Q&A281~290 of 卓球技術研究所t3i

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卓球281~290

290.相手打球にたいしての動きだし、タイミング、コースの読みについて……

こんにちは ハンドルネーム ペンドラーです。
前回はフットワークについて質問させて頂きました。

今は多球練習ができる環境にないので、
ご教授頂いた回り込みや飛びつきなどの練習を
練習相手と取り組んでいる他、
フットワークと素振りを合わせたシャドーなどは毎日やっています。

インパクトの瞬間に相手を見るというのも、
なかなか集中力を持続させるのは難しいのですが、
それによるメリットはなるほどと分かるような気がします。
意識しなくても動ける様、
体が憶えるまで根気良く続けようと思います。

さて、今回は卓球仲間から聞かれた事なんですが、
上手く答えられなかったので、
また自分も理論的に理解しておきたいと思い、
質問させていただきます。

やはりフットワークに関連するのかと思うのですが、
相手の打球に対する待ち方、
動き出しのタイミングについてです。

相手の打球がフォアに来るか又はバックに来るか素早く判断して
飛んで来るコースに少しでも早く動かないと
十分な体勢で打ち返すのは困難だと思うのですが、
コースの判断はどのようにしたら良いのでしょうか?

自分が打球したコース、深さ、
相手のラケットの角度などから判断して
動き出せば良いのではと思っているのですが、
ある程度早めにヤマを張って動き出しても良いのでしょうか?

もちろん自分の推測どおりに
相手の打球が来るとは限らないし、
コースが合っていても飛んで来る角度に誤差があったりするので
何割かは逆のコースに来ることも想定して
実際に逆に来たら修正して対応しなければならないと思うのですが、
やはり相手が打球する前に動き出す方が良いのでしょうか?

卓技研で言っている様に
自分が打球する際に相手を見るとありますが、
そこで瞬間的に判断して動けば良いのでしょうか?

その判断はフットワークだけでなく、
他の技術を活かすのに最も重要だと思います。

私は今まで感覚的に何となく動いていたので
その仲間に上手く説明できなかったのですが、
実際、実戦でその読みが悪く、
相手の打球に付いて行けず
自分の力を発揮出来ずに負けてしまう事もしばしばあります。

まとまりの無い質問ですが、
これがすっきり理解出来れば一つ上のレベル行けそうなので、
是非ご教授願います。


お答えするのが大変遅くなり申し訳ありません。

ご質問の「相手の打球に対する待ち方、動き出しのタイミング」
「相手が打ってくるコース判断」についてですが、
まあこれがすべてわかれば
絶対的優位になることはまちがいないところです。

しかし、残念というか、至極とうぜんというか、
これがわからないから
卓球のおもしろさや妙味が生まれるにちがいありません。

とはいっても、まったくそれができないというわけでもなく、
次のようなメソッドがあります。

1.以前から述べていますが、インパクトの瞬間に相手を見る。

2.相手コートに「深く」「速く」「伸びる」打球が入ると、
クロスやセンターにリターンされることが多い。

3.2の逆に、「浅い」「遅く」「高く」打球が入ると、
ストレートコースやどこに打たれるか読めなくなる。

4.相手のフォアミドル(右のパンツのポケット付近)に
「深く」「速く」「伸びる」打球が入ると、
クロスやセンターにリターンされることが多い。

1は訓練すればできるようになります。
とくにサービスの練習のときは
意識してインパクトの瞬間に相手を見るようにすれば、
3球目攻撃への動きが驚くほど俊敏になります。
これをもっとも実行していたのが
中国の女子世界チャンピオンだったチャン・イニンです。

このメソッドは特別な才能を必要としません。
そのように日々訓練すれば、
遅かれ早かれ、誰にでもマスターすることができるものなのです。
しかもそれほど難しいものではなく、
サービスを出すときに、
「相手を見る」という意識付けをすれば、
そのうちにできるようになってくるものなのですから。

2~4は、これは経験的に理解されているプレーヤーも多いはずです。
ふだんの練習では、
深くて速いボールを打つように意識することです。

これだけである程度は相手のリターンコースが読めるものです。
また、「深く」「速く」「伸びる」打球をしても、
相手がストレートに強力なボールをリターンするなら、
その相手プレーヤーのレベルは高いということになります。

逆に言うと、こちらの打球コースを相手に読めなくするには、
こういう「深く」「速く」「伸びる」ボールにたいして、
クロスだけではなくストレートにも打てるように
訓練を積むことが肝要となるわけです。

レベルが高くなるほど、コースの読みあいということになり、
いかに相手の読みを外すかが勝負のポイントとなります。
そのために、
クロスに入ってきたボールをストレートにリターンするとか、
フェイントや逆モーションを
トッププレーヤーは駆使するのです。
そしてそのようなテクニックにもっとも長けているのが、
日本では水谷隼でしょう。

具体的に「コースの読み」というか
「ヤマを張る」ことを述べるのなら、
フォアサイドへの読みで早く動いたとして、
逆のバックサイドを突かれても、
バックハンドで対応できて、
一発ノータッチで抜かれるケースは少ないのですが、
問題はバックサイドやフォアハンドで回り込むケースです。

このとき読みが外れば簡単にノータッチをくらいます。
しかし回り込まず、
いつもバックハンドで対応していては
攻撃力がダウンすることにもなりかねず、
その判断が難しいところです。

その解決策は
実はバックハンド系技術を高めることなのです。
そうすると、ある程度余裕をもって対応できるので、
フォアサイドへ回り込んでも読みを外されることが少なくなります。

