Q&A261~270 of 卓球技術研究所t3i

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卓球261~270

270.私は練習よりも試合の方が出来が悪いと言われます……

はじめまして。ハンドルネーム GRTT、です。
今高2で、卓球歴1年の右利きで、日本式ペンを使っています。
いつも参考にさせていただいてます。
早速、質問したいのですが、
私は練習よりも試合の方が出来が悪いと言われます。
そこで、試合についての質問があります。

① ヤマを張りすぎていて、
フォアにボールが送られたときは、
まだ返せるのですが、
ストレートに来ると、ほぼ返せません。
多分、ヤマを張ってる理由は、
課題練習のしすぎかなと自分なりに思います。

練習では、コースやボールの回転が決まった所に来るので、
ちゃんと入るのですが、
試合になると、練習ほどの力を発揮できません。
「多分ここに来るだろう」と思ったところに来なかった場合、
「あ、違うのか」と考えてから、行動するので、
反応が遅くなってしまうと思います。
なので、練習と試合ではそれぞれ、
どのような心構えでやればいいでしょうか?
練習をするときに、
頭の隅で試合をしているような感覚でやればいいのかどうか、
よくわかりません。
どう、思われますか?
わたしの見解は間違っ ているのでしょうか?

②試合で作戦変更ができない、
あるいは、戦術を組み立てられません。
(例A:対戦相手のツッツキが鋭くて、
自分のドライブがなかなか入らなくても、
「たまたま入らなかっただけ」と思い、何度もやってしまう。
例B:自分のサーブが相手に効いているのかどうか判断が鈍く、
試合後に対戦相手に、
「○○回転サーブがとりづらかったのに、
どうして、そのサーブやめたの?」と言われた。)
このような判断力を極めるためには、
どうしたら良いですか?

③初めて当たる選手とやる場合、
相手の弱点が見抜けないため、
相手の苦手な戦術が分かりません。
逆に、自分の弱点を見抜かれて、
負けるパターンがあります。
どうやったら、相手のどこが、苦手なのか、得意なのか、
自分の技が果たして効いているのかどうか、
分かることが出来るのですか?

④試合をするとき、
ラリーが続くと、焦ってしまって、自分から攻撃をミスしたり、
フットワークが鈍ってしまいます。
(特に上回転のラリーの最中に起こります。
ツッツキのラリーでは、あまりミスをしません)

⑤試合運びの早い選手と対戦した場合、
相手のペースに乗せられて、
あまり何も考える暇もなく、ゲームをしてしまい、負けてしまいます。
どのようなことを意識したら良いですか?

…これらの問題をどう解決したら良いか意見を聞かせてください。
そして、逆にやってはいけない注意点などもあれば教えてください。
続いてペンホルダーのバックハンド技術について質問があります。

プッシュの技術をあげたいのですが、
私の学校ではシェークハンドの人が多いので、
あまり教えてくれる人がいません。

弱い上回転とナックルのボールに対しては、
プッシュが出来るのですが、
下回転と横回転とドライブのボールに対しては、
どうプッシュしたらいいか分かりません。

こすってもいいのか、ダメなのか、
あるいは、ラケット面の角度を調整するべきなのか、
全く分かりません。
どうしたらいいでしょうか?教えてください。

あと、プッシュにどうやったら、スピードと威力が出るのか、
プッシュの威力を上げるためのメニューなどあれば、教えてください。

そして、バックハンドブロックの角度の調整が上手く出来ません。
フォア側からバック側へとストレートにループドライブなどをされる
と取れません。
どうすれば良いでしょうか?

質問攻めばかりして、本当に申し訳ないんですが、
最後に、ドライブについて質問をさせてください。

私のドライブは中途半端だと周りから言われます。
スピードもスピンもイマイチだそうです。
そこで、どのようなことを意識したら、スピードが上がり、
また、どのようなことを意識したら、回転量が上がるのでしょうか?
スピードとスピンの上げ方、それぞれ教えてください。
もしドライブを学ぶ上で、
有効的なメニューなどがあれば、教えてください。


①相手のリターンがどこにくるのかは、
基本的には相手が選択して打つのですから、
こちらは分からないものです。
当たり前のことですが、まずそれからこの問題はスタートします。
ですから、ヤマを張るというのは、
よほど自信があるときにかぎって、
やはり相手が打ってから動くのが基本です。

ヤマを張る場合は、
たとえばこちらがクロスに深く、
しかも強力なボールを送ったときです。
このボールをストレートに
攻撃的にリターンするのはかなり難しいので、
そういうときはクロスにリターンされると、
ヤマを張ってもいいでしょう。

それから、この場合、
課題練習のやりすぎとは、あまり関係がありません。
それよりも
「ヘタに相手のリターンコースにヤマを張らないこと」です。

②これは「作戦の変更」とか
「戦術の組み立て」とはまた別の問題です。
作戦とか戦術とは、
自分と相手の特徴をよく理解してから立てるものだからです。

そして、それは作戦や戦術の問題なのか、
あるいは自分の技量の問題なのか
このどちらかを試合では1ポイントごとに考え、
また練習では自分の技量を
客観的にたえず冷静に見つめるようにするといいでしょう。

③これは②と同じことです。

④メンタル的には余裕をもってプレーすること。
テクニック的にはおそらく、
あなたは打ったとき前に突っ込みすぎると思われます。

ためしに、スイングのときは腰から始動するようにして、
動くときも
「手からではなく、足から動く」
ようにしてください。
そうすればフットワークもよくなり、凡ミスも減るでしょう。
⑤これも②と同じです。

基本的に「下回転と横回転とドライブのボール」を
プッシュするのは難しいものです。

もちろんラケット角度や
スイング軌道もそのボールに応じて変える必要があります。

またプッシュのスピードと威力を増すには
どうすればいいのかとありますが、
どちらのご質問も、あまりにもテーマが絞り切れていないので、
ここではちょっと無理です。

ただ、右利なら「ボールの左側面を意識して打つ」
ようにしてください。
もしかしたら、この二つの課題が
一気に解決できるかもしれません。

ストレートにドライブであれ強打であれ
打たれた場合、それをリターンするのは
上級者でも難しいものです。
ポイントは「身体の向き」と
「フリーハンドの使い方」です。
またドライブのご質問ですが、
これもテーマが絞り切れていません。
ドライブのスピードやスピン、
それにパワーについて、
これまでこのQ&Aでお答えしていますので、
それを参照してください。

問題をもっと絞って質問したほうが詳しく解説できます。

またあなたの一番のテーマは
「自分をもう一人の自分が距離をおいて見る」
ではないでしょうか?
ここが不十分なのです。
技量が上がる、あるいは試合に強くなる
そのもっとも最大のテーマはここにあります。

卓技研・秋場


269.バック面のラバーを弾むものか、弾まないものか、迷っています……

はじめまして。いつもお世話になっております。
わたしは卓球歴9年のシェイクドライブマンです。

最近バック面のラバーをどういうラバーにすれば良いか
真剣に悩んでいます。
弾まないラバーにするとバックでは得点しにくいので
フォアで攻めることになるのですが、
無理に回り込んでフォアへのカウンターブロックをされてしまいます。

逆に弾むラバーですと
練習のときにはきれいなカウンターやブロックがきまるのですが、
いざ試合などの緊張した場面では
どうしても硬くなりオーバーミスが増え
試合後にブロックしやすいラバーに変えたりします。

ですが、それでは打ったときに物足りなさを感じるので
また弾むものに変えて・・・
という負の連鎖が続いています。

何か解決する方法はないでしょうか?

