Q&A351~360 of 卓球技術研究所t3i

卓球351~360

360.クラブで「評価・反省用紙」を作りたいのですが、アドバイスお願いします……

はじめまして。ペンネーム「ちゃす子」と申します。
戦型は日ペン表で、最近バックに裏面を貼りました。
卓球技術研究所、よく見させてもらっています。
読みやすい文章なので、とても分かりやすいです。
そして、なにより嬉しいのが
私と同じ日ペンのプレイヤーのQ&Aが読めることです。
とても参考になります。

初めて質問させてもらいます。
私は現在中2で、2年5人、1年2人の計7人という状況で
チームを組んでいます。

今年の3月に行われる関東選抜に男女で出場することになりました。
現在はその関東選抜に向けて日々練習を重ねています。

そして、私たちの最終的な目標は
夏の総体で全国大会に出場することです。

そのために、私は毎日の反省として、
・ 体のコンディション
(朝の目覚め、体調、起床時の疲労回復度、けがや痛みの状態、食事)
・ 心のコンディション
(心配、悲しい、イライラ、元気、疲れた、うまく考えられない)
・ 練習状況(質と量、練習負担度、意欲、技術的調子)
の各項目(15個)を、
非常に低い(1)、やや低い(2)、普通(3)、
やや高い(4)、非常に高い(5)
の五段階評価でつけています。

これは、卓球専用のチェック項目ではないので
「不必要な項目」や「ほかに必要な項目」がきっとあるとおもいます。

そしてその「不必要な項目」は削り、
「ほかに必要な項目」は減らして
女子7人で「オリジナル」の評価・反省用紙を
作ろうということになりました。

ただ、これに関しては
まだ卓球経験が浅い私たちだけでは考えられないことだと思うので
すこしでもご意見を聞かせてもらえたらなと思い、
質問させてもらいました。

毎日続けるものなので
手軽に反省できるものがいいなと考えております。

また、このオリジナルの評価・反省用紙を使うことで、
意識の向上や「7人で同じ目標に向かってがんばっているんだ」、
ということが全員で考えられるようになったらいいなとも考えております。

意見を聞かせてください。
アドバイスよろしくお願いします。



お答えします。

この「毎日の五段階評価」はすばらしい。

卓球にかぎらず、自己成長のもっとも重要なポイントは
「自分を客観的に観察すること」です。

自分という存在は、誰よりも自分がいちばんよく知っているし、
また誰よりもいちばんよく知らないのです。

このパラドックスをいかに解決するのかが、
人生最大のダイナミズムかもしれません。

また、自分を客観的に観察すること」ができれば、
成熟した自我が形成され、
自分に秘められた潜在的な可能性を見つけ出し、
発展させていくことでしょう。

さて、あなたの毎日の反省の五段階評価は、
自分個人のものとして実行されればいいでしょう。

自分で判断して必要・不必要な項目を選択すればいいと思います。

卓球専門のチェック項目ですが、
大きくつぎのポイントに分けられます。

1.各自の技術達成ポイント

2.精神力の課題ポイント

3.部員による技術力・精神力の相互評価

説明します。

まず1ですが、これは具体的な技術ポイントを挙げて、
日々評価していくものです。

たとえばサービスなら、
自分が試合で主に使うサービスや
マスターしたいサービスを列挙します。

そのなかに、たとえば
「相手フォア前へのバックスピン・ショートサービス」があるとします。

めざすのは、バックスピンをかけて
フォア前にネットすれすれに低く入る、
ツーバウンドサービスです。

バックスピンの回転量を見分けるには
台上で戻ってくることで判断がつきます。

このめざすサービスがたとえば100本の内、
何本できたかを記録するのです。

こういう具体的なポイントを1日の練習のなかで、
たとえば10件とか20件とか作って記録します。

このように、できるだけその技術の達成ポイントを
具体的に明確化して、それを日々の練習目標とし、
毎日それをペーパーに記入することで自己評価していくのです。

この1の参考例として、
『卓球パーフェクトマスター』の「卓球ステップアップ・チャレンジ」
というページがあります。
きっと参考になるはずです。

つぎの2ですが、これは練習での集中力と
試合(練習試合・公式試合)でのメンタルチェックです。

集中力を高めるには、
ボールを眼球で観察するように観ること、
相手が打つ瞬間に「イチ」、自陣にバウンドしたとき「ニ」、
自分が打つ時「サン」と、
しっかりと各ポイントを確認して声を出します。

試合では、試合をする前の精神状態の持って行き方、
試合のスタート時点、競った場面、リードされた場面、
マッチポイントを獲った場面など、
各重要な場面での自分の精神状態を振りかえってチェックします。

3はせっかく、同じクラブで仲間がいるわけですから、
自分で自分をチェックするのと同時に、
お互いに相手の技術・精神力の長所短所を
忌憚なく評価しあうといいでしょう。

これをすることで、
自分が知らない長所短所を見つけることができます。

あと、みんなで大目標・中目標・小目標を決めるのもいいでしょうね。
大目標はたとえば全中出場
(もうこれはあなたのクラブではありますよね)、
中目標は関東選抜何位達成とか、
そして大・中の目標を達成するために小目標を決め、
それを週単位で達成することをめざすのです。

そしてそのために、きょうの練習はこうしようとすれば、
クラブの部員と自分自身の目標が一致して、
日々のモチベーションが上がるでしょう。

関東選抜はぜひがんばってください。
できれば、結果を報告してください。

全国大会いけるといいですね。
卓技研も応援しています。


359.もう、ペンではダメなのでしょうか?……

毎回、卓球技術研究所のホームページ拝見しております。

さて、技術的なことよりも
最近の卓球のプレースタイルや用具に関して質問です。

現在、週2回くらい卓球を楽しんでいる59歳の会社員です。

私は現在、日本式ペンホルダーで裏面にもラバーを貼っています。

今までペンホルダーやらシェイクやら中国式裏面やら
色々やってきましたが
現在は日本式ローターに裏ラバーを貼っています。

プレースタイルとしてはバック側につっつきがくると裏面でドライブをかけ、早いボールにはショートやプッシュで応戦します。

ところで最近はどうしてトップクラスはシェイクばかりがめだちます。

地方では私たちの年代ではまだまだペンも多いです。

若い人はシェイクが圧倒的におおいですが……。

ペンにはすぐれた指導者がいないのでしょうか?