それともう一点、
コースの読みだけに頼らず、
フットワークと切り替えの速さでも対応するように心がけるべきです。

そのためには――

1.腰から始動する。

2.ラケットを構える位置を高くする。

3.ひざのクッションを柔軟に使う。

ことが大切です。
卓技研・秋場


289.「力を抜け」と周囲から言われるのですが……

いつもお世話になっております。
ハンドルネーム、マリモです。

質問ですが、
僕は試合の中で打球すると台上プレー以外は
全球フルスイングして入る時はいいのですが
入らないと負けるという単純な選手になっています。

馬龍もテレビ解説では
全力フルスイングをしていると言っていますが、
僕の周りの人はもっと力を抜けと言います。
試合と練習での力加減について教えて下さい。


お答えするのが大変遅くなり申し訳ありません。

結論から述べます。

全力でフルスイングするということは、
かならずしも力が入っているわけではない、ということです。

力を抜いて、全力でフルスイングすることができるのです。

ここでは「力を入れる」という言葉が
「力が入りすぎる」「力んでいる」と同義語で使われていますが、
このように力を入れると、全力でスイングできないのです。
なぜなら、「力が入りすぎる」たり「力んでいる」からです。

いいでしょうか、
「全力フルスイング」というのは力が抜けているから、
できるのです。

馬龍のスイングを観て、
「力が入りすぎる」とか「力んでいる」ように映るでしょか? 

確かに「力が入りすぎる」とか「力んでいる」本人が語るように、
「全力スイング」しているかもしれませんが、
「力が入りすぎる」とか「力んでいる」ようには映らないはずです。
ここがポイントなのです。はい肝です。

そして、「力が入りすぎる」とか「力んでいる」と、
思わぬミスが出るようになります。
それはとくに試合の局面や終盤の競ったときです。
なぜなら、ふだんから「力が入りすぎる」とか「力んでいる」うえに、
緊張する場面では
なお「力が入りすぎる」とか「力んでいる」状態になるからです。

では、なぜあなたは周囲から「力が入りすぎている」と映り、
馬龍はそう映らないのでしょう?
それはずばり身体のバランスです。

あなたのスイングしている状態は観なくてもおおよそわかります。
肩から手にかけて力が極端に入っているでしょう。
そうなんです、
「力が入りすぎている」状態というのは腕と手に力が入りすぎて、
その力から得るパワーに頼ったスイングなのです。

いっぽうの馬龍は
スイングが速いのに力んでいるように映らないのは、
身体全体を使ってスイングしているからです。

では身体全体を使ってスイングにはどうすればいいのでしょうか?
それは身体のキーポイントを意識して、
そこから初動するようにすればいいのです。
もうおわかりですね。
「腰」です。「身体の要」と書く腰です。
この腰からスイングをスタートさせれば、
腕や手に極端に力がはいることもなく、
しかも腕や手を使って得られるより
数倍、数十倍のパワーが得られるのです。

まあ、このことを以前から何度となく述べていますが、
以下については本邦初公開です。

腰から初動し、
体重移動しながらパワーを得るというように
多くの卓球の入門書や指導者もアドバイスします。
筆者(卓技研)もそう述べています。

これは解説をわかりやすくするために述べているのであって、
実は解説しているように体重移動などできるものではないのです。
ためしに、強打でもドライブでもいいですから、
右利きだとして、
右足から左足にはっきりと体重移動(あるいは重心移動)を
やってみてください。
これを正確にやろうとすればするほど、
力など入らないはずです。
ものすごくぎくしゃくするはずです。

こういう体重移動で
たとえば粒高カットマンのよく切れたカットボールを
ドライブでリターンなどできるものではありません。
下から上には移動しますが、
いわゆる右足から左足への体重移動をすると、
よく切れたカットボールはなかなか上に上がらないものです。

なぜか、力が分散するからです。
おそらくそういうカットボールをドライブしようとすれば、
右足に体重が残りながら、
ドライブしたインパクト後に
フォロースルーでようやく左に重心が移っているかもしれません。
あるいは右足に体重というか重心が残ったまま、
左足が浮いているかもしれません。
でも、それでいいのです。

ためしに現代のトッププレーヤーのドライブを
動画や連続写真で見るといいでしょう。
もっともひとむかし前なら、
右足から左足へ
豪快に体重移動する一流のドライブマンも存在しましたが、
現代卓球はそんなことをしている時間を与えてはくれません。

これからは「体重移動」という
線形的な身体の動きでパワーを得るのではなく、
インパクトに向かって身体のエネルギーがすべて集約される
「並列的集中」が求められるでしょう。

それは驚くほど演算が速い量子コンピュータのようなイメージです。
名づけて量子卓球ですか。
線形から並列へ。
よりスピーディに、よりパワフルをめざすなら、
この身体の動きを意識ながら打法に取り組んでみてください。
そうすれば、
力が抜けた全力スイングになっていることでしょう。
秋場龍一


288.カットマンへの転向を勧められたのですが……

はじめまして。
中一の女子です。
今シェイクハンドの裏表を使っています。

まだ、卓球を始めて4ヶ月くらいしかたっていないのですが、
カットマンへの転向を悩んでいます。

私の学校の女子卓球部員は、
1年生で12人で、
カットマンが2~3人欲しいということで、
声をかけられました。

前回のランキング戦で、
11人中の8位でした。このビミョーな順位に悩んでいます。

このまま努力した方がいいのか、
思い切ってカットマンに転向した方がいいのか・・・。

背は高い方ですが、
粘り強いかといわれれば、
そうでもないようです。

カットマンになったからといって、
うまくなれるとはかぎらないしこのまま続けていれば・・・
と言う後悔はしたくありません。

カットマンに向いているかも分からないので、
アドバイスお願いします。
ハンドルネーム  coconuts


大変お答えするのが遅くなり申し訳ありません。

カットマンへの転向を勧められているということですが、
卓技研の考えは以前から述べているように、
本人のフィーリングしだいです。

カットマンでも、ドライブマンでも、
表の前人速攻でも、粒高の反転守備型タイプでも、
その本人が「自分に合っている」
「感じがいい」と思えばやればいいし、
たとえ監督やコーチ、先輩、顧問などから
「君はこのタイプが向いている」とか
「チームのプレースタイル事情(カットマンや粒高がいないから)」という理由でプレースタイルの転向を勧められても、
それがやりたくないと思えば
やる必要はまったくありません。