ちなみに弾むと感じたのはテナジー64、スレイバーG3、
弾まないと感じたのはラウンデル、スレイバーG3fxです。

ハンドルネーム・コウ


返信がたいへん遅くなり申し訳ありません。

ご質問ですが、まずはどういうプレースタイルでいくのか
はっきりと明確に決められたほうがいいでしょう。
それによって、バックのラバーのタイプもとうぜん決まってきますから。

まあ、一般論ですが、バックからも攻撃をしていくのが
将来的には強くなるでしょう。
ですから、より弾むラバーを選択すべきです。

以前も述べましたが、弾むラバーを扱えないのは
やはり技術的に未熟だといわざるをえません。
あなたの場合は、練習では弾むラバーを使いこなしているわけですから、
これを貫徹されてはいかがでしょうか。

ではなぜ、試合になると
オーバーミスが増えるか理解されているでしょうか。

もうこれは本サイトでも何度も述べていますが、
試合になると、
どうしても相手コートに入れようと意識が高まり、
ふだんの練習時よりも
ラケットのスイング軌道が下から上に出てしまうのです。

極端に言うと、ボールを持ちあがるようにするのです。
あるいは入れようとするあまり、慎重になって、
打球時にボールを持ちすぎてしまうのです。
その結果、オーバーミスになってしまうのです。

逆に、ふだんよりもネットミスが多いときは
気が焦って、打ち急いでいるときです。

それでも試合では、圧倒的にオーバーミスが多いものです。
それを防止するには、試合で意識して、
バックスイングの位置を高めに置くようにします。

さらにその前に、練習時に自分のラケットの始動の高さや
バックスイングの位置を確認しておくことが大切です。

フォアハンドも同じですが、
できればバックハンド系の技術においても、
バックスイングは高めにおいて、
しかも小さくして、
スイングもコンパクトにまとめます。

そしてパワーは、
インパクトからフォロースルーのスイングの鋭さによって
得るようにします。

もう、最低でもここ1年は弾むラバーでやりぬくんだという
固い決意をもって臨まれることです。
そうすればかならず、試合でも練習のときのような
本領を発揮できるでしょう。

「負の連鎖」はきょうでお仕舞いです。
卓技研・秋場


268.体の軸を強調すると左肩が回るフォームになってしまいます……

主に小学生の指導をしている者です。
卓球パーフェクトマスターを購入しました。
とてもわかりやすい説明で感銘しました。

そこで質問なのです。
よく軸を使うという話を聞きます。
頭を動かさないよう(横にずらさないように)
体の軸をつかって打つのだと言われているようです。

そのこと(表現)が正しいのかよくわかりません。
子供達に体の軸を強調すると
左肩が回るフォームになってしまいます。

左肩を止めるように言うのですがしっくりしません。

この本には肩甲骨を支点にして肩を回すと有ります。
軸をとるなどは表現しない方がよいのでしょうか?
ハンドルネーム 三つ葉


ご質問の「軸」という点についてですが、
この用語は技術解説をするとき、
どうしても使わざるをえないものなのです。

とくに初心者や経験のすくない人にレクチャーするとき、
「軸」というか、そのスイングの基点をはっきりと示したほうが
わかりやすいので、こういう用語を使うことになるわけです。

ですから、述べておられるように「軸」と表現したとき、
その用語を受け取るほうは、
動かせない一本の棒のようなものを
イメージして、その結果、
たぶんフォアハンドロングの例だと思うのですが、
左肩が逆に回るようになるのでしょう。
(ただし、あとで説明しますが、
必ずしも左肩が回ることが悪いことではない)

では「軸」という用語を使わずに
「身体を使う」スイングをおこなうには
どうすればいいでしょうか?

それは「腰から始動する」ということで解決します。

腰はまさに身体の「要」ですが、
この「要」とは身体を動かすときの始動となる、
という意味でのものなのです。

フォアハンドやバックハンド、
ロング打法、ドライブ、強打、カット、ツッツキなど、
どんなスイングであっても、まずは
「腰を始動させる」ことからそのスイングは起動するのです。

そうすれば、おのずと「身体全体を使うスイング」になります。

ではなぜ、身体を使うスイングができないのかといえば、
それは「手」や「腕」がリードしてしまうからです。

手というのは、「自我の手先」のようなもので、
とかく結果を求めるはたらきをするものです。

まったくの卓球の初心者が
最初どんなフォームで打つのかといえば、
手先だけでラケットをコントロールして
羽つきのようなフォームでやるものですが、
人間は訓練されていない場合、
とにかく相手コートにボールを入れるという意識がはたらき、
こういう手先だけのスイングになるわけです。

手先だけというのは身体のほんの一部だけを使ったもので、
威力もそしてボールコントロールもよくありません。
しかし、訓練を受けていない者は結果をまずは求めるので
ボールコントロールを優先して、
手先だけでとにかく相手コートにボールを入れようとするのです。

それが逆の結果をまねき、手先だけのために
身体全体のバランスを欠いて、
コントロールも悪くなってしまうのです。

ですから、スイングの指導をされるとき、
「腰から動こう」とアピールされ、
「手は腰が動いたあとから動かす」
とちょっと極端に表現されてもいいと思います。
そして、こう付け加えます。
「腰から先に動いても、手は絶対に遅れない」と。

また「左肩が回る」ということについてですが、
これは右利きのフォアハンド・スイングのことだろうと思いますが、
スイングのときに、
左肩を固定するというか、残す打ち方と
左肩を回す打ち方があると思います。

その個々のプレーヤーを見ないと
断定できないのですが、
左肩が回るというか、
左肩から左足が一本の軸になって回りながら
打つスイングも「あり」と当方では考えております。

この打ち方のほうが、身体のしぜんの動きというか
合理的な動きであるような気もします。

また、『卓球パーフェクトマスター』では
フォアハンドロング・スイングについて、
右の肩甲骨を支点にすると表現していますが、
これは肘をスイングの支点しているプレーヤーや
またこのように指導する人たちを意識することも
ある程度念頭においています。

そしてまた、バックスイングで右肩をぐっと身体の中心の
背骨のほうに入れるとパワーが充填されやすく、
しかもラケット面が外側に開かないので
相手の威力あるボールやバウンドして伸びるボール、深いボールにも
打ち負けないようにするためです。

まあ、今回は1度、生徒に
「腰から動こう」と指導されてみてはいかがでしょうか。
おそらく、ここを意識して打つようになれば、
しぜんに身体全体を使ったスイングになっていくはずです。
卓技研・秋場


267.スピンピップス(表ソフト)でテナジーなどのテンション系に対抗できるでしょうか……

お尋ねします。
ペンの表ソフト日中号にスピンピップスを張って使っています。

最近感じるのですが
以前は結構スマッシュを打っても
伸びないとか失速するとかで落としてくれる人が多くて
勝つことが出来ていました。

ここのところイボ球等で慣れているのか
テナジーのラバーを張っている人に
落とすどころかおもいっきり叩かれ
そしてなぜかそのボールが返せません。

ツッツキも切れているので
持ち上げるとその球を打たれます。

今まで負けたことの無い人に
ボーンとおもいっきりやられ
情けない状態です。
思わずアッパレとおもってしまうぐらいに……。

技術以前のものを感じてしまいます。
技術を極めないで
勝つことばかりを考えてもいけないとはおもいますが
どのように考えればいいでしょうか?