アテネ五輪ではユ・スンミンが優勝したりしましたが。

もう、ペンではダメなのでしょうか?

ペン愛好者としては淋しいかぎりです。


お答えします。

もう、ペンではダメなのでしょうか? とありますが、
まあ40代以下の大会やそれに全日本でも、
もうほとんどペンはいませんね。

若い世代ほどペンは減少し、
10パーセントを切っているのかもしれません。

さて、ペンはだめなのか、という質問には、
ペンを使うプレースタイルは
現在、そして未来において、もう可能性がないのか
というニュアンスがふくまれています。

結論から言えば、NOです! 
まったくそんなことはなく、
ペンは時代の遺物になるような
ラケットスタイルでもプレースタイルでもありません。

世界のトップには、そう韓国の柳承敏(ユ・スンミン)、
また中国の馬琳、王皓など
世界ナンバーワンに輝いたプレーヤーもペンです。

では、なぜペンが減り、シェークが増えたのでしょうか。

その大きな要因はバックハンドの問題です。

とくに前陣でのバックハンドです。

ペンは一般的に前陣ではショートやプッシュを使いますが、
これは「押す」打法です。

いっぽう、シェークは一般的にヒジを軸にして、小さく振ります。

そこに「押す」スイング軌道も入りますが、
攻撃的に振るスイングができます。

ここが最大の問題です。

やはり押すだけでは、相手のボールが遅い場合、
どうしてもスピードがでません。

プッシュもそれなりに強力な打法にはなりますが、
やはり振るシェークのバックハンド・ハーフボレーには劣ります。

もうひとつ問題があります。

それはバックハンドドライブとチキータです。

これはペンのフォア(表)面ではやりづらく、シェークには劣ります。

さらに、もう一点、問題があります。

フォアハンドからバックハンドへの切り替えです。

シェークはファオからバックへの切り替えはスムーズにできますが、
ペンはフォア(表)面でバックハンド系打法をやるとなると、
手首を返す必要があります。

バックハンドからフォアハンドの切り替えも同じです。

以上の3点を克服するために、
ペンは以下の技術やプレースタイルの変更を必要とし、
事実それをマスターした者が
ペン・プレーヤーとして成功を収めています。

1.前陣でも「振る」バックハンドができる

2.バック(裏)面を使う

3.フィニッシュからバックスイングにはいるとき、
ラケットを高い位置にすることで切り替えをスムーズにする

この3点ですが、2のいわゆるペンの裏面打法によって、
前陣での振るバックハンド強打や
バックハンド・ドライブ、チキータが可能になりました。

とくに王皓は最近ペン・チキータに磨きがかかり、王皓を観ると、
チキータはシェークよりペンのほうが使いやすいのでは
と思えるほど巧みです。

それと3ですが、いまや前陣、前中陣での高速ラリーが多く、
とうぜん切り替えの早さが要求されます。

これはシェークでも同じなのですが、
打球したフィニッシュのあと、
ラケットを下げてバックスイングに入るスイング・フォームだと
どうしても切り替えが遅くなってしまいます。

これはペンにとっては致命的です。

できるだけ、高い位置で切り替えをするようにしたいものです。

以上、見てきたように、柳承敏と馬琳、王皓では、
ペンといってもプレースタイルがまったく違います。

まあ、プレースタイルはその本人の自由ですが、
柳や日本の吉田海偉のような、
フォアハンド一本でフットワークを駆使して動き回る
というスタイルが苦しいのは、最早明らかです。

もし、裏面を使わないでやるとしたら、
フットワークを磨くのはもちろん、
上記1の前陣での「振るバックハンド」を
マスターする必要があるでしょうね。

それとフォア(表)面でのバックハンド・ドライブです。

この二つの技術をマスターすれば、
いわゆる日本式ペンドラも活路が見出せるでしょう。

それから、ペンの指導者ですが、
うーん、最近の子は最初からシェークを持ちますね。

指導者も最初からシェークを持たせることがほとんどでしょうね。

まあ、本人にペンとシェークがあるけど、
どっちが使いやすいか、
子どもに試させてもいいかもしれません。

指導者がある程度意識してペンプレーヤーを養成しないと、
ペンが絶滅する危険性にあることは否定できません。


358.バックドライブのコツを教えて頂きたいです……

ハンドルネーム nadie1016というものです。

いつもこのサイトを見て日々の練習の参考にさせてもらっています。

自分の戦型は裏裏のドライブマンです。

質問は自分のバック側にきた(例えばツッツキされた)ボールを
バックドライブで3球目攻撃ができないことです。

本サイトでフォアドライブの
シュートドライブとカーブドライブが重要と知り、
回り込みで3球目で変化をつけたフォアドライブが
まあまあできるようになったのですが、
回り込めないこともあり、
またいつも回り込んでいると
あいたフォア側に逆を突かれることもあるので、
ぜひ威力のあるバックドライブを打ちたいのですが
なかなか上手くいきません。