ただし、そのような勧告を
聴く耳はもっておいたほうがいいでしょう。

案外、自分がどんなプレースタイルに向いているか、
自分ではわからないものですから。
カットマンなんてやりたくないと思っていても、
しばらく練習してみると意外にできたりする、
なんてこともあるものです。

それでも勧められたプレースタイルを
どうしてもやりたくなければ、
はっきりと拒絶したほうがいいでしょう。

なぜか。
もちろん、そんないやなプレースタイルでやったとしても、
卓球がおもしろくないからです。
ここは卓球というか、スポーツというか、
ものごとをやる原点です。

自分でやっておもしろい、
楽しいから、卓球をするのです。
だからこそ、
ハードで辛いトレーニングや
試合で負けたときの悔しさを味わっても、
また卓球に向かっていけるわけです。

カットマンになるかどうか、
まず自分にたずねてみてください。
好きかどうか。やりたいかどうか。

そして、どうしても判断がつかない場合は、
思い切ってやってみてもいいかもしれません。
それで何週間か何カ月かやってから、
だめならまたもとの、
あるいはまったく別のプレースタイルを
選択してもいいのではないでしょうか。

そのあいだの期間を無駄だと考える必要はありません。
たとえ異なったプレースタイルで練習したとしても、
それはかならず自分のプレーのなかに生きてくるのものですから。
卓技研・秋場


287.バックにツッツキがきたとき安易にツッツキでリターンするのですが……

こんにちは、初めて投稿させて頂く
H/N「ピンポンダッシュ」と申します。
卓球は現在は週1~2回練習している程度です。

質問ですが、
普段クラブ内や市大会等でのゲームの事ですが、
バックハンドに自信が無く、
例えドライブを打てそうなツッツキが
バックに来ても安易(安全)に
ツッツキで返球してしまうクセが
あります。
(浮き球はスマッシュできます)

サークルはダブルス主体な事もあり、
パートナーに迷惑かけるのも・・
という考えもありますが、
フォアの様に威力が出せず、
コントロールが出来ないので
カウンターの餌食になる不安が強く躊躇してしまいます。

年も年なので
回り込みフォアドライブはフ
ォアに速くリターンされると体力的にきついです。
勝ち負けなぞ気にしないで
どんどん打った方が良いでしょうか。
それとも練習を積んで自信が持てるまで
我慢した方が良いでしょうか。


お答えするのが大変遅くなり申し訳ありません。

ご質問のバックサイドにきたツッツキを
ドライブや攻撃できないで、
安易にツッツキでリターンしてしまうということですが、
対策は大きく3つあります。

1.ツッツキの技術を向上させる

2.回り込んでドライブ攻撃する

3.バックハンドで攻撃する

1のツッツキで安易にリターンするのではなく、
攻撃的なツッツキや相手に攻撃されないツッツキ
をするという発想が欠けていませんか?

ツッツキの段階的なレベルをあげてみます。

A.低くリターンする
B.相手コートエンドラインに深くリターンする
C.相手コートにツーバウンドするリターンする
D.バックスピンを利かせたよく切れたリターンをする
E.ナックル性の回転のないリターンをする
F.同じスイングフォームでBとC、DとEができる
G.サイドスピンを混ぜることができる
H.以上をクロスだけでなく、フォアクロスやミドルにもコントロールできる
I.打球点を頂点だけでなく、ライジングでも打てるようにする

どうでしょうか。
単にツッツキといっても
ざっとこれくらいのテクニックがあります。
このAからIまでマスターすれば、
かなり攻撃的で
このツッツキで決定打にならないまでも、
次の展開を有利に運べるようになるでしょう。

またバックサイドへの回り込みですが、
年齢を重ねるにしたがって
たしかに回り込まないようになってくるものです。

頭では回り込まなくちゃと思っているのに
体がついてこないというか、
怠けようとするんですね。

でもそうやって回り込まないでいると、
もうどんどん回り込まなくなって、
卓球台の真ん中で
根が生えているように腕だけを動かして
プレーするようになってしまいます。
町中の大会では
もう30すぎからそんな選手を見つけることができます。
でも、一方ではたとえ60代、70代であっても
よく動いている選手もいます。
まあ若い選手のように俊敏ではありませんが、
それなりに動いているのです。

これはある程度意識の問題ですから、
「年も年だし」などど年齢のせいにしないで、
自分をはげまして動くようにしたいものです。
そうやっているうちに、
身体は少しずつですが、
動くようになってくるものです。
まあ、足腰を動かしたほうが健康にもいいですしね。

次にバックハンド攻撃ですが、
ご質問ではペンかシェークかわかりませんが、
いずれにせよバックハンド攻撃も試してみるものです。

最初はなかなか勇気がいって、
またフォアハンドとちがって違和感もありますが、
これもやっているうちに
意外と簡単にマスターしてしまうものです。

ツッツキをバックハンド攻撃するには、
シェークだとバックハンド・ドライブを多用されていますが、
ペンでもバックハンド・ドライブはできることを知ってください。

シェークと同じようにヒジを上げて、
ラケットヘッドを下げ、
ヒジを支点にこすりあげればいいのです。
このときフリーハンドを活かして
右利きなら左ヒジをインパクトのときに後ろに引けば
パワーを得ることができます。