色々テンション系のラバーとか沢山発売され
私のようなスピンピップとかのラバーでは
勝つことが出来ない時代になりつつあるのかなぁ……
なんて考えて悩んでいます。

今同じラケットにミズノの表ラバーの
ブースターSAを試して見ようと注文しています。

互角に戦えるようにしたいのですが
表ソフトでテナジーとかに対応できる方法は無いのでしょうか? 
ご指導をお願いします


ご質問の答えですが、結論を先に言うと、
テンション系ラバーにスピンピップスで
勝てない時代にはなっていません。
テンション系だろうが、粘着系だろうが、
スピンピップスで十分に対抗することができます。

ではなぜ、あなたが勝てないと思ってしまうのかいうと、
その理由はあなたが冒頭で述べておられることに
あるのではないでしょうか。

「以前は結構スマッシュを打っても、
伸びないとか失速するとかで、
落としてくれる人が多くて勝つことが出来ていました。
ここのところイボ球等で慣れているのか、
テナジーのラバーを張っている人に落とすどころかおもいっきり叩かれ、
そしてなぜかそのボールが返せません。
ツッツキも切れているので持ち上げるとその球を打たれます」

とあなたは書いておられます。

この文章を読んで思ったのは、
スピンピップスという表ラバーの使い方というか
表ソフトラバーを使用する戦略としての方向性がずれているというか、
その指向性がイージーだということです。

スマッシュを打って、その球を落としてくれることで
ポイントをあげることを主眼におくのは、はっきり間違っています。

これはあなたのスマッシュが表ソフトを使用することで
ナックルになったり、ボールが伸びないという点において
得点をあげていたということでしょうが、
スマッシュはほんらい、ノータッチで相手を抜いてしまうとか
あるいはそのスマッシュしたボールのスピードで圧倒して
得点するためにするものです。

スマッシュして、それを相手が落とすというのは
相手のレベルが低いか、
あるいはあなたが打つ表ソフトの打球に合わない
ということを意味しています。

スマッシュや強打というものは、
あくまでスピードやパワーがあって、
(だからこそ、そもそもスマッシュや強打という表現がされるのでしょう)
意味があるのです。
そして、その前提があって、時折放つナックル強打が生きるのです。

卓技研が推奨している「水平打法」で強打したとき、
ナックルになることを意識していなくても、
ほんの微妙なラケット角度やスイング軌道で
いわばナチュラル・ナックルになることがあります。
そのナックル性のボールによって、
相手が「落とす」ことが多いのですが、
これは水平打法がものすごく速い球だからこそ、
「落とす」のです。

打球のスピードへの対応に追われ、
ナックルボールのラケット角度やスイング軌道の
調整までできないからです。

これが「遅い強打」や「威力のないスマッシュ」で
ナックルになっていても、
レベルが上がるにつれ、
また相手が慣れるにつれ、
落としてくれることは減少するでしょう。

水平打法のオプションとして
「水平ナックル強打」という打法がありますが、
これもあくまでこの打法で打ったボールが速いことで
相手が落とす確率が増えるのです。
または、水平強打と水平ナックル強打を混ぜることで
両打法の効果が2倍以上になるのです。

もちろんプレースタイルは個人のまったくの自由ですが、
もし、回転の変化で相手を翻弄したいのなら、
表ソフトよりも粒高を選択したほうがいいのではないでしょうか。

もちろん表ソフトはナックルを出しやすいラバーですが、
回転の変化だけでゲームに勝とうというのは
相手のレベルが低いか、
レベルの高い相手に勝とうとするなら、
相当な練習量を積まなければならないでしょう。

当方がいわんとしていることをご理解いただけましたでしょうか。

また、相手のツッツキが切れているので、
それを持ち上げて打つと、その球を打たれる
と書いておられますが、
せっかく表ソフトを使っているなら、
「持ち上げないで」

① ラケット角度の調整
② スイング軌道の調整
③ スイング速度の調整
④ ボール打球面の側面をねらう
⑤ 打球ポイントの工夫(ライジング、頂点、ネットや台より低いポイント)

等を考慮して、「強打」してみてください。

それでも強打出来ない場合は
回転にたよらない「ドライブ」をしてもいいでしょう。

トップスピンをかけることで
切れているボールに対応し、
またトップスピンを利用したスピードを生かした
相手に攻め込まれない「つなぎ」とするのです。
いま中国の男子監督である劉国梁はこの
表ソフトのドライブが得意でした。

表ソフトのタイプというかグッズを変更されるのは
それはもうご本人のまったく自由ですから、
どんどん試されればいいと思います。

しかし、その前に、まずは以上の点を踏まえることを
願わずにはいられません。

それからこれは個人的な趣向ですが、
スピンピップスは表ソフトのなかで
ナックルはかかりやすいし、
スピン(ドライブやサービス)も表にしてはかかる、
そしてスピードもそこそこ出る
なかなかいいラバーだと思います。

卓技研・秋場


266.裏面打法で水平打法は可能でしょうか……

秋場様、はじめまして。ひのと申します。
卓球技術研究所は普段より拝見、参考にさせていただいております。

私の戦型は右中ペン両面表で、
二ヶ月ほど前から裏面打方に取り組んでいます。
最近になり、繋ぎの技術が安定してきたので
強打の練習を始めました。

しかし裏面打法では
ただ速く大きく振っただけでは
安定感に欠けてしまいます。

そこで考えたのが、
裏面打法において秋場様が提唱する
水平打方は可能かという事です。

身体の使い方や手首の角度等の違いがあるので
全く同じようには出来ないと思いますが、
球の側面とりやすさ等利点もあります。

水平打法という少ない力で
大きな威力を出すこの効率的な技術を
裏面打法でも会得できれば武器になると思うのですが、
秋場様はどうお考えになりますか?
ご意見を聞かせて頂けたら幸いです。
長文失礼しました。