おそらく手打ちに近い状態でスイングしているからだと思います。

なので今回はバックドライブのコツを教えて頂きたいです。

また回転量のあるバックドライブについても
教えて下さるとありがたいです。

宜しくお願いします。


お答えします。

バックハンドドライブのコツとパワーを得るためのメソッドを解説します。

もう現代卓球にとって、バックハンドは必須の打法ですね。

でも、これがなかなか難しい。

ご質問にあるように、とくに回転、スピード、パワーが出せないんですね。

下記に列挙するやり方を一つずつためしてください。

1.ラケットハンドの手首を内側にひねる。

2.スイングの軸はヒジ。

3.腰を落とす。

4.左足を縮め伸ばすと同時にスイングする。

5.インパクトまでグリップの力を抜き、
インパクトの瞬間にぐっとグリップを握り、そのまま振り抜く。

6.フォロースルーはできるだけ長く。

7.インパクトの瞬間、フリーハンドを斜め下に勢いよく下げる。

思いつくままに挙げてみました。

もし、読者のなかに、ほかにもよいテクニックがありましたら
メールください。

とくに1と2が重要です。

右利きなら、手首を反時計回りにひねって、
同時に右ヒジを前にぐっと出すようにします。

こうすることで、ラケットとヒジの間に空間ができて、
よく腕をひねることができ、
またフォアハンドのバックスイングのような「引き」が生まれます。

3から6は、時間的に余裕のあるときに使います。

また7のフリーハンドを使うことでパワーがアップします。

まあ、バックハンドドライブ一本で決めると言うより、
これで先制攻撃の足がかりとして、
つぎからのラリーを有利にする
というように位置づけたほうがいいでしょう。

また、クロスばかりでなく、
ストレートにバックハンドドライブを打てるようになると、
俄然得点率がアップします。

ある程度クロスに慣れたら、
ストレートへのバックハンドドライブをどんどん練習すべきでしょう。



357.スマッシュ(アタック)は必要な打法でしょうか……

こんにちは。はじめまして。
ハンドルネ-ム、ピン助です。
卓球歴は10年、指導者として8年目です。

全国レベルからローカル大会の選手まで指導しています。 

いつも卓球Q&Aを拝読したことを、
指導に利用、活用させていただいております。

 さて、スマッシュ(アタック)について秋場先生に質問いたします。

私は以前中国のナショナルチームにいた方に、
「日本人はスマッシュを使うが中国では使わない。
その理由はミスをしやすい、
ドライブのほうが安全だしスピードもスマッシュと同じくらい出る。
しかも、回転は見えないのでブロックミスが必ず出る」と聞きました。

確かにスマッシュはミスというリスクが高いし、
回転が見えないため守る側の面が狂うことも出ると思います。

 また以前、日本人はスマッシュを使うことで
大舞台で勝てないという論文を読んだことがあります。

試合の大事な場面でスマッシュで
コーナー狙いをするために、ミスが出て、
加えて精神的にも大きなダメージを受け、
そのショックは後のプレーに影響しやすい。

中国の選手は大事な場面では
強いドライブ攻撃を台の真ん中に集め戦う。
その方がミスというリスク少ないし精神的にも良い。
と書いてありました。 
確かに合理的な考えだと思いました。

 私の理解として、スマッシュの良い点は
ドライブよりモーションも小さく、スピードもあり、
回転も少ないのでブロックされても決まりやすい。

相手からすれば
いやな攻撃ということになります。

欠点としてはネットの高さ以上のボールを狙わなくてはならない、
直線的な球道の為ミスが出やすい、ということです。

 指導者としては選手たちには、
スマッシュは打たないでドライブで攻めなさいと教えています。

卓球はミスをしない方が勝つという考え方からも
ドライブを重んじています。

 ところが最近、日本の有名な指導者が
「日本が中国に勝つにはスマッシュを使うことだ!」
という声を聞きました。
日本のお家芸ということから、
スマッシュ復活を掲げ指導している方もいます。

 指導している選手の中に両ハンドドライブの戦型がいますが、
少し非力なため決定打がないため
スマッシュを取り入れようか悩んでいます。

いつもならドライブするボールでもときどきスマッシュ、アタックを入れて
相手の守りのタイミングを混乱させようという狙いもあります。

秋場先生の見解をお伺いいたします。


たしかにドライブは安全で、
しかも速いスピード、強力なトップスピン、バウンドしての変化、
さらにネットよりうんと低い打球点でも攻撃ができるなど、
数多くのメリットがある打法です。

だから、ドライブ打法誕生以来ずっと進化をつづけており、
現代卓球において最重要な打法として位置づけられているのでしょう。

卓技研ではドライブを「万能打法」と呼んでいます。

とくに中国は、もうその打球のほぼすべてに
ドライブというかトップスピンをかけており、
その中国選手のドライブ打球の威力は、
男女ともスピン、スピード、パワーとも世界最強です。

強力なドライブがあれば、
別に強打(スマッシュ、アタック)を使わなくても、
強打に匹敵するスピードをだすことも可能です。

このように、ドライブ打法の効用を十分に認識していますが、
以上のことを踏まえたうえで、
それでも強打は必要である、というのが卓技研の考えです。

なぜか? 