以上、上記の1.2.3.を
ぜひ日々の練習のなかで着実にマスターしてください。
卓技研・秋場


286.シェークでバック面が「表」ですが、それに必要な技術と戦術とは……

こんにちは。
高校一年卓球歴4年目になる前陣といいます(男です)。
いつもサイトを楽しく見させていただいています。

私はシェークのバック表の反転なし前陣速攻型なのですが
いつも自分がどんなプレーをしたらいいのか迷っています。

卓球の専門書を買っても
バック表の戦術や技術は載っておらず困っています。
そこでよろしければ
バック表の男子に必要な技術、戦術を教えてください。
よろしくおねがいします。
ちなみに今練習してるのは
角度打ちとバックドライブです。


お答えが大変遅くなり申し訳ありません。

ご質問のバック面が表ソフトということですが、
フォア面は裏ソフトということでいいのでしょうか。

フォア面裏+バック面表というのはたしかに少ないタイプです。
女子では、
福原愛ちゃんがこのタイプの代表といったところでしょうか。
卓技研としては
これからの卓球にとって
かなり可能性のあるラバーの組合せであり、
プレースタイルだと考えております。

ではなぜ、バック面に表を使うと可能性があるのか?

それは裏+表の組合せで
打球に変化をつけられるという点にあります。

これはかなり大きなメリットです。
なぜなら、現代卓球の主流はほぼトップスピンをベースとしており、
プレーヤーはそのトップスピンの
球離れや打球スピード、ボールの飛び方でタイミングをはかっており、
以前よりもトップスピンの攻撃性が弱体化しています。
簡単にいってしまえば、
トップスピン(ドライブ)に慣れてしまったのです。
だから通用しづらくなっているわけです。

このことは、トッププレーヤーだけではなく、
たとえば中学生ならば地区大会を勝ち抜いた
都府県大会進出レベル程度の選手でも起きています。

ですから、これから上級プレーヤーをめざすのなら、
トップスピンに磨きをかけるだけではなく、
ノンスピンの最速打法をマスターする必要があります。
そしてノンスピンの最速打球を打てるのに適しているのは
表ソフトということになります。
(もちろん、裏ソフトのいわゆる
ハイテンションラバーも適しているでしょう)

バック面に表を使うと、基本的には
バックサイドにきた短いサービスやツッツキのボールにたいして、
角度打ちのフリックが有効でしょう。
表はボールの回転の影響を受けにくいので、
少々回転がかかっているボールでも、
ばんばんフリック強打することができます。

あなたはバック(ハンド)ドライブも練習されているようですが、
これは表面でされているのでしょうか。
もしそうだとしたら、
ラケットを反転させて裏面で
バックハンドドライブをされてはいかがでしょうか。

「裏+表」を採用すると、
こういう反転を使って打球に変化をつけることが可能になり、
対戦相手を翻弄することができるようになるのです。

もちろん、表でもドライブを使えなくはありませんが、
やはり裏と比べるとその回転量はかなり落ちるものです。

テーマからすこし外れますが、
卓球用具メーカーにお願いしたいのですが、
「裏のように回転がかかる表ラバー」
を開発していただけないものでしょうか。
これはスピードとスピンという、
いわば二律背反的なことになるのでかなり困難でしょうが、
これからのプレースタイルには
「限りなく裏に近い表」
が必要となってくることはまちがいありません。

例をあげれば、テナジーのような表ソフトです。

あるいは、テナジーを特徴をさらにすすめて、
「限りなく表に近い裏」
も必要とされるでしょう。

バック面に必要な技術と戦術とは、以下にあげてみます。

1.(バックハンド)フリック
2.(バックハンド)ハーフボーレーのノンスピン
3.(バックハンド)ハーフボーレーのナックル

フリックでもハーフボレーでも、
基本的にラケット面を垂直気味に立てて、
スイング軌道は水平方向です。
そしてクロスに打つ場合、
ボールの左側面(右利き)を打つようにします。
まず、これを徹底的に訓練してください。

それができれば、
3のナックルボールを打つことは簡単です。
インパクトのときにほんのすこし上から打つとナックルになります。
ただ、ナックルを意識しなくても、
表を使って水平にスイングすると、
ちょっとした打球タイミングやラケット角度、スイング軌道によって
ナックルになることもよくあることですが。

そのナックルにスピードがあり、
相手コートに深く入ると、
強ドライブ以上の得点能力があります。

そして、この1.2.3.をマスターしたら、
裏面と表面を反転させて使うことをおぼえると、
かなり面白いプレーが可能となります。
前述したようなバックハンドドライブを使うとか、
あるいはフォアハンドを表を使っても効果があると思います。
いつもツッツキ性のボールやカット打ちを
フォアハンドドライブで攻めていたのを、
ぱっと反転させて表で角度打ち気味に強打すると、
かなり大きな得点効果が期待できるでしょう。

これからの卓球を制するのは、
トップスピンのなかに、
いかに球離れの速いスピードを織り込むかです。

これを意識して、
表ソフトラバーを有効に使っていただきたいものです。
卓技研・秋場

285.下回転と横回転サービスをフリックするには……

こんにちは。卓球歴半年ほどのクロといいます。
いつも卓球技術研究所を参考にさせて頂いております。
右シェーク両面裏ソフトです。

私はバックハンドフリックが得意で、
相手の上回転サービスなどはコンパクトなスイングで
けっこうスピードのある球を
相手のエンドラインぎりぎりに
打つことが出来るのですが、
相手が下回転サービスを出して来たときは、
いつもネットに引っ掛けてしまったりしてうまく決まりません。

そこで、ラケット角度を開き、ツッツキと同じ角度ではいり、
そこからラケット角度を返して払うようにしましたが、
タイミングが悪いのか、それでもネットミスが多く、
仮にはいっても威力がなく、相手に痛打されてしまいます。