裏面での水平打法は可能か、
というご質問ですが、
結論は「イエス」です。
もう、まったく問題なく可能です。

裏面での水平打法を述べるまえに
まず確認しておきたいのは
水平打法はフォアハンドだけではなく
バックハンドも適用できるということです。

シェークハンドなら前陣や中陣でのハーフボレーやロング打法に、
ペンホルダーでも前陣や中陣でのロング打法系のバックハンドや
腕を小さく折りたたんで肘をスイングの軸にした
前腕だけでスイングする「ミニバックハンド」でも
水平打法は可能です。

さて、裏面での水平打法ですが、
ペンの裏面打法(とくに前陣)は
基本的にシェークのバックハンド・ハーフボレーと
同じスイング軌道なので、
問題なく水平打法が可能ということにもなります。

ただ裏面の水平打法の難点は
シェークのバックハンドと違って、
ペン(グリップ)ですからスイングのとき
安定感に欠けるきらいがあります。

実際にシェークとペンで交互に試してみるとわかりますが、
シェークの場合はグリップでの親指の支えで安定しますが、
ペンでの裏面を使う場合、親指と人差し指ではさんで持つこと、
さらに手首と前腕をぐりっと内へまわしてスイングするので
どうも不安定な感じがします。

そこで、裏面で水平打法をするときは

① 全体的にスイングをコンパクトにする
② そのために、肘はあまり身体の外側に張り出さないで
③ インパクトのポイントも身体の真ん中あたりにして
④ フォロースルーも小さくする

ようにします。
そうすることで、水平打法は比較的安定するでしょう。

裏面の水平打法は
かなり破壊力がでますので、
ぜひマスターしてください。
卓技研・秋場

265.安定性の面で水平打法に疑問を感じております……

的井と申します。
かなり昔に質問させて頂いたことがあります。
ご無沙汰してますがいつも卓球技術研究所を追いかけてます。

「スポーツのピークエクスペリエンス」は
興味深く読ませて頂きました。
私も野球で小学校時代に、
また卓球では高校時代に一瞬ですが
似たような体験をしたことがあり、
とても興味深く拝見しました。
たまには無敵になれる?感覚も気持ちのよいものです。

本日「244.重いスマッシュ・ナックルスマッシュを打つには……」
を読みました。
ずっと水平打法に共感していたのですが、
この頃その限界というか、ボールの安定性の面で、
台に対して垂直にフラットに打ち抜く事に
やや疑問を感じ始めています。

オーバーミスが多いのです。
ボールを確実に相手コートに入れるには
スマッシュと言えども前進回転が重要なのではと思っています。

正確に言うと
(と言っても感覚的な印象で確証はありませんが)
ボールを当てる瞬間は台に対して垂直でもいいのですが、
ラケットを振り上げる、
というかボールを上に向かって「弾く」感じにすると、
順回転が掛かってオーバーミスが激減することを体感しています。
ラケットの軌跡は通常の上からかぶせるような円弧の逆軌跡です。
ボールを当てる位置はラケットの下部で弾き上げる感覚です。

右利きの場合、
ボールの左側を叩いてシュート気味のボールで
軌道を安定させるということは聞いた事がありますが、
それの縦回転系です。

バックハンドでドライブ系のロングサービスを放つ感覚と似ています。
現在はフォアで練習中です。
短い下回転系サービスの台上レシーブにも応用できます。
スピードも一般的なドライブよりも上がるし、
特に台上の処理には適している気がします。
もしかしたら、
これがいわゆる
ミート打ち?フリック?8の字打法なのでしょうか。

質問のレベルが違ってたらごめんなさい。
秋場様の見解をお聞かせ頂ければありがたいです。
今後の水平打法の解説楽しみにしてます。
何卒よろしくお願いいたします。
的井


今回のご質問は
「水平打法」の課題とその発展に向けた貴重なものです。
まず、個々のご質問にたいして、お答えします。

その1つが「オーバーミスが多い」との点です。
それは「ボールの安定性の面で、
台に対して垂直にフラットに打ち抜く事に
やや疑問を感じ始めて」という前段があります。

これは当方があなたの水平打法のスイングを
実際に眼にしていないので正確なことはいえないのですが、
おそらく「ラケットが下から出ている」と思われます。

水平スイングを忠実にすればするほど、
オーバーミスは減少します。
なぜならまさに「水平にスイング」するからです。

水平打法というのは、
ボールを山なりにしてネットを越える打球を打つのではなく、
可能なかぎりまっすぐ飛ばす打法です。

だからそれを受けた相手はスピード感を感じるのです。
山なりではなく、まっすぐに最短距離に飛ぶことで
打球の時間的速度としてのスピードにプラス、
最短距離という距離的速度としてのスピード(感)があるからです。

水平打法の打球の特徴は、
ネットインが多くなるという点です。

このことはたぶんはじめて書くことですが、
他の打法にくらべて、
桁違いにネットインが多くなります。

それは低いロングボールでも、
通常ロングボールは相手コートにバウンドしたその頂点は
ネットより高い位置にあり、
感覚としてはこれを強打するのはちょっと無理なほど低いボールでも
水平打法なら強打出来てしまえるからです。

しかし、そうはいっても有効打となるための高低のスペースは
ネットの頂点と相手コートエンドラインを結ぶわずかな間隔しかなく、
それはネットの頂点ぎりぎりにボールを通過することになり、
必然的ネットにボールの底部がこすることが多くなります。
はい、ネットインです。

ちょっと話が長くなりましたが、
あなたの水平打法はまだラケットが下から出ていて、
そのためにオーバーミスにつながっているように思えます。

ですから
飛んできたロングボールの高さと同じ位置にバックスイングをとり
その位置から水平にスイングしてみてください。
もちろんラケット角度は台たいして垂直です。

またバックスイングはできるだけコンパクトにして
身体の真横かそれよりも前においてください。

そしてネットミスをおそれないで
フォアロングをクロスに打つなら、
右利きであればボールの右斜め横を確実に水平に打球してください。

慣れないうちは、どうしてもいままでのフォームのクセ、
あるいはネットという障害物を怖がる心理から
どうしも上の方向にスイングしてしまうものですが、
もうネットに当てるぐらい気持ちで
スイング軌道を水平にするのです。

つぎに、「ボールを確実に相手コートに入れるには
スマッシュと言えども前進回転が重要なのではと思っています」
とありますが、
「確実」というか「安全」に入れようとすれば
「必然として前進回転をかけるスイング」になります。

現在の主に日本のロング打法の標準打法というのは
前進回転をかけて打つものです。
いちばんよくみるトッププレーヤーの例をあげるのなら
福原愛でしょう。
愛ちゃんのフォアロングはハーフボレーで、
ラケットをかぶせ、前進回転をかけて打っています。
強打やスマッシュも前進回転をかけて打つことがほとんどです。

ではなぜ、
「必然的に前進回転をかけるスイング」が安全な打法かといえば、
それはラケットをかぶせるからです。

かぶせるということは、ボールを「持てる」からです。
インパクトしてラケットにボールがあたり、
そこからボールが反発して飛び出していくまでの時間を
持つことができるのです。