それは技術論「時代はハイブリッド・タクティックスへ。」
で展開しておりますが、
再度解説しておきたいと思います。

ここ数年前から、
小学生から一般社会人までの(レベルを問わない)大会で、
ラリーがつづくようになりました。

これはすくなくとも10数年前と比べると顕著な傾向です。

この原因はやはり40ミリボールになったということと、
ドライブボールにプレーヤーが慣れてきたことが
要因だと考えております。

以前なら、ドライブ一発で決まっていたのが、そうならない。

そこそこ強力なドライブでも、なかなか決定打とならない。

これは中学の地区の大会から全日本まで共通した現象です。

だから、ドライブ打法も、パワードライブはもちろん、
カーブ・シュート、それにサイドを切る、
バウンドして沈む、弾むなどの進化を見せることになりました。

でも、それでもなかなかドライブ一発で
ポイントになることは減少しています。

こんな時代のトレンドにおいては、ドライブだけではなく、
ドライブ的なベクトルとは異なる打球が必要となることは
歴史的な必然です。

そこで、ドライブと強打(スマッシュ、アタック)を織り交ぜた
ハイブリッドな戦法が浮上してくるわけです。

ドライブと強打はその打ち方のベクトル、
さらにそれぞれの打球を受けるベクトルも異なっています。

これは、このハイブリッド戦法を使う側は高い練度を要求されますが、
このドライブと強打が織り交ざったハイブリッドな打球を受ける側も、
さらにより高い練度が必要となります。

つまり、このハイブリッド戦法を使うのはむずかしいけれど、
それを受けるほうはもっとむずかしい、ということです。

そしてそういうテクニックや戦法の必要性がたかまったとき、
もうかならず歴史の必然として、難度の高いほうへ進むのです。

そう、むずかしいけど、これをやれば勝てる、ということがあれば、
プレーヤーや指導者は、もう絶対にこれを選択するのです。

では、なぜドライブと強打を織り交ぜた
ハイブリッド・タクティックス(戦法)がそれほど有効なのか。

その最大の目的は相手のタイミングを外すことができるからです。

スポーツ競技の多くは、いかに「タイミングを外す」かにかかっています。

レベルが上がれば上がるほど、このタイミングがキーポイントになります。

人間は予測したことにたいして、最初は対応できなくても、
そのモノゴトに何回か遭遇しているうちに、
かならず対応できるようになるものです。

たとえば、バックサイドのこの場所と決めてドライブを打つとき、
はじめはなかなか対応できなくても、
何回かそのボールを受けているうちにリターンできるようになります。

コースとそれがドライブの球質がわかっていれば、
そのボールを何回か受けて慣れてくるに従って対応できてくるのです。

だけど、これが同じコースに打つと決めていても、
ドライブと強打、どちらの打法で打ってくるのかわからないとしたら、
これは何回か受けてもそうは対応できないものです。

なぜなら、強打が混じると、
ドライブだけのタイミングで待つことができないからです。

強打とパワードライブでは、
その飛んでくる打球のベクトルがちがうからです。

そのちがいのポイントを以下に挙げます。

1.インパクトのボールの持ち方のちがい。

2.飛んでくる弾道のちがい。

3.スピードのちがい。

4.スピンのちがい。

以上のなかで、とくに1と2が重要です。

ドライブはラバーでボールをこすりあげますから、
とうぜんラケットとボールの接触する時間が長いものです。

ドライブを受けるほうは、そのインパクトのタイミングで待ちます。

また飛んでくる弾道はドライブはふつう放物線を描き、
その弾道を予測して受けるほうは待っています。

このドライブの1と2の待ち方に、
プレーヤーはもう慣れてしまっているのです。

もう、このインパクトと弾道のタイミングの感覚が、
プレーヤーのなかに刻み込まれているのです。

だからドライブが効かなくなり、
その結果ラリーがつづくようになったわけです。

でも、ここにドライブとはまったくベクトルのちがう強打が混じれば
いままでのようにドライブもそうは簡単に対応できなくなります。

ドライブを予測していて、いきなり強打を打たれると、
トッププレーヤーでもおいそれとは対応できません。

これは野球でもそうです。

打者が変化球を待っていて、直球がくると、
見逃しか振り遅れとなります。

だから、プロ・アマ問わず、どんな投手でも
変化球と直球を織り交ぜて投げ込みます。

これと同じです。

いくらドライブにスピードやスピンなどの変化を付けても、
ドライブというベクトル(タイミング)は同じです。

ですから、タイミングを合わせやすくなるのです。

野球の投手の最重要な投球術は
いかに相手打者のタイミングを外すかです。

卓球も、このタイミングをいかに外すか、
という時代に入りかけています。

ドライブだけでは通用しなくなる時代が、もうそこまできています。

ただ、ドライブの重要性はこれからも変わりません。

ドライブはやはり安全で強力で、
しかも攻撃と防御を併せ持った
万能打法ということに変わりはないのです。

このドライブを活かすためにも強打が必要と言ってもいいでしょう。

それと、ご質問の内容を読んでいて気になったのは、
スマッシュが危険な打法だと強調されていることです。

もちろん、スマッシュというか強打は
直線的な弾道で飛ばす打法ですから、
放物線に打てるドライブより、
相手コートに入る確率が減少することはたしかですが、
実践面では、それほど危険性の高い打法とは
卓技研では認識していません。

それと、「卓球はミスをしないほうが勝つ」ですが、
たしかにミスしたほうがポイントをとられるわけですから、
そうなんですが、この考えをあまりに強調しすぎるも考えものです。

