練習をする価値はありますか?

つなぐことを考えるより
表らしい強打の練習をしたほうがいいのでしょうか。

回り込んでフォアで打つ意識を持った方がいいのでしょうか。

どういう練習をすればいいのか
よくわからなくなってしまい質問してみました。

福原選手のバックを見ても
たまにしたからこすりあげているように見えますが
それはドライブなのでしょうか。
よろしくお願いいたします。


バック面にスピード系の表を使っているんですね。
それでバックサイドに深くきたボールにミスが多いと。
で、それにたいしてドライブで対応しようか
悩んでいるとまあこういうことですね。

まず、深いボールは、
それはトッププレーヤーも処理しづらいということです。

とくに深くて伸びる速いボール、
それとよく切れたバックスピンは
レベルを問わずむずかしいものです。

なぜかというと、それはプレーする位置との関係ですね。

ほとんどのプレーヤーは、先に攻撃をしたいと常に意識しており、
そうであれば前陣、台の近くでプレーするようになります。

ところが、台に接近すると、深いボールがくるととうぜん詰まります。
圧されると表現してもいいでしょう。

エンドラインぎりぎりのボールは、
同じ前陣でも離れた位置でないとうまく対応できないのです。

でも、それはほんの10センチ程度のことです。
10センチほど離れれば、もう詰まることはありません。

なので、いままでの位置より、
10センチ台から離れてプレーするようにしてください。

バックハンド系はもちろんフォアハンド系もすべてのプレーを、
いままでよりも10センチ離れるのです。

そうすれば深いボールや伸びるボールがきても
詰まらずに対応できるようになります。

ただし、離れるとそれだけ攻撃への対応が遅れ、
また威力も10センチ分減少します。

でもこれは前へのフットワークを俊敏にすれば解決できることで、
深いボールを台にくっついて処理するよりもずっと簡単なことです。

それと深いボールの処理は、
ラケットをかまえるとき低いと
スイングが下から出るのでオーバーミスが出やすくなります。

ラケットを最初から高い位置にかまえるようにすれば、
深いボールにも圧されずオーバーミスが出にくくなります。

あなたがドライブで処理しようと思ったのも、
深いボールにオーバーミスが多く出て、
それをラケットを前にかぶせて、
ドライブで処理することで解決しようとしたからではないでしょうか。

スピード系の表を活かすなら、
ラケット角度を調整してドライブで対応するよりも、
ラケットをかまえる位置を高くして、
そこから水平に振り抜くことを主軸にしたほうが
ラバーの特性に合っています。

もちろん、ドライブというか、ボールをこすって、つなぐということも
ケースによっては必要となるかもしれませんが、
それよりはプレーする位置と、ラケットの高さを調整して、
強打を主体としたほうがいいでしょう。

それとバックサイドに深くてよく切れた
バックスピンのボールがきたとき、
フォア面で使っている裏(ですよね)をくるっと回転させて、
裏でバックハンドドライブするという
リバーシブル戦法も考えられます。

まあ、正直なところ、表にとって深くて切れたバックスピンを
強打で対応するのはむずかしいですから。

シェークでラケットをくるくる回転させるのはむずかしいことではなく、
ゲームでもすぐにできるようになります。

それと福原選手は、ドライブというより
「こすりあげて」打っているというほうがいいでしょう。
彼女が貼っている表は、
ドライブというほどスピンのかかるラバーではありませんから。