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今回の「技術論」も、前回に引き続き当サイトに寄せられた質問メールにお答えするという形で展開してみました。
(一部「Q&A」の内容を加筆、訂正しています)


バックサイドからクロスへのフォアハンド……

私は高校まで卓球をしていて、30を超えてからまた卓球を始めた者です。現在34になりますが40ミリボールにも慣れ、現在は仕事の関係でアメリカにおりますが、現地の方と楽しく卓球をさせていただいております。
 最近になって、学生時代はあまり感じなかったのですが、フォア側からストレート、クロスにフォアハンドを打つのは問題ないのですが、バック側からストレートには普通に打てますが、クロスに打つ際に体に違和感を感じます。ボールとの距離が合っていないのかラリーを続けている際、特に感じます。足の置き方、打球点の位置が間違っている気がしています。本を読ませていただいたのですが、フォアから打つ際の写真はあるのですが、バック側からはありませんでした。ゲームの際もバックからフォアハンドでストレートにはいいボールがドライブもスマッシュもいくのですが、さすがにだんだん読まれてくるのでクロスに無理に打とうとすると棒玉で、ハーフボレー、プッシュと相手のやりたい放題です。まずは基本のバックからのフォアハンドクロスを一から修正したいと思っています。
 足の置く位置、打球点、あと台との距離について解説の方いただけないでしょうか。私の戦型はペン裏ソフトで前陣ドライブ型です。。

A バックサイドからクロスへのフォアハンドですが、その問題点はすでにあなたご自身が分かっておられるように思います。述べられているとおり、「足の置き方」つまりスタンスに問題があるからです。
 バックサイドのクロスに打つフォアハンドの基本的なスタンスを示します。相手のバックサイドと自陣のバックサイドを直線を引くようにイメージします。それを自陣から延長して、その延長した直線と左右の足が平行になるようにスタンスします。これが基本のスタンスです。
 おそらく、あなたはいままで(右利きの場合)、この延長した直線よりも右足が右に出ていたはずです。もっと、右足を引くわけです。表現を変えれば、もっと大きくバックサイドに回り込めばいいのです。
 学生時代にはあまり感じなかったと述べられていますが、いまはバッククロスに打つのが容易ではないわけですね。この述べられた意味するところはよく分かります。なぜなら、小生も経験があるからです。やはり年齢が30を過ぎると、身体が無意識のうちに怠けようとします。自分ではバックサイドに十分回り込んでいるつもりなのに、実際には回り込んでいないのです。ストレートに打つのは容易なのは、回り込みが小さくても、つまり右足が延長した直線よりも右に出ているからです。
 バッククロスに打つには、このスタンスを確認してください。また、回り込みをよくするには、バックハンドを打って、次に大きく回り込んでフォアハンドで打つという回り込みのフットワークの練習をやるといいでしょう。
 でも、加齢というのは恐ろしいもので、40に近づくと、そのうちバックサイドに回り込むこともしなくなります。自分の意識と身体の乖離とでもいいますか。ちなみに、プロ野球の一流選手も40前後にほとんどの人が引退しますが、このことを感じるからではないでしょうか。卓球の場合は、まずバックサイドの回り込みのあまさに表れるかもしれませんね。でも、40過ぎて、ばりばりのメジャープレーヤーもいますから、がんばってください。右足がポイントです。

                            秋場龍一