「卓球はミスをしないほうが勝つ」と言うなら、
「相手のミスを誘ったほうが勝つ」と言ってもいいわけです。

そしてもっとも相手のミスを誘うのが強打ということになります。

まあ、これは言葉のアヤというか、相対的なものだと思います。

卓技研の指導では「卓球はミスをしないほうが勝つ」とは言いません。

ときどき、試合で「安全なクロスに打ちなさい」と
アドバイスする人がいます。

一見合理的なアドバイスに聞こえるかもしれませんが、
これほど馬鹿げたアドバイスもないでしょう。

ケースバイケースで、ストレートのほうが簡単で、
クロスに打つのがむずかしいこともあるし、
第一いつもいつもクロスに打っていれば、
どんな相手だって簡単に対応されてしまいます。

それにストレートコースはクロスに比べて短いといっても、
ストレートに打つことが、
実践ではそれほど優れた技術力が必要ではありません。

以上は蛇足ですが、「安全」という概念というか言葉は、
そのプレーヤーの個性や可能性というか、
より大きな成長の妨げになるきらいがあると危惧します。

日本が中国に勝つには、というレベルで述べると、
かならずしもスマッシュを打つ打たない、
ということだけの問題ではすみそうにありません。

ただ、ドライブと強打を織り交ぜた
ハイブリッド・タクティックスをマスターしたほうが、
その可能性はより大きいことはまちがいありません。

それと、「日本の有名な指導者が
「日本が中国に勝つにはスマッシュを使うことだ!」
という声を聞きました」ありますが、
その「有名な指導者」とはどなたなのでしょうか。

非常に知りたいです。

とっても好きなタイプの質問だったので、つい長文になってしまいました。

また、エキサイティングなご質問をお寄せください。


356.中ペンの裏面ドライブ打法をぜひご教授ください……

こんにちは。二回目の質問になります。

陽といいます。(前回のネーム忘れました)よろしくお願いします。

さて、質問なんですが、現在私は中国式ペンホルダーを使っていて、
その裏面打法についてです。

裏面打法をするようになって三年弱、
そこそこの打球は打てるようになりました。

しかし、強い打球や安定した打球(特にドライブ)がうまくいかず、
悩んでいます。

グリップの工夫、手首を効かせる・効かせない、
フォロースルーの方法など
打ち方を色々試したりしてはいるのですが・・・

また、王皓選手をビデオで研究したりしてもいますが、
なにぶん身体能力(とくに手首の柔軟さなど)が違い、
上手くいきません。

是非裏面打法でのドライブについて、御教授頂ければと思います。

中国式ペンホルダーのグリップや、フォアハンドドライブについても、
合わせて解説頂ければ幸いです。


お答えします。

ペンのバックハンドドライブですが、
基本的にはシェークのバックハンドドライブと
同じスイングでいいでしょう。

あるいは、シェークのチキータのスイングに近い
といったほうがいいかもしれません。

チキータのほうが、ペンのバックハンドドライブは
イメージしやすいでしょうね。

というのも、バックハンドドライブはシェーク、ペンとも、
手首を内にぐっと巻き込むことがポイントとなるからです。

巻き込むことによって、
バックハンドドライブのパワーを得るのです。

いまではバックハンドドライブは、
もう当たり前のテクニックとなりましたが、
日本でバックハンドドライブを打つプレーヤーを見たのは、
たかだか20年ほど前のことです。

その前はそんな技術は卓球界には、
ほとんど存在していませんでした。

なぜ、こんなにバックハンドドライブを打つ
プレーヤーの出現が遅かったのかというと、
やはり人間の身体の構造からいうと、
ちょっと無理のあるスイングだったからでしょう。

威力からいうと、フォアハンドドライブとはまったく比べようもなく、
回り込んでフォアハンドドライブを打てばよかったわけです。

ところが、卓球の進化で高速ラリーの時代となり、
なかなかフォアで回り込めなくなり、
バックハンドドライブを使うことで、
高速時代に対応することになったのです。

まず、シェークから始まり、そしてペンでも裏面を使うことで、
バックハンドドライブが比較的容易に使えるようになったわけです。

ただし、威力からいうと、身体構造から
やはりフォアハンドドライブとは如実に劣ります。

では、ペンの裏面ドライブのポイントを列挙してみましょう。

1.バックスイングで手首を巻き込む。

2.時間的に余裕があるときは、
腰を下げ、ラケットも下げて、十分なタメをつくる。

3.フォロースルーは長くとったほうが威力がでる。

4.ロングラリーでの裏面ドライブでは
できるだけラケットをかぶせたほうが安定する。

以上の1~3はツッツキのボールをドライブする場合です。

4のラケットをかぶせるには、粘着ラバーが打ちやすいでしょう。

中国式のグリップですが、裏面打法を使う場合、
裏面を押さえるグリップの指は丸めます。

そのほうが手首が効きやすいからです。

また指にボールを当たることを防止する効果もあります。

それ以外は、あなたのプレースタイルや好み、フィーリングで、
グリップを決めればいいのです。

また中ペンのフォアハンドドライブですが、
日ペンもシェークとも同じやり方で問題ありません。


355.試合になると相手のドライブをうまくブロックできません……

ハンドルネーム メンデルバックと申します。

昨年12月頃から本メルマガを知り
先日はパーフェクトマスターも手に入れ勉強させてもらっております。

卓球暦は10年目に入る好きな横好きです。

使用ラバーはフォアーが表(ブースター)バック面はキョウヒョウです。
どちらかと言えば前陣速攻タイプです。

質問の内容はドライブマンとラリー等している時は
相手の方からも「よく返ってくるね」と褒められ
自分でもドライブ対応については少し自信も出てきたのですが
試合になるとほとんど返せません。