これはもちろん、100分の1秒以下の「時間」かもしれませんが、
この「持てる」という時間によって
相手コートに確実に入れるための
ラケット操作に用いる時間が増えるのです。

そして、ラケットをかぶせれば、ボールは下の方向に飛びますが、
それを防止するにはラケットスイングの軌道を上の方角にすることで
保障しなくてはなりません。

はいそこで、ラケットはかぶせ、スイング軌道は上ということで
ボールとラバーには摩擦が生じて
そこに前進回転(トップスピンとかドライブとよんでもいいでしょう)
が必然的に派生することになるわけです。

別の視点から述べれば、前進回転を指向することで、
ボールは山なりになってネットを飛び越え、
それは必然的に相手コートに安全に入りやすい打球となります。

しかも前進回転によって、
相手コートで伸びるバウンドとなることが多く
安全でありながらも攻撃的な打球となるのです。

ここ数十年、ドライブ全盛時代がつづいていますが、
その理由はここにあります。
安全でありながら、攻撃できる。
あるいは守備と攻撃を兼ね備えている。
またネットの頂点より低いボールも攻撃できる。
といった点により、
このドライブ打法が千年王国の地位に君臨しているのです。

ただし、です。
自分の打球に時間を「持てる」ということは
対戦相手にもその時間を「与える」ことにつながります。
また大なり小なり、ドライブは山なりに飛び安全に寄与しますが、
この飛翔の軌跡は相手にとっては距離的時間を与えることになります。

というわけで「ドライブ千年王国」にも
翳りが見えてきています。
いまその大きな転換期ではないでしょうか。
日本男子なら、水谷対吉田にみる、
プレースタイルの構図です。
近代卓球と現代卓球の典型ではないでしょうか。
世界屈指のパワードライブの吉田と
カーブ、シュート、フェイント、ナックルドライブを自在に操る水谷。
やはり優位なのは後者ではないでしょうか。
卓技研ではここに「水平打法」を組み込むことにより
水平打法の有効性のみならず、
ドライブ打法にも有効性も失われることがなくなり、
二乗を超える有機的な効果が発揮できると考えています。


そして「もしかしたら、
これがいわゆるミート打ち? フリック? 8の字打法なのでしょうか」
いわれる打法を紹介されています。

う~ん?ちょっとわかりづらいのですが、
まあ文章から察すると8の字打法に似ているような気がします。

このような打法をあまり検証しているわけではなく、
なんとも申し上げられないのですが、
ムチのようにしなるように打つのであれば、
たしかに打球の威力は出るでしょう。

また「弾く」ように打ちながらも、
「ボールを当てる位置はラケットの下部で弾き上げる感覚です。
右利きの場合、ボールの左側を叩いてシュート気味のボールで
軌道を安定させる」とありますが、
これもボールを「持つ」時間を得ることになり、
それが安定を生むのではないでしょうか?

逆に当方から質問させていただきたいのですが、
こういう打法の場合、
「打ったあとの戻り」はどうでしょうか?
つぎの動作に入るのに時間はかかりませんか?
ご教示頂ければ幸甚です。

卓技研・秋場

264.いつも練習している相手なので、自分のリズムが相手に合ってしまい簡単にブロックされます……

こんにちは ハンドルネーム  まざあぐうすです。
戦型はペン両面裏ソフト・裏面も使います。
毎週、練習している相手に負けてしまいました。
お互いが分かりすぎていることもありますが、
私のボールのリズムが相手にあってしまって、
打ったボールがほとんど、相手にうまくブロックされてしまいました。
自分では上手く打てたと思っても、
早いボールのりズムが相手にドンピシャにあってしまいました。
こういう場合はリズムを変えたほうがいいのでしょうか?

相手のサーブはほどんど、ロングの横系サーブなので
それを待たれてカウンターで打たれました。
どうしたら相手を崩すことができるのか教えていただきたいと思います。
また、リズムを変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
ご意見いただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。


いつも同じ練習相手と試合をすることは
メリットとデメリットがあります。
まずデメリットはお互いに相手のプレースタイルやクセ、
長所短所を知りつくしているので
惰性的にリターンしてしまい、
応用的な技術の進展がおろそかになってしまうことです。

大会ではご存知のように、
それはもうたとえ同じプレースタイルといっても
人それぞれサービスやスイングフォーム、
リターンされたボールの曲がり具合や
球質の軽さ重さなど千差万別ですから、
同じ練習相手とばかり試合をしていると
どうしても井の中の蛙的な傾向に陥りやすいものです。

逆にメリットはあなたのご質問にもあるように
相手が自分のことをよく知っているので、
あなたの打つボールを打つタイミングやリズムなども
相手が身体で覚えていて、
少々の強打や強ドライブ、あるいはコースを鋭く突いたとしても
平気でリターンしてくることです。

これは、まあその相手との勝負だけに限れば、
負けたときは悔しいかもしれませんが、
自分の技量を見直したり、高めたりするには
格好の相手となるのです。

つまり、それほど高いクラスの相手でなくても、
いつも試合をしているということで、
あなたにたいしては相対的に高いクラスの対戦相手
となっていると考えることができます。
ですから、そんないつもの練習相手に
うまくブロックされてしまうというのは、
かなり高いクラスの相手と試合をしているわけです。

ここに(つまりそのいつもの練習相手は)
あなたが超えなければならない「壁」となったわけです。
スポーツに励んでいると、絶えず「壁」にぶつかるものです。
この「壁」はそのプレーヤーが進化しているからこそ
待ちうける必然的に発生する「壁」なのです。
そしてその「壁」はそのプレーヤーに、
ある具体的な問題点を見直し、修正し、高めることを要求します。
つまり「壁」はそのプレーヤーにとって最高の「師」なのです。
そして、その「壁」となってくれた練習相手もあなたの「師」です。

さて、「自分のリズムが相手に合って、どんぴしゃに返されてしまう」
ということですが、
その対策としてはリズムのタイミングを変える前に、

① 打球スピードを速くする。ドライブなら回転を多くする。

② 強打や強ドライブならサイドを切るとかフォアミドルを突く
といった厳しいコースに打つ。

ということが前提となります。

なぜなら、いくらリズムを変えようとも、
基本となるボールの速さや回転、コース取りに問題があれば
あまり効果が望めないからです。

野球の投手でいえば、
やはり速い直球があって、変化球が生きる、
あるいは巧みな変化球があって、直球が効果を発揮するわけです。

ではリズムの変化の付け方ですが、

③ まず打球点の変化です。
効果的なのは、時折いつもの打球点よりも高いポイントで打つことです。
いつも頂点から落ちてきたポイントで打球していたら頂点を狙うとか、
いつも頂点ならライジングで打ってみるとかです。

④ いつもドライブするボールを時折、強打するととても効果的です。
 ドライブボールを待つのと強打ではかなりタイミングがちがうからです。

⑤ ドライブなら掛けるトップスピンの回転量に変化をつけることです。
いつも目一杯かけるのではなく、時折「回転を掛けない」ドライブを
ドライブのスイングで打ってみることです。
水谷隼がときどき「ナックルドライブ」で得点しますが、これができればいうことはありません。