また、相手が横回転サーブをだしてきたときも
あまり回転がかかっていない時でも、回転に合わせて
相手コートに入れるのが精いっぱいで、
強打することができません。

下回転のフリックの仕方、横回転の強打の仕方、
この二つを教えて頂ければ幸いです。
クロ


お答えするのが大変遅くなって申し訳ありません。

下回転と横回転のバックハンド・フリックについて解説いたします。
バックハンド・フリックは、おおよそ次の二つの方法があります。

1.ノンスピンで角度打ちでリターン
2.トップスピンをかけてリターン

この1の場合は、
ボールの頂点をねらって、
ラケット面を垂直に立てて、
そのまま水平に鋭くコンパクトにスイングします。

このとき、相手のバッククロスに打つ場合は、
右利きならボールの左側面を打つのがコツです。
側面を打つことで、
下回転や横回転など、
飛んできたボールの回転の影響を軽減することができるのです。
そして、この打法がもっとも攻撃的です。

もちろん、下回転はその回転量に応じて、
ラケット角度とスイング軌道の調節が必要となりますが、

●頂点を的確に打つ
●ボールの側面を打つ
●シャープに振り抜く

ことができれば、少々の回転量でも

●垂直のラケット角度
●水平スイング

で打ち抜くことができます。

横回転の場合も上記と基本的には同じですが、
横回転サービスをさばく場合、
ちょっとしたコツがあります。

それはバックスイングをとらないで、
打つ角度のまま打撃スイングすることです。

横回転サービスをフリックする場合、
バックハンドであれフォアハンドであれ、
フリックするときにバックスイングをとると
横回転の影響を強く受けるのですが、
バックスイングをとらないで打つと、
横回転の影響を封殺することができるのです。

次は2のメソッドです。
これはいわゆる「チキータ」と考えてもらっていいでしょう。

相手の回転サービスにたいして、
トップスピンで対応するものです。
相手サービスにたいして、
頂点で打てなかった場合や
安全にリターンするときなどに有効な打法です。

チキータはヒジと手首の使い方がポイントです。
ヒジをあげ、ラケットヘッドを下向きにして、
手首を内に入れて
右利きなら時計回りにボールの斜め横をこすりあげます。
よく切れた下回転なら、
ボールをのせるようなラケット角度に調節します。

チキータもフリックも
『卓球パーフェクトマスター』で写真や図解等で解説していますから
参考にしてください。

チキータはあまりスピンやスピードが出ない打法なので、
コースをうまくねらい、
またあまり高くならないようにすることが大切です。

実戦では、
チキータを多用すると相手に待たれて
反撃にあう可能性が高くなるので、
1の角度打ちを混ぜるようにしましょう。
卓技研・秋場


284.水平打法における肩の動きとは……

こんばんは、たまごと申します。
いつも適切なアドバイスを賜りありがとうございます。
今回も小4の娘(左シェイク、F表ソフト、B裏ソフト)
への指導に関してお力を貸して頂けないでしょうか?

地元のジュニア選手の中に、
いわゆる肩甲骨打法でしょうか
肩を支点としたスイングで
フォア面のラバーが相手側に見えるような形で
ドライブを振りぬいている子を
見かけることがあります。

まったく馬鹿げた質問になるかもしれませんが、
これは水平打法と完全に相反するものでしょうか?

と言うのも普通に水平にラケットを振ると
バック面が相手に見える形になると思います。

しかしこの子達のフォームを参考に肩が回るようにすると
肘がかなり上がった状態になってしまいますが、
水平に振っても相手側にフォア面が見えるように振ることは可能です。

逆に肘を上げるように意識すると肩が動きます。

娘の場合、ツッツキ打ちの時に肘を上げ気味にして打つと
打球が安定するような気がしますので
今のところその様にさせていますが、
間違った指導ではないかとも感じております。

そこで水平打法において肩の動きの必要性について
アドバイスを頂けたらと思いメールさせて頂きました。
何卒よろしくお願いいたします。


お答えいたします。
まず明確にしておかなければならないことがいくつかあります。

そのひとつが「肩甲骨打法」です。
この打法はおそらく高島則夫氏が卓球専門誌で述べられて
ひろまった用語だと思います。
ですから、いわゆる「肩甲骨打法」の真髄は
筆者の想像の域でしかありません。

ただし、フォアハンド打法において、
そのスイングの支点を肩甲骨とすることに
卓技研はなんの異論もなく、
むしろそうすべきだと考えるものです。

そして肩甲骨を支点にするためには、
ヒジを支点に開くように回転させるのではなく、
ヒジを若干後ろに引くバックスイングを推奨しています。

こうすることで、ラケット面が外に開くことをふせぎ、
またコンパクトなスイングでパワーを生むことができるからです。

つぎに「水平打法」ですが、
「卓技研式水平打法」や当ウェブサイトで「水平打法」という場合は、
ノンスピンのロング打法に適用しているものです。
ドライブにおいても「水平スイング」とか「水平に打つ」
などと書いているときもありますが、
これは「ドライブにおける水平方向へのスイング」
という意味でご理解願いたいと思います。

なぜなら、ロング打法の「卓技研式水平打法」「水平打法」と
ドライブの水平スイングでは、
スイングの方向性はどちらも水平に向かうにしろ、
そのスイングのベクトルはまったく異なるからです。

以上のことをふまえたうえで、ご質問にお答えします。
「地元のジュニア選手の中に、
いわゆる肩甲骨打法でしょうか肩を支点としたスイングで
フォア面のラバーが相手側に見えるような形で
ドライブを振りぬいている子を見かけることがあります。
まったく馬鹿げた質問になるかもしれませんが、
これは水平打法と完全に相反するものでしょうか?」
とありますが、
まあ実際にその選手を見ないとなんといえないのですが、
肩甲骨打法とか水平打法というカテゴリーで分けるより、
単に身長の問題ではないでしょうか。

そのジュニアの選手はどれくらいの身長なのでしょうか。
背が低いプレーヤーがドライブをすると、
どうしてもフォア面が相手に向くことになります。
低い身長で、身体が小さく、
パワーがない子供がトップスピンをかけようとすれば、
ドライブスイングの方向は真上方向にならざるをえないので、
必然的にラケットがフォア面を向くのです。