或る時はオバーに。或る時はネットに掛かってしまいます。
バック側に攻められた時はイッチカバッチで
時々チキーターが決まりますが
ほとんどはオバーします。

バック側はさて置くとして
先ずフォアー側に攻められた時何とか返したいのですが
どうすればよいのでしょうか。

ご指導賜りたく。
宜しくお願い致します。


お答えします。

ドライブにたいするブロックで、練習ではよく入るけれど、
試合になると入らないということですね。

まず、考えられるのは、
やはり練習と試合では「相手がちがう」ということ。

いつも対戦している相手のドライブなら、
そのコースや回転量、スピードなど、よくわかっていて、
それに対応することも慣れているので
うまくブロックできるのでしょう。

その点、試合では初めて対戦する相手なので、
いつもの練習相手のようなドライブボールではないので
うまく入らないのです。

また練習では先に攻めなくても、それなりに勝てるのですが、
試合になると攻めたほうが有利になることが多い、
ということもあります。

試合では強力な打球でなくてもいいから、
とにかく先制攻撃すると有利という、
ある種の法則みたいなものがあるんですね。

もちろん、すべてそうなるというわけではありませんが、
このことは多くの方が経験値からそう思っているはずです。

この先制攻撃はツッツキ系(サービス、レシーブも含む)
のボールを先に「起こす」という程度のものも入ります。

さて、ご質問の試合でも入るようになる
ドライブに対応するフォアハンドブロックについて解説してみます。

まず、大前提として、
相手が十分な体勢でドライブをかけられると、
たとえブロック技術が優れているプレーヤーでも、
そうはリターンできないものです。

たとえばスピン系のサービスをあなたがツッツキでレシーブしたとき、
ネットより20センチも30センチも高いリターンをすると、
相手がドライブでくるとわかっていても、
その相手が打ってくるドライブコースの判断がつきにくくなって
(たとえ、ほぼフォアサイドに打ってくると思っていても)、
なかなか対応できないものです。

ですから、相手にドライブを打たせる場合は、
できるだけ相手に十分な体勢をとらせないようにしたいものです。

そして、相手に十分な体勢をとらせない場合、
その相手が打つドライブは、
回転量やスピード、パワーが減少するばかりでなく、
相手が打てるコースも制約されて、
どこにドライブするかだいたいわかるものです。

以上を踏まえて以下のような
ブロックテクニック(前陣対応)をマスターするといいでしょう。

1.ラケットを下から出さない。
構えるラケットの高さは、台より下にならないこと。

2.ラケットが外側に開かないようにする。
右利きなら右側に向かないこと。

3.手だけでブロックするのではなく、「腰で止める」という意識をもつ。

4.足をつかって早く移動して、相手のドライブを迎え撃つ。

5.できるだけ相手のドライブボールは
バウンドした直後のライジングをねらう。
そのほうが相手のドライブの威力を軽減できる。

6.飛んできたドライブボールの右側面を叩く(右利きの場合)。

以上、こんなところでしょうか。

それとこれは蛇足ですが、前陣速攻タイプなら、
相手に先にドライブを打たせて
それをブロックやカウンターするというのではなく、
可能なかぎり自分から先に攻める
ということを最大限考慮すべきです。


354.ループドライブのポイントをわかりやすく解説してください……

こんにちは。

ハンドルネーム ペンドラーです。

今、ドライブの回転を上げるコツをつかむ為に、
ループドライブの練習をしているのですが、
垂直に擦り上げるというのが今一つ感覚がつかめません。

具体的には、通常のドライブの様に斜め上に振り上げてしまい、
ラケットは立っているので、
打球は飛びすぎてオーバーしてしまいます。

垂直に擦り上げるという事は、
ボールの真後ろを擦り上げるのでしょうか?

だとすれば、結構空振りしてしまい、
難しいかな、と思っています。

スピードドライブの様に斜め上を打球するのは
飛んでくる球に対して打ち返す形になるので、
理解し易いのですが、ループドライブは、
ラケットをどういう角度で
ボールのどのポイントを捉えれば良いのか、
分かりやすく解説いただけないでしょうか?


まずループドライブの基本的なスイング方法について
解説してみましょう。

1.ラケット角度は台にたいして垂直に立てる

2.スイング軌道は真上に振りあげる。
フィニッシュのラケットの位置が頭の後ろにくることも

3.ボールの真後ろに当てる

4.腰の動きは下から上に、
屈伸というかスクワットをしている感じ

5.ラケットのブレードにボールを当てるのではなく、
ラバーだけでこすりあげる。薄く当てる感じ

以上、こんなところでしょうか。

純粋なループというのは、
(トップ)スピンをかけることに比重を置いた打法です。

そう、回転のみを重視しています。

ですから、上記の1から5のように、
真上あるいは垂直の角度や軌道になり、
ラバーだけの摩擦でこすりあげるということになります。

ボールをブレードに当てず、
食い込ませないようにこするわけですね。

ブレードに当たるだけ、
スピードは増し、スピンは減少します。

要は薄く当てるわけです。

ボールとラケットの当たる接地面が少ないので
空振りが多くなるプレーヤーもいます。

このループをより確実に入れようとするなら、
打球点を落として、
腰でボールを持ち上げるように意識することです。

そして、インパクトのときに、
腰をぶれないようにして、
スイングと腰の上下運動を同じタイミングにすることです。

腰を中心としたぶれが、
ラケットのぶれにつながり、
空振りを招きやすくさせるのです。

ただループはいまや攻撃的なドライブというより、
守備的、安全を重視した、つなぎ的なドライブ打法でしょう。

程度の差こそあれループは、
「山なりの弾道」、それに
打球のときにボールを「持つ時間が長い」からです。

いまやループはドライブ打法のなかで、
主砲ではなく補助的な役割として機能しています。

とはいっても、ループ打法がまったく不必要といってるわけではなく、
やはり試合になると、さまざまなケースがあり、
どうしてもループで凌がなければならないことがあります。