⑥ あなたがどのようなロング打法を採用されているかわかりませんが、
できれば一般的なトップスピン系のロング打法に
卓技研が薦める「水平打法」をプラスされることです。
水平打法は究極の速球打法であり、すこし慣れれば「ナックル強打」や
サイドを切ることも容易にできる打法ですから、
この打法を時折混ぜることでその得点効果は飛躍的に高まるでしょう。

⑦ あとはフェイントです。通常、たとえば右利きなら
打球する前に左肩をぐっと内側に入れると、
対戦相手はクロスに反応するものですから
ストレートへのリターンがフェイント効果をもたらせます。
また、台上のボールをフリックするときは、
ツッツキのようにラケットを開いておき、
インパクトの瞬間に返して打つとこれもフェイント効果となり
相手のタイミングを外すことができます。

卓技研・秋場


263.先日の大会の初戦で格下の相手に負けました。試合運びと精神面についてお願いします……

初めてメールさせて頂きます、TZです。
日頃から卓球研様で勉強させていただいています。
技術的な面だけでなく精神的な面についても
参考になるものが多く大変助かっています。
さて、自分は今高校1年生です。
つい先日大会に出たのですが
初戦突破ならず・・・
格下の相手に負けるというかなり
精神的なダメージが大きい結果でした。
校内での順位ではトップ付近にいます。
ですがこのように校外、特に大会の場面
となると勝つことができないのです。
技術的なものは自分では
そこまで悪くはないと自負しています。
やはり、問題は精神面、試合運びが下手
というところに絞られてくるのではないかと考えました。
今回の大会で技術的な面で悪かったのは
レシーブ、ドライブの確率が6割くらいで大事な場面で入らない
というところだったと思います。見ていた友達も
レシーブがまずだめだといわれました。
相手が左利き(シェーク裏裏)で自分は左に
対しての苦手意識というのも少しはあったかもしれないです
試合も最初はサーブミスから始まり
レシーブミスにつながりで
流れをつかむことができなかったと思います
先生にも負けた相手と1,2週間打ってみれば
なんだ全然強くないじゃんってなるぞと言われました。
こういう場合どうしたらいいのでしょうか
プレーは松平健太選手を目標にしています。
試合に慣れるには大会や練習試合を
こなす以外ないのでしょうか
気持ちの持ち方、試合の運び方
負けた後の気持ちのあり方
対左利きの試合について
など教えていただけたらうれしいです。
長文になってしまいましたがどうかお願いします。


校内では上位で、対外的な実力もそこそこあるけど、
校外や大会の試合になると勝てない――。
そういう人は、あなた以外にも多くいると思います。

まず、初戦で負けたそうですが、初戦というのはかなり力量のある強者、
たとえばシード選手であっても、かなり緊張するものです。
はいビビります。
そんな選手でも、自分の「本来の実力」の6割程度しか、
大会の初戦では実力が発揮できないものです。
しかし、シード選手はほとんど初戦を勝つものです。
それは6割程度の実力しか発揮できなくても、
その6割の力でも相手を打ち負かす実力があったということです。

いくらメンタルが弱くても、大会で実力が発揮できなくても、
ふだんの6割の力で勝てるぐらいの実力があればいいということです。
自分の技術的な実力によってメンタルの脆弱さをカバーしているということです。

ここでなにを言いたいのかといえば、もうお分かりでしょうが、
メンタルが弱かろうが(実はほとんどの選手はメンタルが弱い!)
試合でビビろうが、少々メンタル面で劣勢にたっても大丈夫なテクニカルな
実力をつければいいのです。
事実、シード選手はそうやって、初戦を突破しています。

つぎに、「格下の相手に負ける」うんぬんとありますが、
試合に臨むにあたって、「格下」だとか、あるいは「格上」だとか
のイメージをいだくことが、そもそもまちがっています。

もちろん、人間ですから、対戦相手を見たとき、
すぐに校名とか名前(過去の実績)とか学年によって、
だいたいの力量は推察してしまうものです。
その第一印象をいだくことは人間だから、致し方のないことです。
しかし、そのままの印象をもって試合に臨むことは厳に慎まなければなりません。

なぜなら、たとえば「格下」だという印象をもって対戦した相手が予想より意外と強く、
たとえばサービスの変化が分かりづらい、
相手のスイングフォームにクセがあって、どこに打ってくるのか検討がつきにくい……等々で
手こずっているあいだにどんどんポイントをとられて敗戦となるのです。
これは最初の印象のまま試合に入ることで、
簡単に勝てると踏んでいた相手に苦戦することで焦りが生じて
墓穴を掘るのです。

あるいは「格上」だという印象のまま試合に臨んでしまうと、
最初から相手は強いんだというイメージが頭にあるので、
たたかう前からもう気持ちで負けてしまうのです。
とくに強豪校との対戦ではその選手の個人名ではなく、
学校名に威圧されてしまうのです。
まあ、たしかに強豪校の選手は相対的に強いものですが、
しかしあくまで選手は個人であり、一人のプレーヤーにすぎないのです。
本当は大した実力のない強豪校の選手もいるのです。

以上のように試合に臨むにあたって、
「格下」「格上」などという印象をもったとしても、
そのようなイメージを外しましょう。
へたにレッテルをつけないことです。

もし対戦相手の情報があれば、
その技術的な特徴をピックアップして、
それを分析することに注力するのです。
弱い、強いなどのイメージを払しょくして、
レッテルに惑わされないで、
純粋に相手の技術的な特徴だけにフォーカスすることです。
そうするだけで、メンタル面で相対的に優位に立つことができます。

「格下」だと思っていたら意外と強くて焦る。
この焦りはビビることにつながります。
また自分より「格上」だと思って試合に臨むと
まず勝てません。

そんなことは最初に思っても、
すぐに忘れて、

① 絶対に勝つと誓う
② 大会では緊張して当たり前だと思う
③ 試合がスタートすれば「勝ちたい」という結果ではなく、
プレーそのものに集中する
④ 「明鏡止水」の静かな気持ちでボールを「眼球」で観察するようにとらえる
⑤ 手からではなく、まず足で動いて打つようにする
⑥ 相手のプレーはもちろん、自分のプレーを冷静に客観的に
俯瞰するように分析する

以上、この①から⑥までを実行できれば、
世界トップクラスのメンタルをもつことになります。
これは大風呂敷でもはったりでもありません。ほんとうです。

またあなたは試合で、サービスミスから始まったとありますが、
これはなぜだかわかりますか?
いつも出していて、ミスなんかめったにしないのにミスしてしまった
のには、はっきり原因があります。

実際にあなたのそのミスの現場を見ていないので正確なことはいえませんが、
ほぼ100%ミスの原因がわかります。
それはふだんの練習試合のときよりも
ボールを投げ上げて、ラケットにあたるまでの時間が短かったためです。
はい、早打ちです。