小さな子供はパワーがなく、
水平方向にドライブスイングすると、
回転がかからず前に飛ばないでしょう。
ドライブで水平方向にスイングするということは、
かなり速いスイングスピードが必要です。
ラケット面を下に向けて水平方向にドライブしても、
その打球が下に落ちないのは、
スイングスピードがあるからです。

また「娘の場合、ツッツキ打ちの時に肘を上げ気味にして打つと
打球が安定するような気がしますので
今のところその様にさせていますが、
間違った指導ではないかとも感じております」
とありますが、
娘さんはフォア面は表ですよね。
ですからここでいわれる「ツッツキ打ち」とは、
いわゆる「角度打ち」で、ドライブではありませんよね。

娘さんの場合も身長の問題が考えられます。
身長が低いと、ヒジをある程度あげないと
ボールを頂点でとらえることができないので、
ヒジがあがるのはとうぜんのことだろうと思います。
まあ、これも実際に観ないとなんとも判断がつかないのですが。

「逆に肘を上げるように意識すると肩が動きます」
とありますが、
「肩が動きます」というのは、
肩甲骨が背骨の方向へぐっと入るということでしょうか。
もしそうであれば、
前述の「バックスイングで若干ヒジを後ろに引く」
ということと符合するかもしれません。
まったくそのとおりなのです。
ヒジの動きによって肩の動きをリードすることができるのですから。

卓技研式水平打法の
フォアロングに関しての肩の動きの必要性ですが、
前述したように、
バックスイングで「ヒジを若干後ろに引く」ことで、
必然的にスイング始動時に肩が背骨方向にぐっと入ります。
ですから、あえて「肩甲骨打法」とか「肩を意識」しなくても、
肩甲骨の可動域を最大限にいかせる打法となるのです。

肩甲骨を活かすコツは「ヒジの使い方」です。
これは『卓球パーフェクトマスター』で
イラスト入りで解説していますので参考にしてください。
卓技研・秋場


283.粘着ラバーを使いこなすには……

はじめまして、chakoと申します。
いつも楽しく拝見させていただいております。

卓球技術を向上させようと取り組めば取り組むほど、
とても奥が深く難しいスポーツであることがやっと分かってきました。
やっと一ランク上達できたかと思えば、
まだまだ技術が足りないといった現実に打ちのめされています。

さて、相談ですが、
私の目指すスタイルは「より早い打点を意識した」ドライブ攻撃です。

最近、目指すスタイルをより追求できるのではと考え、
フォア面のラバーをテンションラバーから粘着ラバーに変えました。

しかし、現時点まだ上手く使いこなせておらず、
特にラリーで打球がネットにかかってしまうケースガ増えています。

これまでは少し包み込むようなスイングでしたが、
もっと直線的な斜め上へのスイングのほうが良いのでしょうか?

私感としては、
もう少しひきつけて
幾分叩くような打ち方が良いかもと考えていますが、
いかがでしょうか?


お答えするのが大変遅くなり申し訳ありません。

さて、ご質問の内容ですが、
粘着性ラバーでのドライブ・メソッドということでよろしいでしょうか。

粘着ラバーを使うとネットにかかることが多くなった
ということですが、これはなにを意味しているのか、
お考えになったことはあると思います。

誰でも経験としてわかるのですが、
粘着ラバーは(前に)飛ばないのです。
なぜかといえば、
そのラバーの名のとおり「粘着性」だからです。
なんといっても、ラバーにボールが粘着するわけですから。

粘着ラバーのデメリットはこの飛ばない点にあります。
そしてメリットは飛ばない点に起因したことにあります。
具体的にあげましょう。

1.回転がかかる
2.コントロールがよくなる
3.ボールを持てる

以上、粘着ラバーには、おおよそこの3点のメリットがあります。
1の回転がかかるというのは、
ラバーとボールが接触する時間が長くなり、
その分、摩擦にかけられるパワーが増量するのです。
つまり、ボールを前に飛ばす分のパワーを
回転のパワーに転換している
言ってもいいのではないでしょうか。

2と3は密接に関連しています。
ラバーとボールが接触する時間が長くなるということは、
インパクトして、
ボールがラバーから離れていく時間が長くなるということですから、
ボールをコントロールしやすくなるのです。
といっても、100分の1秒単位の時間レベルですが。

しかし、こんなほんの一瞬の短い時間でも、
卓球というスポーツにとってはとても大切な時間となります。
そして、この「時間」は卓球レベルが上がるにしたがって、
その重要度は倍増するのです。

そう、3の「ボールを持てる」ということになるわけです。
その打球を第三者が観ていると、
とても「持てる」ほどの時間などには観えないのですが、
実際にボールを打つ当事者なら、
この「持てる」という感覚はよく理解できることでしょう。

では「持てる」とどういうメリットがあるのか。
もちろんコントロールがよくなることにつながるのですが、
持てる時間だけブロックするときの余裕が生まれるのです。

粘着ラバーはまさにその粘着性によって
ボールをラバーに吸収させ、
相手の強打や強ドライブによる反発を
コントロールしやすくなるのです。

そしてさらに、相手の攻撃をブロックすると同時に、
そのボールの反発を吸収して、
ボールを持つあいだに、強力なトップスピンをかけることが、
つまりかけるに十分な時間を生みだすことができるのです。
これが粘着ラバー最大のメリットです。