ところで、「ドライブの回転を上げるコツをつかむ為に、
ループドライブの練習をしている」とありますが、
それならループではなく、他の方法も試してみてはいかがでしょうか。

その打法のほうが、攻撃的ですし、
相手にとってはかなり脅威となる打球ですから。

それはループとはまったく反対のやりかたです。

1.ラケット角度は台にたいして前にかぶせる

2.スイング軌道は水平に振る

3.ボールの上部から斜め上に当てる

4.腰の動きは水平に回転させる

5.ラケットのブレードにボールを当てるのではなく、
ラバーだけでこすりあげる。薄く当てる感じ

1から4までは、ループとは逆の動きです。

この打法を「水平ドライブ」とでも称しますか。

でも、5は同じです。

ラケットは前にかぶせるので、
打球したボールが上がらず
ネットミスすることが多くなるかもしれません。

しかし、スイングスピードを上げると、
ボールは持ち上がり、ネットミスはありません。

しかもスピードがあって、スピンも強力です。

なぜ、5のように薄く当ててもスピードが出るのかといえば、
スピンの威力でスピードを出すからです。

ボールを回転させる力によって
スピードも出ると表現してもいいでしょう。

ぜひ、こちらの水平ドライブを
マスターされることをお勧めします。

なお、上記のループドライブや水平ドライブのやりかたは、
かなり極端に書いていますのでご承知おきください。

卓技研・秋場龍一


353.ダブルスになるとカット打ちのドライブが上手く入らないのですが……

こんにちは。

カット打ちの仕方について質問したひろなかです。

僕は試合で右・右組のダブルスとして出ることが多いのですが、
下回転のサーブをかけて入れようとすると
どうしても浮いたりオーバーしたりします。

自分ではダブルスで下回転サーブを打つのに
慣れていないからだと考えているのですがどうなのでしょうか?

また、ダブルスでドライブを打つとき中途ハンパなコースにはいり、
コースをつけられてブロックされてしまいます。

これを防ぐためにはどのコースをねらったらよいでしょうか?

アドバイスをお願いします。


お答えします。

ダブルスだと、浮いたり、オーバーしたり、中途半端なコースに入る――
ということですか? 

ではシングルスでは、そんなことがない? 

もし、それが本当なら、
ダブルスでの二人の動きに問題がある
ことしか考えられませんね。

ペアの相手が打ったあと、
自分が打つためのスペースと時間が十分に確保されていれば、
条件としてはシングルスと同じですから、
上記のような問題は生じないわけです。

おそらく、スペースや時間が十分とれないために、
両足のスタンスやバックスイングが
窮屈になっているのでしょう。

ダブルスでは打ったら、
ペア相手のためにすぐに動くこと、
これがオキテです。

右・右のペアですから、基本的な動きは時計回りです。

ただし、これはあくまで原則で、
バックサイドで打てば左側に動いたり、
ペア相手の位置や自分の位置によっては、
すぐに後ろに下がったりすることも必要で、
ケースバイケースの動きが要求されます。

このへんは、二人のコンビネーションというもので、
やはり練習や試合を積み重ねていくことで、
しぜんにスムーズな動きができてくるものです。

とにかく、自分が打ったら、すぐに移動して
ペアの相手がプレーしやすいスペースと時間をつくることです。
そのことをペアを組む選手と確認するといいでしょう。

そして、ダブルスでのコースを決めたものや、
あるいはオールコートでの
フットワーク練習に時間を割くことをおすすめします。


352.カーブやシュートドライブの戦術的な使い分けがよくわかりません……

シルクです。
よろしくお願いします。

攻撃の幅をひろげたくて
シュートドライブとカーブドライブの練習をしています。

打ち方などは打球のタイミングやラケットの角度を変えるなど
の説明でわかりましたが試合などで使う時の事を教えてください。

ボールを曲げることや相手の逆をつくという効果がある
のはわかるのですが
他にはどういうときにカーブとシュートを使い分けると効果的ですか?

試合の展開の中での使い方がよくわかりません。

あと下回転やナックルなどに対しても
カーブドライブやシュートドライブを使えますか?

普通の前進回転のラリーの時に使うほうがいいのでしょうか。

初心者的な質問ですみませんがご指導よろしくお願いします。


カーブドライブ、シュートドライブの戦術的目標の第一番目は
相手プレーヤーから遠くに逃げてゆくボールを打つことです。

つまり相手がラケットを伸ばしても届かないようにするためです。

とくに相手が中陣から後陣に下がっている場合、
ボールを曲げればそれだけ延長線上に角度が広くなり、
相手は大きく動く必要があるわけです。

カーブとシュートの使い分けは、そこにあります。

たとえば、お互いに右ハンドのプレーヤーが
フォアクロスのラリーをしているとき、
カーブドライブで曲げれば、
その打球を受ける方は右サイドに大きく動かされるわけですね。

これは相手から遠くに打つことによる効果をねらったものですが、
この逆の方向に、相手の体近くをねらって曲げることで
効果をあげることもあります。

同じフォアクロスのラリー展開で、シュートドライブをかければ、
相手がラケットを出しにくいフォアミドルをつくことができるわけです。

ただし、このフォアクロスのラリーでシュートドライブをかけるのは、
カーブドライブよりも技術的には難度が高く、
そうたやすくシュートドライブを打てるわけではありません。