大会ではどうしても「早打ち」になりがちです。
とくにサービスはそうです。
その対策として、ふだんからサービスのときは、
ボールを投げ上げて打つまで、
1、2、3と数えて打球するように練習するのです。
そして試合でも、サービスに入る前に深呼吸をして、
ゆっくりとサービスボールを1で投げ上げ、
ボールの頂点で2と数え、
落ちてきて打つときに3とかぞえるのです。
このように訓練と習慣づけをしておくと
大会での思わぬサービスミスを防ぐことができます。

ちなみに、試合でどんな打球をする場合でも、
ネットに多くかかるときは「早打ち」しています。
これは打ち気に逸り過ぎているときです。

またオーバーミスが多い時は
相手コートに丁寧に入れようとし過ぎているときや緊張しているときで、
ラケットがふだんより下から出ているものです。

ネットミスが多いのかあるいはオーバーミスが多いのかによって、
自分のスイングの偏りを試合中に短時間で修整することができます。

左利き対策ですが、まあこれは慣れるのがいちばんです。
一般的に、左利きの選手はふだんは右利きと多く練習をしており、
また右利きの選手は左利きの選手とはあまり練習をしていません。
ですから左利きのほうが、相対的に有利ではあります。

では右利きの左対策としては(左利きの右対策として読むことも可能です)……

① まず、相手のバック対自分のバックの対戦が多くなりがちなので、
ひごろの練習からストレートコースへ打てるようにバックハンド系技術の練習をしておくこと。
② コース戦術として、左利きのフォア前とバックサイド深くつく
③ あるいはバック前とフォアサイドを深くつく
 このどちらかのコース取りを試してみる。
 すると左利きの相手が、どちらのコースが苦手なのかはっきりとわかるケースが多いものです。

またレシーブミスが多かったようですが、
レシーブというのは卓球でもっともむずかしいパートです。
とくに初めて対戦する相手のサービスは読みにくいものです。
どうしても相手のサービスに翻弄されているときは、
上記の

④ 「明鏡止水」の静かな気持ちでボールを「眼球」で観察するようにとらえる
⑤ 手からではなく、まず足で動いて打つようにする

をとくに意識して心掛けるようにしてみましょう。

とくにスピン系のサービスにたいしては、中途半端なラケット角度ではなく、
読み間違えてミスしてもいいという気持ちで、
はっきりと角度を出して、
いつもより長めにフォロースルーをとるようにします。

さらにドライブミスも多かったということですが、
これはいつもより手打ちになっていたはずですから、

⑥ 手からではなく、まず足で動いて打つようにする

を意識して、
下半身のリードで腕のドライブスイングにつなげるようにふだんの練習からおこない、
試合ではさらにこの意識をもつようにこころがけます。

また、卓技研ウエブサイトに連載中の
卓球小説『月とうさぎと虹のスマッシュ』の「思春の手口5」(最新回)で、
ちょうどアラシが試合中のメンタルについて語っていますから、
ぜひ参考にしてください。

最後に松平健太選手が目標にされているということですが、
これはとてもいいことです。

脳のミラーニューロンでは、
対象とする動きを鏡のように映して、その働きをコピーして
同じように動けるはたらきをつかさどります。

ですから松平のプレーしている写真や動画を何度も観ているうちに
その動きの感覚がまるで松平本人のような身体感覚として
身に着くようになります。

すべての習い事はここから始まるのです。
日本には「守破離」という言葉があります。
その「守」こそミラーニューロンのはたらきです。
ぜひ、「守破離」をご自分で調べて
その奥深い言葉の意味を自分のものにしてください。

卓技研・秋場



262.右横回転サービスがまったくできません……

卓球初心者です。御願いします。
今、卓球で右横回転サーブを練習しているのですが全くできません。
力が足りずネットに引っ掛かる(ネットまでとどかない)
まず、ラケットの動かし方が違うのかもしれません。
シェイクです。御願いします。


右横回転サービスというのは時計回りということでいいのですね。
このサービスをすぐに出すことができる人とそうでない人がいます。
いくら実際に目の前で実技しても、
なかなかコツをつかめない人がいます。

現代の中学生だと、すぐにできない人が多いようです。
これは憶測ですが、むかしの中高生は、
この右横サービスはすぐにできた人のほうが多かったように思います。

実際に最近の中学生にやらせてみると、
なかなかコツをつかみきれないというか、
かなり不器用な印象を受けます。

見本を見せているのに
それを真似することができないのです。

フェイントとか回転量とかを考えなければ、
このサービスはそんなにむずかしいものではありません。

なぜ最近の中学生はできないのかと考えたとき、
育ってきた環境というか、
手をつかった遊びをあまりやってこなかったのではないかと
推測しました。

まあ、そんなことを言いすぎてきもラチがあかないので、
このサービスのポイントを整理してみましょう。

① まずグリップはシェークなら、
 親指と人差し指でラケットを2本の指ではさむように持つ。
 こうすることで手首が効くようになる。
② 手首を柔軟に動かせるように左右に振ってみる。
③ そして右利きなら、右から左に手首を鋭く回転させるように振る。

文字で解説すればこれだけのことです。

実際のところ、
動画や連続写真で観ないとなかなか理解できないでしょうね。

あなたの場合、
ボールがネットにかかって届かないということですが、
これは薄く切り過ぎているからでしょう。

もっと厚くボールにあてるようにすれば、
ボールは飛びます。

あるいはインパクトの瞬間にボールに回転をかけるときの
ボールをラケットで切るときの回転量が足りなくても
ボールは飛ばないですから、
インパクトの瞬間に十分、
ラケットスイングの動きを鋭く速くする必要性があります。

そのためには、

④ 下半身のパワーをラケットに伝えるようにする。
⑤ それには右利きなら右から左へ体重移動する。
⑥ もしくはインパクトの瞬間に右太腿に体重をのせる
⑦ 下半身の動きと連動しながら、手首を力を抜き、
 インパクトの瞬間にぐっと力をいれる。
⑧ そのとき、自分の腹から右脇と右胸のあたりの方へ
 ラケットヘッドを下にして、
 インパクトの瞬間にラケットヘッドを跳ね上げるようにする。