つまり、粘着ラバーは攻守兼用のスーパーラバーなのです。

しかし、条件があります。
それを使いこなせて、という。

実際に使いこなすのは容易ではありません。
あなたのように、
飛ばなくてネットにかけるプレーヤーが多いのです。

では粘着ラバーを使いこなすにはどうすればいいのでしょうか。
それを具体的に列挙しましょう。

1.トップスピン(カットマンのバックスピンにも有効)をかけることに
特化したラバーという意識をもつことが前提。

2.飛んできたボールを受け止め、
持って、しっかりとスイングしてリターンする。

3.スイングは腰を支点に、身体全体を使う。

4.現代卓球は速いピッチのラリーが多いので、
バックスイングを大きくとれないことが多く、
そのためにもスイングのパワーは
インパクトとフォロースルーによって得るようにする。

5.実践では、速いピッチのラリーが多く(4)、
腰を十分に使って(3)ドライブ(トップスピンをかける)する
時間的余裕をもてないことが多いので、
上半身だけでもパワーがでるようなフィジカルトレーニングが必要。
いわゆる体幹を鍛えること。

中国選手の多くが粘着ラバーを使っていますが、
このラバーのピークは過ぎたのではないかと、
卓技研では考えております。

その根拠や理由、
そしてこれからの新しい卓球スタイルについては、
「技術論・時代はハイブリッド・タクティックスへ」で述べつつ
(まだ、序論だけですが)あります。
近いうちに、それについて展開しますので
参考にしていただけたらと思います。
卓技研・秋場

282.サービスはフェイントと回転量、どちらが重要でしょうか……

はじめまして
このサイトはいつも拝見させていただいております。

今回質問したいのはサービスについてです。
僕のサービスはよく周りから分かりにくいとか、
かかっていると言われて自信があったのですが
この間講習会でプロの方に
フェイントを意識しすぎて回転がかかっていないと言われました。

そして指導してもらい確かに回転量は上がったのですが
回転が分かりやすくなり
どうフェイントしても簡単に返されてしまいます。

分かりにくさと回転量大事なのはどちらでしょうか


お答えするのが大変遅くなり申し訳ありません。

さて、サービスのフェイントと回転量のどちらが重要なのか、
という質問ですが、
どちらも重要ですので、
理想的には両方をクリアしたいものです。

あえて、どちらが重要なのかといえば、
程度によりますが「フェイント」でしょう。
ほんとうにサービスのフェイントがうまくて、
レシーバーが回転の種類がわからなければ、
最高に有利な試合状況になるわけですから。
たとえば、バックスピンを出せばネットにかけてくれ、
ナックルなら高くふかしてくれるとか……。

レシーバーの立場からいえば、
相手サービスの回転がわからないと、
もうその試合に勝てる気がしなくなることもあります。
サービスの種類が読めないということは、
圧倒的に不利というか、ほぼ絶望的に敗北を意味しています。

それはたとえば、
一昨年度の全日本選手権男子決勝「水谷―吉田」戦を
想い出していただければ十分でしょう。
あの試合、ほぼ全ゲーム(セット)を通して、
吉田は水谷のサービスを読むことができませんでした。
もちろん、
水谷のすべてのサービスが効いたというわけではなかったのですが、
ここぞという局面でつかった水谷のサービスに、
吉田はことごとくネットにかけていました。
吉田は水谷のサービスのフェイントに翻弄されたのです。

ですから、あなたのサービスのフェイントがうまいというのは、
ものすごく大きな武器です。
なので、その武器をどんどん磨くことをお勧めします。

ただし、そうはいっても、対戦する相手によって、
サービスの回転を見分ける技量は、
かなり大きな差があるものです。
この選手には効いたけど、あの選手には効かないというものものです。
それはたぶん、ご自分でもおぼえがあると思います。
通常、対戦相手のレベルが上がるにしたがって、
サービスの回転を見分ける技量も上がるものです。

これからはフェイント・テクニックを高めると同時に、
回転量を増やす訓練も積む必要があります。
実は、サービスの回転量が増えると、
フェイント効果も増えるのです。

ちょっと逆に考えてみましょう。
たとえば、バックスピンとナックルをほぼ同じフォームで出せるとします。
しかし、このときバックスピンサービスにあまり回転がないと、
たとえレシーバーがサービスの回転を読めないとしても、
中途半端なラケット角度やスイング軌道でも
ネットを越えることができます。
そのレシーブがツッツキ、フリック、ドライブ、強打であっても、
あまりにも回転がすくないと、
たとえ回転がわからなくても、
ネットミスやオーバーミスをしなくなるのです。

回転量が多いと、レシーバーは
中途半端なラケット角度でリターンすることができなくなります。
たとえばよく切れたバックスピンサービスです。
このサービスをツッツキでレシーブするとします。
ほんとうによく切れたサービスなら
ラケットの打球面をほぼ180度に開かないと
ネットを越えることはできません。
しかし、こんなにラケットを大きく開いてツッツキすることは、
かなりの勇気がいるものです。
もし、そのサービスがナックルだったとしたら、オーバーミスをするか、
大きくふかして相手の3球目攻撃のエジキになるからです。

サービスの回転量が大きいというのは、
対戦相手にとってかなり大きな心理的負担を強いるものです。
そして、レシーブすることにナーバスになる分、
次の4球目、6球目への対応が鈍磨します。

ドライブ型のプレーヤーに
ぜひマスターしてもらいたいサービスがあります。
そのサービスにフェイントはいりません
(もちろん、フェイントが効けばより有利になりますが)。

それはハーフツーバウンドの抜群に切れたバックスピン・サービスです

ハーフツーバウンドとは、台から出ないぎりぎりの長さです。
そしてよく切れていたとします。
こういうサービスの場合、
レシーバーはドライブも強打もフリックもできず、
残された選択は、ただツッツキしかありません。
しかも、短くツッツくこともできないのです。
なぜなら、エンドラインぎりぎりの、
それなりに長く入ってくるボールであり、
しかもバックスピンがよくかかっているので、
その回転力の反発で長くリターンしてしまうのです。
こういうサービスを短く、
ツーバウンドで返すのは相当の技量が必要なのです。
とうぜん、3球目ドライブ攻撃がやりやすくなるわけです。