第二番目はボールを曲げて変化させることで、
相手選手のミスを誘うことです。

つまり相手の想定しない変化によって、
ラケットのヘッドや角、指に当てることをねらうわけです。

下回転やナックルのボールにも、
シュートドライブもカーブドライブも使うことはできます。

ロング系のボールだけではなく、
ツッツキやカット、サービスのスピン系にも使えます。

原則的にはどんなボールでも、
左右に曲げる変化ドライブをすることは可能です。

ただし、とくに下回転のよく回転のかかったボールを
シュートやカーブをかけると、そのボールの回転に負けて
ボールが上がらずミスする確率が高くなります。

下回転とラケット角度の関係ですね。

これは練習を積んでゆくと、
これくらいの回転ならこういう角度がいい、
ということがわかってきますが。

いまやカーブやシュートの横に曲げる変化ドライブは、
トッププレーヤーにはなくてはならないテクニックです。
そして、いずれこのトレンドはトップより下のクラスにも
かならず波及します。

ですから、試合を有利にすすめるために、
しっかりとマスターしてください。


351.友人との練習で双方が上達するやり方はないものでしょうか……

はじめまして。ハンドルネーム 醤油マジ万能と申します。
このサイトをいつも拝見させていただき、
実力向上に役立てさせていただいております。
25歳男右シェーク裏裏です。

私は週に二回のペースで練習をしています。
一度はクラブチームで、片方は友人と二人でです。

友人(右シェーク裏裏)は私と週一回練習するのみなのですが、
最初の二時間はドライブ対ブロックなどテーマを決めて練習し
最後の一時間でオールコートのフリーをします。

そのオールコートの練習で
彼がサーブをだし、私がツッツキで返すと、
彼はそれをループドライブで上げるとミスしてしまうため
(彼はオールコートになると持ち上げるドライブが
まったくと言って良いほどはいりません)
「打ち抜くほど強力なドライブ」か「ネットに突き刺さるドライブ」になり、
ほとんどが後者のため練習にならないので
私はチキータで上回転にして返します。
そうすると今度はその上回転を
上から叩きつけるようなスマッシュで打ってきます。

入れば強力なのですが、やはりほとんどネット直行です。

友人のラケットには硬いカーボンが入っているためか、
入るとすごく速いボールが来るのですが、
「つなぐドライブ」が一球も来ないため私がつなぐドライブを打ち、
彼がそれをスマッシュで打ち抜くか、
ネットに突き刺すか吹き飛ばすかで終わってしまいます。

友人は私としか打たないため、
打てるだけ打って楽しいのだと思いますが、
私はなんだかボール拾いに来ている様な気分になってしまいます。

木材のラケットに変えればループもやりやすくなるのでは?
と助言するのですが
壊れてもいないのに変えるというのは信条に反するようで
却下されてしまいました。

ほとんど愚痴のような内容になってしまい申し訳ございません。
彼は大切な友達で、会う機会もそのときしかないため
卓球の時間は大切にしたいのですが
二人で上達に繋がるいい練習法や考え方はないものでしょうか?


今回のご質問は「技術」というより、
「人間関係」の問題に近いような気がします。

まあ、でもこういう悩みも、どこのクラブや練習場でも
ありがちなことなので考えてみることにしましょう。

まず、オールコートのフリー(いわゆるオール)という練習ですが、
この練習法は一長一短あります。

もっとも試合に近い練習法であり、きわめて実戦に即しているので、
有効な練習法の一つではあります。

しかし、試合(ゲーム)ではないので、勝ち負けがつかず、
つい勝負の緊張感のないなかで行われるため、
あなたのお友達のようなプレーも起きてしまいがちです。

だって、いくら自分がミスしても
勝負の点では痛くもかゆくもないのですから。

オールはほどほどにして、せめてその半分の時間をゲームにして、
カウントをとって、勝負の緊張感のなかでやればどうでしょうか。

そうすればお友達のようなケースはなくなるのでは。

まさか、お友達は大会でも、
あなたとのオールの練習のようなことはしないでしょう? 

あるいはオールをやめて、時間内で何ゲーム(セット)もやって、
セット勝利を競うというのはどうでしょうか? 

10セット、20セットと同じ相手とゲームをしていると、
相手の長所弱点だけでなく、自分の長所弱点が洗いざらい露呈して、
自己分析するにはいいやりかただと思います。

あと、もしビデオ撮影機をお持ちなら、
それで二人の練習をずっと撮り続けて、
あとでお友達に観てもらうのもいいかもしれません。

実際にプレーしている自分が想っている「現実」と、
ビデオがまさに客観的に撮っている「現実」とは、
かなりの開きがあるものです。

それを観たお友達は、きっと
「あ、こんなに自分勝手な練習をしている」と気づくことでしょう。

もしそれでも、気づかないのであれば、もうはっきり、
「こんなオールでは自分の練習にはならない。
俺は球拾いに来てるわけじゃない」と言うべきでしょう。

それが言えない仲って、「友達」の範疇に入るのでしょうか。

まあ、これは余計なことですが、筆者はそう思ってしまいます。

また、他の練習法もいくらでもありますが、
たとえば60分オールをやっていたとしたら、
その時間をお互いが自分のしたい練習にシェアする手もあります。

具体的には60分を半分に区切って、
30分ずつ自分のやりたい練習をやり、
相手はその言われた通りにボールをだすのです。

これなら、たとえ相手が自分勝手に打ち込んできても、
あと半分は自分の練習のための時間があるのですから、
大きな不満にはならないでしょう。