以上をおこなうことで、十分な回転量が得られます。
また、フェイントでレシーバーの眼を撹乱するためには、

⑨ インパクトのあと、すぐにラケットを逆に返すようにする。

そして、真横だけではなく、できれば右下回転と右上回転を
同じフォームで出せるようにしたほうがいいでしょう。
それには

⑩ 右下ならボールの斜め下を切り
⑪ 右上ならボールの斜め上を切る

のですが、
このサービスを出す時のラケットが動くひとつの同じ軌道上に
⑩ と⑪があるようにします。

つまり、まずラケットを振り下げるときに
⑪ のインパクト・ポイントがあり、
ラケットを振り上げるときに
⑫ のインパクト・ポイントがくるようにするのです。

サービスの練習はひとりでこつこつとやることが大切です。
とうぜん打球は返ってこないし、
単独の練習ですからまあ孤独な時間を過ごすことになります。

しかし、ひとりでもくもくと
コース、回転、スピード、フェイントなどを妥協しないで、
自分で目標を設定して毎日練習を積み重ねてゆくことです。

試合でもっとも有効なパートははっきりいって、
「サービス力」です。

これは断言します。

試合に勝とう、強い相手に勝とうと思ったら、
1年2年と練習で磨きあげた
「本物のサービス」をもつことです。

そして、常に新しいサービスの開発も怠らないことです。

サービスの優劣が、
試合の優劣を決することを肝に銘じるといいでしょう。

卓技研・秋場

261.柳承敏選手は3歩動ではなく2歩動のようですが、柳選手のようなフットワークをマスターするコツと練習法を……

こんにちは。 
ハンドルネーム ペンドラーです。

以前、対ドライブへの対応としてラケットを高く引き、
水平打法で打ち返すアドバイスを頂きました。

自分なりに工夫し、
ドライブと織り交ぜてタイミングをずらしたり、
攻撃の幅が出来たように思います。

ただ、当然ですが、
十分な体勢で打てる時と
体がボールを追ってしまって体勢が崩れたときとの打球に極端な差があり、
原因を考えると、フットワークに問題があると思いました。

日ペンドライブ型なので、
フットワークは最重要技術だと思います。
38才という年齢もありますが、
かなり横着していることに気づきました。

学生の頃は毎日基本の練習ばかりやってましたので、
フットワークもかなりリズム良く出来ていたような記憶がありますが、
いつの間にか、
打球とのタイミングも体重移動もばらばらになってしまった気がして、
今一しっくりきません。

そこで、柳承敏選手の動画をみて、研究しているのですが、
昔教わった3歩動とは少し違うように思いました。
3歩動は動く方の足を半歩動く方に動かしてから
残り2歩を反復横とびの要領で動かしていた記憶がありましたが、
柳承敏選手のフットワークは、
ほとんど2歩で長い距離を移動しているようでした。

恐らくスイングの重心移動のなかで、
最初の半歩に変わるタイミングの取り方があるのかと思いますが、
どうしてもスムーズに足が動きません。

どんな技術も生かすのはフットワークがとても重要だと思い、
どうにか柳承敏選手のようなフットワークをマスターしたいと思っています。
何かコツや良い練習のポイントなどアドバイスをいただければと思います。

フットワーク、とくに柳承敏のようなフットワークのコツをマスターしたいということですが、
まず「3歩動」からみてゆくことにしましょう。

いま3歩動のフットワークといっても
知らないというプレーヤーは多いと思います。
事実、数年前に中学生に3歩動について訊いたところ、
誰ひとりそのフットワークの方法はもちろん名称すら知りませんでした。

3歩動とはフットワークのときに、
動く方向に近い足から横に踏み出し(1歩)、
それをステップとして次に遠いほうの足(2歩)、
そしてまた近いほうの足(3歩)というように動かすものです。

かつて、フットワークといえばこの3歩動が日本卓球の基本でした。
「かつて」というとどれだけかつてかというと、
もうおそらく30年以上前のことです。
いやその全盛時は40年以上前です。

この3歩動は台から下がって
後陣でフォアハンド(ロングやドライブ)を主体に
大きく動いてプレーするのに適したフットワークでした。

3歩動はたしかに大きく横に移動するにはいいのですが、
前陣や中陣、あるいは速球や速いタイミングでプレーする
現代卓球には向いていないフットワークです。
1歩→2歩→3歩で打っていてはとうてい間に合わないのです。
そう、3歩動はまあ懐かしき「日本式近代卓球」の申し子のような
悠長なフットワークなのです。
したがってとうぜんそれはしぜんに廃れてしまい、
いまでは過去の遺物としての名を残すのみです。

さらに現代では2歩動ばかりか、1歩動が多くなり、
しかもその1歩目の足が床に着くのと同時に打つ
「ナンバ打法」(『卓球パーフェクトマスター』参照)を
採用するプレーヤーも増えています。

現在ではフットワークを駆使して
フォアハンドほぼ一本で動きまわるペンホルダー・プレーヤーは
韓国の柳承敏と日本の吉田海偉ぐらいでしょう。
いわゆるペンドラのトッププレーヤーでは、
このふたりしか思い浮かびません。

さて、柳承敏のようなフットワークをマスターしたいとありますが、
これはもうフィジカルを練磨することがかなり大きな要素となります。
とくに下半身のバネというか、
太腿の跳躍力を鍛えることが不可欠です。

その練習方法とは
まず実践に適応した……
① ボールを使わないシャドートレーニングで
 2歩動フットワーク(ドライブやロングスイングをしながら反復横とび)を
 たとえば10往復1セットをセット間の休憩10秒はさんで3セットおこないま  
 す。

② ①と同じ要領で多球練習で
 30~50往復を1セットで1分の休憩をはさんで3セットおこないます。

③ バックサイドに構えて、
 フォアに深いボールをノックしてもらって強打やドライブする
 いわゆる「飛びつき」を①と②の要領でおこないます。

④ ショートしてからバックサイドにフォアハンドでの回り込みを
 ①と②の要領でおこないます。

以上がまあ基本のフットワーク練習で、
これはフットワークのテクニックとフィジカルの強化を兼用したものです。

あとは応用編として、

⑤ ランダムにノックしてそれをできるだけフォアハンドで打つのや、
 いくら全部フォアハンドでまわるといっても無理があるので、
 フォアハンドとバックハンドショートも合わせた、
 いわゆる「ファルケンベルク・フットワーク」も有用です。

⑥ また⑤の応用として、
 バックサイド(バックハンドショートかハーフボレー)2本→フォアサイド1 
 本を繰り返す

⑦ ⑥の応用編で、
 バックサイド(バックハンドショートかハーフボレー)1本→バックサイドに  
 フォアハンドで回り込んで1本→フォアサイド1本

またフィジカルトレーニングとしては

⑧ スクワット
⑨ 5~10メートルダッシュ
⑩ ランニング
⑪ 腹筋

以上の基礎的なトレーニングは課したほうがいいでしょう。

またフットワークをよくするテクニックとしては、
スイングしたあとのフィニッシュからの戻りを早くすることです。
打ったら終わりではなく、
すぐにつぎの動作に入ることを意識付けすることが
フットワークをよくするコツです。

それと極めつけは、
打球するインパクトの瞬間はボールではなく、相手を見ることです。
これができれば、確実につぎの動作への始動が格段にアップします。

あと年齢的なことですが、
35歳過ぎ、とくに38歳をすぎると、
体と脳の反応に「誤差」が生じるようになる人が多いようです。
頭ではここで動けと命じているのに、
からだは動かないというように……。
プロ野球選手やその他のスポーツ選手でも、
だいたいこの年齢になるとピークを過ぎることが多く、
以上のようなからだの反応を感じて引退を選択する選手も多いものです。
そのあたりの年齢を考慮して、
フットワークの練習やあるいはプレースタイルの見直しや
バックハンドの強化をはかってみてはいかがでしょうか。

卓技研・秋場

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