ドライブタイプのトッププレーヤーのほぼ100パーセントが、
このサービスをマスターしています。
なぜなら、レシーバーに攻撃されにくく、
3球目攻撃がやりやすい、
どんなプレーヤーにも、ほぼ普遍的に効果があるからです。

ただし、よく回転のかかったバックスピンと
ハーフツーバウンドを兼ね備えたサービスをマスターするのは、
かなり練習を積まなければなりません。
そう簡単にはマスターできないでしょう。

でも、マスターすればその効果は絶大です。

サービスにおける“フェイントのツボ”をあげておきます。

1.異なる回転サービスであっても、ラケット角度、スイング軌道、スイング速度を同じにする。

2.ラケットにボールを当てる位置で回転の強弱をつける。

3.同じスイング軌道線上の打球点の相違によって、回転の種類をかえる。

4.サービスを打球したあとのフォロースルーのラケットの動きに変化を加える。

試合で最重要なのはサービスであり、卓球でもっともむずかしいパートはレシーブです。

以上の意味をよく理解して、サービス・テクニックを高めてください。

卓技研・秋場


281.苦手意識をなくすにはどうすればいいのでしょうか……

こんにちは嵐と申します。
いつも拝見させていただいております。

右シェーク前陣ドライブ型の中年男ですが、
試合になると苦手意識が強くでちゃい、
自分の卓球が出来なくなります。

特にテンポの遅い、ゆるい球で
しつこく返球してくるタイプには、
タイミングが合わず負けちゃいます。

どのように練習すれば、攻略できるのでしょうか?

そして、苦手意識を無くすには、
メンタル面をどのように鍛えたらいいのか、
ご指導の程、よろしくお願いします。


お答えするのが大変遅くなり申し訳ありません。
ご質問ですが、
まだ苦手意識をもって
試合をしておられるのでしょうか?

まず、苦手意識について、
メンタルからお答えします。

だれしも「苦手」とする対戦相手が存在するものです。
それは戦型(プレースタイル)であったり、
あるいは対戦相手のフォーム(とくにサービスのフォーム等)、
相手の性格やあるいは顔のつくりまで
「苦手」に感じることがあります。

まあ、苦手意識をもって試合をすると、
単純に試合をすることが楽しくなくなることさえあります。

では、なぜ「苦手」と相手を感じるのでしょうか。
それは自分の「影=シャドウ」を
見ているからではないでしょうか。
ここで述べる「影」とは、
ユング心理学(ただし筆者が考えているユング心理学です)
の述語の定義に近いかもしれません。

たとえば、自分がそうしたいと思っているのに、
自分の自己イメージと合わないとき、
それを無意識に押し込めてしまうことがあります。
そうすると、それは「影」となって、
その本人に心理的な影響をあたえます。

まあ、「影」を持ってない人なんてほとんどいないのですが、
でもあまりにも自己イメージに執着しすぎると
心理的に本人を苦しめることが起きてきます。

自己イメージとは「こだわる」ことです。
まあ現代では「こだわり」というタームは
ポジティブに使われることがありますが、
それでもやはり「こだわる」ことが、
その人の自己成長を阻害する最大の要因となっているので、
常日頃から自分を見つめて、
なににこだわっているのか
検証するといいのではないでしょうか。

その影は卓球にももちろん関係してくるのです。
その苦手や嫌いなタイプの対戦相手が
「自分の影」かもしれないからです。
そう「自分の影」です。
自分がこだわっているために無視している
「もうひとりの自分」なのです。
その苦手意識がある相手を、
「もうひとりの自分」として受け入れてみると、
卓球が上達(自己成長)することができるのです。
一般的いうところの「懐の深い人間」になるわけです。
卓球では懐の深いプレーヤーになるわけです。
つまり「強いプレーヤーへとステップする」のです。
全日本5連覇をとげた水谷隼(世界ランク7位)や
ドイツのボル(同1位)などを観ていると
懐が深い卓球だなあと思うでしょう。

ですから、
もしも苦手意識がする相手と対戦することになったら、
その相手はあなたの自己成長をうながしてくれる
最高の卓球指導者と思えばいいでしょう。
苦手だと嫌悪するのではなく、
自分にとって有難いお方だと感謝したいものです。

さてつぎに、
「特にテンポの遅い、ゆるい球でしつこく返球してくるタイプには、
タイミングが合わず負けちゃいます」についてお答えします。

「テンポの遅い、ゆるい球」をちょっと考えてみましょう。
ふつう、こういうケースは、
こちらから攻撃しやすいわけです。
なんといっても「テンポの遅い、ゆるい球」なんですから。
しかし相手はそれだけではなく、
「しつこく返球」をするわけです。
これはとうぜん相手のストロングポイントです。
ところがです、
単に「テンポの遅い、ゆるい球」を相手がリターンするなら、
たとえ「しつこく返球」されようと打ち抜けるものです。
どうでしょうか? 

ここで、こちらから逆に質問するのですが、
相手の特徴はそれだけなんでしょうか? 
「テンポの遅い、ゆるい球でしつこく返球」
してくるだけなんでしょうか? 

わたしには、なにかが欠けているように思われます。
おそらく、その対戦相手が送ってくる球は、
「深く入ってくる」
「フォア・バック両サイド、あるいはミドルを突いてくる」
「バウンドして伸びる」
などがあるはずです。

なので、もういちどその対戦相手のリターンを
よく見直してみてください。
そして、いや単に
「テンポの遅い、ゆるい球でしつこく返球」ならば、
それは「苦手意識」とかの次元ではなく、
もういちど、ご自分のスイング・フォームについて
基本からやり直す必要があります。
いずれにせよ、
苦手な相手は自分を成長させる
有難い人であることお忘れなく。

卓技研・秋場

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